【無料お試し】白衣の天使~元看護士の泡姫~ソープランド物語

【女性プロフィール】
名前:ゆめ
年齢:24
身長:162cm
スリーサイズ:B88(D)・W58・H86
前職:大学附属病院の病棟看護師
現在:ソ〇プ専属(副業ではなく本業)
肌:透き通るような色白
ヘアスタイル:艶やかな黒髪ストレート、腰元まで
VIO:きれいに整えられたナチュラル
出身地:秋田県
趣味:スイーツ巡り、ショッピング、かわいいぬいぐるみ集め、英会話の勉強
性格:明るく積極的、誰とでもすぐに打ち解ける
得意プレイ:対面即キス、パ〇ズリ、潜望鏡、フ〇ラ、ごっくん、お掃除フ〇ラ
背景:看護師の仕事を辞めて資金を貯め、英語を勉強しオーストラリアで看護師として働く夢を持つ
場所:新宿・歌舞伎町、大衆店「エルドラード」
第一章 対面
階段を下りる。
コンクリートの階段は予想以上に急で、足元の豆電球がぼんやりと薄暗い空間を照らしている。自分の革靴の音がやけに大きく響く。一歩、また一歩。胸の鼓動が階段の段数とともに高まっていく。
深く息を吸って、吐く。
緊張、ではない。ソ〇プは初めてではないから、この瞬間の高揚感はむしろ心地いい。期待と、未知の女性との出会いへのわくわく感。それが全身を巡る。
階段を下りきったところで、視界がパッと開けた。
そこに、彼女が立っていた。
ゆめ、と名乗るその女性は——まるで絵画から抜け出してきたような美しさだった。
艶やかな黒髪が腰元までまっすぐに流れ、薄暗い照明の中で漆黒の川のように輝いている。透き通るように白い肌がそのコントラストを際立たせ、吸い込まれそうな大きな瞳がこちらを見上げている。口元にはほころびかけた笑み。ピンクがかった唇がほんのりと湿っている。
彼女は両手を前に重ね、少しだけ首をかしげて立っていた。その姿は凛としていながらも、どこかあどけなさが残る。清楚な雰囲気と、この場所の持つ背徳感とのギャップが、見る者の心を一瞬で掴む。
「徹さん、ですか?」
声が聞こえた。
透き通るような、鈴を転がすような声だった。それでいて芯があり、聞く者の心の奥にじんと響く。
「はい、そうです」
そう答えると、彼女の表情がふわりと華やいだ。
「ゆめです。今日は指名していただいて、ありがとうございます♡」
そう言って、彼女は軽くお辞儀をした。黒髪がさらりと肩の前に流れ落ちる。その仕草の一つ一つに、気品と可愛らしさが同居している。
「よろしくお願いします」
徹はそう言って、軽く会釈を返した。
彼女の瞳が一瞬大きくなる。おそらく——初めて見る男性のビジュアルに、少し驚いたのだろう。徹はそれを敏感に感じ取った。優しくて、女性を大切にする性格が、無意識のうちに彼の表情や立ち居振る舞いに表れている。
「あの、こちらへどうぞ」
ゆめがそっと手を差し伸べる。
その手は白くて細く、指先まで繊細だった。ネイルは控えめなベージュ系で、清潔感がありながらも女性らしい華やかさを保っている。薬指には細いシルバーのリングが光っていた。
徹はその手をそっと握った。
ひんやりとしていて、柔らかい。触れた瞬間、彼女の指が少しだけ震えたように感じた。緊張しているのか、それとも——期待で震えているのか。
「こっちです、ゆっくりでいいですからね♡」
彼女はそう言って、手を引いて歩き出した。
二人は手をつないで、薄暗い廊下を進む。
第二章 部屋へ
廊下は思ったよりも長く、壁にはレトロな壁紙が貼られている。ところどころに小さな鏡が飾ってあり、彼女の横顔や揺れる黒髪が映る。
「今日、暑いですよね」
ゆめが振り返らずに言った。
「そうですね。でも、この辺りは建物の中がひんやりしてて助かります」
「あっ、それ本当ですよね♡ このお店、夏は冷房効きすぎてて、むしろ寒いくらいなんです」
彼女の声には、もうすでに親しみが込められていた。
角を曲がると、いくつかのドアが並んでいる。それぞれに番号が書かれたプレートがかかっている。
「ここです、どうぞ♡」
ゆめはドアを開け、まず自分が中に入り、それから手を引いて徹を招き入れた。
部屋の中は薄暗い間接照明が灯され、温かみのある空間を作り出している。
広さはそれなりにある。ベッドは壁際に置かれ、清潔な白いシーツがかかっている。窓はなく、換気扇の音が微かに聞こえる。隅には小さなテーブル、それから荷物を入れるための木製の箱が置いてあった。
「こちら、靴をお脱ぎくださいね」
ゆめはそう言って、自分もヒールを脱いだ。かちゃり、という小気味良い音がして、彼女の身長が少し低くなる。
徹もそれに倣って靴を脱ぐ。靴下の上からでも感じられる、清掃が行き届いた清潔な絨毯の感触。
「荷物はこちらの箱の中に入れてください。貴重品はこの引き出しの中に——鍵、かけられますから」
彼女は丁寧に、しかしテキパキと指示を出す。その手つきはどこか慣れているが、それでも一つ一つの動作に気配りが感じられた。
徹は指示に従い、スーツのジャケットを脱ぎ、バッグの中身を箱に移す。財布とスマートフォン、それから小さな手帳——最近読んでいるビジネス書のメモが挟んである——を引き出しの中に。
「お飲み物は、何になさいますか? お茶、ウーロン茶、それとも——」
「お茶で、大丈夫です」
「かしこまりました♡」
ゆめは冷蔵庫からペットボトルのお茶を取り出し、グラスに注ぐ。その動作の一つ一つが優雅で、見ているだけで心が安らぐ。
「どうぞ、こちらに——」
彼女はベッドの端をポンポンと軽く叩いた。
「座ってくださいね。ゆっくりしていってください♡」
第三章 ベッドサイド
徹はベッドに腰を下ろした。
マットレスは適度な硬さで、沈み込みすぎない。清潔なシーツの感触が気持ちいい。自分の体重がベッドに伝わり、きし、と微かな音がした。
ゆめはと言うと、お茶のグラスをテーブルに置き、そのまま徹の隣に——少しだけ距離を置いて——腰を下ろした。
きし。
同じ音がもう一度。
「……」
一瞬の沈黙。
部屋には換気扇の低い唸りと、二人の呼吸だけが聞こえている。
ゆめは自分の黒髪の先を指先でくるくると弄びながら、少しだけ横を向いた。その横顔は、照明に照らされてどこか神秘的に見える。長いまつげが影を作り、頬のラインが柔らかく光を反射している。
「あの……私のこと、どこで知りました?」
ゆめが最初に切り出した。
「シティーヘブンで、プロフィールを見て。写真がすごくきれいだったから」
「えっ、そうなんですね……ありがとうございます♡ 写真って、あれ結構恥ずかしくて……」
彼女は照れくさそうに笑った。
「どの写真が一番気に入りました? 水着の? それとも部屋着のやつ?」
「全部きれいでしたけど、強いて言うなら——黒のドレスのやつ」
「ああっ! あれ、実は自分でコーディネートしたんですよ。ネックレスも自分のを持っていって♡」
彼女の口調が徐々に明るくなる。
「でも、実際に来てみてどうですか? 写真と違ったりしませんでした?」
「いや、むしろ——写真以上にきれいです」
徹がそう言うと、ゆめはぱちぱちとまばたきをした。
「……ありがとうございます。そう言ってもらえると、すごく嬉しいです」
彼女の頬が少しだけ赤らんだ。照明のせいかもしれないが、それだけではないように見えた。
「徹さんって、お仕事は何されてるんですか?」
ゆめが尋ねる。
「製薬会社で働いています」
「えっ! 製薬会社! すごいですね! なんか、白衣とか着るんですか?」
「いや、私は開発側というよりは、ビジネスサイドですね。でも、たまに研究室にも行きます」
「研究室……なんかかっこいいです。私、看護師だったから、なんか親近感湧いちゃいます♡」
その笑顔を見て、ゆめの緊張がもう少しだけ解けたように見えた。
「そういえば、今日ってお仕事帰りですか? それともお休み?」
「仕事帰りです。スーツのまま来ちゃいました」
「あっ、そうだったんですね。お疲れさまです……私、スーツ姿の男性ってなんか新鮮で、好きなんですよね♡」
彼女はちらりと徹のスーツを見た。ジャケットはもう脱いであるから、ワイシャツの上からでも筋肉のラインがうっすらとわかる。
「あれ、もしかして……筋肉、ついてます?」
「少しだけ」
「えー、本当ですか? 見せてくださいよ♡」
ゆめがそう言って、徹の腕にそっと触れた。
その指先が、二の腕のあたりを優しく撫でる。
「わっ、すごい……固い……これ、細マッチョってやつですね?」
「そんなにすごくないですよ」
「いやいやいや、めっちゃすごいですって♡ 私、これでテンション上がっちゃいました」
彼女の手が腕から肩へ、そして胸の方へと移動する。
ワイシャツの上からでもわかる、鍛えられた胸板の感触を確かめるように。
「……徹さんって、ソ〇プはよく来られるんですか?」
「たまに、ですね」
「たまに、かぁ……じゃあ、私のこと、気に入ってくれたらまた来てくれますか?」
「もちろん」
「やった♡」
ゆめは嬉しそうに笑った。
「そういえば、今日のこの後って、何か予定あったりします?」
「いや、特に」
「じゃあ、ゆっくりしていってくださいね。時間、いっぱいありますから♡」
彼女はそう言って、少しだけ体を徹の方へ傾けた。
自然な動作だった。無理がなく、それでいて確かな意思を感じさせる。
「私ね、こうやって話すの、結構好きなんですよ。最初は緊張するんですけど、徹さんは話しやすくて」
「ありがとう」
「いえいえ、こっちこそ——指名してくれてありがとうございます、本当に」
彼女の瞳が、優しく細められる。
その目には——どこか、切なさのようなものが混じっているようにも見えた。
第四章 深まる会話
「そういえば、徹さんの休日って、何して過ごされてるんですか?」
ゆめが尋ねる。
「映画を見たり、本を読んだり——あとは、たまにジムに行ったり」
「映画! 私も好きです! どんなジャンルが好きなんですか?」
「いろいろ見ますけど、特に——」
「あっ、待って待って、言わないでくださいよ。当ててみせますから♡」
ゆめは考えるような仕草をして、指を顎に当てる。
「……SF? それともサスペンス?」
「両方当たってますね」
「えー、本当ですか! やった♡ 私って結構センスあるかも」
彼女は嬉しそうに両手を叩いた。
「私はですね、恋愛映画が好きなんです。特に、切ないやつ。見て泣いちゃうタイプで」
「それはまた、ギャップがありますね」
「え、ギャップあります? そう言われるの、結構嬉しいかも」
ゆめは自分の黒髪を指先でくるくると巻きながら、少し上目遣いに徹を見た。
「ところで、徹さんって——彼女とか、いらっしゃるんですか?」
「いませんよ」
「え、そうなんですね。なんでですか? モテそうなのに」
「仕事が忙しくて、なかなか」
「それ、もったいないなぁ……こんなに素敵な人なのに」
彼女の声のトーンが、少しだけ低くなった。
「もし私が彼女だったら、こんなに放置しないのにな」
「……それは、どういう意味ですか?」
徹が尋ねると、ゆめはくすっと笑った。
「えへへ、なんでもないです♡」
彼女は体の向きを変えて、徹に正面から向き合った。
膝と膝の距離が、縮まる。
「そういえば、徹さんの肌——すごくきれいですね。男の人って、ケアしてない人が多いのに」
「特に何もしてないですけど」
「えー、うらやましいなぁ……私、結構乾燥肌で悩んでて。冬になるとカサカサになっちゃうんですよね」
ゆめは自分の腕を見下ろした。
色白の肌は、確かに少しだけ乾燥しているようにも見える。しかしそれがかえって、触れたくなるような儚さを醸し出していた。
「それに、この前ネイルサロンでちょっと失敗しちゃって——これ、見えます?」
彼女は両手を差し出した。
ベージュ系のネイルは、よく見ると親指だけ少し色が違う。
「あっ、ほんとだ」
「でしょ? もう最悪ですよ。次からは絶対同じお姉さんにやってもらおうって思ってます」
彼女はぷくっと頬を膨らませた。
その仕草があまりに可愛らしくて、徹は思わず笑ってしまう。
「何笑ってるんですか〜」
「いや、ゆめさんって——すごく可愛いなと思って」
「……」
ゆめの動きが一瞬止まった。
顔が、少しだけ赤くなった気がした。
「……そういうこと言われると、照れちゃいますよ」
彼女はうつむいて、自分の黒髪の先を弄び始めた。
第五章 言葉のキャッチボール
「そういえば、もうすぐクリスマスですよね」
ゆめが話題を変える。
「そうですね。あと——」
「一か月くらい? デパートとか、もう飾り付けてますもんね」
「ゆめさんは、クリスマスはどう過ごしますか?」
「私は……多分、仕事ですね。この業界、意外と年末年始が忙しいんですよ」
「そうなんですか」
「そうなんです。みんなね、一年の疲れを癒やしに来るのかな。私もそうやって——誰かの癒やしになれたらいいなって、思ってます」
彼女の言葉には、どこか真剣な響きがあった。
単なる仕事としてではなく、自分の存在意義を——そういう形で見出そうとしているように聞こえた。
「ゆめさんは、なぜこの仕事を——」
徹が言いかけて、止めた。
そうだ。これは聞いてはいけないことだった。女性から自発的に話し出すのを待つべきで、こちらから詮索するのは失礼にあたる。
「——あ、ごめんなさい。なんでもないです」
「いえ、大丈夫ですよ」
ゆめは優しく微笑んだ。
「私……そうですね、お金を貯めたくて。それで——自分にできることを考えたら、これだったんです」
彼女はさらりと言った。重くなりすぎないように、言葉を選んでいるのがわかった。
「でも、それだけじゃなくて。人と触れ合えるのが、やっぱり好きなんですよね。病院にいたときもそうだったけど——誰かの役に立てる瞬間が、好きなんです」
徹は黙ってうなずいた。
無理に同意を求めず、ただ受け止める。
その態度がゆめには心地よかったのか、彼女は少しだけ言葉を続けた。
「私、元々看護師だったんですけど、病棟ってすごくハードで……やりがいはあるんですけど、なかなか続かなくて。それで——」
そこで彼女は一度言葉を切った。
「……ごめんなさい、重い話しちゃいましたね」
「いえ。話せるタイミングで、話したいときに話せばいいと思います」
徹がそう言うと、ゆめは目を大きく見開いた。
「……徹さんって、本当に優しい人なんですね」
「そうですか?」
「そうです。なんか、初めて会ったのに——すごく安心できるんです。いつもは最初、ちょっと緊張しちゃうんですけど、今日は全然」
彼女の目が、真っすぐに徹を見つめている。
その瞳の奥には——信頼と、少しだけ、別の感情が混ざっているように見えた。
第六章 距離
「ねえ、ちょっとこっち向いてくれますか?」
ゆめが言った。
徹が体を彼女の方へ向ける。
二人の距離は——もう、手を伸ばせば触れられるほどに近づいていた。
「やっぱり、かっこいい……」
ゆめが小声で呟く。
彼女の右手が、そっと徹の頬に触れた。
ひんやりとした指先が、頬のラインをなぞる。ゆっくりと、ゆっくりと——顎の先まで。
「この角度、すごく好きかも」
彼女はそう言って、少しだけ首をかしげた。
黒髪がさらりと肩の前に流れ落ちる。その一筋が、徹の腕に触れた。くすぐったいような、くすぐるような感触。
「ゆめさん……」
「んー?」
「すごく——きれいです」
徹がそう言うと、ゆめの頬がほんのりと赤らんだ。
「ありがとう……」
彼女はそう言って、手を徹の頬から離した。
しかしすぐに——今度は両手を、彼の肩の上に置いた。
「ねえ」
「はい」
「少しだけ……目、閉じてくれますか?」
徹は言われるままに、ゆっくりと目を閉じた。
視界が闇に包まれる。
感覚が研ぎ澄まされていく——換気扇の音。自分の鼓動。それから、彼女の微かな吐息。
さら、という音。
彼女の黒髪が——顔の横をかすめた気がした。
それから。
柔らかい——何かが、自分の唇に触れた。
一瞬だった。触れたか触れないか——そういうレベルの接触。
しかしその一瞬で、徹の全身に電流が走った。
ゆめの唇。
それは——桜の花びらのように柔らかく、それでいて確かな温もりを持っていた。
触れた部分から、熱が広がっていく。
ゆめは一度唇を離した。そしてすぐに——もう一度、重ねてきた。
今度は少しだけ長く。
二人の呼吸が混ざり合う。
くちゅ、という微かな音が、静かな部屋に響く。
徹の手が自然に——ゆめの背中に回っていた。細くてしなやかな体。ワンピースの生地越しに伝わる体温。
「……ん」
ゆめの喉が微かに鳴る。
彼女の唇が、徹の唇をそっと挟むように動いた。
そして——舌が、そっと絡んでくる。
最初は遠慮がちに。まるで探るように。
しかしすぐに、それは深まっていった。
二人の舌が絡み合う。唾液が混ざり合う。息が苦しくなるほどに——深く、濃厚に。
「ちゅ……ぷ……ん……」
ゆめの吐息が、口の中に流れ込んでくる。
甘い。彼女の唾液はほんのりと甘くて、それでいて女性の奥深い香りがした。
徹の手が、無意識に彼女の体を引き寄せる。
ゆめの胸が、徹の胸に押し付けられた。
柔らかい。弾力がある。ワンピースの生地越しでもわかる、ふくよかな膨らみ。
「……っ」
ゆめが一瞬、体を強張らせたが——すぐに力を抜いて、徹の体に預けるように寄りかかってきた。
キスはなおも続く。
深く。激しく。優しく。
二人の舌が絡み合い、離れ、また絡み合う。
どちらがリードしているのかもわからない。ただ——お互いが相手を求め合うように、唇を重ねていた。
どれくらいそうしていただろうか。
ゆめがゆっくりと顔を離した。
「……はぁ」
二人の吐息が、部屋の中で重なる。
ゆめの唇は、キスのせいで少しだけ赤く腫れていた。瞳は潤み、頬はほんのりと紅潮している。
「……徹さん」
彼女の声は、少し掠れていた。
「ゆめさん……」
「ねえ、もっと——」
ゆめはそう言って、徹の膝の上にまたがった。
スカートの裾が広がり、彼女の太ももが露わになる。色白で、つるりとした肌。その肌が、徹のスラックスの上に直接触れる。
「——もっと、近くにいたい」
ゆめは両手を徹の首に回し、もう一度唇を重ねてきた。
今度は最初から深い。
舌を入れ、絡め、吸い——彼女の熱い息が、徹の口の中に流れ込む。
徹の手が、ゆめの背中を撫でる。腰のくびれ。その下の、ふくらみのあるライン。
「んっ……♡」
ゆめの体が微かに震えた。
彼女の腰が、自然と動き出す。
ゆっくりと。もぞもぞと。
その動きは——まるで、何かを探るように。何かを確かめるように。
ゆめの瞳が、とろりと蕩けていく。
「ねえ……徹さん」
彼女の声はもう、限界まで艶めいていた。
「私……もしかしたら、もう我慢できないかも」
「……」
徹は黙って、彼女を見つめた。
ゆめは少しだけ体を引き、上目遣いに徹の顔を見上げる。
「ねえ……もう、脱ぎます?」
彼女の指が、徹のワイシャツの一番上のボタンに触れた。
ぱちん、と小さな音がして、一つ目のボタンが外れる。
「脱がせて——いいですか?」
ゆめの声は甘く、それでいて確かな決意を帯びていた。
徹は——ゆっくりと、うなずいた。
「……お願いします」
ぱちん。二つ目。
ゆめの指が器用に動く。その手つきは慣れているが、それでも一つ一つを丁寧に。
彼女の吐息が、首筋にかかる。温かくて、くすぐったい。
「徹さんの肌……やっぱりきれい……」
ぱちん。三つ目。
ワイシャツの前が大きく開く。鍛えられた胸板が露わになる。
ゆめの手のひらが、その上をゆっくりと撫でる。
「すごい……こんなに固いのに、肌はすべすべ……」
彼女の指先が、胸筋のラインをなぞる。
その動きは優しく、それでいて確かな執念を感じさせた。
四つ目。
最後のボタンが外れる。
ワイシャツが完全に開き、徹の上半身が——彼女の前にさらされる。
ゆめは一度、大きく息を吸った。
「……すごく、きれいな体」
彼女の声には、感動とも興奮ともつかない感情が混ざっていた。
「ゆめさん……」
「うん……」
彼女の手が、徹のベルトに触れる。
金属のバックルが、かちゃりと音を立てる。
「ここからは——私、ちょっとだけ、夢中になっちゃうかも」
