タワマン高層階に住む前に確認したい20項目
高層階の部屋から見る景色は、やっぱり気持ちいい。
夜になって街の灯りが増えていく感じとか、朝にカーテンを開けたときの抜け感とか、あれは低層階ではなかなか味わえない。窓の外が広いと、部屋まで少し広くなったような気がする。
だから、タワーマンションの高層階に憧れる気持ちはよくわかる。
ただ、実際に高層ビルの高層階で働いていたり、高層階に住んだことがあったり、高層階ホテルに宿泊すると、別のこともわかってくる。
高層階の暮らしは、景色だけでできているわけではない。
たとえば、エレベーターを待つ時間。
これが地味にある。
すごく長いわけではない。毎回30分待つ、みたいな話ではない。けれど、朝の急いでいる時間に来ない。帰ってきて疲れているときに来ない。ちょっとコンビニへ行きたいだけなのに、下へ降りて、また上がることを考える。
その数分が、なぜかこちらの気持ちを少し削る。
「今じゃなくていいか」
こうなる。
高層階の不便さは、大きな事件として来るよりも、こういう小さい面倒として毎日の中に入ってくる気がする。
忘れ物をしたときもそうだ。
駅に向かう途中で、財布を忘れたことに気づく。鍵を閉めたあとで、スマホの充電器を置いてきたことを思い出す。低層階ならまだ、「ああ、戻るか」で済むかもしれない。
でも高層階だと、一度エントランスまで降りたあとに部屋へ戻るのが、ちょっとした用事になる。
エレベーターを待つ。
上がる。
廊下を歩く。
部屋に入る。
またエレベーターを待つ。
下りる。
たぶん、この時点で自分の中の何かが少し無言になる。
買い物帰りも想像しておきたい。
仕事帰りにスーパーへ寄って、米や飲み物や洗剤を買った日。荷物は重い。手はふさがっている。靴も少し痛い。そんな状態でエントランスに着いて、エレベーター前に人が並んでいる。
たいしたことではない。
でも、毎日の暮らしでは、この「たいしたことではない」がけっこう効く。
ゴミ出しも同じだ。
各階にゴミ置き場があるならだいぶ楽だけれど、そうでない場合は、ゴミを持ってエレベーターに乗ることになる。朝の混んでいる時間にそれをやりたいか。雨の日でもやれるか。疲れている夜でも面倒に感じないか。
物件写真には、そういう場面は写らない。
写真に写るのは、眺望、ラウンジ、内廊下、きれいなキッチン、ホテルみたいなエントランス。もちろん、それらも大事だ。毎日目に入るものが美しいことには、ちゃんと価値がある。
ただ、住んでから何度も出会うのは、写真映えする瞬間だけではない。
朝の自分。
疲れた日の自分。
荷物を持った自分。
忘れ物をした自分。
「もう今日は何もしたくない」と思っている自分。
その自分が、ちゃんと暮らせるか。
ここを見ておかないと、眺望の良さだけでは埋められない小さなストレスが残る。
もうひとつ、高層階で考えておきたいのは災害時のことだ。
普段はエレベーターが動いている前提で生活している。でも地震や停電でエレベーターが止まったらどうなるか。電気が止まったら、給水や空調や共用設備はどうなるか。階段で上り下りできる階数なのか。
もちろん、タワーマンションには防災設備が整っている物件も多い。非常用電源、備蓄、防災センター、管理体制など、低層の小さなマンションより安心できる部分もある。
だから「高層階は危ない」と単純に言いたいわけではない。
ただ、自分の足でその高さを受け止められるかは、考えておいたほうがいい。
たとえば30階に住むとして、エレベーターが止まった日に階段で上がれるか。小さな子どもがいる場合はどうか。高齢の家族がいる場合はどうか。水や食料を持って上がる必要が出たらどうか。
普段は見えない暮らしの条件が、災害時には急に前へ出てくる。
住まい選びでは、つい「どんな部屋に住みたいか」を考える。
でも本当は、「どんな一日を送りたいか」まで考えたほうがいい。
朝、家を出る。
帰ってくる。
買い物をする。
ゴミを出す。
忘れ物を取りに戻る。
疲れた日にもう一度外へ出る。
災害時に家族と過ごす。
その一つひとつが、住み心地をつくっている。
眺望は、暮らしを少し豊かにしてくれる。
でも、日常のラクさは、暮らしを守ってくれる。
タワーマンションの高層階を選ぶなら、窓の外の景色だけでなく、自分の一日がちゃんと回るかまで見ておきたい。
そのほうが、住んでからの自分にやさしい選び方になると思う。
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ここから先では、タワーマンションや高層階を検討するときに確認したい項目を、20個のチェックリストとして整理します。
内見時に見ること、営業担当者や管理会社に聞くこと、家族構成によって考えたいことを分けておくと、「景色はいいけれど、本当に暮らしやすいか。」を判断しやすくなります。
高層階を選ぶ前に確認したい20項目
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