みずたま
この話は
何度も書いてきた記憶があるから
またその話かよ
と
思われるかもしれない
事前に
これはきちんと記憶しているのだが
わたしが何度も繰り返して
書いてしまうエピソードは
それだけ
大事なことなんだと
前置きもしてあるから
許してほしい
中学のとき
まだ一年生になりたての春に
近所のスーパーの二階で
ひよこが売られていた
ゴールデンウィークの催しで
黄色くてふわふわの
鶏の雛一羽
もしくは
ちいさなちいさな
うずらの雛二羽
が
パック詰めされて売られていた
丸い
もっと昔に
近所に来る移動販売の八百屋で
買ったカブトムシが入っていたみたいな
プラスチックパックに入っていた
ぱちこは
どうしてもそれがほしいと
おかんに言ったのだ
おかんは非常に嫌な顔をした
今なら分かる
悪趣味だ
でも
中学生になったばかりで
戸建ての家に住み始めたばかりで
小鳥を増やし始めたばかりのぱちこは
ひよこも飼って楽しみたかった
お小遣いで買える値段だったから
結局は許可が出て
うずらの雛を買って帰った
名前を
みずたまちゃん
と
てんてんちゃん
と
つけた
うずらだから

五月とはいえ
夜は寒い
ぱちこはベッドの下に
みずたまとてんてんの家を作って
寝かせてあげた
翌朝
二人は冷たくなっていた
みずたまだの
てんてんだの
いうたびに
このことを思い出す
#なんのはなしですか
#これほど人生で後悔してることはない
#だから何度だって書いちゃうさ
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