ゆめはそう言って、うっとりとした目で徹を見つめた。
その瞳の奥には——熱い炎が、確かに燃えていた。
第七章 ベルトの向こう側
かちゃり。
金属の音が、静かな部屋に響いた。
ゆめの細い指が、徹のベルトバックルを外す。その手つきは慣れているのに、どこか初めて触れる宝物を扱うような丁寧さがあった。
「……これ、結構いいやつですね」
彼女が呟いた。
「革、柔らかい……高級品でしょ?」
「まあ……少しだけ」
「徹さんって、そういうところにもこだわりがあるんですね♡」
ゆめはベルトをゆっくりと引き抜いた。
ずるっ……
革がループを滑る音。彼女はそれをそっと畳み、ベッドの脇の小さな棚の上に置いた。
「次は……」
彼女の指が、今度は徹のスラックスのホックに触れる。
「ここ、自分でやりますか? それとも――」
「お願いします」
徹が即答すると、ゆめの口元がほころんだ。
「はい♡ 任されてください」
ぱちん。
ホックが外れる。
その瞬間、徹の腹部がわずかに緊張した。鍛えられた腹筋が、白いワイシャツの下で微かに浮き出る。
「わぁ……」
ゆめが息を呑んだ。
「さっきまでワイシャツの上からだったから、気づかなかったんですけど――」
彼女の人差し指が、ワイシャツの隙間から覗く腹筋のラインをなぞる。
「こんなに……カッチリ、割れてるんですね」
「ジムでちょっと……」
「ちょっと、じゃないですよ、これ♡」
彼女の指先が、溝を一つ一つ確かめるように動く。
つうっ……
くすぐったいような、ぞくぞくするような感覚が、徹の背筋を這い上がる。
「ゆめさん……」
「んー?」
「それ、ちょっと――」
「くすぐったいですか?」
ゆめがいたずらっぽく笑った。
「でも、我慢してくださいね。これ、私の特権ですから♡」
彼女はそう言って、今度は両手を使ってスラックスの両端に指をかけた。
「お尻、浮かせてくれますか?」
徹が腰をわずかに上げる。
ゆめはスラックスをゆっくりと――ゆっくりと、下ろしていった。
ずるるるっ……
布地が肌の上を滑る感覚。
太もも。膝。ふくらはぎ。足首。
彼女はスラックスを完全に抜き取ると、丁寧に折りたたみ始めた。パンツの線に沿って、きれいに。まるでブティックの店員のように。
「徹さんの脚……長いですね」
彼女が呟く。
「スラックスを脱いだら、よりわかる。すごく……引き締まってる」
「ありがとう」
「いえいえ、褒めてるのはこっちの方ですから♡」
ゆめはたたんだスラックスを、ベルトの隣に置いた。
そして――
彼女の視線が、徹の股間に注がれた。
一瞬。
ほんの一瞬の、沈黙。
「…………」
ゆめの瞳が、わずかに大きくなる。
彼女の頬が、ほんのりと――いや、はっきりと赤らんだ。
「……徹さん」
「はい」
「もしかして……これ」
彼女の指が、ボクサーパンツの上からでもわかる膨らみを指し示す。
「……いつも、これなんですか?」
「さあ……どうでしょう」
「えー、ごまかさないでくださいよ♡」
ゆめがぷくっと頬を膨らませる。
「私、看護師だったんですから、わかりますよ。これは……明らかに、平均より――」
彼女はそこで言葉を切って、自分の口元を押さえた。
「……やっぱり、恥ずかしいですね、言うの」
「無理しなくていいですよ」
「いえ、言います」
ゆめは一つ深呼吸をした。
「……大きいです。見ただけでわかります」
徹が笑う。
「そんなに気にしなくても――」
「気にしますよ! だってこれから――」
彼女はそこで再び口をつぐんだ。
言葉の代わりに、彼女の指がパンツのゴムに触れた。
ぱちん、ぱちん。
ゴムの跳ねる音。
「ねえ……もう、これも、脱がせてくれますか?」
徹は黙ってうなずいた。
第八章 最後の一枚
ゆめの手が、ボクサーパンツの両端に掛けられる。
彼女の指先が、ほんの少し震えている。
緊張――ではない。むしろ、期待と畏敬の入り混じった感情。それはまるで、聖なるものを前にした祈りのような静けさだった。
「……ゆっくり、いきますね」
ずるるるる……
布地がゆっくりと下ろされていく。
太ももの付け根。
その先。
――現れた。
ゆめは息を止めた。
三秒。
五秒。
十秒。
「…………すごい」
彼女の声は、ほとんど息のように聞こえた。
「本当に……すごい……」
彼女の指が、そっと――触れた。
ひやり。
そう感じたのは、ゆめの指先が冷たかったからか。
それとも、徹自身の熱が尋常ではなかったからか。
「熱い……」
ゆめが呟く。
「こんなに……熱いんだ……」
彼女の指が、ゆっくりと根元から先端へ――なぞる。
つうっ……つうっ……
その動きは、まるで何かの儀式のように神聖で、それでいて確かに官能的だった。
「ゆめさん……」
徹の声が、少し掠れている。
「……やめてほしいですか?」
「いや……」
「じゃあ、このまま――いいですか?」
「……お願いします」
ゆめは微笑んだ。
その笑顔には――いたずらっ子のような無邪気さと、成熟した女性の妖艶さが、不思議なバランスで混ざり合っていた。
彼女は一旦手を離し、自分の体を少し後ろに引いた。
「徹さん……ワイシャツ、もう脱げますか?」
「うん」
徹が両腕を動かす。ワイシャツが肩から滑り落ち、彼の上半身が完全に露わになる。
鍛え上げられた胸筋。くっきりと割れた腹筋。広い肩。引き締まった腕。
ゆめはそれを、食い入るように見つめた。
「……美術館にいるみたい」
彼女が呟く。
「まるで、彫刻みたい……」
「褒めすぎです」
「褒めてません。事実を言ってるだけです」
ゆめはそう言って、手を伸ばした。彼女の指先が、胸筋の膨らみをそっと撫でる。
「硬い……でも、温かい……」
彼女の手のひらが、胸の中心から脇腹へ、そして背中へと移動する。
「筋肉の付き方、すごくきれい……無駄がなくて……」
「スポーツは?」
「学生のとき、水泳を少し」
「ああ、だからかな……広背筋が、すごく発達してる」
ゆめの指が、背中の筋肉のラインをなぞる。
「ここ……触るの、好きかも」
彼女はそう言って、両手で徹の背中を包み込むように抱きしめた。
その瞬間――
ゆめの胸が、徹の胸に押し付けられた。
ワンピースの生地越しでもわかる、柔らかくて弾力のある感触。
「ん……」
ゆめが微かな声を漏らす。
「……徹さんの体温、すごく高い」
「ゆめさんも、温かいです」
「そう……?」
彼女は顔を上げて、徹の目を見た。
その瞳は、もうすでにとろりと蕩け始めていた。
「ねえ……」
「はい」
「私も――脱いでもいい?」
徹は黙ってうなずいた。
第九章 花開く瞬間
ゆめは徹の体から離れ、少し後ろに下がった。
ベッドの上で、彼女は自分のワンピースの裾に手を掛ける。
「……見ないでくださいね」
そう言いながら、彼女の目はいたずらっぽく輝いている。
「冗談です♡ ちゃんと見ててください」
さあっ……
ワンピースが頭上を越えて、脱ぎ捨てられた。
――現れたのは、白くて繊細な肢体。
補正下着すら付けていない。彼女の体は、それだけで完璧なバランスを持っていた。
鎖骨の繊細なライン。
その下に広がる、白い谷間。
ブラジャーに包まれた、ふくよかな膨らみ。
くびれたウエスト。
そして――
きゅるん
という音が聞こえた気がした。
ゆめが、背中に手を回す。
「ねえ……徹さん」
「はい」
「ここ――外してくれますか?」
彼女はそう言って、背中を徹に向けた。
白い背中。
その中心に、ブラジャーのホック。
三つ。
徹の指が、それに触れる。
ぱちん。
一つ目。
ゆめの体が、微かに震える。
ぱちん。
二つ目。
彼女の吐息が、少しだけ荒くなる。
ぱちん。
三つ目。
ブラジャーが、ゆるりとほどけた。
ゆめはそれを肩から外し――
ひらり
と、ベッドの端に置いた。
そして、彼女はゆっくりと徹の方へ向き直った。
――そこにあったのは。
完璧な曲線を描く、ふたつの膨らみ。
白磁のような肌。
その先端に咲く、桜色の蕾。
彼女の胸は、重力に逆らうことなく、自然な形で豊かに広がっていた。
大きすぎず、小さすぎない。
まさに、手のひらに収まる絶妙なサイズ感。
「……どう、ですか?」
ゆめの声は、少し緊張していた。
「看護師やってたときも、よく言われたんです。『ゆめさんはスタイルいいですね』って」
「……本当に、きれいです」
徹がそう言うと、ゆめの頬が赤くなった。
「ありがとう……でも、コンプレックスもあるんですよ」
「どこが?」
「ここ――」
彼女は自分の脇腹を軽くつまんだ。
「最近、ちょっと肉が付いちゃって。スイーツ巡りが趣味だから、つい……」
「どこも、気になりませんけど」
「徹さんは優しいから、そう言うんですよ♡」
ゆめは笑って、自分の黒髪を耳にかけた。
その仕草で、彼女の横顔のラインがより鮮明になる。
「でもね――」
彼女の手が、自分の胸の下をそっと支えるように持ち上げた。
「ここの形は、自分でも気に入ってるんです」
「……本当に、きれいな形です」
「見ててくれますか?」
ゆめはそう言って、胸を揺らした。
ぷるん……
白い肌が、光を反射して揺れる。
その動きは、まるで熟した果実のように――みずみずしく、そして誘惑的だった。
「ゆめさん……」
「んー?」
徹の手が、自然と彼女の肩に触れていた。
そして、ゆっくりと――鎖骨を伝って、胸のふちへ。
「…………」
ゆめは目を閉じた。
彼女の呼吸が、浅く速くなる。
徹の指先が、ついに――ふくらみの頂点に触れた。
ちく、と。
蕾が、彼の指の熱に応えて固くなる。
「……あっ」
ゆめの口から、甘い吐息が漏れた。
「そこ……敏感なんです」
「そうなんですね」
「優しく……お願いします……」
徹の指が、蕾をそっと撫でる。
くるくる、と。
円を描くように。
「んっ……♡」
ゆめの体がのけぞる。
彼女の手が、無意識に徹の手首を掴んだ。
「や、やっぱり……ここ、弱い……」
「やめましょうか?」
「や、やめてほしくな――い……」
彼女の言葉は、途中で途切れた。
徹の口が、もう一方の蕾をそっと含んだから。
ちゅ……
「ああっ……♡」
ゆめの声が、高くなる。
徹の舌が、蕾の先端をなぞる。
ぺろ……ちゅ……
「だ、だめ……それ、だめぇ……」
彼女の体が震える。
腕が、徹の首に絡みつく。
指が、彼の髪を掴む。
「はっ……あっ……♡」
部屋の中に、甘い声が響く。
換気扇の音さえも、かき消されそうなほどの――官能的な旋律。
第十章 お返し
ゆめの呼吸が、次第に整っていく。
彼女は徹の頭を優しく撫でた。
「……ありがとう、徹さん」
「どういたしまして」
「でも――」
ゆめが、いたずらっぽい笑みを浮かべる。
「ずるいですよ。私だけ、こんなに気持ちよくなっちゃって」
「そうですか?」
「そうです。だから――」
彼女は徹の肩を押して、ベッドに寝かせた。
「お返し、しないとね」
ばふん。
マットレスが、徹の体重を受け止める。
ゆめは彼の上に覆いかぶさるようにして、四つん這いになった。
その体勢で、彼女の胸が――ゆらり、と揺れる。
「……すごい景色です」
徹が呟く。
「何がですか?」
「ゆめさんの胸が、目の前で――」
「もう♡ 恥ずかしいこと言わないでください」
彼女はそう言いながらも、その体勢を崩さない。
むしろ――胸をさらに突き出すように。
「ねえ、徹さん」
「はい」
「私ね――」
ゆめの指が、徹の胸の上を這う。
「攻めるのが、好きなんです」
「そうなんですね」
「でも、攻められるのも――好きです♡」
彼女はそう言って、徹の乳首にそっと触れた。
ちろっ、と。
舌でなぞる。
「っ……」
徹の体が、ビクンと反応する。
「あれ? ここ、感じるんですね」
「まあ……少し」
「少し、じゃなさそうですけど」
ゆめがくすくす笑う。
彼女の舌が、もう一度――今度はゆっくりと、丹念に――乳首を這う。
ぺろ……ちゅる……
「んっ……」
徹の喉から、低い唸りが漏れる。
「声、出ちゃいましたね♡」
ゆめが顔を上げる。
その目は、もう獲物を捉えた肉食獣のように――熱く、そして確かな手応えを感じていた。
「もっと、気持ちよくなりたいですか?」
「……お願いします」
「はい♡」
彼女の唇が、胸から腹へ――下へ、下へと移動していく。
ちゅ……ちゅ……ぺろ……
筋肉のラインに沿って、舌が動く。
腹筋の溝を。
脇腹の筋肉を。
へその周りを。
「徹さんの体、本当にきれい……」
彼女が呟く。
「こんなに鍛えてて、でも肌はすべすべ……触ってて、気持ちいい……」
彼女の手が、太ももを撫でる。
すりすり……
内腿の、敏感な部分を。
「ここ……弱いでしょ?」
「よくわかりましたね」
「だって、触った瞬間――」
ゆめの指が、その部分をそっと撫でる。
「ここが、ピクッてなったから」
「……観察力が鋭い」
「看護師ですから♡」
彼女はそう言って、太ももにキスを落とした。
ちゅっ。
次は、その少し内側。
ちゅっ。
さらに内側。
ちゅっ。
――もう、あと数センチ。
ゆめの吐息が、熱を帯びる。
「……近づいても、いいですか?」
徹は黙ってうなずいた。
第十一章 開かれる扉
ゆめの手が、徹の足を優しく開く。
「力を抜いて……リラックスしてくださいね」
彼女の声は、病院で患者に接するときのような――落ち着いた、それでいて優しいトーンだった。
「はい……」
徹が小さく答える。
ゆめの視線が、股間の中心に注がれる。
「……やっぱり、すごい」
彼女がもう一度呟く。
「こんなに近くで見ると、迫力が違いますね」
彼女の指が、そっと根本に触れる。
つうっ……
「温かい……脈打ってる……」
彼女の指が、優しく――包み込むように――握る。
「それに、すごく……きれいな形」
「そうですか?」
「そうです。色も……きれいな桜色で……」
ゆめの顔が、さらに近づく。
彼女の吐息が、そこに直接触れる。
はあっ……
温かい息。
徹の体が、緊張で固まる。
「リラックスって言いましたけど……ここは、緊張してた方がいいのかな?」
ゆめがいたずらっぽく笑う。
「どう思いますか?」
「……難しい質問ですね」
「ですよね♡」
彼女はそう言って、顔をさらに近づけた。
――あと、数ミリ。
「ゆめさん……」
「んー?」
「本当に……いいんですか?」
「何がですか?」
「その……」
「ああ」
ゆめがにっこり笑う。
「大丈夫ですよ。私――得意なんです、これ」
「そうなんですね」
「はい。看護師時代にも、こういうの……ありましたから」
「え?」
「冗談ですよ♡」
彼女はそう言って、最後の数ミリを――埋めた。
ちゅっ。
音がした。
小さな、それでいて確かな――キスの音。
「ん……」
ゆめの唇が、そこに優しく吸い付く。
ちゅ……ちゅ……
彼女の舌が、先端をなぞる。
ぺろ……
「っ……」
徹の腰が、浮き上がる。
ゆめの手が、それを押さえる。
「だめですよ……逃げないで」
彼女の声は、甘く、それでいて確かな命令を含んでいた。
「私のペースに――合わせてくださいね」
ちゅる……ぱくっ……
彼女の口が、それを深く含む。
じゅるるる……
官能的な音が、部屋中に響く。
「はっ……あっ……♡」
ゆめの喉が、鳴る。
彼女の頭が、上下に動く。
じゅるっ……じゅるっ……
「ゆめ……さん……」
徹の声は、もう限界だった。
体中の血液が、一箇所に集まっていく感覚。
熱が、爆発しそうなほどに高まっている。
「もう……そろそろ……」
「んー?」
ゆめが顔を上げる。
その唇は、唾液で濡れてキラキラと輝いていた。
「もう、出そうですか?」
「……はい」
「どこに出したいですか?」
徹は一瞬、迷った。
「…………」
「口の中……がいいですか?」
ゆめが笑う。
「それとも――」
「お願いします」
徹がそう言うと、ゆめの目が優しく細められた。
「わかりました♡」
彼女はもう一度――深く、それを含んだ。
じゅぽっ……
喉の奥まで。
「んんっ……♡」
彼女の喉が、収縮する。
その刺激が――引き金を引いた。
「――っ!」
徹の体が、大きくのけぞる。
熱い塊が、何度も何度も――放出される。
どくん……どくん……
脈打つたびに、何かが彼の体から抜け出ていく。
ゆめはそれを、すべて――受け止めた。
ごくん……ごくん……
彼女の喉が、飲み込むたびに動く。
一つ。
二つ。
三つ。
五つ。
七つ。
「…………」
十秒。二十秒。
ようやく、動きが収まった。
ゆめはゆっくりと顔を上げた。
その口元は――わずかに濡れていて、それでいてどこか満足げな笑みを浮かべていた。
「……すごい量」
彼女が呟く。
「びっくりしちゃいました」
「すみません……」
「謝らないでください」
ゆめが首を振る。
「私がお願いしたんですから」
彼女はそう言って、口元を手の甲で拭った。
「それに――」
彼女の瞳が、いたずらっぽく輝く。
「美味しかったです」
「……」
徹は言葉を失った。
ゆめはその様子を見て、くすくす笑った。
「そんなに驚かなくてもいいじゃないですか。これから――まだまだ、これからですよ♡」
彼女はそう言って、徹の隣に体を寄せた。
二人の裸の身体が、シーツの上で寄り添う。
「徹さん……」
「はい」
「さっきのは、ほんの始まりですからね」
ゆめの指が、徹の胸の上でくるくる回る。
「これから、ゆっくり――もっと、深いところまで、行きましょう」
「……お願いします」
「はい♡」
彼女はそう言って、もう一度――徹の唇にキスをした。
その口の中は、まだ彼自身の味がした。
少し苦くて。
それでいて、甘い。
不思議な――官能の味。
第十二章 次の扉へ
「ねえ、徹さん」
「はい」
「お風呂……入りますか?」
ゆめが尋ねる。
「それとも、もう少し――このまま?」
「……どうしましょうか」
「そうですね」
ゆめが考え込むような仕草をする。
「さっき、出しちゃいましたし……一旦、休憩がてら、お風呂でゆっくりしませんか?」
「いいですね」
「じゃあ――」
ゆめがベッドから立ち上がる。
その裸体が、照明に照らされて輝く。
白い肌。黒い髪。桜色の蕾。
すべてが、完璧なバランスで調和していた。
「手を引いて――案内しますね♡」
彼女が手を差し伸べる。
徹はその手を取り、ベッドから立ち上がった。
二人の裸の身体が、向き合う。
「……すごくきれい」
徹が呟く。
「何がですか?」
「ゆめさんの、全部」
「もう♡」
ゆめが頬を赤らめる。
「そんなこと言われたら――お風呂、入る前に、また襲っちゃいますよ」
「それも……いいかもしれませんね」
「えっ……それ、本気ですか?」
彼女の目が、期待で輝く。
徹は笑って、彼女の手を握った。
「――お風呂、行きましょう」
「はい♡」
ゆめが嬉しそうにうなずく。
そして、二人は――次の部屋へと歩き出した。
第十二章 浴室へ
「こっちです、徹さん。足元、気をつけてくださいね」
ゆめの声が、少しだけ反響する。浴室に向かう短い廊下はタイル張りで、ひんやりとした空気が裸の足に心地よい。
彼女はまだ徹の手を離さない。細い指が、優しく確かに彼の手のひらを包み込んでいる。
「このお店の浴室、結構広めなんですよ。私、狭いとこ苦手で......お店を選ぶときの条件の一つでした♡」
「そうなんですね」
「はい。だって、せっかく一緒にいるのに、窮屈だと落ち着かないじゃないですか」
彼女が振り返る。その横顔に、ふわりと笑みが浮かぶ。
「どうぞ、お先に♡」
徹が中に入ると、そこは——思った以上に広い空間だった。
壁は白いタイルで統一され、床は滑り止め加工の施されたグレーの石。天井が高く、圧迫感がない。奥には大きな浴槽が設置され、湯気がほんのりと立ち上っている。その隣には——中央がわずかにへこんだ、木製の腰掛けがあった。
「ここ、座ってくださいね」
ゆめがその椅子を軽く叩いた。
「ここで——ゆっくり、洗わせてください♡」
第十三章 湯の花
徹が腰掛けに座ると、ゆめはその前にしゃがみ込んだ。
彼女の裸体が、目の前に——すぐそこに。
白い肩。鎖骨の繊細な陰影。そして、その下に広がる豊かな曲線。彼女は特に隠そうともせず、自然な姿勢でそこに立っている。
「まずは......お湯の調整からですね」
ゆめがシャワーノズルを手に取る。
じゃあっ......
