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授業スケッチ

突然ですがw、日本語の「起きる」という単語は当然、自動詞ですよね。「自分が」起きるんですから。で、当然「起こす」は他動詞。すみません当たり前のことを。いちおう、確認したうえで。。。

福岡市の片隅でひっそりわたしが営む、私設学術研究/教育機関の授業導入の例を、スケッチの形で示します。各授業はわたし一人が教師として、必ず1:1で行います。だから「個人授業」であって、けっして「個別指導」じゃないんです。そもそも現代日本の塾じゃないですし。で、学生生徒のことは「エージェント」と呼んでます。「能動的に何かを成すことのできる存在」という意味です。

エージェント個々人の英語レベルと国語レベルにもよりますが、遅くとも
高2の冬までに、必ずどこかで質問することがあるんです。今まですべて
即答できた人はあまりいませんが、留学経験があったり、他のヨーロッパ
言語を学んだりしてる人は英語の質問は「即答」もありますね。
しかし本題は二番目の国語の質問です。

わたし(わ)のセリフは、ほぼそのまま。エージェント(Ag)のほうは、
特定の人のセリフではなく、いろんな人のセリフを標準化したものです。
途中、お互いタメぐちっぽくなるところまで、忠実に再現していますw。

わ:「あのさぁ、英語の sit ってあんじゃん、自動詞の。でさ、これに対応する他動詞おしえてくれる?」

Ag:「え?ちょ、まって、ヒントいわないで。・・・やっぱヒントお願い
します」

わ:「 途中の母音が交替・・・」

Ag:「あー!、え?sat ?、いやそれは過去形。…set ?? そんな単純なこと?じゃないよねw」

わ:「ん?、set でいいよ。単純なことじゃん。
『母音交替による機能変化』ってやつね。メモっといて。実はあとひとつ
あるけど、まあいいや。じゃ、sit って日本語でなに?」

Ag:「え!?。『すわる』以外で??」

わ:「オッケーw。その『すわる』の他動詞は?」

Ag:「・・・」

わ:「たとぇ・・・」

Ag:「ちょ、まってまって。待ってくださいね。・・・すうぉる?。えっ、イミフだしw。・・・す?…すぅ。すう!!」

わ:「『すう』ね。たしかに正解。でもそれ古語じゃん。現代語で」

Ag:「古語!?え?、すうぅぁ、ちがう! す、すうぃる??」

わ:「めっちゃちかい。ヒント。下二段」

Ag:「!」(分かった時の表情)

わ:「ん?」

Ag:「すえる??。でも漢字違くない?」

わ:「いまは日本語ってか和語の話してんだから、後付けの漢字なんてどうだっていいじゃん。そう。『すわる』の他動詞は『すえる』。さっき古語の『すう』言ってたよね。じゃ漢字は?」

Ag:「手へんにキョ(据)!」

わ:「何行の下二段活用なの?」

Ag:「ワ行下二段!」

わ:「なんでワ行か説明できる?」

Ag:「え?、そっか。もとが『すわる』だったから、あ?、でも、すゑず、すゑたり、すう???」

わ:「いつか言ったように、古語の下二段の動詞の連用形に『る』をつけるとだいたいさ・・・」

Ag:「あ、現代語の終止形になるんだった。だからワ行ね、
すわる→すゑる、か!なるほどね。で最初に言ってた、set 以外の
もう一つのやつってなんだったんですか?……」

こんな感じです。みんなテンポがいいんで、ここまでざっと3分かかるか
かかんないか、です。一応まとめると、自動詞、sit(すわる)の他動詞は、set(すえる)です。これ実はエージェントだけでなく、一般的に知らない人が意外に一定数います。ご存じの方にとっては、なにを今さら…ですよね、すみません。

さてエージェントはだいたい「漢字」で迷いますが、ここは和語ですから、音(ひらがな)で考えるべきところですね。「座る」「据える」という漢字は後付けされたものにすぎません。おわる、おえる。かわる、かえる。
あがる、あげる。のように、現代語では概ね二音節目もしくはそれ以降の
aからeへの「母音交替(こうたい)」によって、他動詞化するものが結構
ありますよね。

ご存じのように、英語の場合、実は母音交替によって自動詞・他動詞の変化が起こる例はそれほどありません。
ほかには、rise(上がる)→raise(上げる)、
     lie(横たわる)→lay(横たえる)と、あと数個くらい。
むしろ、現在形・過去形(・過去分詞)、例えばbegin→began→begun、

あるいは単数複数、例えばmouse→mice…

さらには品詞そのものの変化もみられますよね。
名詞 food(たべもの、えさ)→ 動詞 feed (たべさせる、えさをやる)

あ、エージェントがなんか聞いてましたね、sitの他動詞で、set以外の
もう一つのやつ。これもご存じのかたにとっては、なにを今さらw?
ですよね。

seatです。かなりかしこまった場とかで「ご着席ください」の意味で "Please be seated."というアナウンスが流れたりしますね。人に対しては「座らせる」、ものに対して使えば「据え付ける」という意味にもなる
他動詞です。もちろん、名詞として「座席」という意味にもなりますよね。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます!

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