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椿姫のの展2024 展示作品解説

展示作品【ヤマアラシのジレンマ】

・ヤマアラシのジレンマ とは

人間同士が仲良くなろうと距離を縮めようとする一方で、互いに傷つけ合うという心理状態を指します。
人間関係において、近寄りすぎると考え方の違いから緊張感や反発が起き、離れすぎると疎外感や違和感を抱くという傾向があります。
この心理状態を「ヤマアラシのジレンマ」と呼び、人間が抱えやすい問題として使われます。
「ヤマアラシのジレンマ」の具体例としては、寒空にいるヤマアラシが身を寄せ合って体を温めようとするものの、針があるためお互いを傷つけ合うという状況が挙げられます。
ヤマアラシは何度も近づいたり離れたりを繰り返し、やがてお互いが傷つけあわず、適切な距離感を見つけるのです。

モデルである椿姫ののさんが好きな作品のひとつ【エヴァンゲリオン】
その第四話「雨、逃げ出した後に」に登場し、有名になった逸話のひとつでもある。

前回の椿姫のの展に引き続き、エヴァンゲリオンでも有名になったワードでもある、この言葉をテーマに
端から見ればゴミに見えるものを使用した立体作品(=JUNKART)で挑みました。

・使用した材料


今回使用したものは、シュレッダーダスト。
自身が撮影した、椿姫ののとの過去の撮影写真をA4の普通のコピー用紙にモノクロで両面印刷したあとに、何枚かをランダムにまとめてシュレッダーにかけました。
写真の使用枚数でいうと、トータル700枚以上を裁断。
A1の貼りパネル+A2のメインパネルを張り合わせて横幅をB1サイズにしたものに貼り付けて基盤を制作。
3Mのスプレーのりと、スティックのりの2種類を用意し、その後シュレッダーダストを適当な袋の中で入れ、スプレーのりを塗布した後にまとめたりこねたりを繰り返してシュレッダーダストの塊を作り、基盤に貼り付けました。
こうすることでランダム性が強まり、「複製不可の写真作品」が完成することができます。

相変わらずサイコパスだと思います。
だって、自分が写っている写真や、自分が撮影した写真をシュレッダーにかけるのですから。

しかし、そこはののさん。
展示概要をまとめた資料を送った際の是非が

と、2つ返事でした。
おもろー。

・ヤマアラシを題材にした理由


1.ののさん自身が度々バズったりもするが、度々炎上したりもしていて尖った一面があるから。
2.当人が距離感が近くなりすぎるタイプの人見知りで、それが故に勘違いされてしまい人間関係に悩む時があったのを見ていて知っていたから。
3.当人がエヴァンゲリオンが好きであるのを知っていたから。
4.その他の要因

・メインビジュアルの写真を使用した理由


元々は同系統のビューティ系写真の縦構図の写真を使用する予定でいました。
しかし、
1.ヤマアラシを縦構図で表現するには難しく、横構図の方がスマートに見えた
2.元々同じビューティ系を展示する時点で「デジャヴ(既視感)」が出る事は視野しており、それならいっそ「全く同じ写真」でより強い既視感を持ってもらおうと思ったから
3.メインビジュアルにもなるくらいなので、この写真が一番強い

などの理由でこの写真に決まりました。

この写真単体は明らかに「光」や「陽」をイメージする写真なのですが
【椿姫ののが、これで終わる人ではない】というのは、ののさんを知っている人なら分かるはず。

あ、あの写真見たことあるーってなって近づいたら「なんか横にわけわからんのあるんですけどー!?」ってなってもらえたら幸いです。

・他の写真がモノクロな理由

これは非常にシンプルで、
1.ヤマアラシのまばらな体毛・棘に寄せたかった
2.メイン写真がカラーなのでその対比で見せるため
3.陰・陽、光・影、外面・内面などのバイカラーを彷彿させるため
の以上3つです

・鋭利に見えるものを使用しなかった理由

鋭利に見せるためまっすぐ長くシュレッダーされたものを入れるのはもちろん考えました。
ただ、貼っただけでは明確な差は生まれないと想定し、棘のような主張が生まれない。
そこをレジンでコーティングさせれば強度があがりますが、今度は光沢が生まれてしまう。
しっかりこねて紙粘土のようにし、成形すると形は自由に出来るけれど、単体の強度面に不安が残る。

ということで、今回は細かくシュレッダーされたものだけに落ち着きました。

しかし、いろいろ気付きや発見が生まれたので、これを応用したものを今後制作するかもしれません。

・落ちた写真も作品のひとつ

搬入当初は体にシュレッダーが残っていたのですが、時間が経過することでどんどん落ちてきました。

非常に脆く、隣の人のハンマーの振動でハラハラ落ちていってしまうほど。

が、しかし


一回地肌見えちゃうくらい剥がれてしまったので、そこは直しました。
シンプルに想定外すぎ(笑)

このシュレッダー部分が人によっては様々見えるようで
・ドレス
・堕天使の翼
・ノイズ
などなど、色々な見解があって面白かったです。

そこに落ちた写真は
・ノイズが削ぎ落とされたように
・羽が落ちたように
・肩の荷が降りたように
・希望を産み落としたように

などと、ここにも色々な見解が生まれていて良かったです。

ちなみに、ののさんから見た見解だと


-------------
自分自身に侵食してくる闇とかノイズに見えた
いわゆる、引きずり落とそうとしてくる人達の怨念や執着心のようなもの
でもそんな底辺の人間からの嫌がらせに屈したくないとずっと涼しい顔をしてきた、自分自身だと思った
自分の理想の姿といえる

-------------

だそうな。
本人から見ても、違うように見えるところがこういう造形作品なのかなと。

ちなみに、次回のの展が開催されるとしたら、一応案はあるのでそれをやろうかなと思っています。
一回投げてみたら「え?殴るよ?」と割とマジボイスで言われたのでお蔵入り想定だったんですが…
まさかの原田さんから


「めっちゃいい!!やりなよ!!」


とお言葉をいただいたので

ののさんを説得するか
この案聞いても怒らずに面白いと思ってくれるモデルさん
のいずれかでやろうかなと考えています。

・のの展 感想&総括

前回のギャラリーZの展示から引き続き、2回目のののさんの展示。
ケンタさんは原田さん、KAMANOIさんなどアイドンノー展にも出展してるくらい写真上手い人がゴリゴリ参加してきて
「蠱毒じゃん」という感想がポッと出るくらいには、えげつない面々になってて内心ヒヤヒヤしてました。

この面子のアクの強さや、癖の強さは側からみたら「不協和音」とも取れるレベル。
どうまとまるんだろうなと思っていたら、1時間で搬出が終わるくらいみんなが協力的で、めちゃくちゃスムーズにそして平和的に終わることが出来ました。

ただ、モデル当人がこの展示の準備中にバズったりしましたが、炎上もしていたりして「なんしとるん????」って言った時もありましたけど(笑)

のの展2025は開催されるかは分かりませんし、やるとしてもまた呼んでいただけるか分かりませんが、私は変わらず写真を使って様々な表現をしていきたいなと思います。


p.s
必要のないジレンマは、搬出時にぶっ潰してもらいました。

厄を払って、良いお年を。

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