水の音が、タイルに反響する。
彼女は手のひらを差し出し、お湯を数秒受けた。
「......うん、ちょっと冷たいかな」
温度調節のレバーを微調整する。
かちり、かちり。
再び手のひらで確認。
今度は——彼女の頬がほころんだ。
「これくらいかな。徹さん、どうですか?」
彼女が手のひらを徹の前に差し出す。その掌には、透明な水滴がキラキラと輝いている。
「いいですね」
「よかった♡」
ゆめは嬉しそうにうなずいて、シャワーの向きを徹の足元に向けた。
「じゃあ、まずは——軽く濡らしますね」
しゃああ......
温かな水滴が、徹の足先からふくらはぎ、太ももへと這い上がる。
「温度、大丈夫ですか?」
「はい。ちょうどいいです」
「よかった。お湯の温度って、人によって好みが分かれますからね。私は少し熱めが好きなんですけど、徹さんは?」
「私は......中間くらいです」
「じゃあ、これくらいでちょうどいいかも。私がちょうどいいって思う温度、人によっては熱いって言われることが多いので♡」
彼女はそう言いながら、シャワーを徹の腹部へと向ける。
ぱしゃぱしゃ......
温かい水滴が、筋肉のラインを伝って流れ落ちる。
「......あっ」
ゆめが微かな声を漏らした。
「やっぱり、すごいですね。お湯が当たると、筋肉の溝がはっきり見えて......本当に、きれい」
「そんなに気にしなくていいですよ」
「いやいやいや、気にしますって。だって、こんな体——なかなかお目にかかれないですから」
彼女はシャワーを一旦止め、ボトルからボディソープを手のひらに取った。
ぷしゅっ......
ジェル状の透明な液体が、彼女の掌の上で広がる。
「泡、作りますね」
ゆめは両手を合わせ、優しく——まるで祈るように——こすり合わせた。
しゅこしゅこ......しゅこしゅこ......
その動きはゆっくりと、丁寧に。
彼女の指が絡み合い、離れ、また絡み合う。その合間から、白い泡が——まるで生クリームのように——ふわふわと膨らんでいく。
「看護師時代は、手洗いが命だったんです。泡立てるのだけは、誰にも負けない自信があります♡」
彼女の手のひらには、もう——もこもことした泡の山ができていた。きめ細かく、弾力がある。まるで雪の結晶が集まったかのような、繊細な白。
「それじゃあ——」
ゆめが徹の前に膝をついた。
その目線は、彼の胸のあたり。
「まずは、ここから......」
第十四章 泡の舞
彼女の手のひらが、徹の胸の中心に置かれた。
ぺたん。
泡が、肌の上で潰れる音。
——ひんやりと、それでいてすぐに温かくなる感触。
ゆめの手が、ゆっくりと動き出す。
ぐるぐる......ぐるぐる......
円を描くように。
胸の中心から、外側へ。
外側から、中心へ。
「......気持ちいいですか?」
彼女の声は、少しだけ掠れていた。
「はい......」
徹の答えは、短く。
ゆめの手のひらが、胸筋の膨らみを包み込むように撫でる。
ぐにゅ......ぐにゅ......
「やっぱり......固い......でも、柔らかさもある......」
彼女が呟く。
「これって、適度に体脂肪が乗ってる証拠なんですよね。ガチガチに固いだけじゃなくて、ほどよく弾力がある——理想的な筋肉の状態です」
「よくわかりますね」
「だって、看護師時代に先輩から教わったんです。患者さんの体を触るときも、『異常の有無を判断するには、まず正常を覚えろ』って」
彼女の手が、鎖骨へと移動する。
つうっ......つうっ......
指先で、骨のラインをなぞるように。
「ここ......触るの、好きかも」
「そうなんですか」
「はい。男性の鎖骨って、女性と違って太くてしっかりしてるから——なんか、守られてる感じがする」
彼女はそう言って、鎖骨のくぼみにそっとキスを落とした。
ちゅっ。
泡が、彼女の唇につく。
「あっ、ごめんなさい。泡、付いちゃった」
ゆめが笑って、手の甲で自分の唇を拭った。
その仕草が——あまりに愛らしくて。
「ゆめさん......」
「んー?」
「すごく可愛いです」
「......もう♡」
彼女の頬が、赤くなる。
「そういうこと言われると、恥ずかしくて——手が止まっちゃいますよ」
「じゃあ、言わない方がいいですか?」
「......言ってください。恥ずかしいけど、嬉しいから♡」
彼女の手が、再び動き出す。
今度は——胸の下。
肋骨のあたり。
くすぐったそうに。
くねくね......くにゃくにゃ......
「ここ......弱いです?」
「少し」
「やっぱり♡ 反応でわかりました」
ゆめがいたずらっぽく笑う。
彼女の指が、脇腹へと移動する。
すりすり......
「ここはどうですか?」
「そこは——」
「くすぐったい?」
「はい」
「じゃあ、ここは——」
彼女の手が、腰のあたりを優しく撫でる。
なでなで......
「どう?」
「......それは、気持ちいいです」
「よかった♡」
ゆめはそう言って、その部分を丹念に——ゆっくりと、時間をかけて——洗い始めた。
彼女の手のひらが、腰のラインをなぞる。
背中へ。
ぐるり。
そして、背骨に沿って——上へ。
「広背筋、すごく発達してますね」
彼女の指が、筋肉の溝を一つ一つ確かめるように這う。
「水泳、やってたんですよね?」
「はい。学生のとき、結構真剣に」
「だからかな......この、V字のライン——すごくきれい」
彼女の手が、背中から再び胸へ。
そして——腹部へ。
つうっ......
腹筋の溝を、指先でなぞる。
「割れ目、はっきりしてますね」
「まあ......」
「誇らなくていいんですよ。私——こういうの、大好きですから♡」
彼女の手のひらが、腹筋の上で円を描く。
ぐるぐる......ぐるぐる......
泡が、溝の中に入り込んでいく。
「ここ、洗い残しが多いところなんです。自分じゃ洗いにくいでしょ?」
「確かに」
「だから、今日はしっかり——」
ゆめの指が、溝の奥まで入り込む。
ぐりぐり......
「っ......」
徹の腹筋が、反射的に緊張する。
「あっ、ごめんなさい。強すぎました?」
「いえ......大丈夫です」
「よかった♡ でも、力加減——難しいですよね。強すぎてもダメだし、弱すぎても物足りないし」
彼女はそう言いながら、手のひら全体で腹部を包み込むように撫でた。
なでなで......なでなで......
その動きは、母が子をあやすような——優しさと慈しみに満ちていた。
第十五章 境界線
ゆめの手が、へそのあたりで止まった。
「......そろそろ、下の方——行ってもいいですか?」
彼女の声が、少しだけ低くなる。
「お願いします」
徹が答えると、ゆめは小さくうなずいた。
彼女の手が、ゆっくりと——腹部からさらに下へ。
鼠径部のライン。
その手のひらが、太ももの付け根を優しく撫でる。
なでなで......
「ここ......緊張してますね」
「そうかもしれません」
「リラックスしてください。私に——任せてくださいね」
ゆめはそう言って、泡を手のひらに追加した。
ぷしゅっ。
さらに——もう一度。
ぷしゅっ。
「たくさん泡を付けて——優しく、いきますね」
彼女の手が、中心に向かって——ゆっくりと、ゆっくりと移動する。
......ふれた。
その瞬間、徹の体が微かに強張った。
「大丈夫ですよ」
ゆめの声は、子守唄のように優しい。
「気持ちいいことだけ——考えててください」
彼女の指が、根本に触れる。
つうっ......
泡が、そこに絡みつく。
「......温かい」
彼女が呟く。
「すごく——温かい......」
彼女の手のひらが、それを包み込むように覆う。
ぐっ......
優しく——しかし確かな圧力で。
「はあっ......」
徹の息が、少しだけ荒くなる。
「ゆめさん......」
「んー?」
「それ、ちょっと——」
「気持ちよすぎる?」
「......はい」
「よかった♡」
ゆめが微笑む。
「でも、まだ——これからですよ」
彼女の指が、ゆっくりと——先端へ向かって這う。
つうっ......つうっ......
「あっ......」
徹の声が、思わず漏れる。
「ここ......包皮、被せてますね」
ゆめが呟く。
「剥いても——いいですか?」
「......お願いします」
彼女の指が、優しく——包み込むように——それを扱く。
くるり。
ゆっくりと——皮が後退する。
現れた先端は——薄紅色で、まるで春の蕾のように繊細だった。
「......きれい」
ゆめが息を呑む。
「すごく......きれいな色......」
彼女の親指が、その先端にそっと触れる。
つんっ。
「んっ......」
徹の腰が、わずかに浮き上がる。
「ここ......敏感そうですね」
「そうです......」
「じゃあ、優しく——」
ゆめの指が、先端からカリの縁へ——なぞる。
つうっ......つうっ......
その動きは、まるでデリケートな楽器を調律するかのように——繊細で、それでいて確かな手つきだった。
「ここ......溝の部分、洗い残しが多いんですよね。自分じゃなかなか......」
「そうなんです」
「だから、今日はしっかり——」
彼女の指が、カリの縁に沿って一周する。
ぐるり......
「あっ......」
徹の声が、高くなる。
「気持ちいい?」
「はい......」
「よかった。でも、まだ終わらないですよ」
ゆめはそう言って、新しい泡を手のひらに取った。
ぷしゅっ。
「もう少しだけ——もっと丁寧に、いきますね」
彼女の手が、再びそこに触れる。
今度は——指の腹全体で。
ぐにゅぐにゅ......ぐにゅぐにゅ......
泡が、細部の隅々まで入り込んでいく。
「尿道口も——きれいに、しないとね」
彼女の人差し指が、先端の中央——小さな窪みに触れる。
つん......
「っ......!」
徹の体が、大きく仰け反る。
「あっ、ごめんなさい。そこ、すごく弱い?」
「はあ......はあ......」
「でも——ちゃんと洗わないと、いけないんです」
ゆめの声は、優しく——それでいて譲らない。
「私、看護師でしたから——衛生面だけは、絶対に妥協したくなくて」
彼女の指が、その部分を優しく——円を描くように——撫でる。
くるくる......くるくる......
「んっ......あっ......」
徹の喉から、低い唸りが漏れる。
「声、出ちゃいましたね♡」
ゆめがいたずらっぽく笑う。
「でも、大丈夫ですよ。ここには——私たちしかいませんから」
彼女はそう言って、さらに丁寧に——時間をかけて——洗い続けた。
ぐりぐり......ぐりぐり......
泡が、白く濁る。
くちゅくちゅ......くちゅくちゅ......
官能的な音が、タイルに反響する。
「ゆめ......さん......」
徹の声は、もう限界だった。
「もう......そろそろ......」
「まだですよ」
ゆめが首を振る。
「最後の仕上げが——まだ、終わってないんです」
彼女の手が、根本から先端までを包み込む。
ぎゅっ......
「くぐり洗い——って、知ってますか?」
「いいえ......」
「簡単に言うと——こういうことです」
彼女の手が、ゆっくりと——扱くように動く。
ずるっ......ずるっ......
皮が、先端まで被さる。
そして——再び、ゆっくりと下ろされる。
ずるっ......ずるっ......
「あっ......あっ......」
「これで、皮の中の汚れも——しっかり落ちるんです」
彼女の動きは、一定のリズムを刻み始める。
ずるっ、ずるっ、ずるっ——
「はあ......はあ......」
「看護師時代、男性患者さんのカテーテルケアで覚えたテクニックなんです。まさか——こんな形で役に立つとは思いませんでしたけど♡」
ゆめが笑う。
「でも、これ——気持ちいいでしょ?」
「はい......すごく......」
「よかった。じゃあ、もう少し——続けますね」
彼女の手の動きが、さらに速くなる。
ずるずるっ......ずるずるっ......
泡が、弾ける。
ぷちっ、ぷちっ。
「ゆめ......さん......それ、もう......」
「あと少しだけ——我慢してください」
彼女の手が、最後に——強く、包み込んだ。
ぎゅうっ。
「——っ!」
徹の体が、大きく弓なりになる。
しかし——それで終わりではない。
ゆめは手を離し、新しい泡を手のひらに取った。
ぷしゅっ。
「たわし洗い——って、あります。泡をたっぷり付けて——」
彼女の指が、細かい無数の泡を——まるでたわしのように——そこに擦り付ける。
しこしこ......しこしこ......
「あっ......ああっ......!」
「優しく——でも、確実に——」
彼女の指が、隅々まで——細部の一つ一つまで——丁寧に洗い上げる。
しこしこ......しこしこ......
「これで——終わりです」
ゆめが、ようやく手を離した。
第十六章 清らかな流れ
「......じゃあ、流しますね」
ゆめがシャワーノズルを手に取る。
じゃあっ......
温かいお湯が、徹の腹部に当たる。
ぱしゃぱしゃ......
泡が、白い濁流となって流れ落ちていく。
ゆめの手が、お湯の流れを導くように——彼の体を撫でる。
「ここ......まだ泡が残ってそう」
彼女の指が、胸のあたりをなぞる。
「大丈夫......もう、きれいになった」
「ここは——」
脇腹。
「ここは——」
背中。
「そして——」
最後に——股間。
つうっ......
指が、もう一度そこを優しく撫でる。
「......完璧です」
ゆめが微笑む。
「泡、全部流れましたね。他のところ——残ってませんか?」
徹が自分の体を見下ろす。
胸。腕。腹部。太もも。
すべて——泡一つなく、清らかに洗い流されている。
「大丈夫です。ありがとうございます」
「よかった♡」
ゆめは嬉しそうにうなずいて、シャワーを止めた。
ぽたっ、ぽたっ......
最後の水滴が、タイルに落ちる音。
「それじゃあ——徹さん、お風呂に入ってください」
彼女が浴槽を指さす。
湯気が、ゆらゆらと立ち上っている。
「私、ちょっとだけ——ここで自分の体、洗いますね」
「わかりました」
徹が立ち上がる。
ゆめがその手を——もう一度、握った。
「......気持ちよかったですか?」
「はい。今までで——一番、気持ちよかったです」
「本当?」
「本当です」
ゆめの顔が、ぱあっと輝く。
「よかった......私、この仕事始めてから、ずっと——誰かにそう言ってもらいたくて、頑張ってきたんです」
「ゆめさんは——すごく、上手です」
「ありがとうございます♡」
彼女はそう言って、手を離した。
「さあ、どうぞ。ゆっくり——温まってくださいね」
第十七章 湯の中で
徹が浴槽に足を入れる。
ちゃぷん......
湯の温度は——ちょうどいい。彼の好みの中間より、わずかに熱め。ゆめが調整したのだろう。
どぶん。
体全体を沈めると、湯が肩まで上がってくる。
「ああ......」
思わず、声が漏れる。
全身の筋肉が——ゆるみ始めるのを感じた。
——一方、ゆめは。
浴槽の外で、自分の体を洗い始めていた。
ぷしゅっ。
ボディソープの音。
彼女の手が、自分の胸に触れる。
白い肌の上で、泡が広がっていく。
ぐにゅぐにゅ......
自分の体を洗う彼女の仕草は——どこか神聖で、それでいてはかなかった。
彼女は自分の鎖骨を撫でる。
なでなで......
自分の肩を。
なでなで......
自分の——豊かな曲線を。
ぐにゅ......
その様子を、徹は湯の中から見つめていた。
ゆめの横顔。
うつむいたとき、黒髪が前に流れて——うなじが、はっきりと見える。
白くて、細くて。
髪の生え際の産毛が、湯気に濡れてキラキラと輝いている。
「......きれい」
徹が、思わず呟く。
ゆめが顔を上げる。
「え? 何か言いました?」
「いえ——なんでもないです」
「えー、気になりますよ♡」
彼女がいたずらっぽく笑う。
その笑顔が——湯気の向こうで、ぼんやりと揺れる。
ゆめは自分の体を洗いながら、時々——徹の方を見る。
目が合うたびに、彼女は微笑んだ。
「......見られてると思うと、ちょっと恥ずかしいですね」
「そうですか?」
「はい。だって——今、すごく変な体勢かも」
彼女はそう言って、自分の背中に手を回す。
ぐいぐい......
「ここ、洗いにくいんですよね......」
「手伝いましょうか?」
「えっ——」
ゆめが一瞬、動きを止めた。
「......いいんですか?」
「もちろん」
「じゃあ——」
彼女が浴槽の縁に近づく。
その背中が——目の前に。
白い肌。
肩甲骨の繊細なライン。
そして——うなじ。
「ここ......泡、ついてますか?」
「少しだけ」
「じゃあ、そこ——お願いします」
徹が手を伸ばす。
ゆめのうなじに——触れた。
ひんやりとしていて、それでいてすぐに温かくなる。
「......ありがとうございます」
彼女の声が、少しだけ震えている。
徹の指が、泡を——優しく拭い取る。
なでなで......
「......気持ちいいです」
ゆめが呟く。
「徹さんの手——すごく温かい」
「そうですか?」
「はい。なんか——すごく、安心します」
彼女はそう言って、ゆっくりと振り返った。
その瞳は——少しだけ、潤んでいるように見えた。
「徹さん」
「はい」
「私——」
彼女が言いかけて——やめた。
「......なんでもないです。お風呂、楽しんでますか?」
「はい。すごく——気持ちいいです」
「よかった♡」
ゆめが微笑む。
「じゃあ、もう少しだけ——ここで洗ってますね。終わったら、私も——入りますから」
「わかりました」
徹は湯の中で、ゆっくりと目を閉じた。
湯気の香り。
彼女の気配。
そして——これから訪れる、さらなる時間への期待。
すべてが、ゆったりと——彼の体を包み込んでいく。
——その夜は、まだ始まったばかりだった。
——第十八章 湯の中で、そしてその先へ
徹が湯に浸かってから、どれくらい経っただろう。
ゆめは自分の体を洗い終え、浴室の片隅に置かれた小さな棚から、いくつかのものを取り出した。
「徹さん、これ——使ってくださいね」
彼女が差し出したのは、使い捨ての歯ブラシ。まだ透明なフィルムに包まれている。もう一方の手には、小さなチューブの歯磨き粉と、二つの紙コップ。
「はい、どうも」
徹が体を起こす。湯気の中で、彼女の裸体がゆらゆらと揺れる。
「まずは、これをお湯で濡らして——」
ゆめは紙コップの一つにシャワーでお湯を注いだ。
じゃあっ......
