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【伝える言葉 後編】たった一言でも10通りの着せ替え。伝わる形に仕立て直す「10の引き出し」

本記事は、後編です。
前編はコチラ。

前回の記事では、
「伝わらない」という壁にぶつかったとき、
「食い下がる」のではなく
「再提示する」ことも大切ということ。
そして、
それにはエネルギーが必要だからこそ
「諦めきれるなら諦めていい、
 それでも伝えたいときに熱量を注ごう」
というお話をしました。

「よし、じゃあこの想いをもう一度、 別の形で届けてみよう!」

そう決めたあなたへ、
今回は具体的な「言葉の着替え方」のテクニックを
お届けします。

手札をたくさん持っておくことは、
そのまま「伝わらない……」と
落ち込まないための心の余裕にもなります。
「今回はこの伝え方じゃなかっただけ。
 じゃあ、次はどれでいこう?」と、
手札を選ぶ感覚で
会話を楽しみつつ進められる「10の引き出し」を、
一緒に開けていきましょう。


今回は、
「スープが温かくて美味しい」というメッセージが、
なかなか相手に響かない……
というシチュエーションを例に
「10の引き出し」を見ていきます。


◇ 言葉を伝えるための「10の引き出し」

① 情報の追加

「温かくて美味しい」という結果のまわりに、
背景や情景を足していく方法です。

  • 例えば: 「凍えるような冬の夜、誰もいない部屋に帰ってきて、一人で最初に口にしたスープ。指先から体中がじんわりとほどけていくような温かさ」

  • ポイント:いつ、どこで、誰が、どんな環境で。その背景などを足すことで、言葉に立体感が生まれるように感じます。

② 解像度を上げる

もっと細かい情報、中身を詳しく描写していく方法です。

  • 例えば: 「一口すすると、じっくり煮込まれた鶏の出汁のコクと、玉ねぎの自然な甘みが口いっぱいに広がる。熱すぎず、お腹に優しく収まる絶妙な温度感」

  • ポイント:素材、成分、あるいは具体的な数値。細部を1つずつ言葉にすることで、相手に鮮明な情報を伝えられます。

③ 例え話(比喩)

相手がすでに知っている別のイメージを借りてきて、
お伝えする方法です。

  • 例えば: 「まるで毛布でそっと包み込まれるような暖かさ。幼い頃に母に作ってもらった思い出のスープのような、どこかホッとする優しい甘さ」

  • ポイント:「まるで〜のような」を使うことで、相手の記憶や感覚をつなげていくことができると思っています。

④ 視点を変える(メタ視点)

あえて相手の予想を裏切ったり、
別の角度から光を当てたりする方法です。

  • 例えば: 「皆さんから見たら、そこまで熱々ではないかもしれない。特別な高級食材が使われているわけでもない。けれど、今の私にとっては……」

  • ポイント:相手が抱くかもしれない疑問や「普通の基準」を先回りして提示することで、逆に「自分にとっての特別さ」が際立ちます。

⑤ 似たものを探す(類推)

