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船乗りの会話、陸と全然違う。言葉が少ないのに、なぜか伝わる。

船乗りは無口な人が多い。
最初に乗ったとき、食堂の静けさに驚いた。寝起きの人も居るから基本静かにみんな飯を食って、さっさと部屋に戻る。雑談らしい雑談がない。
陸の職場なら「コミュニケーション不足」って言われるレベル。
でも不思議なことに、仕事はちゃんと回る。

船の上のコミュニケーションは、陸の常識が通じない。
「報連相をしっかり」「なんでも気軽に相談して」「チームで話し合おう」。陸の職場でよく言われるやつ、船の上でももちろんあります。
事故を起こさない為に。作業はスムーズに回す。
言葉じゃない部分で伝えるのも大事。
通風ファンで声があまり聞こえないから人の動線も予想して動く。

船乗りは言葉が少ないのに、なぜ仕事が成立するんか?

船乗りのコミュニケーション その1|「目」で話す
船の上では目線で会話が成立することがある。
係船作業中、ロープを渡すタイミング。声が届かない距離でも、目線と顎のしゃくりだけで「今や」が伝わる。
最初はわからんかった。でも半年も乗っとると自然に読めるようになる。
言葉にせんでも伝わる感覚、これは船の上で身につくスキルの一つ。

船乗りのコミュニケーション その2|「飯」が全ての場
無口な船乗りでも、飯の場だけは少し違う。
「今日の魚うまいな」「昨日の当直しんどかったな」。短い言葉やけど、これで十分。
陸の飲み会みたいに長々と話さんでも、飯を一緒に食うだけで「こいつとはやっていける」って感覚が生まれてくる。
無口なおじさんが突然「魚好きか?」って聞いてきた話を前にしたけど、あれも飯の場やった。飯の場は船乗りにとって唯一の社交場。

船乗りのコミュニケーション その3|「背中」で教える
船の上の指導は基本、背中を見せるスタイルたい。
「こうやれ」って言葉で説明するより、「見とけ」って実際にやってみせる。
最初は「もっと説明してくれ」って思っとった。でも見て覚える方が、体に染み込むのが早い。
言葉で覚えた知識は忘れる。体で覚えた動きは忘れない。これが船の上の教育哲学やね。笑

船乗りのコミュニケーション その4|言葉にする場面は本当に大事
普段無口な分、言葉にするときは本気たい。
荒天のとき、危険な作業のとき、判断が分かれるとき。そういう場面では、短くても明確な言葉を使う。
「右」「止まれ」「今」。一言で命を守る場面がある。
普段から無駄なことを喋らんのは、大事な場面で言葉の重みを保つためやと、おれは思っとる。言葉を使い過ぎると、肝心なときに届かんくなる。

まとめ
船乗りのコミュニケーションは「省エネ」たい。
無駄を削ぎ落として、本当に必要なことだけ伝える。目線、背中、短い一言。それだけで成立する世界がある。
陸に上がったとき、人の会話の多さに毎回驚く。みんなよう喋るなって。
だけど僕はみんなより喋る。笑
でも、言葉が多いからって伝わっとるわけじゃない。それを船の上で学んだ。
無口なおじさんがくれた魚は、何も言わんでも「よくやっとる」って意味やったと、今でも思っとる。

フェリー甲板手10年以上のおれが書く、船乗りリアル日記。よかったらフォローしといてくれ。

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