「はい、どうぞ♡」
徹はそれを受け取り、歯ブラシのフィルムを破った。
ぱりっ。
「新しいの、気持ちいいですよね」
ゆめが微笑む。
「そうですね」
徹は歯磨き粉をブラシの先に絞り出し、お湯で軽く濡らす。
こすこす......こすこす......
泡が、口の中に広がる。ミントの爽やかな香りが、湯気の中でほんのりと立つ。
「うがい、ここでしてくださいね」
ゆめが浴槽の縁を軽く叩く。
「ここなら、床に直接吐き出しても大丈夫ですから。後でシャワーで流しますので♡」
徹はうなずき、口の中の泡を——ぺっ——タイルの上に吐き出した。
白い泡が、グレーの床に星のように散らばる。
「もう一度、軽く磨いてもいいですよ。せっかくですから、しっかり......」
「わかりました」
もう一度。
こすこす......ぺっ。
「よかった。じゃあ、次は——」
ゆめが別の紙コップを取り出し、今度は小さな瓶から液体を注ぐ。
イソジン。うがい薬特有の、茶色い透明な液体。
「これを、お湯で薄めますね」
じゃあじゃあ......
彼女の手つきは、まるで薬剤師のように正確で、それでいて優雅だった。
「はい、できました♡ これを——」
徹が受け取る。
口に含むと、独特の苦味と、すっきりとした清涼感が広がる。
がらがらがら......
「30秒くらい、ゆっくりお願いします」
ゆめが秒を数えるように、首を軽く傾げる。
がらがら......ぺっ。
茶色がかった液が、タイルの上に広がる。
「お疲れさまでした♡ これで、お口の中——さっぱりしたでしょ?」
「はい。ありがとうございます」
「いえいえ。じゃあ、次は私の番ですね」
ゆめは新しい歯ブラシを取り出し、同じようにフィルムを破る。
ぱりっ。
その仕草一つ一つが——愛らしくて、徹は思わず見入ってしまう。
彼女は自分の歯ブラシに歯磨き粉をつけ、お湯で濡らす。
そして——自分の口の中へ。
こすこす......こすこす......
彼女が歯を磨く姿は、どこか無防備で、それでいて色っぽかった。
白い泡が、彼女の唇の端から少しだけ溢れる。
「んー......」
こすこす......ぺっ。
彼女もまた、泡をタイルの上に吐き出した。
「ふう......」
もう一度。
こすこす......ぺっ。
「はい、終わり♡」
彼女が振り返り、いたずらっぽく笑う。
「見てました?」
「——はい」
「恥ずかしいなぁ。歯磨きって、人に見られるの、なんか照れますよね」
彼女はそう言いながら、イソジンを新しい紙コップに注ぎ、お湯で薄める。
がらがらがら......ぺっ。
茶色い液が、床に落ちる。
「これで——準備完了です♡」
ゆめはそう言って、浴槽の縁に手をかけた。
「入っても、いいですか?」
「もちろん」
ちゃぷん......
彼女の白い足が、湯の中に沈む。
ふくらはぎ。膝。太もも。
湯面が、彼女の腰のあたりまで上がってくる。
「あつっ......ちょっと熱いかも」
「大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫。慣れれば——ちょうどいいです」
彼女はゆっくりと体を沈め、徹の向かい側に座った。
浴槽は広めで、二人が向かい合っても十分な余裕がある。
しかし——彼女の足先が、かすかに徹の足に触れていた。
「......」
その感触が、二人の間に微かな電流を走らせる。
「徹さん」
「はい」
「こんなふうに——お風呂、一緒に入るの、好きですか?」
「好きですよ。ゆめさんと一緒なら、なおさら」
「もう♡ そういうこと言うと、私——照れちゃいます」
彼女の頬が、湯の熱さだけではない赤みを帯びる。
第十九章 湯煙の向こうで
しばらくの沈黙。
浴室には、湯気が立ち込めている。白い霞が、二人の裸体をぼんやりと包み込む。
ゆめは時々、手を湯に浸けては、自分の腕を撫でる。その動作が無意識で、官能的だった。
「......ねえ、徹さん」
「はい」
「さっき——体を洗ってるときに思ったんですけど」
「何をですか?」
「徹さんの肌、本当にきれいだなって。私より——ずっときれいかも」
「そんなことないですよ。ゆめさんの肌は——透き通るように白くて」
「それは、元々色白だからかもしれないですけど。でも、乾燥してるんですよ。冬になると、かゆくなっちゃって」
彼女は自分の腕を撫でながら、少しだけ俯いた。
「それに、これ——」
彼女の指が、自分の鎖骨の下あたりを指す。
「ここ、薄く傷があるんです。看護師時代、患者さんを移乗するときにぶつけて——」
「見えますか?」
徹が身を乗り出す。
「——ほとんど見えませんよ」
「ほんとですか?」
「ほんとです。気にしすぎです」
「よかった......」
ゆめがほっとしたように笑う。
「私、傷とか——結構気にしちゃうタイプで。ネイルも、ちょっとでも欠けると直したくなっちゃうし」
彼女は自分の指先を見下ろす。
ベージュ系のネイル。親指だけ——ほんの少し色が違う。
「これ、見えます? さっきも言ったけど、失敗しちゃって。でも、これ——実は、もう一週間経つんです」
「気にしないでいいのに」
「そうなんですけど——なんか、自分に甘えられなくて」
彼女はくすっと笑った。
「真面目なんですね」
「そうかも。看護師って、そういう職業ですから。『適当』が許されないというか......」
そこで彼女は言葉を切った。
「......ごめんなさい、また仕事の話」
「いいんですよ。ゆめさんが話したいなら——聞きます」
「ありがとうございます」
彼女は湯の中で、足を伸ばした。
その足先が、徹のふくらはぎに触れる。
すりっ。
——わざと、そうしたように見えた。
「徹さんは——お仕事、大変じゃないですか?」
「まあ......それなりに」
「製薬会社ですもんね。責任、重そうです」
「そうでもないですよ。ただ——自分のやったことが、誰かの命に関わるって考えると、やっぱり緊張はします」
「それ、わかります」
ゆめがうなずく。
「看護師もそうでした。『この処置、間違えたらどうしよう』って——寝る前によく考えてました」
「それで、眠れなくなったり?」
「はい。結構......」
彼女は笑ったけれど、その目は少しだけ遠くを見ていた。
「でも、今は——」
「今は?」
「——なんでもないです」
彼女は首を振り、話題を変えた。
「そういえば、徹さん——彼女、いないんですよね?」
「はい」
「なんでですか? モテそうなのに」
「仕事が忙しくて——というか、そもそも出会いがなくて」
「えー、もったいないなぁ」
ゆめが湯の中で体をずらし、徹の隣に移動した。
ちゃぷん......
湯面が揺れる。
彼女の肩が、徹の肩に触れる。
「——私だったら、絶対に逃しませんよ」
「何を?」
「徹さんを。こんなに素敵な人——なかなかいませんから」
彼女の声は、甘く、それでいてどこか切実だった。
「ゆめさん......」
「うそですよ♡」
彼女がいたずらっぽく笑う。
「——半分は、本当ですけど」
第二十章 重なる吐息
二人の距離は、もう——ゼロと言ってもよかった。
ゆめの肩が、徹の腕に寄りかかる。彼女の黒髪が、湯に濡れて、艶やかに輝いている。
「徹さん」
「はい」
「ねえ——こっち、向いてくれますか?」
徹が体を彼女の方へ向ける。
湯煙の中で、彼女の瞳が——潤んで見えた。
「——目、閉じて」
徹がゆっくりと目を閉じる。
感覚が研ぎ澄まされる。
湯の温もり。
換気扇の低い音。
彼女の吐息。
そして——彼女の唇が、自分の唇に触れた。
ちゅっ。
最初は、触れるか触れないかの——蜻蛉の羽のようなキス。
しかしすぐに、彼女の唇が——重なってきた。
ちゅ......ちゅ......
二度、三度。
唇の端を、優しく挟むように。
「ん......」
ゆめの喉が、微かに鳴る。
彼女の手が、徹の頬に触れた。ひんやりとした指先が、ゆっくりと顎のラインをなぞる。
そして——彼女の舌が、そっと侵入してきた。
ぺろ......
最初は遠慮がちに。唇の内側を、なぞるように。
しかしすぐに——それは深まっていった。
二人の舌が絡み合う。
ちゅる......じゅる......
唾液が混ざり合う。
「んっ......♡」
ゆめの吐息が、口の中に流れ込んでくる。
甘い。彼女の唾液は——ほんのりと甘くて、それでいて女性の奥深い香りがした。
徹の手が、自然に彼女の背中に回る。
白くて滑らかな肌。
湯で濡れて、いつも以上に——つるりとしている。
「......んん......」
ゆめの体が、徹の体に預けられるように寄りかかってきた。
彼女の胸が、徹の胸に押し付けられる。
ぷにゅ......
柔らかくて、弾力のある感触。
湯の中で、二人の熱が混ざり合う。
「ゆめさん......」
「徹さん......」
彼女が顔を離す。
その唇は、キスのせいで少しだけ赤く腫れていた。
瞳はとろりと潤み、頬は上気している。
「——もっと、したい?」
彼女の声は、少し掠れていた。
「......はい」
「じゃあ——」
ゆめが体の向きを変えた。
背中を徹に向けて。
そして——彼の胸に、自分の背中を預けるように寄りかかった。
ちゃぷん。
湯が、二人の動きに合わせて揺れる。
「ここ......私の背中、預けますね」
彼女の言葉に、徹は自然と——両手を彼女の胸の下で組んだ。
——というより、彼女の胸を、下から支えるような形で。
「あっ......」
ゆめの声が、微かに上がる。
「徹さんの手......大きい......」
「そうですか?」
「うん......私の胸、すっぽり——入っちゃう......」
彼女の声は、もう——半分以上が吐息になっていた。
徹の手のひらが、彼女の豊かな曲線を包み込む。
ぷにゅ......ぷにゅ......
優しく——まるで熟した果実を扱うように。
「ここ......重さ、感じる?」
ゆめが尋ねる。
「——はい」
「どのくらい?」
「......よくわかりません。でも——柔らかいです」
「それだけ?」
「それだけじゃ——足りませんか?」
「足りないです」
ゆめがいたずらっぽく笑う。
「もっと——ちゃんと、触ってください」
第二十一章 湯の中の果実
徹の指が、ゆめの胸の頂点に触れる。
つん、と。
「あっ......」
ゆめの体が、びくんと反応する。
「そこ......もう、固くなってる......」
彼女の声は、もう——限界まで艶めいていた。
「優しく......お願いします......」
徹の指が、蕾をそっと撫でる。
くるくる......くるくる......
「んっ......♡」
ゆめの体がのけぞる。
彼女の手が、無意識に徹の手首を掴んだ。
「や、やっぱり......ここ、弱い......」
「気持ちいい?」
「——気持ちよすぎて、おかしくなりそう......」
彼女の腰が、自然と動き出す。
湯の中で、彼女の太ももが徹の脚に擦れる。
すり......すり......
「ねえ、徹さん」
「はい」
「私——もう、我慢できないかも」
「何を?」
「——これ」
彼女はそう言って、体を少し前にずらした。
「ちょっと、腰を——上げてくれますか?」
徹が言われるままに、腰を少し上げる。
ちゃぷん。
彼の下半身が、湯面から顔を出す。
「——そのまま、待ってて」
ゆめが自分の体を移動させる。
彼女は徹の正面に回り、彼の腰の下に自分の太ももを差し入れた。
「これで——支えてあげますね」
彼女の太ももが、徹の腰を支える。
そして——彼女は両手を、徹の前に伸ばした。
「ここからは——私の、お仕事♡」
彼女の手が、徹の——湯から顔を出しているそれ——に触れた。
つうっ......
「温かい......」
彼女が呟く。
「すごく......温かい......」
彼女の手のひらが、それを包み込む。
ぐっ......
「ゆめさん......」
「大丈夫ですよ。私に——任せてください」
彼女はそう言って、自分の胸を——両手で挟んだ。
「見ててくださいね」
第二十二章 湯煙の旋律
ゆめは自分の胸を、両側から優しく寄せ集める。
白い谷間が——さらに深くなる。
その中心に、徹の——それが——包み込まれるように挟まれた。
「ん......」
ゆめが微かな声を漏らす。
「この感触......久しぶりかも」
彼女の胸が、それを包み込む。
ぷにゅ......ぷにゅ......
柔らかくて、温かくて——それでいて確かな圧力。
「気持ちいい?」
ゆめが尋ねる。
「——はい」
「よかった♡」
彼女はゆっくりと——胸を上下に動かし始めた。
ぐにゅ......ぐにゅ......
白い肌が、湯気の中で揺れる。
ぷにゅ......ぷにゅ......
「あっ......」
徹の声が、思わず漏れる。
「声、出ちゃいましたね♡」
ゆめがいたずらっぽく笑う。
「でも、大丈夫。ここには——私たちしかいませんから」
彼女の動きが、少しだけ速くなる。
ぐにぐに......ぐにぐに......
ちゅるちゅる......
泡が——いや、湯が——その間に挟まって、官能的な音を立てる。
「ゆめ......さん......」
「んー?」
「それ、すごく——」
「気持ちいい?」
「——はい」
「よかった。でも、まだ——これからですよ」
彼女は片方の手を離し、その手で——先端を優しく撫でた。
つうっ......つうっ......
「あっ......」
徹の腰が、さらに浮き上がる。
「ここも——感じる?」
「はい......」
「じゃあ——両方、同時にね」
ゆめは再び両手で胸を挟み、上下に動かしながら——時折、指で先端を撫でる。
ぐにゅぐにゅ......つんつん......
「はあっ......はあっ......」
徹の呼吸が、荒くなる。
「もう——そろそろ?」
「——まだ、大丈夫です」
「そう? じゃあ——もっと、気持ちよくしてあげる」
彼女は胸を離し、今度は——口を近づけた。
ちゅっ。
先端に、キスをする。
ぺろ......
舌でなぞる。
「っ......!」
徹の体が、大きく仰け反る。
「ここからは——潜望鏡、ってやつです」
ゆめが微笑む。
「知ってますか?」
「——名前だけ」
「じゃあ——実演、しますね♡」
彼女の口が、それを深く含む。
じゅるっ......
ちゅぱっ......ちゅぱっ......
彼女の頭が、上下に動く。
湯の中で、彼女の黒髪が揺れる。
ゆらゆら......
「ゆめ......さん......それ、もう......」
「だめですよ——まだです」
彼女は口を離し、今度は——その下。
根本のあたり。
ぺろ......
「そこは——」
「玉、って言います」
ゆめが顔を上げる。
「舐めても——いいですか?」
「——お願いします」
彼女は再び顔を下ろし、そこにキスをした。
ちゅっ。
ぺろぺろ......
ちゅるちゅる......
「んっ......あっ......」
徹の声が、高くなる。
「気持ちいい?」
「はい......」
「よかった。じゃあ——もう一回、行きますね」
彼女は再び——それを深く含んだ。
じゅぽっ......
喉の奥まで。
「んんっ......♡」
彼女の喉が、収縮する。
その刺激が——引き金を引いた。
「——っ!」
徹の体が、大きくのけぞる。
熱い塊が、何度も何度も——放出される。
どくん......どくん......
ゆめはそれを、すべて——受け止めた。
ごくん......ごくん......
彼女の喉が、飲み込むたびに動く。
一つ。
二つ。
三つ。
五つ。
七つ。
「............」
十秒。二十秒。
ようやく、動きが収まった。
ゆめはゆっくりと顔を上げた。
その口元は——わずかに濡れていて、それでいてどこか満足げな笑みを浮かべていた。
「——これで、お掃除も終わり♡」
彼女はそう言って、口元を手の甲で拭った。
「ごちそうさまでした」
「——」
徹は言葉を失った。
ゆめはその様子を見て、くすくす笑った。
「そんなに驚かなくてもいいじゃないですか。これから——まだまだ、これからですよ♡」
第二十三章 逆光の向こう側
「ねえ、徹さん」
「はい」
「今の——私ばっかりでしたよね」
「そうですか?」
「そうです。だから——今度は、徹さんの番です」
ゆめはそう言って、体の向きを変えた。
今度は——彼女が腰を上げる。
ちゃぷん。
彼女の腰が、湯面から顔を出す。
「ここ——見えますか?」
「——はい」
「触ってみます?」
「——いいですか?」
「もちろん。私——そういうの、嫌いじゃないですから♡」
徹が手を伸ばす。
ゆめの——そこに触れた。
つうっ......
「あっ......」
ゆめの体が、微かに震える。
「温かい......」
徹が呟く。
「すごく——温かい......」
「そ、それは......お湯のせいじゃないですか......」
「違います。ゆめさんの——熱です」
「もう♡ そういうこと言うと、私——」
彼女の言葉は、途中で途切れた。
徹の指が、そこを優しく撫でたから。
くるくる......
「んっ......♡」
ゆめの声が、甘く響く。
「そこ......敏感なんです......」
「そうなんですね」
「優しく......お願いします......」
徹の指が、ゆっくりと動く。
つうっ......つうっ......
「あっ......あっ......」
ゆめの体がのけぞる。
彼女の手が、無意識に徹の肩を掴んだ。
「も、もう......だめ......」
「まだですよ」
徹が微笑む。
「私の番ですから」
つんつん......
「ああっ......♡」
ゆめの声が、高くなる。
彼女の体が、激しく震える。
「いっ......イっちゃう......!」
「——いいですよ」
徹の指が、最後に——強く、優しく、そこを押した。
「——っ!」
ゆめの体が、大きく弓なりになる。
びくびく......びくびく......
彼女の全身が、小刻みに震える。
「はあ......はあ......」
十秒。二十秒。
ようやく——その動きが収まった。
ゆめは、徹の肩に寄りかかった。
「......すごい」
彼女が呟く。
「徹さんに——こんなに気持ちよくしてもらえるなんて......」
「ゆめさんが——気持ちよさそうで、よかったです」
「もう......言わせないですよ、そんなこと」
彼女の顔は、湯の熱さだけではない赤みで——真っ赤だった。
第二十四章 湯から上がる瞬間
しばらくの間、二人はそのままの体勢で——湯に浸かっていた。
ゆめの黒髪が、湯面に浮かぶ。まるで黒い藻のように、ゆらゆらと揺れている。
「......そろそろ、上がりますか?」
ゆめが顔を上げる。
「そうですね」
「じゃあ——先に出ますね」
ちゃぷん......
彼女が浴槽から立ち上がる。
その裸体が——湯気の中で、ぼんやりと浮かび上がる。
白い肌。
水滴が、彼女の体を伝って流れ落ちる。
ぽたっ......ぽたっ......
鎖骨のくぼみに溜まった水滴が、胸の谷間へと流れていく。
「バスタオル——ここにありますね」
ゆめは棚から、大きなバスタオルを二枚取り出した。
「徹さん、どうぞ♡」
一枚を徹に手渡す。
「ありがとうございます」
徹も浴槽から上がる。
ちゃぽん......
水滴が、床に落ちる。
ゆめは自分の体を——バスタオルで拭き始めた。
ごしごし......ごしごし......
髪の先から。
肩。
腕。
胸。
ぷにゅ......
彼女は自分の胸を、タオルで優しく包み込むように拭く。
その仕草が——無意識で、官能的だった。
「徹さん——こっち、向いててください」
ゆめが言う。
「拭いて——あげますから」
「いいですよ、自分で——」
「いいえ」
ゆめが首を振る。
「私が——やりたいんです」
彼女は徹の前に立ち、タオルを彼の胸に当てた。
ごしごし......
「やっぱり——この筋肉、すごい」
彼女が呟く。
「タオル越しでも、わかります」
「ありがとう」
「いえいえ」
彼女の手が、胸から腹部へ。
ごしごし......
腹筋の溝に沿って、タオルが動く。
「ここ......洗い残し、ないですよね?」
「大丈夫です」
「よかった」
彼女の手が——さらに下へ。
ごしごし......
