【レクイエム】現代思潮社 廃業を発表
現代思想系の老舗出版社、現代思潮社(現代思潮新社)が本日、HPで廃業を発表した。
1961年、石井恭二が創業した株式会社現代思潮社は、2000年、石井恭二の引退を期に社名を現代思潮新社と改め再出発をし、引き続き皆様にご愛顧いただいてまいりました。しかしながら、今般、諸般の事情により、2025年9月末日をもちまして廃業することにいたしました。ここにご報告申し上げます。
かねてより石井恭二が念願としていた「出版社としての死滅」を成就、石井との約束を果たすことができ、万感の思いを感じております。
これまでご支援ご芳情を賜りました皆様に深く御礼申し上げます。
株式会社 現代思潮新社
社員一同
現代思潮社の本は、たくさん買った。たくさん読んだ。ショックだ。
新左翼系思想書、フランス現代思想書が多かった。「岩波文化、講談社文化打倒」がモットーだったという。
澁澤龍彦訳『悪徳の栄え』を出版し、わいせつ罪で訴えられた「サド裁判」や、赤瀬川原平ら前衛芸術の拠点になった「美学校」の経営でも知られる。
もう大方売ってしまって、数少なくなった私の蔵書の中にも、目立つところに現代思潮社の本があった。
足立和浩『戯れのエクリチュール』(1978)

この本あたりが、私がジャック・デリダについて知った最初の本だ。
(奇しくも今日はデリダの誕生日。足立訳の『グラマトロジーについて』も現代思潮社刊だった。)
あと、梯(かけはし)明秀の『資本論への私の歩み』(1960)も本棚にあった。

(この本の刊行は1960年だ。廃業の告知に「1961年創業」とあるが、誤りではないか。Wikiでは1957年創業となっている。)
現代思潮社は、私の青春時代の哲学の友だった。
長年の業績に感謝と敬意を表します。
