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結婚記念日の頃

28回目の結婚記念日の頃だ。

「頃」というのは、はっきりした日にちを覚えていないからだ。体育の日に新婚旅行を絡めたのは間違いないが、式が10月5日だったか、6日だったか、7日だったか、覚えていない。

結婚したのが社会人一年目の年。時間と気持ちに余裕がなかったこと、慣例的なしきたりに関心が持てなかったことから、式準備は妻に任せっきりだった。

そんなこともあり、当日もなんとなく始まり、なんとなく終わったという印象しかなたい。式の間中、旅行先で行くところ、食べるものが頭の中を占めていたといってよい。自分にとって、結婚式という儀式はあまり重要ではなかったということだ。

しかし、記念日を覚えていないというのは少々後ろめたい。いつかは確かめねばと思いながらも、そのためには妻に聞くしかない。結婚指輪にその日が彫ってあるのだが、とうの昔に失くしてしまった。

なかなかきっかけを掴めないまま、もう27年が過ぎた。毎年お祝いくらいはやるのだが、大体その辺りで食事するという感じで、ドンピシャの日については言及せず、お茶を濁してきた。ちょっとした緊張感のある数日を過ごすことになる。

妻はおそらく、私が覚えていないことを知っていて何も言わない。私がどう出るかを試しているのだ。私が聞いてきたらどう反応するつもりだろうか。笑って流すストーリーと、ここぞとばかり攻めてくるストーリーのふた通りが考えられる。
ちなみに、結婚指輪の紛失についても知っていて何も触れてこない。

どちらかが最期を迎えるその日まで、このままでよいものなのか。

To be or not to be.

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