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レスラーの「引退」と芸人の「引退」

4月4日という日になると思い出すアントニオ猪木さんの引退試合。
1998年4月4日、7万人の観衆の中、ベートーヴェンの「運命」の曲と共にコロッセオに向かって歩いていくあの姿は忘れられません。
花道の脇でその姿を観れたことは一生の財産です。

引退試合を会場で見届けられたのは他に誰がいるかな。
長州力さんの最初の引退試合は観ました。
あとは、天龍源一郎さん、小橋建太さん、武藤敬司さん、グレート・ムタさん、山崎一夫さん、獣神サンダー・ライガーさん、高田延彦さん、齋藤彰俊さん、安田忠夫さん、カズ・ハヤシさん、金村キンタローさん、原田大輔さん、加藤拓歩さん、川村亮さん、ヴォルク・ハンさん、ウエザイルさん、太陽ケアさん、KAORUさん、木村響子さん、愛川ゆず季さん、大畠美咲さん、長谷川美子さん、進垣リナさん、春輝つくしさん、LiLiCoさん、そして、棚橋弘至さん。
今、パッと思い出した方々ですが、漏れもあるかもしれません。

やはりいつの時代もプロレスラーの引退というのは寂しいものです。

長年のキャリアを終えて完全燃焼で引退する人もいれば、怪我などにより志半ばで若くして引退する人もいます。
理由やキャリアはどうであれ、引退は寂しいです。

昨年は女子レスラーの引退が多い年でした。
女子レスラーは結婚や出産もお考えになるでしょうし、身体の元気なうちにある程度の年齢になったらしっかり区切りをつける方も多くいます。
昔の全女の25歳定年制というのは、割と正しい区切りだったのかもしれません。

男子レスラーも第二の人生を見据えて、しっかりと引退のタイミングを考えて、若くして去っていく方もいます。
そして、第二の人生での活躍が聞こえてくるとファンとしては嬉しくなります。

お笑い芸人だって同じです。
過去にやめていった仲間が数えきれないほどいます。
そんな仲間が引退後に順調にお仕事をしているとか、幸せな家庭を築いているのを聞くと嬉しくなります。
でも、引退する時はやっぱり寂しかったです。

4月5日には樋口和貞選手、4月26日には鹿島沙希選手、7月7日にはタイガーマスク選手が引退します。

樋口選手は首の怪我で試合を出来るコンディションではないこともあり、ご本人は試合はせずにセレモニーを行います。

鹿島選手は引退ロードで3試合を行いますが、ラストの26日の横浜アリーナではセレモニーのみと発表されました。

タイガーマスク選手は「やりたい相手が出てきたら引退試合をやるかもしれないし、セレモニーだけかもしれない」と語りました。

引退理由は三者三様ですが、「セレモニーだけ」という引退の形を取れるようになったのはとても良いことだなぁと思います。

樋口選手の引退に関しては、日頃からしっかりとメディカルチェックがされていたからこそ正しい決断が出来たわけですし、引退試合をしないという判断が出来たと思います。

昔のレスラーの引退は「引退試合」をして当たり前でした。
ジャンボ鶴田さんをはじめ、体調を考慮してセレモニーだけで引退されたレスラーもおられましたが、身体がボロボロでもその生き様を見せるために多少の無理をしてでも闘ってファンへのケジメをつけるもの、というのが常識だったように思います。

しかし過去に様々なリング上での事故を目の当たりにしてきているのもあり、今のファンはレスラーに対して「無理はしないでくれ!」という気持ちが強くなっていると思います。
だから「セレモニーのみ」でも全く問題ないし、それでも最後の雄姿を見るためにチケットを買って会場に行くぞ!となりました。
プロレスファンもとても温かくなり、これは本当にいいことだなぁと思います。

話のベクトルがガラッと変わって申し訳ないのですが、仲間内でレスラーの引退の話になると必ず出てくる名前が大仁田厚選手です。

今現在、7回引退し、7回復帰しています。
もはや、これに対して本気で怒る人間なんていません。
笑い話として語り継がれています。
7回の引退試合のうち私が観戦したのは1回だけです。
現状、最後の引退試合となっている2017年の7回目です。
その引退に向けて大仁田選手は「さすがにもうこれで最後!」と語っていたこともあり、会場の後楽園ホールは超満員。バルコニーの立ち見も3重、4重に人が重なるほどパンパンに入っていました。
「本当に最後」だからと、セレモニーに初めてお母さんも登場しましたし、私もマジでこれが最後だと思って観戦していました。
しかし、1年後に復帰しました(笑)
ファイトマネーを貰わないボランティアレスラーとして復帰という、さすが大仁田厚!というものでした。

2017年の引退試合の際、試合前に引退セレモニーをやったんです。
それはメインが大荒れになることも想定して、先にセレモニーをしたのだと思います。
これに対して私の知り合いが面白いことを言ったんです。
先にセレモニーだったということは、メインの引退試合が実はもう復帰戦だったんじゃないか?と。

で、私は1年後の鶴見青果市場での復帰戦を会場で観戦しまして、その日の夜に大仁田選手との食事会に呼ばれたんです。
その席で先ほどの「引退試合が実は復帰戦だった説」を大仁田さんに話したら爆笑しながら「それはないって!あの時はホントに辞めるつもりだったんだよ!」とのこと。
追い打ちをかけるように私は「ではなぜ、また復帰を?」と聞きました。
すると、大仁田さんは「やりたくなっちゃうんだよな~!ガハハ!」とのことでした。

これ、ずいぶんテキトーな考え方だなと思われるかもしれないですが、けっこう核心をついていると思うんです。

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