【作家】若い頃、筒井康隆の魅力は分からなかった
最近、筒井康隆さんに
ハマっています。
先月に新潮文庫化された
『不良老人の文学論』。
これが実におもしろいんです。
短いエッセイばかりを
集めてあるから読みやすい。
と同時に、
不良老人・筒井康隆の
エッセンスがギュッと詰まっていて、
おもしろいんです。
もともとは
筒井康隆は若い頃、
タイプではありませんでした。
圧倒的に、星新一派でした。
星新一のスマートさに比べたら
筒井康隆は毒が強過ぎます。
また、1990年代には、
てんかん協会と、
差別表現をめぐって対立し、
筒井康隆は一斉砲火を浴びましたが、
その「事件」では
筒井康隆は表現の自由を主張し、
てんかん協会は筒井康隆の小説で
てんかん患者を差別していると
猛抗議し、マスコミや作家が
圧倒的に筒井さんを追い詰めたのでした。
その時の印象もまた、
筒井さんを悪者視する趨勢に
乗っかってしまいました。
でも、50代後半になり、
改めて考え直してみると、
筒井さんのアバズレ感はあるものの、
メンタル系の事象について
余りに自己規制するばかりの
出版界は正常とは言えないですね。
それにしても、
筒井康隆は元々、不良を目指す
危なっかしい資質があるので、
まだこの先も
何があるか分かりませんが、
今度は何をやらかしてくれるだろうと
思ってしまいますね。
そんなアバズレな不良作家が
今もなお文学者として
高い評価と人気を得ているのは、
彼の才能の高さのためでしょうね。
ショートショートの星新一と
しばしば比較されてしまう
鬼才・筒井康隆。
50過ぎてやっと、
筒井さんの良さ?魅力?について
分かってきました。
その代わり、
星新一は物足りなくなってきました。
もちろん、ショートショートで
虚無感たっぷりな、
シュールさに徹した星新一さんは
それはそれで凄いんですよね。
品位を保ち続けた作家でした。
それに対して、
筒井さんは、
常にチャレンジングで
冒険心にあふれた作家。
そんな筒井さんは
最近、自伝やらエッセイやら
読みやすい創作で
新参者でも親しめる話を
書いてくれていますね。
さあ、今夜もまた
エッセイ集『不良老人の文学論』を
チビリチビリと嗜むことにします。
若い頃の私は、
見識がなかったというか、
浅い認識力だったんだなあ。
やれやれ。
