[英国鉄道 東西南北]day2 ロンドンから海の東端駅へ|大聖堂とソーセージ
英国鉄道を 2週間、東西南北の駅に 行ってみた
For English readers:
This is a railway travel essay about Britain — landscapes seen from trains, walking paths, weather, small towns, and the pleasure of moving slowly across the country.
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[day2]
10月9日(木)

朝7時、地下のキッチンに 行く。山のように積まれた食パン。大きな瓶入りのコーンフレーク、ミューズリ。コーヒーはインスタントだった。やっぱりここは英国、紅茶なんだな。


キングスクロス駅に 出る。


お約束の「キングスクロス駅9番3/4ホーム」を見に行く。


今日は午前中はロンドン市内見学、午後からドーバーの最東端駅に行く。


チューブで 移動。ロンドンでは Citymapper アプリが 一番便利だった。複雑な地下鉄や二階建てバスルートも簡単に検索できて、これなしではロンドンは歩けない。

目的地までの ありとあらゆる経路(鉄道、地下鉄、バス、自転車、歩き、タクシーなどなど)を リアルタイムに表示してくれるのが 便利だ。
(ちなみに このアプリ、東京でも使えるんだけど、今のところ 使えるのは地下鉄だけみたいだ。)


さて、先ずは「セントポール大聖堂」へ 行く。なぜ、セントポール大聖堂 なのか。
それはコニーウィリスの『ブラックアウト』『オールクリア』の「本を、旅する」ため だからなのだ。


これは「オクスフォード大学 史学部の タイムトラベル現地調査」シリーズ。第二次大戦下の英国、ロンドンへ 舞い降りる。これがもう ほぼ徹夜本で 鈍器本ほどの3冊を 読みふけってしまった。いや、おもしろかった。
タイムトラベルで 過去にさかのぼる時は、到着点を 寺院にする。寺院の場所は 昔から変わることがない。そのため、タイムトラベル到着場所として 最適なのだ。
2060年、オックスフォード大学の 史学生三人は、第二次大戦下のイギリスでの 現地調査に送りだされた。メロピーは 郊外の屋敷のメイドとして疎開児童を観察し、ポリーは デパートの売り子として ロンドン大空襲で灯火管制(ブラックアウト)のもとにある 市民生活を体験し、マイクルは アメリカ人記者として ダンケルク撤退における 民間人の英雄を探そうとしていた。ところが、現地に到着した三人は それぞれ思いもよらぬ事態にまきこまれてしまう……続篇『オール・クリア』とともにヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞の三賞を受賞した、人気作家ウィリスの大作。
で、最後のクライマックスがこの「セントポール大聖堂」。爆撃されて燃える大聖堂の中を 主人公たちが駆けめぐるのだ。ここはどうしても 見ておきたいではないか。

寺院の入場料が 16.5ポンド(3000円)と高い。悪名高い 京都のお寺でも こんなに高くないよ。
悔しいので 日本語のガイドフォンを 借りる。元を取るために 全部聴く。しかし このガイドはよかったな。言葉遣いが丁寧で 格調高くて、まるで昭和初期の公共放送の語りを 聴いているようだったよ(知らんけど)。


この本に はまってしまった私は、ロンドン滞在中に 古本屋で第二次大戦下1940年の ロンドン市街地図も買ってしまったのだ。(だが、これは失敗だった。その当時と 現在でも ほとんど街路、道の名前は一緒なのだよ、ロンドンは)

さて、次は ロンドンに来たら 必ず行く「テートモダン」だ。テムズ川を渡る 歩道橋「ミレニアム・ブリッジ」を 行く。





テートモダンはレンガ造りの元火力発電所を改装した美術館だ。屋上にガラス張りのレストランを増設している。このレストランも今日の目的の一つだ。

テートモダンは、発電所だった時代に地下に巨大な燃料タンクがあったことから「The Tanks」とも呼ばれている。タンクは現在、展示場として使われている、ということを今回初めて知った。




パンに挟まれたソーセージ、これは「ホットドッグ」ではないのか。しかし食べてみるとこれは全く違うものだと分かる。ソーセージは硬くて肉は粗挽き、ジューシーだ。ピリ辛のA1ウースターソースがうまい。皿と一緒にモルトビネガーを持って来た。なるほど。ケチャップとマスタードではなく、ビネガーなのか(これはポテト用なんだとか)。
あとで英国人の友人に聞いてみたら「ホットドッグ」はアメリカのもので、「ソーセージサンド」とは全く違うものだと言う。ソーセージが違うんだそうだ。アメリカのソーセージは皮が薄くて肉がなめらか。パンも柔らかくて細長い。これは英国ではファーストフードとして認識されているらしい。
「ソーセージサンドイッチ」は、英国では「バンガーサンドイッチ」と言われているもので、バンガーは「英国の粗挽きソーセージ」とのこと。バタつき食パンに 二本挟んだものが 朝食の定番だとか。そうか、そうだったのか。
さて、午後遅くなってしまったが、これからドーバーの東端まで行く。英国鉄道に乗る足慣らしをしてこよう。


外は雨だ。橋を渡って 地下鉄でチャリングクロス駅へ。
チャリングクロス駅から Southeastern鉄道で、ドーバーの最東端駅 Ramsgate ラムズゲート駅へ 各駅停車の列車で向かう。



列車はロンドンからの買いもの帰り、学生、小学生で混んでいた。

ロンドン郊外に出ると、野原が続く。馬、羊、野うさぎの群れが見える。いるんだなあ、ウォーターシップ・ダウンの野生のうさぎたち。



海が見えてきてから、白いドーバーの崖がちらほら見えるようになった。海が荒れている。さっと日が差すとまるでターナーの絵のようだ。


サンドイッチといえば、「英国鉄道サンドイッチ」が思い出される。「乾涸らびて、パンの端がめくれ上がり、中に何が入っているか分からない」と酷評された、あのサンドイッチだ。
怖いもの見たさで一度食べてみたいような気がするが、まあやめておいた方がいいだろう。英国鉄道の名誉のために言っておくが、これ以後毎日のように食べることになる「英国のサンドイッチ」は大変おいしかった。

ドーバーの最東端、Ramsgate ラムズゲートに到着。けっこうな駅だ。

さて、駅に着いたら、ずっと我慢してきたトイレだ。駅のトイレに駆け込むと、なんと男子トイレには鍵がかかっている。

扉をガタガタやっていると、掃除のお姉さんが来て「こっちはあいてるからここを使え」と女子トイレに案内してくれた。やれやれ助かった。女子トイレに初めて入ったよ。
寒くなってきたので、駅の売店でホットチョコレート(ココア)を飲む。

帰りは途中で乗り換えて、キングスクロス駅まで。宿に帰ったら11時を過ぎていた。長い一日だった。

と眠りについた深夜、「避難訓練」の非常ベルが鳴り響き、全員ホテルの外に追い出されてしまった。おいおい、かんべんしてくれよ。まるで「ブラックアウト」の爆撃されたロンドンに放り出されたようだったよ。ロンドンの夜は冷え込んで寒かった。
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次は「中欧」「北欧」「東欧」に行きたいなあ。