*ADHD日記*アメブロ記事の再起動 #29 〜 **小学生時代***
【ところてん式の記憶】
教えても、教えても。
ひとつ覚えれば、ひとつ抜ける。
ところてん式の、息子の記憶。
ある方の言葉に、私はハッとした。
「お母さん。忘れたら、もう一回教えればいいんですよ。
だって、一度は覚えられたんですから。
1回目に2時間かかって覚えたことなら、
2回目なら、そんなに時間はかかりません。
確実に、1回目よりは短くなるはずです。
2時間以上かかることは、絶対にありません。
繰り返し繰り返し教えていくうちに、
1時間で理解できたり、30分で理解できたりするんです。
忘れてしまうことは、仕方がない。
そう思いましょう」
──その言葉を聞いた瞬間、目の前にあった壁がすっと消えていくのを感じた。
言葉によって傷つけられる一方で、言葉によって救われる。
そんなことの繰り返しだった。
【受けとめ方を変えるだけで】
「また忘れてる…」
そう思うたびに煮詰まってしまう毎日だったけれど、
「今度は何分で理解できるかな」と考えるだけで、
私自身の気持ちがぐっと軽くなった。
忘れることを責めるのではなく、
もう一度、何度でも、やり直せばいい。
それだけで、ずいぶん世界が変わって見えた。
コンサータは、息子に言葉を与えてくれた。
だけど、「頭が良くなる魔法の薬」ではない。
そんなことは分かっているのに
どこかで期待してしまっている自分がいた。
【0点プリントの告白】
「お母さん…、絶対に怒らない?」
息子がモジモジしながら、小さな声で話しかけてきた。
なんとなく、ぴんときた。
「怒らないよ。なに?」
「これ…」
毎度お馴染みの0点プリントを、そっと差し出す。
「わー、すごいやん。
0点なんて、簡単に取れるもんじゃないよね。
何回見ても笑えるわ、すごい、すごい」
顔では笑って見せて、心では大号泣していた。
息子はそんな私を見て、ホッとした顔をした。
それも、いつものことだった。
大人になった息子に聞かれたことがある。
「お母さん、オレが小さいころさ。
何度0点取っても怒らなかったけど、なんで?」
「怒ったって、0点は変わらんやん。
一生懸命やっての点数だって、分かってたし」
すると息子は言った。
「そう、そこなんだよ。
あのとき怒られてたら、オレ、気持ちがおかしくなってたと思う。
どんなに0点を取っても、お母さんが笑ってくれる。
そう思うだけで救われてたよ」
そんなふうに言ってくれるだけで、
私もまた──子どもに救われている。
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