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【作品紹介】在るようで、在らぬ-Existing Yet Not-

「自由」の波に揺られながら——現代社会におけるアイデンティティの模索

髪に飾られた花や装飾的な枠組みとは対照的に、どこか憂いを帯び、遠くを見つめるような眼差しの女性。その背景に広がる波模様は、流動性や不確かさ、そして境界の曖昧さを表現しています。

現代社会では、「個人の自由」がこれまで以上に尊重されるようになってきました。ジェンダーの多様性が認められ、グローバル化が進み、国家や集団の枠組みよりも個人の自由を重視するリバタリアン的な思想も広がっています。確かに、私たちは以前より「自由」になったように見えるかもしれません。

しかし、その「自由」は同時に、「自分は何者なのか?」「どのカテゴリーに属するのか?」といった問いを個人に突きつけることにもつながっているのではないでしょうか。

かつては「職業=アイデンティティ」という構図がありました。会社員は「〇〇会社の人」、医者は「医者」といったように、職業がその人の社会的な顔を決めていた時代が長く続いていました。しかし現代では、フリーランスや副業、ギグワークといった働き方の拡大により、職業による明確なラベルがなくなりつつあります。たとえば、平日はマーケター、副業でライター、趣味でアートを制作する——そんな多層的な生き方をしている方も珍しくありません。

キャリアに限らず、私たちはさまざまな選択肢を持てるようになりました。その一方で、「何者でもないのではないか」という不安を抱くこともあります。かつての社会には、「いい大学、いい会社、良い家庭、家と車を持つことが幸福」といったお決まりの成功の定義みたいなものがありましたが、今ではその価値観さえも流動的になり、何を目指せば良いのかが曖昧になっています。

こういう時代だからこそ、自分自身の価値観や目標を明確にし、自分らしい生き方を見つけることが大切だと感じます。多様な選択肢の中で、自分にとっての「幸福」とは何かを見つめ直し、自由を楽しみながらも、流されるのではなく、自らの意思で進んでいく——そんな強さが、これからますます求められていくのではないでしょうか。

おすすめの書籍

『苦しかったときの話をしようか』は、USJのV字回復に貢献した森岡毅さんによるキャリア論・人生論の書籍です。就職活動を控えた娘さんのために書かれたこの本には、人生のゴールをどこに置き、どのように『自分は何者か』を知るか、そのヒントが随所に散りばめられています。正直、完全に作品とリンクしている書籍とはいいがたいですが、機会があれば手に取っていただきたい一冊です。
新社会人の方にも、キャリアについて悩んでいる方にもおすすめです。書店でもよく見かけますね!

蛙鳴

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