「そこは——自分で」
「いいえ」
ゆめが微笑む。
「ここも——私が拭きます」
ごしごし......
優しく。丁寧に。
まるで、壊れものを扱うように。
「——終わりました」
彼女が顔を上げる。
その目は——優しくて、それでいて少しだけ寂しげだった。
「ありがとうございます」
「いえいえ。さあ——戻りましょうか」
ゆめが手を差し伸べる。
徹はその手を取り、二人は——浴室を後にした。
第二十五章 ベッドサイド、再び
部屋に戻ると、ベッドは——まだ清潔な白いシーツのままだ。
換気扇の音が、微かに聞こえる。
「どうぞ、座ってください」
ゆめがベッドの端をポンポンと叩く。
徹が腰を下ろす。
きし、と。
マットレスが微かな音を立てる。
ゆめもその隣に——今度は、すぐそばに——腰を下ろした。
「徹さん」
「はい」
「——楽しかったですか?」
「はい。すごく」
「よかった」
彼女はそう言って、徹の肩に——そっと頭を寄せた。
黒髪が、彼の腕に触れる。
さらり。
「私も——楽しかったです」
彼女の声は、もう——少しだけ眠たげだった。
「徹さんと一緒だと、すごく——安心できる」
「そう言ってもらえて、嬉しいです」
「うん」
彼女は顔を上げ、徹の目を見た。
「——ねえ、もう少しだけ——このまま、いてもいいですか?」
「もちろん」
徹はそう言って、彼女の肩を——そっと抱き寄せた。
ゆめの体が、彼の胸に預けられる。
第二十六章 優しい攻め
しばらくの間、二人はそのままの体勢で——ベッドの端に寄り添っていた。
ゆめの黒髪が、徹の腕の上に広がる。艶やかな髪の一筋一筋が、照明の光を受けてきらきらと輝いている。
「......ねえ、徹さん」
ゆめが顔を上げた。
その瞳は——湯上がりのせいか、少しだけ潤んでいる。
「はい」
「これから——どうしたいですか?」
「どうしたい、とは?」
「その——」
彼女は少しだけ照れくさそうに、自分の黒髪の先を指先で弄んだ。
「攻める側と、攻められる側——どっちがいいですか?」
「......」
徹は一瞬、考えた。
「まずは——ゆめさんを、気持ちよくさせたいです」
「えっ?」
ゆめが目を大きく見開く。
「本当ですか?」
「はい。さっき、お風呂で——ゆめさんが気持ちよさそうな顔を見て、もっと見たくなりました」
「......もう♡」
彼女の頬が、ほんのりと赤らむ。
「そんなこと言われたら——私、照れちゃいますよ」
「照れなくていいです。ゆめさんは——もっと、気持ちよくなっていいんです」
「徹さん......」
彼女の声は、少しだけ震えていた。
「じゃあ——お言葉に甘えちゃいますね」
ゆめはそう言って、ベッドの上でゆっくりと仰向けになった。
白いシーツの上に、彼女の黒髪が広がる。
まるで——漆黒の川が、雪原を流れるように。
そのコントラストが、息をのむほどに美しい。
第二十七章 降り注ぐ影
徹が、ゆめの上に覆いかぶさるように体を移動させる。
彼の影が、彼女の白い裸体を包み込む。
「......重くないですか?」
「いいえ」
ゆめが首を振る。
「徹さんの重さ——心地いいです」
彼女の両手が、そっと徹の背中に回された。
「......あったかい」
彼女が呟く。
「徹さんの体温——すごく、あったかい......」
「ゆめさんも、温かいです」
「そう......?」
彼女の瞳が、とろりと蕩け始める。
「ねえ——キス、してくれますか?」
「——もちろん」
徹が顔を近づける。
ゆめの吐息が、彼の唇に触れる。
はあっ......
甘い。彼女の吐息は——ほんのりと甘くて、それでいて女性の奥深い香りがした。
——そして、唇が重なった。
ちゅっ。
最初は、触れるか触れないかの——羽根のようなキス。
しかしすぐに、それは深まっていく。
ちゅ......ちゅ......
ゆめの唇が、徹の唇を優しく挟む。
ぷにぷに......
「ん......」
彼女の喉が、微かに鳴る。
徹の舌が、彼女の唇の隙間をなぞる。
ぺろ......
ゆめの唇が、自然と開かれる。
——中に侵入した。
じゅるっ......
彼女の舌が、徹の舌を迎え入れる。
絡み合う。
ちゅる......ちゅる......
「んっ......♡」
ゆめの吐息が、口の中に流れ込んでくる。
唾液が混ざり合う。
じゅぱっ......じゅぱっ......
「......はあっ」
一度、唇を離す。
銀の糸が、二人の間で切れる。
ぷつん。
「徹さんのキス——すごく、気持ちいい......」
ゆめが呟く。
「もっと——してほしい......」
「——はい」
もう一度。
ちゅっ。
今度は——下唇を優しく吸う。
ちゅる......ちゅる......
「あっ......」
彼女の声が、甘く響く。
「そこ......敏感かも......」
「そうなんですね」
「うん......もっと——吸って......」
徹が、ゆめの下唇を——優しく、しかし確かに——吸った。
ちゅぱっ......
「んんっ......♡」
ゆめの体が、のけぞる。
彼女の手が、無意識に徹の髪を掴む。
「すごい......」
彼女の声は、もう——半分以上が吐息になっていた。
「徹さんのキス——頭が、ぼーっとしてくる......」
「気持ちいい?」
「——気持ちよすぎて、おかしくなりそう......」
彼女の腰が、自然と動き出す。
シーツの上で、彼女の太ももが擦れる。
すり......すり......
「ねえ——もっと、深く」
「——はい」
徹の舌が、再び彼女の口の中へ。
今度は——奥まで。
じゅるるっ......
「んっ......んんっ......♡」
ゆめの喉が鳴る。
彼女の舌が、徹の舌に絡みつく。
ちゅるちゅる......
じゅぱじゅぱ......
唾液が、口の端から溢れる。
ぽたっ......
彼女の頬を伝って、枕に落ちる。
「......はあっ」
ようやく、唇を離した。
ゆめの瞳は——もう、とろりと蕩けて、焦点が合っていないように見えた。
「......すごい」
彼女が呟く。
「今の——すごく、気持ちよかった......」
「よかった」
「でも——」
ゆめがいたずらっぽく笑う。
「まだ、これからですよね?」
「——そうです」
「じゃあ——次は、どこを攻めてくれるんですか?」
第二十八章 白い果実
徹の視線が、ゆめの胸に注がれる。
白い肌。
豊かな曲線。
その頂点に咲く——桜色の蕾。
「ここ——触ってもいいですか?」
「——うん」
ゆめが小さくうなずく。
「でも......」
「でも?」
「優しく——お願いします」
徹の手が、彼女の胸の下にそっと差し入れられた。
ぷにゅ......
「あっ......」
ゆめの声が、微かに上がる。
「徹さんの手——大きい......」
「そうですか?」
「うん......私の胸、すっぽり——入っちゃう......」
彼の手のひらが、彼女の豊かな曲線を包み込む。
ぐにゅ......ぐにゅ......
「ここ——重さ、感じる?」
「——はい」
「どのくらい?」
「......よくわかりません。でも——柔らかいです」
「それだけ?」
「それだけじゃ——足りませんか?」
「足りないです」
ゆめが微笑む。
「もっと——ちゃんと、触ってください」
徹の指が、胸の頂点に触れる。
つん、と。
「あっ......」
ゆめの体が、びくんと反応する。
「そこ——もう、固くなってる......」
「触ってほしいですか?」
「——うん」
彼女の声は、もう——限界まで艶めいていた。
「優しく——お願いします......」
徹の指が、蕾をそっと撫でる。
くるくる......くるくる......
「んっ......♡」
ゆめの体がのけぞる。
彼女の手が、無意識にシーツを掴む。
「や、やっぱり......ここ、弱い......」
「気持ちいい?」
「——気持ちよすぎて、おかしくなりそう......」
彼女の腰が、自然と動き出す。
シーツの上で、彼女の太ももが擦れる。
すり......すり......
「ねえ——それだけ?」
「——はい?」
「もっと——色んな触り方、してほしい」
「例えば?」
「例えば——」
ゆめは自分の胸を、両手で優しく挟んだ。
「こうやって——」
ぷにゅ......
「山を作って——てっぺんを、つんつんされるの、好き」
「——やってみていいですか?」
「うん」
徹の両手が、彼女の胸を——外側から包み込むように挟む。
ぷにゅ......
「こう?」
「うん......そう......」
彼女の声が、甘く震える。
「そのまま——てっぺんを......」
徹の親指が、両方の蕾に同時に触れる。
つん、つん。
「ああっ......♡」
ゆめの体が、大きく仰け反る。
「そこ——すごい......」
「気持ちいい?」
「うん......すごく......」
彼女の呼吸が、浅く速くなる。
「徹さんの指——熱い......」
「ゆめさんの胸も——熱いです」
「それ、お風呂のせいじゃない?」
「違います。ゆめさんの——熱です」
「もう♡ そういうこと言うと、私——」
彼女の言葉は、途中で途切れた。
徹の口が、片方の蕾をそっと含んだから。
ちゅ......
「ああっ......♡」
ゆめの声が、高くなる。
徹の舌が、蕾の先端をなぞる。
ぺろ......ちゅ......
「だ、だめ......それ、だめぇ......」
彼女の体が震える。
腕が、徹の首に絡みつく。
指が、彼の髪を掴む。
「はっ......あっ......♡」
「もう片方も——舐めてほしい?」
「うん......お願い......」
徹の口が、もう一方の蕾に移る。
ちゅっ......ぺろぺろ......
「んんっ......♡」
ゆめの体が、のけぞる。
「そこ——舐められると、頭が——真っ白になっちゃう......」
「じゃあ——もっと、白くしてあげる」
徹の舌が、蕾を——ゆっくりと、丹念に——這う。
ぺろ......ちゅる......
じゅるっ......
「ああっ......ああっ......♡」
ゆめの声が、部屋中に響く。
換気扇の音さえも、かき消されそうなほどの——官能的な旋律。
第二十九章 感じる場所
しばらくの間、徹はゆめの胸を——愛で続けた。
手で触れ。
口で含み。
舌でなぞり。
「......はあっ......はあっ......」
ゆめの呼吸は、もう——限界まで乱れていた。
「ねえ、徹さん」
「はい」
「もう——お腹の辺りも、触ってほしい」
「——わかった」
徹の手が、ゆめの胸から腹部へと移動する。
なでなで......
「ここ......敏感?」
「うん......でも、くすぐったいかも」
「くすぐったい?」
「うん。だから——優しく、ゆっくり......」
徹の手のひらが、彼女の腹部を——優しく、ゆっくりと——撫でる。
なでなで......なでなで......
「それ——いい......」
ゆめが呟く。
「すごく——気持ちいい......」
「よかった」
彼の手が、へそのあたりで止まる。
「ここは?」
「——そこも、気持ちいい」
「じゃあ——」
徹の指が、へその周りを円を描くように撫でる。
くるくる......くるくる......
「あっ......」
ゆめの体が、微かに震える。
「そこ——なんか、変な感じ......」
「変?」
「うん......くすぐったいような、気持ちいいような——」
「気持ちいい?」
「——うん。もっと、やって......」
徹の指が、へその周りを——ゆっくりと、丹念に——撫で続ける。
くるくる......くるくる......
「んっ......♡」
ゆめの声が、甘く響く。
「徹さんの指——すごく、器用......」
「そうですか?」
「うん。こんなに細かい動き——なかなかできないよ」
「それは——ゆめさんが、感じやすいからです」
「それもあるかも。でも——」
彼女の手が、徹の手をそっと握る。
「徹さんが、優しいから——私、こんなに気持ちよくなれてるんだと思う」
「......ありがとう」
「いえいえ。こっちこそ——」
彼女はそう言って、徹の手を——自分の胸の上に置いた。
「ここ、もっと——触って」
第三十章 下へ、さらに下へ
徹の手が、ゆめの胸から——さらに下へ。
肋骨。
脇腹。
腰。
「ここも——気持ちいい?」
「うん......」
ゆめの声は、もう——ほとんどが吐息になっていた。
「徹さんに触られてると——なんか、全身が——とろけそう......」
「とろける?」
「うん......溶けて——なくなっちゃいそう......」
「それは困ります」
「え、なんで?」
「ゆめさんがいなくなったら——寂しいから」
「......もう♡」
彼女の頬が、赤くなる。
「そういうこと言うと、私——本当に、溶けちゃうよ」
「じゃあ——言わない方がいい?」
「——言って。溶けてもいいから」
彼女の瞳は、もう——とろりと蕩けて、潤んでいた。
「ねえ、徹さん」
「はい」
「そろそろ——下の方、行ってくれますか?」
「——ここ?」
徹の指が、ゆめの太ももの付け根に触れる。
つうっ......
「あっ......」
ゆめの体が、びくんと反応する。
「そこ——すごく敏感......」
「そうなんですね」
「うん......でも、もっと——内側」
彼女の手が、徹の手を——さらに内側へ導く。
鼠径部。
その柔らかなライン。
「ここ——触ってほしい......」
徹の指が、そこに触れる。
つうっ......
「んっ......♡」
ゆめの声が、甘く響く。
「気持ちいい?」
「うん......すごく......」
彼女の腰が、自然と動き出す。
シーツの上で、彼女の太ももが開いていく。
すり......すり......
「ねえ——もっと、奥」
「——わかった」
徹の指が、さらに——内側へ。
もう——そこは、彼女の最も秘めたる場所。
「ここ——舐めてほしい......」
「——いいの?」
「うん。私——ク〇ニ、好きだから」
「そうなんですね」
「うん。優しく——早く——舐められるのが、一番好き」
「——わかった」
徹が体を——ゆめの脚の間に移動させる。
彼女の太ももが、彼の肩を挟む。
「その体勢——好き」
ゆめが微笑む。
「なんか——すごく、守られてる気がする」
「——ゆめさんは、守られる価値があります」
「もう♡ それ以上言ったら——泣いちゃうよ」
「泣いてもいいですよ。ここには——私たちしかいませんから」
「......徹さん」
「はい」
「——好き」
その言葉が、静かな部屋に響いた。
第三十一章 蜜の味
徹の顔が、ゆめの最も秘めたる場所に——近づく。
彼女の吐息が、熱を帯びる。
はあっ......
「——緊張する?」
徹が尋ねる。
「うん......ちょっと」
「やめようか?」
「——やめてほしくない」
彼女の手が、徹の髪に触れる。
「お願い——して」
徹が——そこにキスをした。
ちゅっ。
「あっ......」
ゆめの体が、微かに震える。
「そこ——もう、濡れてる......」
彼が呟く。
「ゆめさん——感じてたんだ」
「——うん。徹さんに触られてるだけで——ずっと、感じてた......」
「そうだったんだ」
「うん......だから——早く、�めて......」
徹の舌が、そこに触れた。
ぺろ......
「んっ......♡」
ゆめの体が、のけぞる。
彼女の手が、無意識にシーツを掴む。
「そこ——すごく、気持ちいい......」
「よかった」
徹の舌が、ゆっくりと——丹念に——そこを這う。
ぺろ......ぺろ......
ちゅる......
「ああっ......ああっ......♡」
ゆめの声が、高くなる。
「それ——そのまま——続けて......」
彼の舌が、リズムを刻み始める。
ぺろぺろ......ぺろぺろ......
ちゅるちゅる......
「はあっ......はあっ......」
ゆめの呼吸が、荒くなる。
「徹さんの舌——すごく、柔らかい......」
「そう?」
「うん......柔らかくて——温かくて——」
彼女の腰が、自然と動き出す。
徹の舌に——擦り付けるように。
「ここ——もっと、強く——」
ぺろぺろ......
「あっ......あっ......!」
「ここは?」
ちゅっ。
「だめ......そこ——強すぎ......」
「痛い?」
「痛くはないけど——ちょっと、敏感すぎて......」
「じゃあ——優しく」
徹の舌が、その部分を——優しく、そっと——なぞる。
ぺろ......
「んっ......それ——いい......」
「よかった」
彼の舌が、再び——そこ全体を這う。
ぺろぺろ......ぺろぺろ......
じゅるっ......
「ああっ......♡」
ゆめの体が、大きく仰け反る。
「そこ——すごい......」
「気持ちいい?」
「うん......すごく......」
彼女の手が、徹の髪を強く掴む。
「もっと——奥——」
徹の舌が、さらに——深く。
じゅるるっ......
「んんっ......♡」
ゆめの声が、部屋中に響く。
「あっ......あっ......!」
彼女の腰が、激しく動き出す。
くねくね......くねくね......
「もう——だめ......」
「まだですよ」
徹が微笑む。
「ゆめさんが——イくまで、やめませんから」
「そんなこと言われたら——すぐに、イっちゃう......」
「いいですよ。イってください」
「——ひどい......」
彼女の声は、もう——限界まで艶めいていた。
徹の舌が、再び——そこに吸い付く。
ちゅぱっ......ちゅぱっ......
ぺろぺろ......ぺろぺろ......
「ああっ......ああっ......♡」
ゆめの体が、激しく震える。
「も、もう——」
「——どうぞ」
徹の舌が、最後に——強く、そこを押した。
「——っ!」
ゆめの体が、大きく弓なりになる。
びくびく......びくびく......
彼女の全身が、小刻みに震える。
その瞬間——彼女のそこから、とろりとした液体が溢れ出た。
とろっ......とろっ......
ぬるぬる......
徹の舌が、それを——受け止める。
じゅるっ......
「んんっ......♡」
ゆめの声が、甘く響く。
「それ——飲まないで......」
「どうして?」
「だって——恥ずかしい......」
「恥ずかしくないですよ。ゆめさんの——味、知りたい」
徹の舌が、溢れ出る液体を——すべて舐め取る。
ぺろ......ぺろ......
ちゅるちゅる......
「ああっ......それ——くすぐったい......」
「でも——気持ちいい?」
「——うん......」
彼女の声は、もう——消え入りそうなほど小さかった。
徹の舌が、最後の一滴まで——舐め尽くす。
ぺろ......
「——ごちそうさまでした」
「もう♡ それ——やめて......」
ゆめの顔は——真っ赤だった。
第三十二章 溢れる泉
ゆめのそこからは——まだ、とろとろとした液体が溢れ続けている。
とろっ......とろっ......
ぬるぬる......
「すごい量......」
徹が呟く。
「ゆめさん——どれだけ感じてたんだ?」
「うるさい......」
彼女が、照れくさそうに顔を覆う。
「だって——徹さんが、あんなに——気持ちよくするから......」
「それは——褒めてくれてる?」
「——うん。世界で一番、褒めてる」
彼女の手が、徹の手を握る。
「ねえ——もっと、�めて」
「——いいの?」
「うん。もっと——感じたい」
徹の舌が、再び——そこに触れる。
ぺろ......
「あっ......」
ゆめの体が、びくんと反応する。
「まだ——そんなに敏感なの?」
「うん......徹さんの舌が——すごく、柔らかいから......」
「じゃあ——もっと、柔らかく」
徹の舌が、さらに——優しく。
ぺろ......ぺろ......
ちゅる......
「ああっ......ああっ......♡」
ゆめの声が、高くなる。
「それ——それ、すごい......」
「気持ちいい?」
「うん......さっきより——もっと、気持ちいい......」
彼女の腰が、自然と動き出す。
徹の舌に——擦り付けるように。
くねくね......くねくね......
「ここ——もっと、強く——」
ぺろぺろ......
「あっ......あっ......!」
「ここは?」
ちゅっ。
「だめ......そこ——やっぱり、強すぎ......」
「痛い?」
「痛くはないけど——なんか、変......」
「変?」
「うん......くすぐったいような、気持ち悪いような——」
「じゃあ——やめる」
「うん。お願い」
徹の舌が、その部分から離れ——再び、そこ全体を優しく這う。
ぺろ......ぺろ......
じゅるっ......
「ああっ......それ——それ、いい......」
「よかった」
彼の舌が、リズムを刻む。
ぺろぺろ......ぺろぺろ......
ちゅるちゅる......
「あっ......あっ......♡」
ゆめの体が、再び震え始める。
「もう——また、イきそう......」
「——いいですよ」
徹の舌が、さらに——早く。
ぺろぺろぺろ......
