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闇の子どもたち 断片9

 アリアが部屋に入ったときには、すでに招集された全員が集まっていた。どの子も彼女より年下で、それぞれ少なからず世話を焼いたことのある子たちだ。

 ありがとう、と部屋の奥の机から男が立ち上がった。彼が担当教官になると聞いたとき、アリアは驚いた。中級の指導に来るような人ではない。
 近くで見るのは初めてだった。
 身につけたローブは、比べるものがなければ、白にしか見えない。刺繍の色が深い赤であることだけが、彼がまだ一番手ではないことを示していた。

 ここも、いつもの講義室でも、会議室でもない。棟も学院とは違う。彼の執務室だった。
 もう少し、重々しい部屋を想像していたが、石造りの壁は学院のそれと同じく陰鬱で、部屋の広さも、数年前まで彼女が他の子どもたちと暮らしていた三人部屋くらい、書類が雑多に乗った執務机と、部屋の端に小さな本棚がある他は、何もなかった。床の敷物も、さほどよい品には見えない。

 部屋の色のせいか、ローブのせいか、彼の顔色はくすんで見えた。穏やかな笑みを浮かべているが、彼の瞳の奥にあるものも、それが全てではないことを物語るようで、アリアは軽く頭を下げて目を逸らした。

 集められた皆は、机の前に並んで立っていた。椅子がないのだから仕方がないが、申し訳ないことをした、と彼女は思った。
 すでに、ジャギスは飽きているらしく、だらしない立ち方で、アリアたちが入ってきたのを振り返って、とても恨めしそうに見た。
 一番小さいシェリーナは、この中では、アリアとキエーリと一緒に入った「先輩」で、いつも通り、ちょっと澄ました顔で大人ぶって立っていた。
 ちょうど、執務机の真ん前に立っているのは、明るい髪色をした少年だった。暗い色の部屋の中で、彼のいるところだけ陽がさしているように見える。確か、ツルガという名前だったはずだ。
 入ってきたのは昨年だったが、あっという間に中級まで進んだので、アリアが世話を焼く暇がなかった。年下の、ツルガと同じ年の女の子たちの間では、密かに天使と呼ばれているのだが、本人は堅苦しい顔のまま背筋を伸ばして立っている。ルークといい勝負かもしれない。

 皆の後ろで止まったルークに、担当教官は前に来るように手招きをする。




#なんのはなしですか
#君と魔術と星空と
#闇の子どもたち




中途半端なところで、
別記事にしてしまいました

ぱちこ☆





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