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第5回再発防止の前提条件――独立性と検証可能性


第4回では、原因が制度として操作可能な形に定義されているかを考えました。

今回は、その前提にある問題を扱います。

そもそも、その原因認定はどのように作られたのか。

再発防止は、事実認定の上にしか成り立ちません。
そして事実認定には、それが信頼できるものであるための条件があります。


■ 調査には「正しさの条件」がある

どの分野でも、調査が信頼されるためには共通の条件があります。

・別の人が同じ資料を見ても、同じ結論に辿り着けること(再現性)
・結論に至る過程が、第三者から追跡できること(検証可能性)

これは学術研究でも、司法でも、事故調査でも変わりません。

結論そのものよりも、
その結論がどのように作られたかが重要になります。


■ 方法が検証可能であること

調査において問われるのは、何が書かれているか以上に、

・どのように情報を集めたのか
・異なる可能性は検討されたのか
・証言と客観資料の照合が試みられたのか

といった方法です。

調査とは、結論を補強する作業ではありません。
むしろ、結論が誤っている可能性も含めて検討する作業です。

このプロセスがあって初めて、結果の信頼性が生まれます。


■ 外部から検証できる形になっているか

もう一つ重要なのは、調査結果が外部から検証可能であることです。

・どの資料を基に
・どの推論を経て
・どの結論に至ったのか

この過程が共有されていなければ、
後から別の専門家が同じ判断を再現することはできません。

再発防止の議論は、検証可能な知識でなければ積み重なりません。


■ 独立性は「姿勢」ではなく「構造」でなければならない

調査の独立性も、しばしば倫理の問題として語られます。
しかし、重要なのは姿勢ではなく、調査設計の構造です。

調査主体が対象組織の内部論理に影響される位置にある場合、
結論の信頼性は制度的に弱くなります。

独立性とは人格の問題ではなく、
判断過程を外部の基準に接続するための制度条件です。


■ 再発防止のために必要な二つの条件

第4回では、原因が制度変数として定義されているかを問い、
第5回では、その原因認定が検証可能な方法で導かれていたかを確認しました。

再発防止は、

検証可能な事実認定 × 操作可能な制度設計

この二つが揃って初めて機能します。

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☆次回は、シリーズ最終回となります

ここまで整理してきた条件を踏まえ、
再発防止に資する調査や制度はどのように設計されるべきかを考えます。


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