じゅるじゅる......
「ああっ......ああっ......!」
ゆめの体が、大きく仰け反る。
びくびく......びくびく......
また——とろりとした液体が溢れ出る。
とろっ......とろっ......
ぬるぬる......
今度は——さっきよりも、さらに多い。
徹の舌が、それを——すべて受け止める。
じゅるるっ......
ごくん。
「——飲んだ?」
ゆめが尋ねる。
「——はい」
「......恥ずかしい」
彼女の顔は——もう、湯の熱さだけではない赤みで——真っ赤だった。
「でも——嬉しい」
「嬉しい?」
「うん。徹さんが——私のを、飲んでくれて」
彼女の手が、徹の頬に触れる。
「ねえ——もう一回」
「——いいの?」
「うん。もっと——出るかも」
第三十三章 限界の先へ
徹の舌が、三度——そこに触れる。
ぺろ......
「あっ......」
ゆめの体が、びくんと反応する。
「もう——敏感すぎて、おかしくなりそう......」
「じゃあ——やめようか?」
「——やめてほしくない」
彼女の手が、徹の髪を掴む。
「お願い——続けて......」
徹の舌が、再び——そこを這う。
ぺろ......ぺろ......
ちゅる......
「ああっ......ああっ......♡」
ゆめの声が、高くなる。
「それ——さっきよりも、気持ちいい......」
「そう?」
「うん......なんか——もっと、深いところから——響いてくる......」
彼女の腰が、激しく動き出す。
くねくね......くねくね......
「ここ——もっと、強く——」
ぺろぺろ......
「あっ......あっ......!」
「ここは?」
ちゅっ。
「だめ......そこは——もう、無理......」
「痛い?」
「うん......ちょっと、痛い......」
「ごめん」
「謝らないで——」
彼女の手が、徹の頭を優しく撫でる。
「徹さんは——すごく、優しいから」
「でも——痛い思いをさせた」
「いいの。私——痛いのも、好きだから」
「——え?」
「うそ。痛いのは、嫌い」
彼女がいたずらっぽく笑う。
「でも——徹さんに触られてるのは、好き」
「——ありがとう」
「いえいえ。こっちこそ——」
彼女はそう言って、徹の手を——自分の胸の上に置いた。
「ここ、触って——舐めながら」
「——わかった」
徹の左手が、ゆめの胸を優しく包み込む。
ぷにゅ......
「あっ......」
彼女の声が、甘く響く。
その同時に——彼の舌が、再びそこに吸い付く。
ちゅぱっ......
「ああっ......♡」
ゆめの体が、大きく仰け反る。
「それ——それ、ずるい......」
「ずるい?」
「うん......両方、同時に——されたら——」
「——どうなる?」
「——イっちゃう」
彼女の言葉が、途切れた。
ぺろぺろ......
ぷにゅぷにゅ......
「ああっ......ああっ......!」
ゆめの体が、激しく震える。
びくびく......びくびく......
また——とろりとした液体が溢れ出る。
とろっ......とろっ......
ぬるぬる......
今度は——さっきまでの比じゃない。
だらだら......
じゅわっ......
シーツに、大きな染みが広がる。
「——すごい」
徹が呟く。
「ゆめさん——どれだけ溜めてたんだ?」
「うるさい......」
彼女の声は、もう——消え入りそうなほど小さかった。
「だって——徹さんが、何回も——」
「何回も、ごめん」
「謝らないで——」
彼女の手が、徹の手を握る。
「私——こんなにイったの、初めてかも」
「——そうなんだ」
「うん。ありがとう」
「——どういたしまして」
徹が、ゆめの額にキスをした。
ちゅっ。
「——ねえ」
「はい」
「もう——私だけ、ずるい」
「——どういう意味?」
「だから——次は、徹さんの番」
彼女がいたずらっぽく笑う。
「——攻守交替、しよ?」
第三十四章 攻守交替
「——攻守交替、しよ?」
ゆめの言葉が、静かな部屋に甘く響く。
徹が彼女の体をそっと押しのけようとすると、ゆめは首を振った。
「違うよ、徹さん。今度は——私が、上」
彼女の手が、徹の胸を優しく押す。
「仰向けになって」
徹は言われるままに、ゆっくりと体の向きを変えた。
ばふん。
マットレスが、彼の体重を受け止める。
天井の間接照明が、ぼんやりと彼の視界に広がる。換気扇の低い唸り。そして——彼の上に覆いかぶさるようにして、ゆめの姿があった。
彼女の黒髪が、両側からカーテンのように垂れ下がる。その合間から、白い肌と桜色の蕾が——ちらり、と覗く。
「この体勢——好き?」
ゆめが尋ねる。
「——はい」
「よかった♡ 私も、好き。だって——」
彼女の指が、徹の胸の上を這う。
「徹さんの顔、一番近くで見られるから」
つうっ、つうっ。
「それに——」
彼女の顔が、さらに近づく。
「キス、しやすいし」
——唇が、重なった。
第三十五章 上からのキス
ちゅっ。
最初は、触れるか触れないかの——蜻蛉の羽のようなキス。
しかしすぐに、ゆめの唇が——何度も、何度も——徹の唇に落とされる。
ちゅ、ちゅ、ちゅっ——
まるで、雨粒が軒先を打つように。
規則的で、それでいてどこか無秩序な——甘いリズム。
「ん——」
徹の喉が、微かに鳴る。
ゆめの唇が、彼の下唇をそっと挟む。
ぷに、と。
「これ——好き?」
彼女が顔を少し離して尋ねる。
「——はい」
「私も♡ 徹さんの唇——柔らかいから、吸ってて気持ちいい」
彼女の舌が、徹の唇の縁をなぞる。
ぺろ——
「あっ——」
徹の声が、思わず漏れる。
「声、出ちゃった♡」
ゆめがいたずらっぽく笑う。
「でも、大丈夫。ここには——私たちしかいないから」
彼女の舌が、再び——今度は、ゆっくりと、丹念に——徹の唇を這う。
ぺろ、ぺろ、ぺろ——
上唇。
下唇。
唇の端。
「ゆめさん——」
「んー?」
「それ、くすぐったい——」
「くすぐったい? でも——」
彼女の舌が、唇の隙間を探る。
「ここ、開けて?」
徹が、わずかに口を開く。
ゆめの舌が——侵入した。
じゅるっ——
「んん——♡」
彼女の舌が、徹の舌に絡みつく。
ちゅる、ちゅる、ちゅる——
「んっ——んっ——」
二人の吐息が、混ざり合う。
ゆめの舌が、徹の口の中を——ゆっくりと、探検するように——這い回る。
歯茎。
頬の内側。
上顎。
「ん——♡」
彼女の喉が、鳴る。
「徹さんの口の中——すごく、きれい」
「そう?」
「うん。なんか——甘い匂いがする」
「それは、歯磨きの——」
「違う。徹さんの——元の匂い」
彼女の舌が、再び徹の舌に絡みつく。
じゅるるっ——
ちゅぱっ、ちゅぱっ——
唾液が混ざり合う。
口の端から、少しだけ溢れる。
ぽたっ——
「——はあっ」
ゆめが、ようやく唇を離す。
銀の糸が、二人の間で切れる。
ぷつん。
「徹さんのキス——すごく、クセになる」
彼女が呟く。
「もう——やめられないかも」
「——やめなくていいですよ」
「え?」
「ゆめさんとキスしてるの——すごく、気持ちいいから」
「——もう♡」
彼女の頬が、赤くなる。
「そんなこと言われたら——本当に、やめられなくなっちゃう」
「——やめなくていいです」
「徹さん——」
彼女の瞳が、優しく細められる。
「——じゃあ、もっと、する」
第三十六章 舌と舌の絡み
ゆめの唇が、再び——徹の唇に重なる。
今度は、最初から深い。
じゅるっ——
彼女の舌が、すぐに侵入してくる。
遠慮がちに、ではなく——確かな意思を持って。
「んっ——」
徹の舌が、それに応える。
絡み合う。
ちゅる、ちゅる、ちゅる——
「はあっ——はあっ——」
二人の呼吸が、荒くなる。
ゆめの舌が、徹の舌を——自分の口の中に引き込む。
じゅぽっ——
「んん——♡」
彼女の喉が鳴る。
徹の舌が、彼女の口の中を探る。
歯茎。
頬の内側。
上顎。
「——んっ!」
ゆめの体が、微かに震える。
「そこ——」
彼女が顔を離す。
「そこ、なに?」
「上顎の——奥。そこ、すごく敏感」
「そうなんだ」
「うん。舐められると——ぞくぞくする」
「じゃあ——」
徹の舌が、再びそこをなぞる。
ぺろ——
「あっ——♡」
ゆめの体が、のけぞる。
「だ、だめ——それ、やられると——私、ダメになっちゃう」
「ダメに——なってほしい」
「徹さん——」
彼女の瞳が、とろりと蕩ける。
「——ひどい人」
「ごめん」
「謝らないで——」
彼女の手が、徹の頬に触れる。
「私——徹さんに、ダメにされたい」
「——」
「だから——もっと、して」
徹の舌が、再び彼女の上顎をなぞる。
ぺろ、ぺろ、ぺろ——
「あっ——あっ——♡」
ゆめの体が、激しく震える。
彼女の手が、無意識にシーツを掴む。
「も、もう——」
「まだです」
徹の舌が、さらに——奥へ。
じゅるるっ——
「んんっ——♡」
ゆめの声が、高くなる。
「そこ——そこ、すごい——」
「気持ちいい?」
「うん——すごく——」
彼女の腰が、自然と動き出す。
徹の上で——彼女の太ももが、彼の腰を挟むように。
すり、すり——
「ねえ——」
「はい」
「私ばっかり——ずるい」
「——どういう意味?」
「だから——」
彼女の唇が、徹の耳元に近づく。
「次は——徹さんの番」
ちゅっ。
耳たぶに、キスを落とす。
「ここから——私が、攻めるから」
第三十七章 耳元のささやき
ゆめの唇が、徹の耳たぶをそっと含む。
ちゅ——
「んっ——」
徹の体が、微かに震える。
「ここ——感じる?」
彼女の声が、耳の奥に直接響く。
「——はい」
「やっぱり♡ 反応でわかった」
彼女の舌が、耳の縁をなぞる。
ぺろ——
「あっ——」
徹の声が、思わず漏れる。
「声、出ちゃった」
ゆめがいたずらっぽく笑う。
「でも——もっと、聞かせて」
彼女の舌が、耳の穴の入り口を——そっと、くすぐるように——這う。
ぺろ、ぺろ——
「はあっ——」
徹の呼吸が、荒くなる。
「ゆめさん——それ——」
「やめてほしい?」
「——やめてほしくない」
「よかった♡」
彼女の舌が、さらに——奥へ。
じゅるっ——
「っ——!」
徹の体が、大きく仰け反る。
「そこ——すごい敏感」
ゆめが呟く。
「看護師時代、耳掃除のときによく気づいたんだよね——『ここ、弱い人、多いな』って」
「——よく、わかりますね」
「だって、プロですから♡」
彼女の舌が、再び耳の縁を這う。
ぺろ、ぺろ、ぺろ——
ちゅ、ちゅ、ちゅ——
「はあっ——はあっ——」
徹の呼吸が、さらに荒くなる。
「もう——限界?」
ゆめが顔を離す。
「——まだ、大丈夫です」
「そう? じゃあ——もっと、してあげる」
彼女の唇が、今度は——首筋に移動する。
ちゅっ。
ちゅ、ちゅ、ちゅ——
「んっ——」
徹の喉が鳴る。
「ここ——脈、打ってる」
ゆめが呟く。
「ドキドキ——聞こえる」
「——恥ずかしい」
「え、なんで?」
「だって——」
「私のせいで、ドキドキしてるんでしょ?」
「——はい」
「よかった♡」
彼女の舌が、首筋を——ゆっくりと、丹念に——這う。
ぺろ——ぺろ——
ちゅる——
「あっ——」
徹の声が、高くなる。
「そこ——すごく、敏感」
「そうなんだ」
「はい。あまり——触れられることに、慣れてなくて」
「じゃあ——もっと、慣らしてあげる」
彼女の唇が、さらに——下へ。
鎖骨。
ちゅっ。
胸の中心。
ちゅっ。
「——ここからは、じっくり、いこうね」
第三十八章 胸の頂へ
ゆめの唇が、徹の胸の中心にキスを落とす。
ちゅっ。
「ここ——汗の味、する」
彼女が呟く。
「お風呂、入ったのに——もう、出てきちゃったんだね」
「——ゆめさんのせいです」
「え、なんで?」
「だって——ゆめさんが、こんなに——」
「こんなに?」
「——気持ちよくしてくれるから」
「もう♡」
彼女が笑う。
「そんなこと言われたら——私、もっと、頑張っちゃうよ」
彼女の舌が、胸の中心から——左の頂へ向かって、ゆっくりと這う。
ぺろ——ぺろ——
ちゅる——
「あっ——」
徹の体が、微かに震える。
「ここ——」
ゆめの唇が、乳首に触れる。
「もう、固くなってる」
ちゅ——
「んっ——」
「気持ちいい?」
「——はい」
「よかった♡」
彼女の舌が、その頂点を——優しく、円を描くように——なぞる。
くるくる、くるくる——
「はあっ——」
徹の呼吸が、荒くなる。
「ゆめさん——それ——」
「やめてほしい?」
「——やめてほしくない」
「よかった」
彼女の口が、それを深く含む。
じゅるっ——
ちゅぱっ、ちゅぱっ——
「あっ——あっ——」
徹の声が、高くなる。
「声、出ちゃった」
ゆめが顔を離す。
「でも——もっと、聞かせて」
彼女の指が、もう一方の頂点を——そっと、つまむように——撫でる。
つん、つん——
「っ——!」
徹の体が、大きく仰け反る。
「そこ——両方、同時に——」
「——どうなる?」
「——おかしくなりそう」
「おかしくなって——いいよ」
彼女の口が、再び左の頂点を。
指が、右の頂点を。
じゅるっ——
つん、つん——
「あっ——あっ——♡」
徹の声が、部屋中に響く。
「ゆめ——さん——」
「んー?」
「もう——」
「まだだよ」
彼女の口が、左から右へ——移動する。
ちゅぱっ。
ぺろ、ぺろ——
「ここも——同じくらい、固くなってる」
「——当たり前です」
「え、なんで?」
「だって——ゆめさんが、舐めてるから」
「——もう♡」
彼女が笑う。
「徹さんって——そんなこと言うんだ」
「——ゆめさんが、そうさせるんです」
「じゃあ——もっと、そうさせちゃおうかな」
彼女の口が、再び——今度は、さらに強く——吸い付く。
ちゅぱっ、ちゅぱっ、ちゅぱっ——
「ああっ——!」
徹の体が、激しく震える。
「ゆめ——さん——それ、もう——」
「もう、イきそう?」
「——はい」
「だめ。まだ——イっちゃだめ」
彼女が顔を離す。
「だって——これから、もっと、気持ちよくしてあげるから」
第三十九章 さらに下へ
ゆめの唇が、徹の胸から——腹部へ。
ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ——
ぺろ、ぺろ——
「ここ——」
彼女の舌が、へその周りをなぞる。
くるくる——
「くすぐったい——」
徹が言う。
「くすぐったい?」
「はい」
「でも——気持ちいい?」
「——それも、はい」
「よかった♡」
彼女の舌が、さらに——下へ。
腹筋の溝を——一本、また一本——なぞるように。
ぺろ——ぺろ——
じゅる——
「はあっ——」
徹の呼吸が、さらに荒くなる。
「ゆめさん——」
「んー?」
「それ——すごく、気持ちいい」
「よかった。でも——」
彼女の顔が、さらに下がる。
「ここからが——本番だから」
——彼女の視線が、徹の中心に注がれる。
「——すごい」
ゆめが呟く。
「お風呂で見たときも、思ったけど——やっぱり、すごい」
「——そうですか?」
「うん。もう——こんなに、準備万端」
彼女の指が、そっと——根本に触れる。
つう——
「熱い——」
彼女が息を呑む。
「すごく——熱い」
「——ゆめさんのせいです」
「え、なんで?」
「だって——ゆめさんが、こんなに——」
「こんなに?」
「——気持ちよくしてくれるから」
「もう♡ それ——さっきも言った」
「——同じことでも、言います」
「徹さん——」
彼女の瞳が、優しく細められる。
「——本当に、可愛い」
第四十章 優しい包み込み
ゆめの手のひらが、徹の中心を——優しく、包み込む。
ぐっ——
「んっ——」
徹の喉が鳴る。
「この重さ——」
彼女が呟く。
「すごく——ずっしり、くる」
「——そうですか?」
「うん。手のひらに——収まらない」
彼女の指が、ゆっくりと——根本から先端へ——なぞる。
つうっ——つうっ——
「あっ——」
徹の体が、微かに震える。
「ここ——もう、濡れてる」
ゆめが言う。
「先端が——じくじく、してる」
「——それは——」
「私のせい?」
「——はい」
「よかった♡」
彼女の親指が、先端に——そっと、触れる。
つん——
「っ——!」
徹の腰が、浮き上がる。
「そこ——すごく、敏感」
「そうなんだ」
「はい。あまり——」
「あまり?」
「——直接、触れられることに、慣れてなくて」
「じゃあ——」
彼女の親指が、先端を——優しく、円を描くように——なぞる。
くるくる、くるくる——
「あっ——あっ——」
徹の声が、高くなる。
「ゆめさん——それ——」
「やめてほしい?」
「——やめてほしくない」
「よかった」
彼女の手のひらが、再び——全体を包み込む。
ぐっ——
ずるっ、ずるっ、ずるっ——
「はあっ——はあっ——」
徹の呼吸が、荒くなる。
「この動き——」
ゆめが言う。
「気持ちいい?」
「——はい。すごく」
「よかった。でも——」
彼女の手の動きが、止まる。
「これだけじゃ——物足りないでしょ?」
「——」
「だから——」
彼女の顔が、さらに近づく。
——唇が、そこに触れた。
第四十一章 口づけの始まり
ちゅっ。
小さな、それでいて確かな——キスの音。
「あっ——」
徹の体が、大きく仰け反る。
「ここに——キス、されるの、初めて?」
ゆめが顔を上げて尋ねる。
「——はい」
「じゃあ——記念すべき、第一回目」
彼女がいたずらっぽく笑う。
「もっと——してあげる」
ちゅ、ちゅ、ちゅっ——
何度も、何度も——キスを落とす。
根本。
中間。
先端。
「んっ——んっ——」
徹の声が、途切れ途切れに漏れる。
「ゆめ——さん——」
「んー?」
「それ——くすぐったいような——」
「くすぐったいような?」
「——気持ちいいような」
「どっち?」
「——両方」
「よかった♡」
彼女の舌が、先端に——そっと、触れる。
ぺろ——
「っ——!」
徹の腰が、さらに浮き上がる。
「そこ——すごい」
「すごい、って?」
「——反応が」
「徹さんの——反応?」
「はい。ちょっと触れただけで——こんなに——」
「こんなに?」
「——びくびく、する」
「それは——」
彼女が微笑む。
「私の——テクニックの、おかげ?」
「——それもあります。でも——」
「でも?」
「——ゆめさんが、好きだから」
「——」
ゆめの動きが、一瞬止まる。
「徹さん——」
「はい」
「——それ、すごく、嬉しい」
彼女の顔が、再び——そこに近づく。
——今度は、深く。
第四十二章 深い口づけ
じゅるっ——
ゆめの口が、それを——深く含む。
「んん——!」
徹の体が、激しく震える。
彼女の舌が、先端を——優しく、円を描くように——なぞる。
くるくる、くるくる——
「あっ——あっ——」
徹の声が、高くなる。
「ゆめ——さん——それ——」
「んー?」
彼女が顔を離す。
唇が、唾液できらきらと輝いている。
「——どうしたの?」
「——やめてほしくない、けど——」
「けど?」
「——イきそう」
「もう?」
「——まだ、我慢できる」
「じゃあ——」
彼女が微笑む。
「もっと——我慢しよっか」
彼女の口が、再び——それを含む。
今度は——さらに、深く。
じゅぽっ——
「んんっ——!」
徹の体が、大きく弓なりになる。
彼女の舌が、先端の周りを——ゆっくりと、丹念に——這う。