誰もが一度は経験したことがありそうな「共通のもの」に置き換える方法です。

  • 例えば: 「寒い駅のホームの自販機で買って、思わず『生き返る……』と声が出ちゃうあの缶スープの熱さ。誰もが一度は恋しくなる、あの安心する味」

  • ポイント:身近な「あるある」に寄せることで、相手との距離が一気に縮まります。


ここまでは、
言葉を「足したり、広げたり」するアプローチでした。
ここからは少し毛色の違う、
外側からアプローチする5つの引き出しです。


⑥ 「否定」で外堀を埋める

「〇〇ではない」を先に伝えることで、
本当に伝えたいものの輪郭をより正確に伝える方法です。

  • 例えば: 「お洒落なフレンチの気取ったポタージュじゃない。ラーメンのスープみたいにガツンとくる味でもない。ただのコンソメスープ。だけど、それがいい」

  • ポイント:違うものを排除していくことで、目指す核心(交点)へ相手の視線を導いていくことができるように思います。

⑦ 「変化(ギャップ)」を見せる

状態そのものではなく、
それがもたらした「ビフォーアフター」を描く方法です。

  • 例えば: 「さっきまで、仕事の疲れと寒さでトゲトゲしていた心が、このスープを半分ほど飲み干した頃には、すっかり丸くなっていた」

  • ポイント:感情や状態の高低差を見せることで、対象が持っていた本当の意味や、効果を伝えてみましょう。

⑧ 「擬人化」で生命感を与える

物質にキャラクターや意志を持たせて描写する方法です。

  • 例えば: 「胃袋にしみわたるというより、スープから『今日もお疲れ様』と体にそっと声をかけてくれるような優しさがある」

  • ポイント:理屈ではなく感覚的な温度感や、ちょっとしたユーモアが生まれ、印象に残りやすくなります。

⑨ あえて言葉を引く(余白)

一番伝えたい核心の手前で、あえて言葉を止める方法です。

  • 例えば: 「ふぅ、と息を吹きかけながら、一口。……あぁ、これだよ。私はただ、静かに目を閉じた」

  • ポイント: あえて多くを語らないことで生まれる静けさが、かえってその美味しさの特別さを雄弁に物語ります。

⑩ 「問いかけ」で巻き込む

こちらの描写を受け取らせるだけでなく、
相手の記憶の扉をノックする方法です。

  • 例えば: 「最後に、心の底から『あぁ、生き返る』って思えるような温かいものを食べたのは、いつですか? 今日の私にとって、このスープがまさにそれでした」

  • ポイント:読み手自身の過去の体験と、あなたのメッセージを結びつけていくことです。


◇ 順に試して、「交点」に辿り着く

「スープが温かくて美味しい」という、
たった一言のメッセージでも、
これだけの「着替え方」があります。

一度の提示では、
お互いの言葉のニュアンスがズレていて、
すれ違ってしまうかもしれません。
でも、
手札の中からいくつかの表現を試していくうちに、
相手の頭の中で、
それぞれの言葉が持つイメージの円が
少しずつ重なり合っていきます。

そして、
その重なり合った「交点」にこそ、
あなたが本当に伝えたかった核心が、
鮮明に、正確に浮かび上がってくることも
あると思うんです。

「伝わらないなぁ…、でも伝えたい!」と思ったなら、

「さて、手札はあと9通りあるぞ」
「上から順に試してみようか、それとも先にこの方法から…」

そうやって、
ゲームのように、
楽しむように、
あなたの言葉を新しく仕立て直してみてください。

試行錯誤していく過程そのものが、
あなたの温かい想いを
相手に届ける架け橋にもなっていくはずです。

あなたの”本当に伝えたい”が、
伝えたい人に届きますように。

・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

【🐸から一言】

ながい!笑
約3000文字になってしまいました🐸

が!
今回が「言語化シリーズ60回目!」
本編の最後の記事です!
なので、お許しくださいませ。

明日は、ちょっと雑記を挟みまして、
最後に振り返りや、
まとめ記事なんかを投稿して
3か月近く続いた言語化シリーズも
終わりとなります。

今日は「10の引き出し」のお話でした。
このブログの原案を考えてるときは
もっと引き出しの数はあったのですが…
その辺は、また後日書いてみようと思います!

おたま吉:
最後までお読みいただき、
ありがとうございましたじゃくし!
次回もオタマしみ(お楽しみ)に~

ここぱ:
蛙らしい記事だったように思うわ。
「実際どうしたらいいの?」に
ロジカルに答えてる内容。
どう感じたかしら?

人にはスタイルもあるから、
どの伝え方が良いのか、自然なのか
って人によって違うと思うけど、
伝わらないときに、
ちょっとスタイルを変えて違う言葉で伝えてみることは
悪くないかもしれないわね。

いろいろ引き出しは書いてあったけど、
上手く違う言葉が浮かばない場合には、
「最後は私はこう思ったの!
 その理由はね…」
って、自分の一番伝えたい想いから
お話してみるというのも
いいんじゃないかしら。

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