カラクリ探偵団 10ブラウン運動と生物
表紙画像はB1とB2が飼っているミドリムシに乗って競争している場面で、Google Geminiで生成しました。前回統計分布をモデル化する話をしましたが、モデルは近似であり実際の分布とは近似誤差(残差)が発生します。今回は「統計分布曼荼羅」構成要素のひとつ「残差」の予備知識として「ランダム雑音」についてB2の独断と偏見をもとに説明します。
ブラウン運動
我々が生活している環境では、水中の花粉など微粒子は水分子の衝突により不規則な運動をしています。下図はコーヒーにミルクを入れた時の経過で、この運動は1827年植物学者ブラウンによって発見されアインシュタインにより解明されました。古典力学観点から粒子(質点)に何らかの力が働いていることが想像でき、アインシュタインは速度に比例した摩擦力とランダム力の両方が原因と説明しています。摩擦力だけなら摩擦係数を拡散係数とする拡散方程式に展開できますが、温度に依存するランダム力が加わったことがポイントです。後に「ボルツマン定数KB」を導くきっかけになりました。

温度と分子運動
「温度とは?」、半世紀前B2は大学で「気体の温度は気体分子運動エネルギーで個体(結晶など)の温度は格子振動の大きさなので、0[K]では理想気体の体積はゼロで固体金属は超電導となる。」というようなことを学びました。左図は高温になると気体の分子運動(粒子速度)が上昇し衝突回数も増え圧力が上昇することを説明するものです。ある条件下(範囲内)で圧力が温度に比例することや等温条件下で圧力と体積は反比例すること(ボイル・シャルルの法則)に関連付けられ気体の状態方程式「P・V=n・R・T」が生まれたものとB2は認識しています。
右図は気体窒素分子の速度vの分布で、温度上昇につれて平均速度が上昇し速度分布が拡がります。さらに高温になると音速を超えて気体分子の運動 が激しくなりプラズマが発生します。

熱雑音
固体も分子運動と温度の考え方は同じで、抵抗や半導体中を電界方向に電子が移動する際に固体原子の格子振動でランダムに電子軌道が変化し磁場を生みそれがまたランダムに電子軌道に影響します。これが電子回路の熱雑音(Thermal Noise)です。熱雑音とボルツマン定数については書籍「信号処理入門」を参考にしてください。
生物と温度
B2の専門外分野で誤りがある場合はご容赦ください。地球は太陽系ハビタブルゾーンにあり生物にとって良い環境だったのかこの環境に合わせて生物が進化してきたのか不明ですが、医用工学教科書ではタンパク質やアミノ酸のサイズはサブミクロンで300[K]付近がもっとも活性が高い(B2の推測ですがブラウン運動が活発になる)と報告されています。
最適温度より低いと動きが鈍くなり代謝が低下し、最適温度より高いと運動が激しくなり立体構造(分子間の安定結合)が保てなくなります。生物はタンパク質の運動により結合や分離をおこない生命活動をしているので温度変化に敏感と考えられます。B2の憶測ですが深海海底火山近辺(高温高圧)の生物は分子鎖やタンパク質鎖の違いで地上生物と最適活動温度が異なるのかも知れません。
タンパク質はアミノ酸がペプチド結合した高分子化合物で、化学反応を促進する生体触媒の役割を果たすものを酵素と呼んでいます。右図は酵素の活性温度のグラフです。ミトコンドリアの全貌は不明ですが、機能のひとつにATPを生成することがあり最適温度37℃(310[K])で酵素活性が最大になることが報告されています。しかしこれよりも温度を上げると無機触媒と異なり機能が低下します。タンパク質なのでpH値や温度(60℃以上)によって酵素が変性し機能しなくなることが原因です。約40兆の多細胞からなる人類の体温がなぜ36℃か下図から説明できそうです。

カラクリ探偵団の本質解説
モデルの残差について解説する前に、少し遠回りしてブラウン運動や電子回路の熱雑音など温度に起因するランダム雑音の発生諸元を解説しました。
人間の体温が何故37℃なのか、気体の状態方程式の意味、半導体中の電子移動に伴う熱雑音は、B2の独断と偏見ですが根っこで繋がっていることを(無理に結び付けて)説明しました。
https://bookway.jp/modules/zox/index.php?main_page=product_info&products_id=1725
今回説明した温度由来の「ランダム雑音」と、信号処理で扱う「回帰モデル残差」の関連性について次回説明します。
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