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日英未収録の「ムーミン・コミックス」を読む方法

先日、とある方とのやり取りで、「(日本のコミックスに収録されていない)ラルスコミックスを読む方法はあるのか?」という話題になりました。

それより前からも、X(旧Twitter)でラルスコミックスに関する呟きをすると度々、「未収録のコミックスを読みたい」「どこに売っているんだ」「いつか日本語の完全版が出てほしい」といったコメントをいただきます。

2024年、ラルス・ヤンソン先生のお誕生日祝いのために描いたイラスト
https://x.com/juringo_applest/status/1846153356764684533

ご存知のとおり、トーベ・ヤンソンが手掛けたムーミン・コミックスは、すべて筑摩書房のシリーズに収録されています。

しかし、弟のラルスが手掛けたコミックスついては、現在は絶版となっている講談社のシリーズや、Drawn & Quarterly社が刊行している英語版ムーミン・コミックスと併せても、すべてのエピソードを読むことは叶いません

筆者もそうですが、ファンとしてはやはり、全73話を揃えたいと思いますよね。

実際のところ、すべてのムーミン・コミックスのエピソードを読む手段がないわけではありません
以下に、未収録のラルスコミックスを手に入れる方法をいくつかご紹介します。



①スウェーデン語の中古本を購入する

スウェーデン語では、1977年~1981年にかけて、ムーミン・コミックスを時系列順に全話収録した全8巻のシリーズ "Mumin" が刊行されています。
スウェーデンの通販サイトを色々と閲覧していると、時折このシリーズの中古本が売り出されているのを目にします。

ただし、1~3巻程度であればそれなりに出回っている印象がありますが、巻数を重ねるほどに希少性が増していきます。7巻以降は日英未収録のエピソードが多くなりますが、どういうわけか、それに伴い中古本の数も少なくなるのです。売られていたとしても中々手が出せない高額だったり、日本への配送が不可だったり……。

なおスウェーデン語版コミックスに関しては、上記とは別の出版社から、"Mumintrollet" のタイトルでシリーズが刊行されています(全21巻全15巻)。しかし、全話収録ではない上に時系列順でもないので、「完全収録」とは言い難いです。

某中古サイトで購入できた "Mumintrollet" の13巻(2004年, Schildts社)。
日英未収録のエピソードも読めるが、実際の新聞掲載順とは異なる。

そもそも「海外通販」という時点で、ハードルの高さは否めません。筆者は過去2回、ムーミン本を海外サイト(スウェーデンとフィンランド)で購入したことがありますが、やはり実物が手元に届くまでは不安です。出品者が信頼できる人かどうかわかりませんし、言語の壁もあります。「実際の価格、ゼロが2つ多かったらどーしよ……」などと、しょうもない心配もしました。支払い方法も限られていますし。


②海外の新聞のアーカイブを読む

先日、X上でこんなアンケートを取りました。

「読める!」とおちゃらけた感じに言っていますが、これは嘘ではありません。ムーミン・コミックスが連載していた当時の新聞のアーカイブを発見しました
とはいっても、実際にまだ手は出せていませんが……何しろ定期購読の登録が必要なので。
とりあえず見つけた新聞は、以下の2紙です。

  • Evening News (イギリスの夕刊紙)

  • Svenska Dagbladet (スウェーデンの日刊紙)

Evening News

ムーミン・コミックス(新聞連載)は、まず "Evening News" で連載が始まり、その後人気が出てスウェーデンや母国フィンランドの新聞にも波及しました。つまり、ムーミン・コミックスの初出時の言語は英語です。


"Evening News" を読めば、ムーミン・コミックス開始当時から時系列順かつリアルタイムで、連載を追うことができます。
……ただし、1968年に "Evening News" での連載は終了し、他の英語新聞で掲載されたそうです(スウェーデン語のWikipedia情報)。結局 "Evening News" でも全話網羅することはできません

とはいえ、未翻訳のエピソードが何本も読めるのは事実です。"Evening News" の後に掲載された英語新聞が判明したら、定期購読してみたいと思います。

https://www.britishnewspaperarchive.co.uk/

Svenska Dagbladet

言うまでもなくムーミン小説の原語はスウェーデン語ですが、ムーミン・コミックスの元々の台詞もスウェーデン語です。トーベ先生が書いたスウェーデン語のテキストを、ラルス先生が英訳していました(ラルスコミックスに移行してからは、1人でその作業を担っていました)。つまりムーミン・コミックスにおいては、英語とスウェーデン語、そのどちらも「原語」と言えるでしょう。
"Svenska Dagbladet" であれば、リアルタイムではないものの、ラルスコミックスを最後まで読むことができます。ヤンソン姉弟の母語で読める、というのは個人的にポイントが高いと思っています。

問題は、無事に定期購読の登録&解約ができるかどうか、です。支払い方法が少なく、日本だとカード決済しか対応していないようです。正直筆者はあまりカード決済は使いたくないです。解約方法についても一応記載はありますが、スウェーデン語なので正しく解読できているかも不安ですね……。

購読料も、前述の "Evening News" が読めるサイトよりも高額なので、登録は慎重に検討したいと思います。


③国立国会図書館に行く

ここまで大きく分けて2つの方法を述べましたが、いずれも海外のサイトを利用するため、やはり安易に手を出すのは難しいです。これを書いている本人ですら、まだ試していないのですから……試していないのに知ったような口を利くな!という感じですねぇ。

そんな日本人に優しいのが、国立国会図書館です。

国立国会図書館では、1971年以降の "Svenska Dagbladet" を読むことができます複写もお願いできます。
実際、自分はこの方法で1973年のムーミン・コミックス "Mumin och Gurun" を集めています。入手できたのはまだ4分の1程度ですが、安心して、確実に手に入る方法です。

- "Svenska Dagbladet" 1973年6月5日号 25面
"Mumin och Gurun" の第1回目が掲載。
(モザイクをかけています)

当然複写サービスには料金がかかりますし、図書館に行くまでの交通費を考えると、中古本を買うよりも割高かもしれません。
それでも、求めているものが確実に手に入るというのは大変ありがたいです
もし需要があれば、国立国会図書館での複写方法や、実際に掛かった料金についても、別途noteに記したいと思います。需要があれば、ですが……。


いかがでしたでしょうか。
今回のnoteが、少しでも誰かのお役に立てれば幸いです。
斯く言う自分も未収録コミックスにはほとんど手を出せていないので、近いうちに新聞アーカイブの定期購読に登録したいと思っています。前述の通り、末期のコミックスが掲載された英語新聞がわかりましたら、 "Evening News" と併せて読みたいです。あるいは思い切って、"Svenska Dagbladet" の定期購読に手を出すか……。
いずれにせよ、より有益な情報が手に入りましたら、またnoteで発信したいと思います。

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