ごめん、浮気しちゃいそう
唐突ですが、インスタント焼きそばといえば、なんですか?
UFOや一平ちゃん、ペヤングあたりが有名どころかと思う。
私が1番に思い浮かべるのは、日清焼きそばだ。5パックセットで売っている、袋麺の、あれ。
私が小学生だったころ。まだ、土曜日に授業があった。隔週に半ドンで。半ドンって今は死語かしらん。
家から学校まで徒歩3分の距離。私は土曜日の授業のあと、全速力で家に帰っていた。当時、土曜昼の12時からやっていた『吉本新喜劇』を見るためである。
そんな土曜日、母がよく作ってくれたのが、袋麺の日清焼きそばだ。具なんて一切入ってない。素の焼きそばに、青のりをぶっかけただけ。シンプル・イズ・ベスト。お供にチャーハンがついたり、焼きおにぎりがついたり。炭水化物が正義といわんばかりのメニューだった。
できたての日清焼きそばを頬ばりながら、『吉本新喜劇』を眺める。毎週見ているのだから、大きな新しさは感じない。ゲラゲラ笑うこともない。
お約束の鉄板ネタを、焼きそばと一緒に飲み込んでいた。
何で急にこんなこと書き出したかというと、実は、昨日初めて、一平ちゃんを食べたのである。
私にとってインスタント焼きそばといえば、日清焼きそば。それが今まで崩れたことは一度もない。他のインスタント焼きそばを食べたことも、ほとんどなかった。しかし、魔が差したのか、ふと、安売りしていた一平ちゃんに手を伸ばしてしまったのだ。
なぜだかよくわからない罪悪感を抱きながら、一平ちゃんにお湯を注ぐ。手順通り3分待って、湯切りをした。この経験もあまりない。日清焼きそばは、鍋で作れてしまうから。
流されたお湯から、湯気があがる。小さなキャベツの欠片が流れていってしまう。私にはどうしてやることもできない。
べりっとフタを開ける。閉じ込められていた湯気がもわっと塊であがっていく。既にいい香りだ。ついていたソースをかけ、よくまぜる。我慢できず一口つまみ食いした。
おいしい。どうしても比較が日清焼きそばになってしまうが、少し甘めの味付けに感じた。
さらに一平ちゃんの売りである、からしマヨネーズをかけ、ふりかけもかけた。いざ実食。
これが、もう、衝撃的で。
さっきまで少し甘いかな?と感じていたソースと、ピリッとからしのきいたマヨネーズがとんでもなく合う。
箸が止まらなくなり、次々と頬張った。
炭水化物を飲み込むときのちょっとした「ングッ」感が私は好きだ。喉が詰まるまでいかないが、意識的に飲みこもうとしないと通っていかないぐらいの塊を、飲み込む感覚。たぶん、高齢になると本当に喉に詰まると思うので、そろそろやめておいた方がよいだろう。
感動の時間だった。こんなことで感動できる自分に呆れもしつつ、あっという間に完食。
日清焼きそば派の私を、ここまで感動させるとは。一平ちゃん恐るべし。
ごめんね、日清焼きそば。
あなとの思い出は、忘れていないのだけれど。
私、しばらく、一平ちゃんに浮気しそう。
