見出し画像

コリウスをトレリスに仕立てて立体的に楽しもう

 コリウスというと、夏から秋にかけての花壇をカラフルに彩ってくれる便利な葉物、という印象をお持ちの方が多いのではないでしょうか。花の少ない真夏でも、赤や黄、銅葉、複色とカラフルな葉色を絶やさず見せてくれる、とてもありがたい存在です。しかも暑さに比較的強く、半日陰でもよく育つので、夏花壇のわき役として広く親しまれてきました。

 じつはこのコリウス、近年の育種改良のおかげで実にさまざまな品種が出回るようになり、楽しみ方もぐんと広がっているのです。かつては種からふやす実生系が中心でしたが、今では挿し芽でふやす栄養系の優秀な品種が数多く登場し、葉の大きさも草丈もバリエーション豊かになりました。

 中でもおすすめしたいのが、背の高くなる品種を使った「トレリス仕立て」です。鉢の中で立体的に葉色を立ち上げると、平面的な寄せ植えとはひと味違う、まるで小さな壁面花壇のような華やかさが生まれます。狭いベランダや玄関先でも、上へ上へと空間を使えるのも大きな魅力でしょう。今回は、おもに栄養系の大型種や中型種を使って、コリウスをトレリスに仕立てる方法を、順を追ってご紹介しましょう。

トレリス仕立てに向くコリウスの品種


 トレリス仕立てには、背が高く育つ栄養系の大型種や中型種をおもに使います。種からふやす実生系と違い、挿し芽でふやす栄養系は性質がそろっていて、こうした仕立てに向いているのですね。

 基本は、同系色の2、3品種をひとつの鉢にまとめて植えるとよいでしょう。色のトーンをそろえると、ごちゃつかずに上品にまとまります。さらに、大型種の株元に別の小型あるいは中型の品種を配して上下に分けてやると、立体感が出て一段と華やかな印象になります。

 具体的な品種を挙げてみますね。赤系の大型種ではレッドヘッド、緑系の大型種ではライムサンシャインやピーターグリーンがあります。ゴリラには赤系の品種も緑系の品種もそろっていますので、1つのシリーズで色のバランスを取りやすく、組み合わせの幅が広くて使いやすいでしょう。株元に配置するなら、ホットビートなどの小型種がちょうどよい脇役になってくれます。

 色合わせに迷ったら、まずは同系色でまとめるのが失敗のないやり方です。赤系なら濃淡の違う赤を、緑系ならライムから深い緑へと、トーンに幅を持たせると単調になりません。慣れてきたら、赤系の大型種に緑系の小型種を株元に効かせるなど、補色を使った大胆な組み合わせにも挑戦してみると面白いですよ。

トレリスへの仕立て方


 それでは、実際の仕立て方を順を追って見ていきましょう。

 用意するのは10号くらいの鉢と、扇形のトレリスです。まず鉢底に鉢底石を敷き、その上に市販の園芸用培養土を半分くらいまで入れます。そこへトレリスを挿し込み、根鉢を軽く崩したポット苗を培養土の上に置いて、残りの培養土を入れ、株元をしっかりと押さえてください。

 植え付けるときは、トレリス側に背の高い品種を、手前に背の低い品種を配置するのがコツです。こうすると正面から見たときに、低い葉から高い葉へと視線が自然に流れて、まとまりよく見えます。

 置き場所は、風通しの良い明るい半日陰が良いでしょう。コリウスは葉物ですから、真夏の直射日光は厳禁です。強い日差しに当てると葉焼けして色がさめてしまいますので、気をつけてください。そのかわり水を好みますので、真夏は水を切らさないようにたっぷりと与えましょう。

 栄養系の品種は花芽が付きにくいのですが、もし花芽ができたらすぐに根元から切り取ってください。花を咲かせると株が老けて、葉色も悪くなってしまいます。コリウスが育ってきたら、伸びた茎を少しずつトレリスに止めていき、横にはみ出した枝葉は適宜剪定して形を整えましょう。こまめに先を摘んでやると枝数が増えて、トレリス全体がふっくらと葉で覆われていきます。

水やりと肥料のコツ


 コリウスは葉を次々と展開させる植物ですから、水と肥料をよく欲しがります。とくにトレリス仕立てのように大株に育てる場合は、水切れと肥料切れに注意してください。

 水やりは、鉢土の表面が乾いたらたっぷりと与えるのが基本です。真夏の晴天が続く時期は、朝と夕方の2回必要になることもあります。葉が大きい大型種ほど水をよく使いますので、うっかり乾かしてしまわないよう気をつけましょう。一度ぐったりと葉を垂らしてしまっても、すぐに水を与えれば多くの場合は回復しますが、傷んだ葉が出ることもあるので、なるべく切らさないのがいちばんです。

 肥料は、植え付けのときに緩効性の置き肥を施しておき、さらに生育期には液体肥料を1週間から10日に1回ほど追加すると、葉色が冴えて株もよく茂ります。葉色が薄くぼやけてきたら肥料切れのサインですので、追肥をしてあげるとよいでしょう。

 ちなみに、ここでご紹介したトレリス仕立てのほかにも、栄養系のコリウスはスタンダード仕立てやツリー仕立てなど、立体的な仕立てがいろいろと楽しめます。トレリス仕立てに慣れてきたら、次のステップとして挑戦してみるのも面白いと思います。

真夏の害虫対策


 ちなみに、コリウスは真夏に株が弱ると害虫の被害に逢うことがあります。とくに暑さで蒸れて元気をなくしたときは要注意です。

 被害を見つけたら、まずは涼しい場所に移してから薬剤を散布してください。弱った株を炎天下に置いたまま薬をかけると、かえって傷んでしまうことがあります。食害されてしまった葉は思い切って根元から切り取ってしまいましょう。傷んだ葉を残しておくより、新しい葉の展開を促したほうが、株の回復も早くなります。

冬越しと殖やし方


 コリウスは霜が降りるまで屋外で鑑賞できますが、寒さには弱く、屋外での冬越しはできません。ただ、挿し芽でとても簡単にふやせる植物ですので、心配はいりません。

 お気に入りの品種は、秋のうちに挿し芽苗を作っておくとよいでしょう。小さな挿し芽苗を、室内のレース越しに日が当たる暖かい場所に置いておけば、無事に冬を越せます。そして翌春にまた植え付ければ、好きな品種を毎年絶やさずに楽しめるというわけです。

まとめ


 コリウスのトレリス仕立ては、背の高い栄養系の品種を主役に、株元に小型種を添えて立体的に組むのがポイントです。半日陰での管理と、水切れ・蒸れへの注意さえ押さえれば、夏から秋まで長く葉色の競演を楽しめます。
花の少ない真夏の庭でも、コリウスなら鮮やかな葉色でにぎやかに彩ってくれます。今年の夏は、トレリス仕立てでコリウスを立体的に飾ってみてはいかがでしょうか。

 なお、温暖化が進む昨今、夏をいかに乗り切るかは私たちガーデナー共通の大きな課題です。夏の管理についてさらにくわしく知りたい方は、拙著「園芸植物と共に夏を生きる ガーデナーのための夏越しテクニック」もぜひのぞいてみてください。Kindle Unlimitedなら追加料金なしでお読みいただけます。


いいなと思ったら応援しよう!