トミージョン手術からの完全復活を目指して 楽天・西口直人がジャパンウィンターリーグに参加した理由 【focus on people from JWL】
今年のジャパンウィンターリーグ(JWL)では、リーグ3年目にして初めてNPB球団からの選手派遣が実現。西武、楽天、DeNAの3球団から計10名の選手が沖縄・コザしんきんスタジアムで実戦を積みながら、自身の課題と向き合う1ヶ月を過ごしている。
派遣されてきた選手の多くは、一軍経験がほどんどない若手選手たちだが、5名の選手を派遣した楽天の中には、トミージョン手術から復活を目指すプロ8年目・西口直人(28)の姿があった。

「ファームで復帰したあと、10月のフェニックスリーグでも登板しましたが、リハビリ登板という感じで長いイニングは投げられなかったんです。来季は先発に挑戦したいと考えている中で、もう少し長いイニングを投げておきたいと思っていたところ、球団の方からジャパンウィンターリーグの話しをいただき、参加することにしました」
2016年ドラフト10位で楽天に入団した西口は、2018年に一軍デビューを果たすと、2022年にはリリーフとして61試合に登板。防御率2.26と楽天ブルペン陣の一角を担っていた。しかし、2023年は肘の痛みを抱えながらの登板となり結果を残すことができず、その年の9月にトミージョン手術を受け、リハビリ生活を余儀なくされた。
今季からは育成契約となったが懸命なリハビリの末、シーズン終盤の9月にはファームでの復帰登板を果たした。来季の春季キャンプから支配下復帰へ向けて本格的なアピールが始まるが、西口にはその前に確認しておきたいことがあった。
「長いイニングを投げるとどういう疲労が残るのかとか、どういう負担が(肘などに)くるのかというところを知っておきたかったので、こういう機会をいただけたのはすごくありがたいと感じています。ここで長いイニングを投げて、来季につながる一歩にしたいと思います」
アピールで再び故障してしまっては元も子もない。来年、本格的な実戦登板を重ねる前に、投げられるようになった今年のうちに、長いイニングを投げる感覚と、その後の体の状態を把握しておきたいというのが、今回のJWL参加を決めた理由だった。
前半のみ参加となった西口は、先発として2試合に登板。JWLデビュー戦のレキオス戦(11/25) では3イニングを無失点。中9日をあけた2戦目の中国希望之星戦(12/5)でも5イニングを無失点で抑えるなど、上々のピッチングを見せた。いずれの試合でも、高めに投じた140キロ中盤のストレートで空振りを奪うほど、力強さを感じさせること投球だった。

「プロ野球選手として結果にこだわらなければいけない部分と、リハビリ明けでいろいろ試したい部分がある中で、それを言い訳にして失点して、チームが負けてしまうのはプロとして不甲斐ないと思っていました。責任感を感じながら投げることができて、相手をゼロに抑えられたのはよかったと思います」
しかし、その内容は決して満足のいくものではないと振り返る。
「長いイニングを投げることはできましたが、2戦目は自分が思うようなピッチングはできませんでしたし、中9日と調整させていただいた中で、もう少しいい内容の投球がしたかったです」
具体的にはどのあたりに課題を感じたのか。
「やはりもう少し変化球でストライクが取れないといけないと思いました。今日はフルカウントになることも多かったのですが、変化球を意識させれば、まっすぐを速く見せることもできると思いますし、そうすればもう少し球数も疲労も少なく長いイニングを投げられると思うので、そこを再確認することができていい勉強になりました。カーブやチェンジアップに打者が反応しない時もあって、今日は自分と戦ってしまった部分があったので、そこを反省しながらキャンプでは変化球の精度を磨いていきたいと思います」
確認しておきたかった『長いイニングを投げることでの疲労度や肘への負担』についてはどう感じたのか。
「2戦目はストライク先行のピッチングができず、バッティングカウントにしてしまう場面が多々あって、その中で投げる一球はどうしても体力を使う感覚がありました。得点圏にランナーを背負った3イニング目のあとは疲れましたし、ピンチになれば抑えにいくので、力も入って肘の消耗というところも早くなってしまうと感じました。ただ、5回には球数は使いましたが、自分の思っているところにまっすぐも投げられて、下半身が使えている感覚はあったので、それは来年に生かしたいと思います」
西口は自らの状態を確かめること以外にも、このウィンターリーグで大事にしていたことがあった。それは若い選手たちと積極的にコミュニケーションをとることだった。

「同じリーグに参加したのも縁だと思って、交流を深めていきたいと思っていました。ここでは自分より、7、8つ若い選手が多かったのですが、自分から積極的に声をかけたつもりです。一緒にご飯も行きましたが、独立(リーグ)や社会人の若い選手たち、特に周東(龍輝/群馬ダイヤモンドペガサス)くんはいろいろ聞いてくれました。積極的に来てくれる選手たちには、自分のプロでの経験や感じたことを話しましたし、それ以外にもいろんな話しができたので、そういう部分はよかったかなと思います」
名前の上がった周東は来季も独立リーグの群馬でプレーすることが決まっている。JWLに参加しなければ実現しなかったであろう西口とのやりとりについて、こう振り返った。
「開会式の時に『群馬の子?どんな感じなの?』って話かけてくれて、そこからご飯にも連れて行っていただきました。まさか、NPBの選手じゃない自分が一軍でも経験のある西口さんとご飯いけるなんで、嬉すぎて驚きしかなかったんですが、これまでの経験や野球以外の話もいろいろしていただいて、本当に貴重な経験になりました」

西口の最終登板となった12月5日の試合後、沖縄を離れる挨拶を終えると、選手たちは国籍や歳の差も関係なく、次々と記念撮影をねだり、西口もそれに笑顔で答えていた。西口が沖縄で過ごした2週間がどういうものだったのかが窺い知れる場面だと感じた。
「エイサーの子たちはみんないい子たちで、チームの絆もあって、盛り上げていた中で、それに水を挿すようなことがなくてほっとしましたし、いい経験になりました」
リハビリから始まったプロ8年目は苦しいシーズンだった。しかし、沖縄で野球環境の違う若い選手たちと共に戦い、来季への足掛かりを確認できたことで、最後は笑顔で締めくくることができた。前を向いて迎えられる来シーズン、西口はどんな1年にしたいのか?
「チームの優勝のために、自分が貢献できるポジションで投げたいと思います。『1年間何していたんだ』って言われないように、しっかり自分のピッチングをして、自分のポジションを勝ち取れるようにやっていきたいと思います」
支配下復帰を目指す西口の来シーズンは、JWLで出会った若い選手たちの励みになるだろう。そして、彼らの活躍も西口の奮起を促すに違いない。沖縄で生まれた新たな野球の絆が、それぞれの未来を明るく照らすことを願わずにはいられない。

沖縄で新たな野球の絆が生まれた
⚾︎
【ジャパンウィンターリーグを見るならDAZN!全試合無料配信中!】
リンクはこちら ↓ ↓ ↓
https://www.dazn.com/ja-JP/competition/Competition:b13592cfkv9a24l0wm0k5bngm
【各チームの試合結果は一球速報で!】
リンクはこちら↓↓↓
https://baseball.omyutech.com/CupHomePageMain.action?cupId=20240012513
