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雑に褒められた夜、ちょっとだけ自信が戻った


不意に褒められると嬉しい。

先週末、友人のT君と飲みに行った。
仕事の畑が違う社長さんで、たまに飲む仲だ。

仕事の話、家族の話、少し卑猥な話。
途中からハラスメントの話になった。
お互い日ごろからハラスメントにはうんざりしている。相手がそう感じたらそうって、納得いかないよね。

「“イケメンに限る”とか差別やんけ」
みたいな、居酒屋らしい雑なことを言っていたら、T君がさらっと言った。

「いやいや、お前もその部類やからな」

え??

え、今なんて?
誰が?

たぶんあの時、嬉しさを隠しているつもりで、全然隠せていなかったと思う。
口元がゆるみ、目が泳ぎ、でも必死に平静を装う。

というのも最近、ちょっと自信をなくしていた。
家の鏡では「まあ今日いけるやん」と思う。
でもエレベーターの鏡には、毎回
違う私が立っている。
あれは何なんだろう。
洗面所の自分とエレベーターの自分、別人すぎる。
片方はイケおじ、片方は妖怪である。

だからこそ、あのT君の一言にはなんか救われた。

正面から褒められるのも大好きだ。
でも今回のはちょっと違った。
褒めようとして言った感じじゃなくて、会話の流れの中で
“お前はそっち側”
と単に処理された感じだった。

ゴルフで言えば、「上手いですね」と褒められる感じじゃなく
最初から“できる者”として扱われる感じ。
サッカーで言えば、迷いなくパスが来る感じに近い。
つまり評価というより、認定である。
この認定がうれしいんだわ。

最近ちょっと
「もう終わってるかもしれない」
と弱っていたので、
まだいけるかな
と少し思い直した。

ただ、冷静に見れば現時点の私は95kgのキモデブである。
一言で少し持ち直したけど、だからといって急に仕上がったわけではない。

なので、調子には乗りすぎないようにしたい。
でも、ああいう一言はやっぱりうれしい。
褒めって、真正面から来るより、横からふいに刺さった時のほうが効く。

T君、あなたのおかげで今週も頑張れる。ありがとう。

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