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【副部長日記】「貨物だって、重機でしょ!」ファンの“妄想”が企業を動かした、奇跡のコラボイベント全記録

「もし、貨物駅に大好きな重機と機関車が並んだら…?」

ある一人のファンの“妄想”から始まった物語が、企業を動かし、業界の垣根を越え、ついに現実のものとなりました。
2026年5月9日(土)、日立建機のマザー工場がある茨城県土浦市にあるJR貨物土浦駅。
普段は決して立ち入ることのできないその場所で、
重機ファンと貨物・鉄道ファンの夢を乗せた、前代未聞のコラボレーションイベントが開催されました。

日本に一台しかない特別な重機、
世界に一つだけのオリジナルコンテナ、
そして“金太郎”の愛称で親しまれる巨大な機関車。
なぜこの奇跡は起きたのか?

ファンコミュニティから生まれた熱量が、いかにして奇跡のコラボを実現させる力となったのか。
熱気と笑顔に包まれた、あの感動の一日の全貌をここに記録します。



すべてのはじまりは、ファンの投稿だった

重機ファンの方にインタビューしていると、ある一定数の方が言うんです。

「実は、貨物も好きなんだよね。」

これまで200名を超える重機ファンと対話する中で、
私たちは興味深い事実に気づいていました。

動く鉄の塊・重機に魅せられた人々の中に、
同じく鉄の塊がレールの上を疾走する姿を愛する人々、
特に「貨物ファン」が少なからず存在することを。

その小さな気づきが、やがて大きなうねりを生むとは、その時は誰も想像していませんでした。

私たちの運営するコミュニティサイト「重機ファンダム」には、
お題に対して投稿してもらう「気軽にひとこと」コーナーがあります。

そこで、こんな問いかけをしてみました。
「鉄道ファンも思わず重機にハマるイベントは?」

数々のアイデアが寄せられる中、ある日、ひとつの投稿が。

「貨物駅に日立建機のコンテナとZAXIS200と機関車を展示する」

コミュニティサイト「重機ファンダム」へのファンからの投稿


それは、多くのファンの心を鷲掴みにする、あまりにも壮大で、ワクワクするような「夢物語」でした。
しかし、この一言こそが、数々の奇跡を引き起こす始まりの合図だったのです。

点と点が線になるまで。「機関車は、鉄道における重機だ」

奇跡は、いつも人の繋がりから生まれます。
とある重機ファンの方のご紹介で、JR貨物土浦駅の歌代駅長さんが「重機ファンダム」の仲間になってくださったのです。
鉄道、貨物、航空機をこよなく愛すると語る駅長さんと、
私たちはすぐに意気投合!

そんな会話の中で、駅長さんが放った一言が、私たちの固定観念を打ち破ります。

「機関車は、鉄道における重機だからね。」

正直、すぐにはピンときませんでした。

しかし後日、とあるファンの方がコミュニティに投稿された一冊の書籍が、
その言葉の意味を解き明かしてくれます。


コミュニティサイト「重機ファンダム」へのファンからの投稿

原正著『電車だけが鉄道車両ではない ディーゼル車のツブヤキ』。
この投稿に、他のファンからこんなコメントが寄せられました。

「エンジンと変速機はメカとして共通ですからね。建機とは求められる特性が違うとはいえ、カラクリの発想は参考になる部分があると思います」

そこでようやく気付いたのです。
よく知る電気の力で乗客を運ぶ「電車」とは異なり、
重たい貨物を牽引するディーゼル機関車は、その構造が建設機械に極めて近い。

エンジンで動力を生み出し、変速機を介してそれを伝える。
まさに「重機」そのものだったのです。

また、2025年2月、福島の重機ファンであり、大の貨物ファンでもある方を訪ねた時のこと。
彼はホワイトボードを使い、目を輝かせながら、まるで少年のように語り始めました。
「土浦駅でこんなことができるんじゃないか…」。
それは、最高に楽しい「妄想企画会議」でした。

