「パパにも抱っこさせてよ......」1歳の息子から告げられた深夜の戦力外通告
「うぎゃーーーーーーーーーー!!!」
何時かもわからない真っ暗な寝室で、僕に抱っこされた息子が過去一の大きさで泣き叫ぶ。
「え、なんで????そんなに嫌????」と、初めてのできごとに焦る僕。寝る直前まで笑顔で遊んでたじゃん。
今、冷静になって振り返るとめちゃくちゃ寂しい。寂しすぎる......!
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息子が産まれてから3か月ごろまでは、僕が寝かしつけを担当していた。
比較的、寝るのが上手だった息子。ないちゃうときもあったけど、トントンをしたり、授乳ライトで少し明るくしたりすると眠る。泣き止まないときは抱っこしてあやしていたけど、長泣きすることはほとんどなかった。
だけど、生後3か月を過ぎたあたりから、寝るときにママを求めるようになった。
布団に行くのも、スワドルを着るのも嫌がる。僕が抱っこしてもどうにもならず、妻が抱っこして寝かせるのが定番になってきた。このとき、僕が近寄ると息子の気が散るようだったので、リビングで音を立てずに過ごすのが定番になった。
1人時間だと思えばいいものだけれど、本音は息子と一緒に布団でごろごろしたい。子育てで忙しいと「1人の時間が欲しい」と思うけど、一緒にいられない時間は「息子のそばにいたい」と思う。なんともわがままだけど、これが本音。
一時期の「全く寝ない」時期を超えてからは、家族3人で布団でゴロゴロしながら息子が眠たくなるのを待ったり、授乳で眠りについたりするようになった。寝かしつけに貢献できているわけではないけれど、同じ空間にいられるのが幸せ。
「早く寝てよ」って思うときもあるけれど、それも含めて家族3人でいられる寝る前の時間が本当に好き。
保育園に通うようになってからは、よりママを求めるようになった。トトロの上に乗るメイちゃんみたいに、妻のお腹の上に乗って眠るのが定番。夜中に泣いたときも、妻のお腹の上を求める。僕のところには来てくれないのが寂しい(日中に息子にくっつくことで気持ちを保っている)。
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いつも通り、家族3人で布団でごろごろし、眠たくなってきた息子が妻のお腹の上にうつ伏せで乗っているとき。妻が「お父さんがお腹の上に乗ってほしいって言ってるよ」と声をかけた。
息子の返事は「あんぱんっ!!!!」という叫び。
文字にすると可愛いものだが、実際は拒否の感情が100%。息子にとっての「あんぱん」は、あんこが入ったパンのことではなく、アンパンマンのことだ。正義の味方のアンパンマンを拒否の表現に使うほど、僕のお腹の上で寝るのが嫌らしい。
「そんなに嫌がらなくてもいいじゃん」と思いながらも爆笑する僕と妻。爆笑しながらも、「日中、あんなにあなたの希望を叶えているのに、夜になったら......」と、息子に対してだけなぜか愛が重くなってしまう。
そして夜中の大泣き。
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目が覚めると、息子はぬくっと座り始める瞬間だった(なんで夜泣きとか目が覚めたときに座るんだろ?)。妻も同じくらいのタイミングで目が覚め、息子の様子を伺っている。
ハンドサインを覚えた息子は、授乳のときに手をグーパーする。しかし、このときは座っただけ。そして、泣き始めるときの声にもならない、弱々しい呼吸の音が聞こえてくる(可愛い)。
妻が「ちょっと長くなりそうだからトイレ行ってくる」と言うので、僕が息子を抱っこして息子をあやそうとした。
すると、「うぎゃーーーーーーーーーー!!!」と、隣の家の人も起こしてしまうんじゃないかと冷や汗が出るレベルの大泣き。いや、もはや叫び。息子史上、1番大きな声だったと思う。
焦って息子を抱っこしたまま立ち上がり、歩きながらあやす。でも、泣き止むどころか、激しさを増す息子の泣き声。そして仰け反って、僕の抱っこを全力で拒否してくる。初めて会う人に抱っこされたときですら、こんなに嫌がらない。
落とさないように必死になりながら「大丈夫だよ」って声をかけるけど、息子にとってはノイズでしかないみたい。
泣き声の大きさに驚いて、急いで寝室に戻ってくる妻。
少しだけ粘って抱っこするが、息子は落ち着く気配がない。
「代わるよ」と妻が言うので、息子を妻の腕の中に移動させる。すると、ものの数秒で落ち着き始め、1分もしないうちに泣き止む息子。そして、いつも通り、妻のお腹の上でうつ伏せになって、あっという間に眠りにつく。数分前の大泣きがなかったかのように、寝息が聞こえる寝室。
……そんなにパパの抱っこ、嫌だった?
日中の息子は、両手を上げて僕のところに抱っこをせがんでくる。2人で遊んでいるときは、我ながら「仲がいい」と思えるほど笑い合っている。
だけど、夜になると、息子にとっての僕はマイナスの存在らしい。抱っこすると、放置していた方がマシなくらい大泣きする。妻から「日中あんなに相手してるのに、気の毒だよね」と言われ、僕は「本当だよね」と強がりながら笑い返すしかない(本当は泣きたい)。
***
この日から、僕は息子から告げられた戦力外通告(「あんぱん」の叫びと大泣きのこと)を潔く受け入れた。妻がトイレに行っていたり、すぐに起きなかったりするときは、背中をさすって「父親もいるよ。嫌なことはしないよ。」と心の中で伝えるだけ。
夜中の僕は、出産に立ち会ったときと同じように無力。
「深夜にママを求める子どもを見守ること」は父親の宿命、父親にしかできない経験だ、と一生懸命に思うようにしている。今はただ、息子の「深夜のママ指名制度」に従っているだけ。
そう思わないと、寂しさに負けそうになる。だって、自分の息子に拒絶されるって、すごく寂しいから。好きな人に振られるとか、推しのバンドが解散するとか、それとは比べ物にならないくらい寂しいし、孤独を感じる。
次の夜泣きのときも「今夜は大丈夫かも」と思いながら抱っこしたい。けど、また大号泣されたら多分、立ち直れない。
だから、今はただ、静かに背中をさするだけにする。そして、朝起きたら全力でハグをする。息子のほっぺに自分のほっぺを当ててすりすりする。
そうやって夜中の戦力外通告を受け入れながら、息子が受け入れてくれるときに目一杯触れ合うのが自分が今できること。
世の中のパパ、子どもに拒否されても、めげずにがんばりましょう。
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