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君は日本の宝A-Zを知っているか?

鹿児島県阿久根市に、とんでもない場所がある。

「A-Zあくね」。

名前だけ聞くと、なんかアルファベットの教材みたいだが、違う。
スーパーマーケットである。

いや、スーパーマーケットという言葉では足りない。あれは、もはや「暮らし」そのものだ。

まず、24時間営業である。

24時間。にじゅうよじかん。

コンビニじゃないのに。あの巨大な売り場面積で。正気か。

深夜3時に「あ、醤油切れた」と思っても大丈夫。
朝5時に「今日バーベキューやるわ」と急に思い立っても大丈夫。
A-Zは関係なく開いている。いつだって開いている。

そして、広い。

品揃えがもう、意味がわからない。
日用品、食料品はもちろん、家電も、農具も、仏壇も、タイヤも売っている。

何種類あったか正確には数えていないが、「明日急に100人で稲刈りすることになりました」と言われても、たぶんなんとかなる。100本くらい余裕で揃うほどのカマもある。

ガソリンスタンドも併設されていて、これがまた地域最安らしい。

車検も通せる。

スーパーで車検が通る時代が来ている。
いや、来ていたのだ。阿久根では、もうとっくに。

食料品を買って、ガソリンを入れて、ついでに車検を通す。
一筆書きで生活が完結する。効率がよすぎて泣きそうになる。

お会計は、現金払いが推奨されている。

これ、最初は「え、キャッシュレス時代に?」と思った。
でも理由を聞いて納得した。

カード会社に払う手数料の分を、商品の価格を下げることでお客さんに還元しているのだ。

つまり、「お得にするために現金でお願いします」ということ。

めちゃくちゃ好き。

お店の利益じゃなくて、お客さんに返す。
この思想が、A-Zあくね全体に流れている。

年末には抽選会があって、車が当たるらしい。

車だと……。

「年越しに夢を届けたい」みたいなことなんだろうか。
優しすぎないか。A-Zあくね、優しすぎないか。

今年の年越し場所が決まった瞬間であった。

店内のディスプレイには、豪華な一枚板がそのまま使われている。

一枚板はテーブルにする。高級旅館のカウンターに使うなんて思っていたが。

でもA-Zは違う。定食の返却台に。店内のつるしかざりに。
美意識が独特すぎて、もはやアートだ。

そして醤油コーナー。

ここだけは本当に声を大にして言いたい。

醤油の品揃えが、変態。

最大限の敬意を込めて「変態」と言っている。

というか、醤油だけじゃない。お店全体が変態である。(褒めている。)

お酒コーナーもすごい。ウイスキー好きな私を足止めするのには十分な効果だ。焼酎はもちろんのこと、ウイスキーの棚の充実っぷりが、ここは本当にスーパーですか、と二度見するレベルだった。

店内にはご飯屋さんもあって、これが「うまい・安い・ボリューミー」の三拍子。

お昼をここで食べて、買い物して、団子食べて、ガソリン入れて帰る。1日中いられる。というか、1日中いた。

外に出ると、団子や焼き鳥なども売っている。

これがまた、うまい。

買い物で疲れた体に、焼きたての団子や焼き鳥。
最高。戦略的にうますぎる。人間の弱点を知り尽くしている。

そして、A-Zあくねのテーマカラーは、柔らかくて優しい色合いだ。

あの巨大な建物が、威圧的じゃない。「いらっしゃい、ゆっくりしていきなよ」と言ってくれている気がする。

僕は思った。これだけで、阿久根に住む理由になる。

大げさじゃない。本気で言っている。

24時間開いていて、なんでも揃っていて、ご飯がうまくて、車検も通せて、年末に車が当たるかもしれない場所が近所にある暮らし。最高じゃないか。

A-Zあくねは、日本の宝だ。

最大のリスペクトを込めて、そう言い切りたい。

ああ、ここは「なんでもある」んじゃない。

「なんとかしてくれる」場所なんだと。

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