2025年2月、重機ファンインタビューに伺った際に、
妄想の「JR貨物土浦駅重機コラボイベント企画検討会」をしたときの様子



立ちはだかった壁と、“自家用車”で駆けつけた救世主


夢の実現に向け、企画が具体的に進み始めたある日のこと。
私たちは大きな壁にぶつかりました。

イベントの主役となる重機。
貨物駅の構内で、巨大なフォークリフトや機関車と並び立つ姿を想像した時、答えは一つしかありませんでした。
「ホイール式(タイヤ式)の油圧ショベルしかない!」と。

そこで頭に浮かんだのが、ZX125W。
言わずと知れた日立建機のホイール式油圧ショベルです。
余談ですが、このZX125W。一部のファンからは「自家用車にすることを夢見ている」と語られるような憧れの一台。

👇こんな風にめちゃくちゃファンから愛されているZX125Wなのです。


しかし、イベント開催に尽力してくれていた日立建機つくば営業所の鈴木さんにその想いを伝えると、衝撃の一言が返ってきました。

「クローラータイプの油圧ショベルならありますが、
タイヤ式のショベルはレンタル機のご用意がありません

まさかの一言に、頭が真っ白になりました。主役不在。
イベントの根幹が揺らぐ事態に、私たちは動揺を隠せませんでした。

万策尽きたかと思われたその時、一筋の光が差し込みます。

私はダメもとで、龍ヶ崎市で建設会社を経営し、自身も熱心な重機ファンである株式会社イシダの石田社長(https://www.ishida-power.co.jp/ )に連絡を取ったのです。

「5月9日なのですが、石田さんの保有されているZX125Wで、
自走で土浦駅まで来てもらえませんか?
重機ファンと貨物ファンのためのイベントをやりたくて…」

今思えば、あまりにも無茶で、厚かましいお願いでした。。。
しかし、石田様からの返信は、私たちの想像をはるかに超えるものでした。

「喜んで!」

超即レス
でした。

なんと、石田様は自社機の愛車、ZX125W-7を、このイベントのためだけに、自ら運転して土浦駅まで来てくれるというのです!

このイベント実現の裏には、一人の重機ファンの海より深い愛と、
全面的な協力があったのです。

夢が現実になった日。2026年5月9日、土浦駅の奇跡


そして、あの「妄想」が現実になる日がやってきました。
2026年5月9日、雲一つない快晴のJR貨物土浦駅。

構想から長い時を経て、ついに夢のイベントが実現したのです。

イベントタイトルは、「貨物だって、重機でしょ!」

当日お配りしたイベント“しおり”の表紙


日立建機のマザー工場があるこの聖地・土浦に、24名の重機ファンダム会員が集結しました。

普段は決して立ち入ることのできない広大な貨物駅の構内。
そこに広がっていたのは、誰も見たことのない、夢のような光景でした。

主役は、あまりにも豪華な「オンリーワンコンビ」。

一つは、日立建機が誇るホイール式油圧ショベル​「ZX125W-7」
しかも、日本にただ一台の激レア機「リアアウトリガー仕様」​で、TAGUCHI製の全旋回グラスパーを装着してくれています!

もう一つは、
日立建機の生産部品輸送を支える​「オレンジコンテナ(U20A-581)」
これもまた、日本に一つしか存在しないオリジナルデザインです。


あまりにも豪華な「オンリーワンコンビ」。
日立建機専用コンテナとリアアウトリガー仕様ZX125W-7。


そこへ、地響きを立てて現れたのが、
JR貨物のEH500形電気機関車​、通称「金太郎」。
重量134t級というその巨体は、
日立建機の超大型油圧ショベルEX1200クラスに匹敵します。
まさに「線路上の重機」。

EH500形電気機関車とZX125W-7

自作したヘッドマークを持参するファンの方がいらっしゃったり、
ぬいぐるみをもってきてぬい撮りされる方がいらっしゃったり、
思い思いの過ごし方で、会場には笑顔が溢れました。


自作のヘッドマークをご持参いただいたファンと、運転手さん、駅長さんとの写真

重機と機関車が肩を並べるツーショット撮影会では、
誰もが夢中でシャッターを切りました。

イベントは体験コンテンツも盛りだくさん。
ZX125W-7がアームを巧みに操るデモンストレーション、
すぐ近くでは10tフォークリフトによる迫力ある荷役作業を見学します。


JR貨物の10tフォークリフト

そして、コンテナの中に入るというアトラクション!
「ほんとにまっくら!」という歓声が上がり、物流の現場を肌で感じることができました。

機関車の連結作業やパンタグラフの昇降など、
鉄道ファン垂涎のシーンも間近で見学でき、
参加者全員が笑顔、笑顔、笑顔!!

