Photo by
milkyway4110
三日月についての、観測
命を捧げられるほど 誰かを好きになったことがあなたにはありますか?
大げさな話じゃなくてきっと 嘘で冗談でもなくそれはただ
鋭利な刃物のように 突き刺さる
胸の真ん中 二度とは抜けない
引き裂こうとする運命に離れがたい 誰かと 岸まで泳ぐ
そんな夢の中でいつまでも溺れていたい
抱きしめた言葉の数だけ 星は増えてゆく 見上げる瞳に流れ星
幸せなことに願いはない もう叶ったから
暗闇に寄り添いながら 迷う夜にも輝く光 名前のない高鳴り 手をのばす先の柔らかな 朝日のような
左利きの あなたが 引いてゆく澱みのない直線 それはやがて右利きの誰かと出会い 曲線になる
丸みを帯びたあなたの 背中のような三日月が 照らす机の上で
原稿用紙に 降り積もる インクの雨が濡らす ゆびさき。