ぺろ、ぺろ、ぺろ——
ちゅる、ちゅる——
「はあっ——はあっ——」
徹の呼吸が、限界まで荒くなる。
「ゆめ——さん——」
「んー?」
「もう——」
「まだだよ」
彼女の口が、さらに——奥へ。
じゅるるっ——
「っ——!」
徹の体が、激しく震える。
彼女の喉が、微かに収縮する。
「——んん!」
その刺激が——彼を、限界のさらに向こうへ。
「ゆめ——さん——!」
「——いいよ」
彼女が顔を離す。
「——イっていいよ」
——そして、彼の体が、大きくのけぞった。
第四十三章 放出
どくん、どくん、どくん——
熱い塊が、何度も何度も——放出される。
ゆめはそれを——すべて、受け止めた。
口の中に。
喉の奥に。
ごくん、ごくん、ごくん——
彼女の喉が、飲み込むたびに動く。
一つ。
二つ。
三つ。
五つ。
七つ。
「——」
十秒。
二十秒。
ようやく、動きが収まった。
ゆめはゆっくりと顔を上げた。
その口元は——わずかに濡れていて、それでいてどこか満足げな笑みを浮かべている。
「——すごい量」
彼女が呟く。
「びっくりしちゃった」
「——すみません」
「謝らないで」
ゆめが首を振る。
「私が——お願いしたんだから」
彼女はそう言って、口元を手の甲で拭った。
「それに——」
彼女の瞳が、いたずらっぽく輝く。
「——美味しかったよ」
「——」
徹は言葉を失った。
ゆめはその様子を見て、くすくす笑った。
「そんなに驚かなくてもいいじゃない。これから——」
彼女の指が、徹の胸の上でくるくる回る。
「まだまだ、これからだから」
第四十四章 お掃除
「ねえ——」
ゆめが言う。
「まだ——終わってないよ」
「——え?」
「だって——」
彼女の指が、そこを——そっと、撫でる。
つう——
「まだ——ここに、残ってる」
彼女の顔が、再び——そこに近づく。
ぺろ——
「あっ——」
徹の体が、微かに震える。
「まだ——そんなに、敏感?」
「——はい」
「よかった」
彼女の舌が、そこを——優しく、丁寧に——拭うように這う。
ぺろ、ぺろ、ぺろ——
ちゅる、ちゅる——
「んっ——んっ——」
徹の声が、途切れ途切れに漏れる。
「ゆめ——さん——」
「んー?」
「それ——くすぐったい」
「くすぐったい?」
「はい。でも——」
「でも?」
「——気持ちいい」
「よかった♡」
彼女の舌が、さらに——細かいところまで。
ぺろぺろぺろ——
じゅるじゅる——
「あっ——あっ——」
徹の声が、再び高くなる。
「もう——また——」
「また、イきそう?」
「——はい」
「だめ」
ゆめが顔を離す。
「まだ——お掃除、終わってないから」
彼女の口が、再び——それを含む。
じゅぽっ——
ちゅぱっ、ちゅぱっ、ちゅぱっ——
「んんっ——!」
徹の体が、大きく仰け反る。
「ゆめ——さん——!」
「——んー?」
彼女が顔を離す。
その唇は、唾液で濡れて——きらきらと輝いている。
「——終わり」
彼女が微笑む。
「ごちそうさまでした」
「——」
徹は、ただ——彼女を見つめることしかできなかった。
第四十五章 そして、さらに——
「ねえ、徹さん」
ゆめが言う。
「——満足?」
「——はい。でも——」
「でも?」
「——ゆめさんは?」
「私?」
彼女が首をかしげる。
「私も——満足」
「よかった」
「でも——」
彼女の指が、徹の胸の上で止まる。
「まだ——私の番、終わってないよね?」
「——どういう意味?」
「だって——」
彼女が体をずらす。
「さっき——『攻守交替』って、言ったでしょ?」
「——はい」
「じゃあ——」
彼女の顔が、再び——そこに近づく。
「今のは——その、『途中経過』」
「——」
「だから——」
彼女の舌が、先端に——そっと、触れる。
ぺろ——
「っ——」
徹の体が、再び震える。
「ゆめさん——もう——」
「もう、じゃないよ」
彼女が顔を上げる。
「これから——本番」
「——」
「私ね——」
彼女の指が、そこを——優しく、包み込む。
「徹さんに——もっと、気持ちよくなってほしい」
「——」
「もっと——もっと——」
彼女の手が、ゆっくりと動き出す。
ずるっ、ずるっ、ずるっ——
「はあっ——」
徹の呼吸が、再び荒くなる。
「ゆめ——さん——」
「んー?」
「それ——」
「やめてほしい?」
「——やめてほしくない」
「よかった」
彼女の手の動きが、さらに——速くなる。
ずるずるっ、ずるずるっ、ずるずるっ——
「あっ——あっ——!」
徹の声が、高くなる。
「ゆめ——さん——もう——」
「まだだよ」
彼女の手が、止まる。
「今のは——ほんの、ウォーミングアップ」
「——」
「だから——」
彼女の顔が、そこに——近づく。
「ここからは——もっと、丁寧に、ね」
第四十六章 丁寧な奉仕
ゆめの舌が、先端に——そっと、触れる。
ぺろ——
「あっ——」
徹の体が、微かに震える。
「ここ——」
彼女の舌が、先端の周りを——ゆっくりと、円を描くように——なぞる。
くるくる、くるくる——
「んっ——んっ——」
徹の声が、途切れ途切れに漏れる。
「ゆめ——さん——」
「んー?」
「それ——すごく、気持ちいい」
「よかった」
彼女の舌が、さらに——下へ。
根本のあたり。
ぺろ、ぺろ——
「そこは——」
「玉、でしょ?」
ゆめが顔を上げる。
「舐めるの——好き?」
「——はい」
「よかった。私も——好き」
彼女の口が、そこに——キスをする。
ちゅっ。
ぺろぺろ、ぺろぺろ——
ちゅるちゅる——
「あっ——あっ——」
徹の声が、高くなる。
「そこ——すごく——」
「気持ちいい?」
「——はい」
「よかった」
彼女の舌が、さらに——丁寧に。
一つ一つを——大切に扱うように。
ぺろ——ぺろ——
ちゅ——ちゅ——
「はあっ——はあっ——」
徹の呼吸が、再び荒くなる。
「ゆめ——さん——」
「んー?」
「もう——」
「まだだよ」
彼女が顔を上げる。
「まだ——半分も、来てない」
「——」
「だから——」
彼女の口が、再び——それを含む。
今度は——深く。
じゅぽっ——
「んんっ——!」
徹の体が、大きく弓なりになる。
彼女の舌が、中で——動く。
ぐにゅ、ぐにゅ——
ちゅる、ちゅる——
「ゆめ——さん——!」
徹の声が、叫びにも似た響きになる。
「——まだだよ」
彼女の声が、そこから——響く。
「まだ——イっちゃ、だめ」
第四十七章 限界との対話
ゆめの口が、そこから——離れる。
ちゅぱっ。
「——どう?」
彼女が尋ねる。
「——もう、限界かも」
「じゃあ——」
彼女の手が、そこを——優しく包み込む。
「ここで——出す?」
「——でも——」
「でも?」
「——ゆめさんは、まだ——」
「私のこと、気にしなくていいよ」
彼女が微笑む。
「今日は——徹さんを、気持ちよくするのが、私の役目だから」
「——」
「だから——」
彼女の手が、ゆっくりと動き出す。
ずるっ、ずるっ、ずるっ——
「はあっ——」
徹の呼吸が、再び荒くなる。
「ゆめ——さん——」
「んー?」
「それ——」
「やめてほしい?」
「——やめてほしくない」
「よかった」
彼女の手の動きが、さらに——速くなる。
ずるずるっ、ずるずるっ、ずるずるっ——
「あっ——あっ——!」
徹の声が、高くなる。
「もう——」
「——いいよ」
ゆめが言う。
「——イっていいよ」
——そして、彼の体が、大きくのけぞった。
第四十八章 二度目の放出
どくん、どくん、どくん——
熱い塊が、再び——放出される。
ゆめはそれを——手のひらで、受け止めた。
とろっ、とろっ——
ぬるぬる——
「——すごい」
彼女が呟く。
「さっき——出したばかりなのに、こんなに——」
「——すみません」
「謝らないで」
彼女が首を振る。
「私が——お願いしたんだから」
彼女はそう言って、手のひらに溜まったそれを——舐め取った。
ぺろ——
ごくん。
「——」
徹は、ただ——その様子を見つめることしかできなかった。
ゆめは、手のひらを——すべて舐め終えると、満足そうに微笑んだ。
「——ごちそうさま」
「——ゆめさん」
「んー?」
「——なぜ、そこまで?」
「なぜ——って?」
「だって——」
「——気持ちいいから?」
彼女が首をかしげる。
「徹さんが——気持ちよさそうな顔、見るの、好きだから」
「——」
「それに——」
彼女の指が、そこを——そっと、撫でる。
「私——これ、好きなんだ」
「——そうなんですか」
「うん。看護師時代——カテーテルのケアで、慣れてたし」
「——なるほど」
「でも——」
彼女がいたずらっぽく笑う。
「あの頃は——こんなに、楽しいと思ったこと、なかったけどね」
第四十九章 会話と、そして——
「ねえ、徹さん」
ゆめが言う。
「——満足?」
「——はい」
「よかった」
彼女が、徹の隣に——体を寄せる。
二人の裸の身体が、シーツの上で寄り添う。
「——でも」
ゆめが言う。
「まだ——私の番、終わってないから」
「——え?」
「だって——」
彼女の指が、徹の胸の上でくるくる回る。
「さっき——『攻守交替』って、言ったでしょ?」
「——はい」
「じゃあ——」
彼女の体が、再び——徹の上に覆いかぶさる。
「今のは——その、『準備運動』」
「——」
「だから——」
彼女の顔が、そこに——近づく。
「ここからが——本番」
「ゆめ——さん——」
「んー?」
「——もう、無理かも」
「え——なんで?」
「だって——もう、二回も——」
「二回くらい——」
彼女が微笑む。
「私、看護師だったから——男性の『回復力』、知ってるんだよ」
「——」
「だから——」
彼女の手が、そこを——優しく包み込む。
「もう一回くらい——できるでしょ?」
「——わかりません」
「じゃあ——」
彼女の手が、ゆっくりと動き出す。
ずるっ、ずるっ、ずるっ——
「試してみよっか」
「はあっ——」
徹の呼吸が、再び荒くなる。
「ゆめ——さん——」
「んー?」
「それ——」
「やめてほしい?」
「——やめてほしくない」
「よかった」
彼女の手の動きが、さらに——丁寧に。
ずる——ずる——ずる——
「ゆめ——さん」
「んー?」
「——さっきまでと、違う」
「どう違う?」
「——もっと、優しい」
「それが——」
彼女が微笑む。
「——『本番』の、始まり」
第五十章 優しい旋律
ゆめの手の動きは——ゆっくりと、優しく、そして確かなリズムを刻んでいた。
ずる——ずる——ずる——
「この速さ——」
彼女が尋ねる。
「気持ちいい?」
「——はい」
「よかった」
彼女の手が、時折——止まる。
そして、再び——動き出す。
ずる——(止まる)——ずる——(止まる)——
「これ——」
徹が言う。
「——焦らしてる?」
「うん」
ゆめがいたずらっぽく笑う。
「——ばれた?」
「——はい」
「でも——」
彼女の手が、再び動き出す。
今度は——少しだけ、速く。
ずるずる、ずるずる——
「これも——気持ちいい?」
「——はい」
「どっちが——好き?」
「——両方」
「よかった」
彼女の手が、再び——止まる。
「でも——」
彼女の顔が、そこに近づく。
「手だけじゃ——物足りないでしょ?」
「——」
「だから——」
ちゅっ。
キスを落とす。
「ここからは——」
ぺろ——
「——両方、使うね」
第五十一章 口と手の協奏
ゆめの口が、それを——含む。
じゅるっ——
同時に——彼女の手が、根本を優しく包み込む。
ぐっ——
「んん——!」
徹の体が、大きく仰け反る。
彼女の舌が、先端を——なぞる。
ぺろ、ぺろ——
手が——ゆっくりと、動く。
ずるっ、ずるっ——
「あっ——あっ——!」
徹の声が、高くなる。
「ゆめ——さん——それ——」
「んー?」
彼女が顔を離す。
「——どうしたの?」
「——すごく、気持ちいい」
「よかった」
彼女が微笑む。
「でも——」
彼女の口が、再び——それを含む。
今度は——さらに、深く。
じゅぽっ——
手が——リズムを刻む。
ずるずる、ずるずる——
「んんっ——!」
徹の体が、激しく震える。
「ゆめ——さん——もう——」
「まだだよ」
彼女の声が、そこから——響く。
「まだ——イっちゃ、だめ」
第五十二章 三度目の——
ゆめの口と手が——完璧な調和で、動く。
口は、先端を——優しく、吸う。
ちゅぱっ、ちゅぱっ——
手は、根本を——確かに、包み込む。
ぐっ、ぐっ——
「あっ——あっ——!」
徹の声が、叫びにも似た響きになる。
「ゆめ——さん——!」
「——いいよ」
彼女が言う。
「——イっていいよ」
——そして、彼の体が、大きくのけぞった。
どくん、どくん、どくん——
熱い塊が、三度目——放出される。
ゆめはそれを——すべて、受け止めた。
口の中に。
喉の奥に。
ごくん、ごくん、ごくん——
一つ。
二つ。
三つ。
五つ。
「——」
十秒。
十五秒。
ようやく、動きが収まった。
ゆめはゆっくりと顔を上げた。
その口元は——濡れていて、それでいてどこか——満足げな笑みを浮かべている。
「——これで、三回目」
彼女が呟く。
「徹さん——すごいね」
「——ゆめさんが、すごいんです」
「え——なんで?」
「だって——」
徹が、荒い呼吸の合間に言う。
「こんなに——続けて——されたこと、なかったから」
「——そうなんだ」
「はい」
「じゃあ——」
彼女がいたずらっぽく笑う。
「——記念日、だね」
第五十三章 そして、お掃除——再び
「ねえ——」
ゆめが言う。
「まだ——終わってないよ」
「——え?」
「だって——」
彼女の指が、そこを——そっと、撫でる。
つう——
「まだ——ここに、残ってる」
「——もう、いいですよ」
「いいえ」
ゆめが首を振る。
「私——最後まで、やりたいの」
彼女の顔が、再び——そこに近づく。
ぺろ——
「あっ——」
徹の体が、微かに震える。
「ゆめ——さん——」
「んー?」
「それ——」
「やめてほしい?」
「——やめてほしくない」
「よかった」
彼女の舌が、そこを——優しく、丁寧に——拭うように這う。
ぺろ、ぺろ、ぺろ——
ちゅる、ちゅる——
「んっ——んっ——」
徹の声が、途切れ途切れに漏れる。
「ゆめ——さん——」
「んー?」
「——ありがとう」
「——」
ゆめの動きが、一瞬止まる。
「——どういたしまして」
彼女の声は、少しだけ——震えていた。
ぺろ——
ちゅっ。
「——終わり」
彼女が顔を上げる。
その目は——少しだけ、潤んでいるように見えた。
「——ごちそうさまでした」
第五十四章 寄り添う
ゆめが、徹の隣に——体を寄せる。
二人の裸の身体が、シーツの上で寄り添う。
「——気持ちよかった?」
彼女が尋ねる。
「——はい。今までで——一番」
「本当?」
「本当です」
「よかった——」
彼女の指が、徹の胸の上で——くるくる、と回る。
「私も——楽しかった」
「——そうなんですか?」
「うん。だって——」
彼女が顔を上げる。
「徹さんが——こんなに、気持ちよさそうな顔、するから」
「——」
「それに——」
彼女の指が、そこを——そっと、撫でる。
「私——これ、好きだし」
「——そうなんですね」
「うん。看護師時代——カテーテルのケアで、慣れてたし」
「——なるほど」
「でも——」
彼女がいたずらっぽく笑う。
「あの頃は——こんなに、楽しいと思ったこと、なかったけどね」
「——それは、どういう——」
「——内緒」
彼女の指が、徹の唇に触れる。
「——女の子の、秘密」
「——わかりました」
「よかった♡」
彼女が、徹の胸の上に——頭を預ける。
黒髪が、彼の腕の上に広がる。
さらり——
「ねえ、徹さん」
「はい」
「——もう一回、する?」
「——え?」
「冗談だよ」
彼女が笑う。
「——半分は、本当だけど」
「——」
「でも——」
彼女が顔を上げる。
「今日は——もう、いいかな」
「——そうですか?」
「うん。だって——」
彼女の指が、そこを——そっと、撫でる。
「ここ——もう、限界でしょ?」
「——はい」
「じゃあ——」
彼女が、徹の額にキスをする。
ちゅっ。
「——おやすみ」
「——まだ、時間は——」
「いいの」
彼女が首を振る。
「ゆっくり——していこうね」
「——わかりました」
「よかった♡」
彼女が、再び——徹の胸の上に頭を預ける。
換気扇の低い唸り。
二人の呼吸。
第五十五章 約束の場所へ
ゆめの黒髪が、徹の腕の上に広がったまま——しばらくの間、二人はそのままの体勢でいた。
換気扇の低い唸り。時折聞こえる彼女の微かな寝息。しかし——彼女はまだ眠ってはいなかった。
「……ねえ、徹さん」
ゆめが顔を上げる。その瞳は、もうとろりと蕩けているのではなく——はっきりと、確かな意思を宿していた。
「はい」
「私ね——そろそろ、本題に入りたいなって思ってる」
「……本題?」
「うん」
彼女がいたずらっぽく笑う。
「だって——ここまで来て、このまま終わったら……もったいないでしょ?」
徹は一瞬、言葉を失った。
ゆめはその様子を見て、くすくす笑った。
「そんなに驚かなくてもいいじゃない。これが——私の仕事だし」
「でも……」
「でも?」
「ゆめさんは——その……嫌じゃないんですか?」
「何が?」
「こういうことを——仕事として」
ゆめの動きが、一瞬止まった。
「……徹さん」
「はい」
「私ね——この仕事、嫌いじゃないよ」
「……」
「もちろん、嫌なお客さんもいる。でも——」
彼女の指が、徹の胸の上で止まる。
「徹さんみたいに、優しくて、かっこよくて、丁寧な人に出会えるなら——むしろ、ラッキーだと思ってる」
「それは……」
「うん。本当の気持ち」
彼女はそう言って、体を起こした。
「だから——遠慮しないで。私に、できることをさせて?」
徹は——ゆっくりと、うなずいた。
「……お願いします」
「はい♡」
ゆめが嬉しそうに微笑んで、ベッドの端に手を伸ばした。
がさがさ……
引き出しを開ける音。
彼女は中から——小さな銀色の包みを取り出した。
「これ——使っていい?」
「もちろん」
「よかった♡」
彼女はその包みを、親指と人差し指でそっと挟んだ。
ぱりっ。
フィルムが破れる音。
中から出てきたのは、薄いシリコンの膜。それは小さな円形に折りたたまれていて、まるで飴玉のように——彼女の手のひらに乗っている。
「これ——どうやって付けるか、知ってる?」
ゆめが尋ねる。
「一応……」
「じゃあ——」
彼女がいたずらっぽく笑う。
「今日は——私のやり方で、やらせて?」
「……はい」
「よかった♡」
ゆめはその小さな円形を——自分の口に含んだ。
ぱくっ。
そして——彼女の顔が、再びそこに近づく。
第五十六章 口づけの儀式
じゅるっ——
ゆめの唇が、それを——深く含む。
徹の体が、微かに震える。
彼女の舌が——ゴムの膜を、丁寧に、慎重に——広げていく。
ぺろ、ぺろ——
ぐにゅ、ぐにゅ——
「んっ……」
徹の喉から、低い唸りが漏れる。
ゆめの口の中では、薄い膜が——ゆっくりと、確実に——彼の象徴を包み込んでいく。
じゅぽっ、じゅぽっ——
彼女の頭が、上下に動く。
そのたびに——膜が、さらに深く、さらにしっかりと——根元まで覆っていく。
「ゆめ……さん……」
「んー?」
彼女が顔を離す。
その口元は——少しだけ濡れていて、それでいて満足げな笑みを浮かべている。