何枚撮ったかわからないほどの集合写真が、この日の幸福感を物語っていました。


熱狂と感動の声!参加者アンケートより

イベント後、参加者の皆様にお願いしたアンケートでは、​
全員が満足度で最高の5つ星を付けてくださり、
感動と興奮に満ちたコメントが続々と寄せられました。

「重機と鉄道!!こんなイベント、鉄チャン、重機ファンの私の為に開催!?やってくれましたね!!流石、重機ファンダム。久しぶりに、本当に、心より楽しんだ時間でした」

「重機とJR貨物の融合。なかなか思いつかない組み合わせではありますが、鉄オタの旦那を持つ私にとっては夫婦で楽しめるイベントでした。皆様の動き方を見ているだけでも楽しかったです。改めて好きな物がある幸せを確信しました」

特に、普段は入れない場所での自由な見学や、職員の方々との交流が心に残ったという声が多く聞かれました。

「何より、あんなに自由に構内を歩かせて頂いたこと。さらに、皆様、とても丁寧に対応して頂いたこと。機関車運転士様と会話出来た事。駅長様、皆様に御礼申し上げます」

「一般的な鉄道イベントではあまり無い営業中の敷地内で開催して頂きありがとうございました。旅客ホームでは無い地面からEH500の発車を見る事が出来た事は感動しました(ブロアーとVVVF、モーター音最高でした)」

そして、このイベントの立役者である石田様への感謝の言葉も。

「素敵な愛車を見せていただいてありがとうございました。綺麗に使われており、ロゴもキラキラで目が釘付けになりました」
「石田社長の優しさが笑顔に出ていてなんだか幸せな気持ちを頂きました。石田社長!本当にありがとうございました」



ファンの“好き”が、社会課題への共感につながる

このイベントは、単なるファンのお祭りではありませんでした。
参加者のコメントからも、その意義の深さが伝わってきます。

「『貨物だって、重機でしょ』です。皆様からたくさん教えて頂き、勉強させて頂きました。新しい発見たくさんありました」

「貨物列車のサステナビリティに気付きました。業界の垣根を超えて協力し合うのは素晴らしいことだと感じました」

主役の一つである「オレンジコンテナ」は、日立建機がGHG排出削減のために推進している​「モーダルシフト」​の象徴。
このイベントの目的の一つは、ファン体験を通じて、この重要な取り組みへの理解を深めることなのです。

「全国規模で大量の荷物を安定的に届けられる輸送インフラは、やはり鉄道貨物ならではだと感じました。JR貨物の役割は今後さらに重要になると感じます」
「コンテナの中は初めて入りました。通気が必要な野菜を運ぶ場合に使うなど、今まで知らない知識を中の人に直接聞けて楽しかったです」

“好き”という純粋な熱量が、物流や環境といった社会課題への自分事としての理解を促し、サステナブルな社会への共感を広げていく。

ファンコミュニティと企業が手を取り合うことで、
これまでにない新しい価値が生まれた瞬間でした。


イベント参加者へお配りしたノベルティ

日立建機HP ニューストピックスとして掲載した記事
https://www.hitachicm.com/global/ja/news/topics/2026/26-05-19/


感謝を込めて。そして、次の夢へ

この奇跡の一日は、本当に多くの方々のご協力なしには実現しませんでした。
全面的なご協力をいただいたJR貨物土浦駅の歌代駅長はじめ職員の皆様。
龍ヶ崎からZX125W-7で駆けつけてくださった株式会社イシダの石田社長。
そして、日立建機日本のつくば営業所、調達部門、デザイン部門の仲間たち。
何より、この企画の原点であり、最高の笑顔で参加してくださった重機ファンダムの皆さん。
本当に、本当にありがとうございました。

「またやりたいなー!」
イベント後、多くの方からそんな言葉をいただきました。
ファンの夢から始まった物語は、最高の形で一つの実を結びました。

しかし、これは終わりではありません。
きっと、ここからまた新しい夢の旅が始まっていくはずです。

 

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