小笠原・父島への旅⑨〜3日目(後編)
小港海岸に、人が集まりはじめた。
島の方々、旅の仲間たち、知らない同士も自然と輪になってイノリのサークル&ライブが始まった。

まずは、みんなで東西南北の四方へ祈りを捧げる。
潮風と波の音、そしてホラ貝の音色とイノリの波動に、心が静かに整っていくのを感じた。

続いて、みんなで踊ったのは一生懸命練習した「星降る島」。
「踊りは苦手」と思っていたはずなのに、不思議なくらい楽しく、気持ち良く体が動いた。
みんなと一緒だから? 空の下だから?
もしかしたら、感情の解放が起こっていたのかもしれない。

そしてLiveの始まり!
島の方々や仲間たちが、順番に歌を届けてくれた。
聞き入る人、踊る人、手拍子をする人…
みんなそれぞれのスタイルで、その空間を楽しんでいた。
この感覚、どこか懐かしい。
縄文やレムリアの、争いのない時代って、きっとこんなふうだったんじゃないかな。
知らない者同士が、歌い、踊り、笑い合う。
それだけで、十分に豊かな時間だった。

そして、奇跡のような出来事が訪れる。
この時期1ヶ月ほどだけ、小港海岸の真ん中に夕日が沈むそうです。
歌を聴きなら、その夕日が、水平線に沈む瞬間を眺めていると…
一瞬、緑色に光って消えた!
場所や天候など、さまざまな条件が揃わないと見られないという「グリーンフラッシュ」でした!
地域によっては「見た人は幸運」と言い伝えられているらしい。
そんな奇跡に立ち会えたことに、ただただ感動と感謝があふれた。
(残念ながら、スマホでは撮れてませんでした)

陽が沈んでも、まだ集いは終わらない。
そして、夜の帳が降りるころ、みんなで輪になって手をつなぎ、レムリアの音を響かせた。

そのとき、その場にいたみんなと
「ひとつになる感覚」が全身を包んだ。
言葉にできない、不思議な感覚。
一つの「光」になった感覚。
けれど確かにそこにあったのは、愛と調和のエネルギーだった。
世界中が、こんなふうにひとつになれたら、争いなんて起きないのに。
あのとき感じた光を、忘れたくない。
大切に持ち続けていたい。
そして、今ここにいない人たちにも、少しでも届けたい。
この奇跡のイノリの夜は、私の人生の宝物になりました。

イノリ&Liveは大感動で幕を閉じ、真っ暗になったビーチを後にして、宿泊しているエコビレッジへ戻った。
仲間も疲れているはずなのに、心を込めて作ってくれた温かくておいしい晩ごはん。
最後の晩餐を、みんなでいただく。
その優しさとおいしさに、心から感謝が湧いてくる。

でも…
この夜は、ゆっくり余韻に浸る時間がほとんどなかった。
翌日は、いよいよ旅のクライマックス。
この旅でいちばん楽しみにしていたドルフィンスイムが、午前中に待っている。
そしてその午後15時には、おがさわら丸に乗って、また24時間かけて東京へ戻る船旅が始まる。
だから、寝る前にやっておかなければならないことが山ほどあった。
帰る準備、荷物の整理、濡れたもののパッキング……
ジャングルの暗闇中、ひたすら黙々と動き続ける夜。
最終日の夜は、なかなか寝つけなかった。
眠りたいけど眠れない、そんな夜。
でもそれも、旅の一部だったように思う。
この島へ来てから、毎日が奇跡のような日々だった。
明日は、どんな奇跡が待っているんだろう。
