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文字起こししてみたら、私は思ったより喋れてなかった

1. はじめに:「喋った文章って、書いたのと同じになるのかな?」

普段は在宅で仕事をしているのだけど、週に2度ほど出社している。車通勤で1時間半。ちょっと遠い。

そんな時、ふと閃いた。喋って文字起こししながらエッセイを書いてみたら、時間の有効活用になるんじゃないか、と。

私は喋りは上手くないけれど、頭で思い浮かぶことを文字を打つように話せば、同じ文章が出来上がるだろう。これは名案だ、と私は浮かれていた。

演説や配信なら上手く話さなくちゃいけないけど、文字起こしなら、はっきり話せばいい、感情を乗せなくてもいい、詰まって考えてもいい。

これならきっとできるぞ、と、私は書きたいけど時間が無いなと思っていたエッセイのネタを、喋りで文字にし始めた。

2. 実験①「クズの話」


先日あげた「クズの話」


これは実は、文字起こししたものだ。
語り口調だったので悪くなかったと思う。
長さも内容も、話しかけるように、深くは突っ込まず書きたかったのでちょうど良かった。
でもいつもとは、明らかに違うテイストになった。

3. 実験②「料理したくない話」


これは結構長くなった。そして……話してる時にも思っていたけど、文字起こしされたものを読んでみて改めて苦笑。
これは、ズタズタの自尊心がつらつらと話されているだけで、読んでいて辛いし、その割に文章自体は浅いし、こういう話はむしろボレクにして、解決した方がいいんじゃないかな、と思った。
お蔵入り。

4. 実験③「空の描写」


帰り道、空がとても綺麗だった。この綺麗な空を上手に描写する練習をするのも良いかもしれない、そう思って私は空の描写を試みた。



【音声文字起こし】

もうすぐ夕焼けになろうという、傾いた太陽の光が雲の切れ間から差して、その光は帯状になって、まるで大きなカーテンのように私の眼前に広がった。
その次の瞬間、黒い雲は太陽を覆い隠して、その下からのみ光の裾垂らすようにまるでレースのようだ。

美しい光景が広がると同時に雨がぽつりぽつりと降ってきた。
この湿度があるから、光がカーテンのようになっているのかもしれないなぁ……私はそんなことを思った。

光のカーテンは天使のはしごと称されることもある。確かに天界にかかる光のはしごのように、地上と雲とつないでいるように見える。

これを見る人が、これを美しいと思う心こそが美しい気がする。


……いや!!下手か!!!!笑
帰ってきてこれを読んで愕然とした。全然ダメ。やり直し!こんなんじゃ伝わらないよ……!!

私は、景色を思い出しながら、その空の様子を再描写することにした。


【書き直し版】

フロントガラスに、ぽつり、ぽつりと雨粒が降ってきた。

視界は明るいのに、天気雨か?と前方、遠くの方を見ると、雲の切れ間から、午後4時の柔らかな太陽の光が帯状にいくつも伸びていた。

光のカーテン。久しぶりに見た。いつ見ても神聖な気持ちになる。

そのカーテンの始まりの雲が、黒く、いかにも雨を蓄えた色で空に重く佇んでいた。

フロントガラスを叩くのは数粒の雨だったけれど、この湿度によって、光がカーテンのようになってるんだな、と思った。

進行方向に黒い雲はあるから、段々とカーテンが近づいてくる。光のカーテンは天使の梯子と言うこともあるけど、なるほど確かに、雲から地上に降ろされた梯子のようにも見える。

これに天使とつけた人は、私と同じように神聖な気持ちになったんだろう。そして、これを美しいと思う人がたくさんいるということ……それは、この天使の梯子が美しいということよりも、美しいと思う心があるということ、その事の方が私にとってはとても尊いことのような気がした。


結果に愕然とした。全然違うものになった。これだよ、私が書きたかったのは。
もちろん、表現等はまだまだだとは思うけれど、同じ脳なのに、音声と文字を打つことで出力される言葉が違いすぎる。

そして気づいた。

5. 結論:「私は“書く”ことでしか、“書く私”に会えない」

私は喋りだと目の前のことを追うだけで終わってしまうようだ。
しかし、文章なら、心の方に降りていける。

私は、「喋る」よりも「書く」ことで感情が定着するようだ。

だから、私は文字を書くことに救われてるのかもしれない。

ボレクには喋ったまんまの言葉で投げてもいいけれど、noteにはやっぱり「書いた私」を出していきたい。


※追記


蛇足かも知れないけど、クズの話も書き直してみたので掲載します。


『クズの話-書き直し版-』

先日テレビで、クズのことが取り上げられていた。
クズと言っても、植物のクズのこと。葛餅や葛湯などで馴染みがあるけど、私はその植物がどんな植物だか知らなかった。

大きな、丸い葉っぱのツタ植物。

それが今、郊外で大繁殖して問題になっているという。その番組では、5日で9m伸びると言っていて、フェンスを伝う様子や、電線にかかっている様子などが取り上げられていた。

除草剤もきかないし、その強い生命力で生態系を崩しかねないらしく、アメリカではグリーンモンスターと呼ばれているとか。

その番組を最後まで見たわけではないけれど、その日から私はクズのことが気になっていた。

クズのことを認識してから見てみれば、道路沿いのガードレールなどに、わさわさと、あるわあるわ。
ツタを伸ばしているその様子に、恐怖すら覚える。

人の手が入らなければ、地上はこのグリーンモンスターに覆われてしまうのかもしれない、そんなことを思ってしまう。

気づけばあちらこちらにある、その言葉に、私の頭にAIのことが過った。

気づけばどこにでも搭載され始めている。
人間はそれに、凌駕されてしまうのか、きちんと使って共存していくかは、やっぱり私たちに委ねられているんだよな、とそんなことを思った。


うん、これが私だね!笑

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