決算書超入門 section3 貸借対照表は左を攻めて右へいく!実践編
このnoteでは、「自社の決算書の数字を経営改善のツールとして活用したいけれど、どうも決算書がうまく理解できずに悩んでいる、中小・零細企業の経営者さんや新人銀行マンの方」に向けて、実践的な内容をお届けしていきます。
※section3の冒頭部分は無料でお読みいただけます。
この記事をお読みの方に、特別なお知らせです。
私が経営者だった頃に、自社で実際に使っていた「3ステップで経常利益の予測ができる!Excelシート」(マニュアル付き)をプレゼントします!
現場で“数字の見える化”に役立った実践ツールです。よろしければ、下記のnote記事からダウンロードしてお使いください。
──決算が終わってから“振り返る”のか。
それとも、決算に向かって“結果をつくる”のか。この違いが、経営の明暗を分けます。
そして、「決算書の読み方」簿記・会計知識ゼロから学べる!決算書超入門3部作が、公認会計士さんからも高評価を頂きました!

なお、ここに掲載している内容は、2007年8月に出版しその後絶版となった、日本一わかりやすい!「ザ・決算書ドリル」を著者自身が大幅に加筆修正しリメイクしたものです。
※section1、section2は無料です⇓⇓⇓
※「section3の概要だけ知りたい」という方のために、AIによる音声解説をご用意しました。
それではここから、
①流動資産 ②固定資産 ③流動負債 ④固定負債 ⑤株主資本──この5つの重要項目に焦点を当てて学んでいきましょう。
まずは、自社の「過去3~5期分の決算書」をご用意ください。
なお、section3で使用する演習問題(⑳~㉗)は、PDFファイルでダウンロードできます。事前にプリントアウトしてお使いください⇓⇓⇓
①流動資産

■現金に始まり…現金に終わる!
商売は昔から現金に始まり現金に終わるといわれています。
そこで、流動資産のトップを飾るのが「現金及び預金」というもっとも重要な勘定科目になります。
なぜ?現金及び預金が資産のはじめにくるのかというと、貸借対照表の配列には流動から固定へという決まりがあり、資産は流動資産から固定資産へと現金化(換金)しやすい順に並んでいるという理由からです。
それでは、自社の決算書から会社の血液ともいわれる「現金及び預金の水準」から確認していきましょう。

■毎月…どれくらいのお金が必要になるの?
さて、会社を運営していくには、給与、光熱費、家賃など、毎月多くのお金が必要になります。
これは、損益計算書の販売費及び一般管理費に該当するものですが、その他に、仕入代金や借入金返済にもお金が必要になります。
そこで、例としてB社さんの貸借対照表と損益計算書から「毎月どれくらいのお金が必要になるのか」を計算してみます。

・月平均の計算…

・毎月必要になるお金の計算…

⇒ 販売費及び一般管理費+仕入代金+借入返済金
販売費及び一般管理費約 2,900,000 円
仕入代金 7,000,000 円
借入金の返済額 300,000 円
合計10,200,000 円
B社さんは、月平均にして約10,200,000円のお金が必要になります。
つぎに、平均月商を計算します。

上記の計算結果から…
B社さんの平均月商は10,000,000円で、月平均として掛かるお金は約10,200,000円なので、「毎月平均月商と同等額のお金が必要」になります。
※建設業、不動産業、自動車販売業などのように、月々の原価の変動が大きい業種は、平均月商と毎月必要になるお金が同等額にならない場合もあります。
▶それでは、演習⑳自社の貸借対照表と損益計算書から毎月平均して必要になるお金をチェックしてみましょう。
小売り・卸売業の場合…
※式のA欄:販売費及び一般管理費から減価償却費、引当金を引いた金額
※式のB欄:当期商品仕入高
製造業の場合…
⇒ 製造原価報告書がない場合
※式のA欄:販売費及び一般管理費から減価償却費、引当金を引いた金額
※式のB欄:当期商品・材料仕入高
⇒ 製造原価報告書がある場合
※式のA欄:販売費及び一般管理費から減価償却費、引当金を引いた金額
※式のB欄:(当期商品・材料仕入高+労務費+経費)-減価償却費

■現金及び預金の水準…
それでは、つぎにB社さんの貸借対照表と損益計算書から現金及び預金の水準を計算してみます。


会社は一般的に、平均月商と同等額のお金を毎月必要としますが、B社さんように「現金及び預金の水準が1ヵ月程度」の会社さんでは、思うように売上が上がらなかった場合、翌月以降の支払いを滞りなく処理することができなくなってしまいます。
また、コロナ禍においては、(※)固定費の6ヵ月分以上の手元資金が必要だったという話もあり、このような不測の事態に備えて、この現金及び預金の水準を少しでも上げていく必要があります。
※固定費:家賃や人件費など、事業を継続していく上で必ず発生する費用。
▶それでは、演習㉑自社の直前期の貸借対照表と損益計算書から現金及び預金の水準をチェックしてみましょう。
※現金及び預金の残高は定期預金を引いた金額を記入(融資を受けている金融機関分)
※融資を受けている金融機関の定期預金について…
ご存じの方も多いと思いますが、融資を受けている金融機関の定期預金は…いざというときに解約できないケースがほとんどです。
定期預金が担保に入っている場合は質権設定契約になっているため、完済するまで解約することができません。
また、担保に入っていない場合でも同様に解約できないケースが多いため、会社のお金であっても自由に使うことができないということを理解しておいてください。


▶つづいて、演習㉒自社の貸借対照表と損益計算書から5年間の現金及び預金の水準の推移をチェックしてみましょう。
※現金及び預金の残高は定期預金を引いた金額を記入(融資を受けている金融機関分)

※「現預金の重要性」について、音声でお聴きいただけます。
ここから先は、読み進めながら自社の数字を実際に当てはめていくパートです。「なんとなく理解した」では終わらせたくない方は、そのまま続きを読み進めてください。
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ここまで読んでいただき、ありがとうございます。記事を読んでくださること自体が、何よりの励みです。これからも、中小企業の現場に寄り添う物語を届けていきます。
