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鍵盤楽器音楽の歴史(27)ロマネスカ

Girolamo Frescobaldi: Partita sopra l'aria della Romanesca (1615)

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フレスコバルディの『トッカータ集 第1巻』は原題に "Toccate e Partite" とあるようにパルティータも主要なコンテンツです。

パルティータとは Parte「区分」の連なる楽曲、すなわち変奏曲を意味します。J.S.バッハの様な「組曲」を意味する用法は例外的なもので、バッハも「コラール・パルティータ」のような場合は古来の意味で用いています。

Aria というのは、ラテン語の Aer「空気」に由来する語で、音楽的には古くは「様式」「マナー」といった意味で用いられていましたが、その後に詩を詠うための定型の曲を意味するようになりました。

Romanesca もそのようなアリアの一つで、大変ポピュラーな定型なのですが、その起源は不明で、元々の曲についても良くわかっていません。以下は推測される原型です。

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ロマネスカの最古の例はスペインのアロンソ・ムダーラ(c.1510-1580)の Tres libros de música en cifra para vihuela (1546) に収録の Romanesca o Guárdame las vacas で、『雌牛を見張れ』Guárdame las vacas という詩と関連付けられています。

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ロマネスカとは名付けられていませんが、同種の曲としてより古いものにルイス・デ・ナルバエス (fl. 1526–1549) の Diferencias sobre 'Guárdame las vacas' (1538) があります。

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パルティータと題された作品はヴィンチェンツォ・ガリレイ(1520-1591)の Libro d’intavolatura di liuto (1584) に最初に見られ、『ロマネスカ第11番 100のパルティ』Romanesca undecima con cento parti もその一つです。

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本当に100個ある。

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フレスコバルディのパルティータもやはりナポリ楽派の影響が顕著で、アスカニオ・マイオーネ(c.1565-1627)の Partita sopra il Tenore antico, ò Romanesca (1609) などにそのルーツが求められます。ロマネスカとパッサメッツァ・アンティコのコード進行は似ているため、この頃には同一視されていました。

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フレスコバルディのロマネスカは14のパルテからなっていますが、最初の第1パルテから半音階的で不安定な響きが支配しており、主題の提示という役割をまるで果たしていません。その後も手の込んだ晦渋な変奏が続き、弾き手にも聴き手にも全く優しくありません。ヴァージナル楽派の変奏曲の明快さとは著しく異なります。第5パルテは例外的に平易な曲で貴重な癒やし成分になっており、最後の第14パルテも簡単でこれはお疲れ様ということでしょうか。

立派な飾り文字からして、たぶんこれはフレスコバルディの自信作なのだと思いますが、凄いことは確かですけど色々と大変な曲です。

次回はアリア「ルッジェーロ」について。

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