見出し画像

ハイライトは毒にも薬にもなり得る── バスケは「結果」ではなく「プロセス」だ

── ハイライトはハイライト、ゲームはゲーム



■ 1|ハイライトは、毒にも薬にもなり得る。


年末年始、
ウインターカップ、Bリーグ、ジュニアウインターカップ、天皇杯。
多くのカテゴリーのバスケットボールを観る機会があった。

その中で、改めて強く感じたことがある。

ハイライトでバスケを学んではいけない、ということだ。



■ 2|ハイライトは刺激的で、魅力的だ


ハイライトプレーは、
タフショット、ダンク、ステップバックスリー、ディープスリーなど、
派手で、刺激があり、見応えがある。

それは間違いなく、
バスケットボールという競技の素晴らしい一面だ。

Bリーグの試合を共に観戦した「バスケをしていない層の方々」も、
バスケは「派手で見応えがあって好き」という感想を持っていた。

実際、
観るスポーツとしてのバスケは非常に優れている。



■ 3|ハイライトは結果、ゲームはプロセス


ただし、ここで立ち止まって考えなければいけない。

ハイライトはあくまで「結果」であり、
ゲームは「プロセス」の積み重ねだ。

ひとつのポゼッションにフォーカスしても、

スコアはあくまで「結果」であり、
そこに至るまでのプレーこそが「プロセス」である。

判断、タイミング、スペーシング、準備。
それらのプロセス(仮定)が積み重なった先に、
結果としてスコアが生まれる。


しかし最近はどうだろう。

画面を開けば
ふと目に入るのは、「ハイライトばかり」だ。



■ 4|見るバスケと、やるバスケは同じではない


見る人にとって、バスケは
派手でいい。

それはこの競技の魅力であり、
エンターテインメントとして正しい在り方だ。

しかし、

やる人間が派手なものだけにフォーカスしていいかというと、
そうではない。

見るバスケと、やるバスケは同じではない。



■ 5|派手なプレーは個人。バスケは5人。


派手なプレーとは何か。

  • ダンク

  • タフショット

  • AND1

  • ディープスリー

その多くは、選手個人に焦点が当てられたプレーだ。


では、そのハイライトが生み出された瞬間、

他の4人は何もしていないのか?

そんなわけはない。

  • リバウンド

  • スクリーン

  • フラッシュ

  • パスの中継

  • スペーシング

  • サポートムーブ


ひとつの派手な1プレーの裏側は
これよりも遥かに多い地味な仕事の連続だ。

ハイライトを残した選手に4人を加えた5人で
これらの「地味」を積み上げた上にハイライトは生まれる。


そして試合の大半は、
その「地味な時間」で構成されている。



■ 6|育成世代にこそ、知ってほしいこと


育成世代の選手には、ぜひ知ってほしい。

ハイライトで目立つことと、成長することは一致しない。

本当に伸びていく選手は、
地味な判断を積み重ね、
再現性のあるプレーを選び続けている。


しかし最近はどうだろう。

ここでも、ふと目に入るのは「ハイライトばかり」だ。

だからこそ、
育成に関わる側も、
プレーする側も、

気が抜けない。


上部だけでなく、
中身のあるプレーヤーに。
中身のある人間に。

それが、長くバスケを続け、応援され続け、
最終的に大成するための条件だと思っている。



■ 7|これは、コーチにも言えること


この話は、選手だけのものではない。

コーチや、発信者にも当てはまる。

わかっているコーチは、わかっている。
わかっていないコーチは、わかっていない。


しかし最近はどうだろう。

ここでも目に入るのは、「ハイライト」が多い。


わかっているはずなのに、
バズる発信に寄ってしまっているケースも少なくない。


多くの場合、それは
意識的というより、
簡単な方に流れた結果だ。


SNSという環境、
業界全体の潮流が、
派手で分かりやすいものを求めている。


相当な意識をしていないと、
無意識のうちに流されてしまう。


これは、自分自身も含めての話だ。



■ 8|自戒として、新年に書いておきたいこと


だからこれは、
誰かを批判するための記事ではない。


年末にウインターカップ、
年始にBリーグ、ジュニアウインターカップ、天皇杯。


多くのバスケを観て、
改めて思ったことを、
自戒として書いておきたかった。




■ 9|ハイライトはハイライト。ゲームはゲーム。


ハイライトは否定しない。
刺激も、魅力も、必要だ。


ただし、

ハイライトで学ぶべきではない。
ハイライトはハイライト。ゲームはゲーム。


育成の軸に置くべきなのは、

再現性があり、積み重ねられる判断とプレーだ。


その積み重ねの先に、
初めてハイライトが生まれる。


この順番だけは、
絶対に間違えてはいけないと思っている。

ハイライトは、毒にも薬にもなり得る。



筆者:安達政(https://www.instagram.com/jung_adc_bb/


安達 政(JUNG ADACHI)
BリーグユースU15 AC
「図解 × 言語化」で “考えるバスケ” を
Instagramで発信

いいなと思ったら応援しよう!