「——できた♡」
彼女の手が、根元をそっと撫でる。
つうっ——
「ちゃんと——はまってる?」
「……はい」
「よかった」
彼女が微笑む。
「これで——安心」
第五十七章 潤いの確認
「ねえ、徹さん」
ゆめが言う。
「潤滑ゼリー——塗る?」
「……どうしますか?」
「そうだなぁ……」
彼女が考え込むような仕草をする。
「ちょっと——確かめてみるね」
彼女の手が、自分の——最も秘めたる場所に触れる。
つうっ——
「あっ……」
彼女の声が、微かに上がる。
「……どう?」
徹が尋ねる。
「うん——」
ゆめが微笑む。
「大丈夫♡ もう——十分、準備できてる」
「本当に?」
「うん。だって——」
彼女の指が、そこから——とろりとした液体をすくい上げる。
ぬちゃっ——
「こんなに——出てる」
彼女の指先には、透明な——粘り気のある液体が、糸を引いている。
ぷつん。
「徹さんが——ここまで、気持ちよくしてくれたから」
「……よかった」
「うん。だから——」
彼女が、徹の手を取る。
「ゼリーは——いらないね」
「わかりました」
「でも——」
ゆめがいたずらっぽく笑う。
「優しいね、徹さん。そういうところ——好きだよ」
「……」
徹は——言葉を失った。
ゆめはその様子を見て、くすくす笑った。
「そんなに驚かなくてもいいじゃない。さあ——」
彼女が、ゆっくりと仰向けになる。
白いシーツの上に、黒髪が広がる。
漆黒の川が——雪原を流れるように。
「——ここに、入れて?」
第五十八章 約束の場所へ
徹が、ゆめの上に覆いかぶさる。
彼の影が、彼女の白い裸体を包み込む。
「……重くない?」
「ううん」
ゆめが首を振る。
「徹さんの重さ——心地いい」
彼女の両手が、そっと徹の背中に回される。
「ねえ——」
「はい」
「キス、してくれる?」
「——もちろん」
徹が顔を近づける。
ゆめの吐息が、彼の唇に触れる。
はあっ——
甘い。彼女の吐息は——ほんのりと甘くて、それでいて女性の奥深い香りがした。
——ちゅっ。
唇が重なる。
最初は、触れるか触れないかの——羽根のようなキス。
しかしすぐに、それは深まっていく。
ちゅ、ちゅ、ちゅ——
ゆめの唇が、徹の唇を優しく挟む。
ぷに、ぷに——
「ん——」
彼女の喉が、微かに鳴る。
徹の舌が、彼女の唇の隙間をなぞる。
ぺろ——
ゆめの唇が、自然と開かれる。
——中に侵入した。
じゅるっ——
彼女の舌が、徹の舌を迎え入れる。
絡み合う。
ちゅる、ちゅる、ちゅる——
「んっ——んっ——♡」
ゆめの吐息が、口の中に流れ込んでくる。
唾液が混ざり合う。
じゅぱっ、じゅぱっ——
「——はあっ」
一度、唇を離す。
銀の糸が、二人の間で切れる。
ぷつん。
「徹さん……」
「はい」
「——入れていいよ」
徹が——ゆっくりと、腰を動かす。
第五十九章 融け合う境界
ずるり——
彼の象徴が、彼女の最も秘めたる場所に——触れた。
「んっ……」
ゆめの体が、微かに震える。
「——大丈夫?」
徹が尋ねる。
「うん……大丈夫」
彼女の手が、徹の背中を優しく撫でる。
「ゆっくり——入れて」
徹は——慎重に、腰を進める。
ずる……ずる……
熱い。
彼女の中は——熱くて、そして——とろりと濡れていた。
「あっ……」
ゆめの声が、甘く響く。
「——入ってきてる」
「痛くない?」
「うん……全然」
彼女の手が、徹の腰を引き寄せる。
「もっと——奥まで」
ずぷっ——
彼の象徴が——さらに、深く。
「んんっ——♡」
ゆめの体が、大きく仰け反る。
「——ここ?」
徹が尋ねる。
「ううん……もっと」
ずるっ——
さらに。
ずるっ——
「あっ……そこ……」
ゆめの声が、途切れ途切れになる。
「もう——全部?」
「——まだ」
「え?」
「まだ——少しだけ」
徹は——最後の力を込めて、腰を押し込んだ。
ずぷりっ——
「——っ!」
ゆめの体が、大きく弓なりになる。
びく、びく——
彼女の全身が、小刻みに震える。
「ゆめさん……」
「はあ……はあ……」
彼女の呼吸が、荒い。
「——大丈夫?」
「うん……」
ゆめが、ゆっくりと笑う。
「大丈夫。ただ——」
「ただ?」
「——すごく、いっぱい」
彼女の手が、徹の頬に触れる。
「徹さんが——私の中に、いる」
「——そうですね」
「なんか……不思議」
彼女の瞳が、とろりと蕩ける。
「気持ちいい?」
徹が尋ねる。
「うん……すごく」
ゆめが言う。
「徹さんは?」
「——はい。すごく」
「よかった♡」
彼女の手が、徹の首に回る。
「ねえ——動いて?」
「——いいの?」
「うん。ゆっくり——」
第六十章 優しい律動
徹が——ゆっくりと、腰を引く。
ずるっ——
「あっ……」
ゆめの声が、甘く響く。
そして——再び、押し込む。
ずぷっ——
「んんっ——♡」
彼女の体が、微かに震える。
その動きが——ゆっくりと、繰り返される。
ずるっ、ずぷっ——
ずるっ、ずぷっ——
「はあっ……はあっ……」
二人の呼吸が、重なる。
「ゆめさん……」
「んー?」
「——気持ちいい?」
「うん……」
彼女の声は、もう——半分以上が吐息になっていた。
「徹さんの——形、わかる」
「——そう?」
「うん。一つ一つ——」
彼女の手が、徹の背中を撫でる。
「ここが——こうやって、入ってきて……」
ずぷっ——
「あっ……そう、それ……」
「ここ?」
「うん……そこ、すごく——」
「——気持ちいい?」
「うん……♡」
彼女の腰が、自然と動き出す。
徹の動きに——合わせるように。
くね、くね——
「ゆめさん——」
「んー?」
「——すごく、濡れてる」
「うん……」
彼女が恥ずかしそうに笑う。
「だって——徹さんが、こんなに——」
「こんなに?」
「——気持ちよく、してくれるから」
彼女の中から——とろりとした液体が、溢れ出る。
とろっ、とろっ——
ぬちゃ、ぬちゃ——
それが、二人の接続部分を——さらに滑らかにしていく。
「——すごい」
徹が呟く。
「こんなに——出てる」
「うるさい……」
ゆめが顔を覆う。
「恥ずかしい……」
「どうして?」
「だって——」
「いいじゃない。ゆめさんの——感じてる証拠だし」
「——もう♡」
彼女の手が、徹の手を握る。
「そういうこと言うと——私、もっと、出ちゃうから」
「——いいですよ」
「え?」
「もっと——出していいです。ゆめさんが——気持ちよくなるなら」
「徹さん……」
彼女の瞳が、優しく細められる。
「——優しすぎるよ」
第六十一章 止まる時間
しばらくの間、二人は——そのままの体勢で、動きを止めた。
徹の象徴は、ゆめの中に——深く、沈んだまま。
「ねえ、徹さん」
「はい」
「——どうして、止まったの?」
「——ゆめさんが、気持ちよさそうだから」
「え?」
「もっと——見ていたくて」
「——もう♡」
彼女の頬が、赤くなる。
「そんなこと言うと——私、照れちゃうよ」
「照れなくていいです」
徹が言う。
「ゆめさんは——もっと、照れていい。もっと、感じていい」
「徹さん……」
彼女の手が、徹の髪を撫でる。
「——私ね」
「はい」
「前に——嫌なことがあったの」
「——そうなんですか」
「うん。不衛生なお客さんで——顔中、ぺろぺろ舐められて」
「……」
「すごく——気持ち悪かった」
彼女の声は、少しだけ——震えていた。
「でも——」
「でも?」
「徹さんは、違う」
彼女の手が、徹の頬に触れる。
「優しくて——ちゃんと、私のこと見てくれてる」
「——ゆめさん」
「だから——」
彼女が微笑む。
「私——徹さんのこと、好きになったかも」
「……」
徹は——言葉を失った。
ゆめはその様子を見て、くすくす笑った。
「そんなに驚かなくてもいいじゃない。冗談だよ——」
彼女がいたずらっぽく目を細める。
「——半分は、本当だけど」
第六十二章 再び、動き出す
「ねえ——そろそろ、動かない?」
ゆめが言う。
「——いいの?」
「うん。もっと——気持ちよくなりたい」
徹が——ゆっくりと、腰を動かし始める。
ずるっ、ずぷっ——
ずるっ、ずぷっ——
「あっ……あっ……♡」
ゆめの声が、甘く響く。
「——それ、いい」
「ここ?」
徹が——少しだけ、角度を変える。
ぐにゅっ——
「ああっ——!」
ゆめの体が、大きく仰け反る。
「そこ——そこ、すごい……」
「——ここが、いいの?」
「うん……もっと、そこ——」
徹は——その場所を、優しく、確かに——刺激し続ける。
ずぷっ、ずぷっ、ずぷっ——
「あっ……あっ……!」
ゆめの声が、高くなる。
彼女の中から——さらに、とろりとした液体が溢れ出る。
とろとろ——
ぬちゃぬちゃ——
「ゆめさん——」
「んー?」
「——すごく、締まる」
「うん……」
彼女が恥ずかしそうに笑う。
「だって——気持ちよすぎて——」
「——どうなる?」
「——おかしくなりそう」
「おかしくなっていいですよ」
徹が言う。
「ゆめさんが——気持ちよくなるなら」
「徹さん——」
彼女の手が、徹の首に絡みつく。
「——一緒に、おかしくなろ?」
第六十三章 深い場所へ
徹の動きが——さらに、速くなる。
ずぷっ、ずぷっ、ずぷっ——
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ——
「あっ……あっ……♡」
ゆめの声が、部屋中に響く。
換気扇の音さえも——かき消されそうなほどに。
「ゆめさん——」
「んー?」
「——痛くない?」
「うん……全然」
彼女が首を振る。
「徹さんのは——ちょうどいい」
「ちょうどいい?」
「うん。奥に——当たるけど、痛くない」
「——そうなんだ」
「うん。前にね——」
彼女の声が、途切れる。
ずぷっ——
「あっ……!」
「——前に?」
「前に——長い人、いたの」
「……」
「奥に——当たって、痛かった」
彼女が呟く。
「子宮の入り口に——ガンガン、当たって」
「——それは、大変だったね」
「うん。でも——」
彼女が微笑む。
「徹さんのは、違う。当たっても——痛くない。むしろ——」
「——むしろ?」
「——気持ちいい」
彼女の手が、徹の手を握る。
「これも——徹さんが、優しいから?」
「——どうでしょう」
「そうだと思う」
彼女が言う。
「だって——優しくない人のは、痛いから」
「——ゆめさん」
「んー?」
「——ありがとう」
「え? なんで?」
「ゆめさんが——私のことを、そう言ってくれて」
「——もう♡」
彼女の頬が、赤くなる。
「そんなこと言うと——私、また、照れちゃう」
「照れなくていいです」
徹が言う。
「ゆめさんは——もっと、照れていい」
「徹さん——」
彼女の瞳が、とろりと蕩ける。
「——もっと、動いて?」
第六十四章 限界の手前で
徹の動きが——さらに、深く。
ずぷっ、ずぷっ、ずぷっ——
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ——
「あっ……あっ……♡」
ゆめの声が、叫びにも似た響きになる。
「ゆめ——さん——」
「んー?」
「——もう、そろそろ——」
「——まだ?」
「——まだ、大丈夫?」
「うん……」
彼女の呼吸が、荒い。
「でも——もう、限界かも」
「——イきそう?」
「うん……」
ゆめが言う。
「徹さんは?」
「——まだ、大丈夫」
「そう? じゃあ——」
彼女がいたずらっぽく笑う。
「もっと——我慢しよっか」
「——いいですよ」
徹が言う。
「ゆめさんが——イくまで、我慢する」
「徹さん——」
彼女の手が、徹の手を握る。
「——優しすぎるよ」
第六十五章 一度目の波
徹の動きが——さらに、速くなる。
ずぷっ、ずぷっ、ずぷっ——
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ——
「あっ……あっ……!」
ゆめの声が、高くなる。
「も、もう——」
「——いいよ」
徹が言う。
「イっていいよ」
「——っ!」
ゆめの体が、大きく弓なりになる。
びくびく、びくびく——
彼女の全身が、小刻みに震える。
その瞬間——彼女の中から、とろりとした液体が——さらに、大量に溢れ出る。
とろとろとろ——
ぬちゃぬちゃ——
じゅわっ——
シーツに、大きな染みが広がる。
「はあ……はあ……」
ゆめの呼吸が、荒い。
「——すごい」
徹が呟く。
「ゆめさん——」
「うるさい……」
彼女が、照れくさそうに顔を覆う。
「だって——徹さんが——」
「——私が?」
「——あんなに、気持ちよくするから」
「——よかった」
徹が言う。
「ゆめさんが——気持ちよくなってくれて」
「徹さん——」
彼女の手が、徹の手を握る。
「——ありがとう」
第六十六章 そして、まだ——
しばらくの間、二人は——そのままの体勢で、動きを止めた。
ゆめの中は——まだ、熱くて、そして——とろりと濡れたまま。
「ねえ、徹さん」
「はい」
「——もう一回、する?」
「——いいの?」
「うん。だって——」
彼女がいたずらっぽく笑う。
「徹さん、まだ——出してないでしょ?」
「——はい」
「じゃあ——」
彼女の手が、徹の腰を引き寄せる。
「もっと——気持ちよくなって?」
第六十七章 再び、深く
徹が——ゆっくりと、腰を動かし始める。
ずるっ——
ずぷっ——
「あっ……」
ゆめの声が、甘く響く。
「——さっきより、敏感?」
「うん……」
彼女が言う。
「さっきイったから——なんか、すごく——」
「——どうなる?」
「——感じやすい」
「じゃあ——」
徹が微笑む。
「もっと——気持ちよくしてあげる」
ずぷっ、ずぷっ、ずぷっ——
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ——
「あっ……あっ……♡」
ゆめの声が、高くなる。
「それ——それ、すごい——」
「気持ちいい?」
「うん——さっきより、もっと——」
彼女の手が、徹の手を握る。
「徹さん——」
「んー?」
「——私、もう——」
「——もう?」
「——おかしくなりそう」
「おかしくなっていいですよ」
徹が言う。
「ゆめさんが——気持ちよくなるなら」
「徹さん——」
彼女の瞳が、とろりと蕩ける。
「——一緒に、イって?」
第六十八章 二度目の——
徹の動きが——さらに、速くなる。
ずぷっ、ずぷっ、ずぷっ——
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ——
「あっ……あっ……!」
ゆめの声が、叫びにも似た響きになる。
「ゆめ——さん——」
「んー?」
「——もう、そろそろ——」
「——いいよ」
彼女が言う。
「——一緒に、イこう」
——そして、二人の体が、同時に大きくのけぞった。
ゆめの中が——強く、収縮する。
きゅっ、きゅっ、きゅっ——
徹の象徴が——その収縮に応えるように——脈打つ。
どくん、どくん、どくん——
「あっ……あっ……♡」
「んんっ——!」
二人の声が、重なる。
びくびく、びくびく——
彼女の全身が、小刻みに震える。
その瞬間——彼女の中から、再び——とろりとした液体が溢れ出る。
とろとろ——
ぬちゃぬちゃ——
じゅわっ——
「はあ……はあ……」
二人の呼吸が、重なる。
「——すごい」
ゆめが呟く。
「徹さん——」
「——はい」
「——一緒に、イったね」
「——そうですね」
「——気持ちよかった?」
「——はい。今までで——一番」
「本当?」
「本当です」
「よかった——」
彼女の手が、徹の頬に触れる。
「私も——すごく、気持ちよかった」
第六十九章 そして、次の場所へ
しばらくの間、二人は——そのままの体勢で、寄り添っていた。
ゆめの中には——まだ、徹の象徴が、深く沈んだまま。
「ねえ、徹さん」
「はい」
「——体勢、変えない?」
「——どういう?」
「例えば——」
彼女がいたずらっぽく笑う。
「——私、上に乗りたい」
「——いいですよ」
「よかった♡」
ゆめが言う。
「じゃあ——ちょっと、抜いて?」
徹が——ゆっくりと、腰を引く。
ずるり——
ぷちゅっ——
彼の象徴が、彼女の中から——抜け出る。
その瞬間——彼女の中に溜まっていた液体が、溢れ出る。
とろっと——
ぬちゃ——
「あっ……」
ゆめが恥ずかしそうに笑う。
「——すごい、量」
「——ゆめさんが、気持ちよかった証拠です」
「もう♡ そういうこと言うと——」
彼女の手が、徹の手を握る。
「——また、したくなっちゃう」
「——いいですよ」
「え?」
「ゆめさんが——したいなら」
「徹さん——」
彼女の瞳が、優しく細められる。
「——じゃあ、もう一回?」
「——お願いします」
「はい♡」
ゆめが微笑んで、体を起こす。
「今度は——私が、上」
彼女の黒髪が——再び、照明の光を受けてきらきらと輝く。
その姿は——まるで、夜の帳から現れた——漆黒の天使のように。
美しく。
そして——官能的だった。
第七十章 逆転の景色
ゆめが、徹の上に——ゆっくりと、跨った。
彼女の黒髪が、両側からカーテンのように垂れ下がる。照明の光を浴びて、その一つ一つがきらきらと輝いている。まるで——夜空の星をちりばめたヴェールのように。
「……この体勢」
ゆめが微笑む。
「——好き?」
「——はい」
徹が答える。
「ゆめさんが——一番きれいに見えるから」
「もう♡」
彼女の頬が、ほんのりと赤らむ。
「そんなこと言うと——私、照れちゃうよ」
「照れなくていいです」
「じゃあ——」
彼女の手が、徹の胸の上に置かれる。
「——照れずに、気持ちよくなるね」
ずるり——
彼女の腰が、ゆっくりと——下がる。
第七十一章 再びの約束
徹の象徴が——ゆめの最も秘めたる場所に、再び触れる。
ぬちゅっ——
「あっ……」
ゆめの声が、甘く響く。
「——もう、ここに……当たってる」
「痛くない?」
徹が尋ねる。
「うん……全然」
彼女が首を振る。
「さっき——いっぱい、気持ちよくなったから……なんか、すごく——」
「——すごく?」
「——入りやすい」
彼女の手が、徹の手を握る。
「じゃあ——ゆっくり、入れるね」
ずぷっ——
彼女の腰が——さらに、下がる。
「んんっ——♡」
ゆめの体が、微かに震える。
「——ここ?」
徹が尋ねる。
「ううん……もっと」
ずるっ——
さらに。
ずるっ——
「あっ……そこ……」
彼女の声が、途切れ途切れになる。
「もう——全部?」
「——まだ」
「え?」
「まだ——少しだけ」
ゆめは——最後の力を込めて、腰を下ろした。
ずぷりっ——
「——っ!」
彼女の体が、大きく弓なりになる。
びく、びく——
「ゆめさん……」
「はあ……はあ……」
彼女の呼吸が、荒い。
「——大丈夫?」
「うん……」
ゆめが、ゆっくりと笑う。
「大丈夫。ただ——」
「ただ?」
「——すごく、いっぱい」
彼女の手が、徹の胸の上に置かれる。
「徹さんが——私の中に、いる」
「——そうですね」
「なんか——」
彼女の瞳が、とろりと蕩ける。
「——すごく、落ち着く」
「落ち着く?」
「うん。なんか——」
彼女が微笑む。
「——帰ってきた、って感じ」
第七十二章 動き出す女神
ゆめが——ゆっくりと、腰を動かし始める。
ぐにゅっ——
ぐにゅっ——
「あっ……」
徹の声が、思わず漏れる。
「——気持ちいい?」
ゆめが尋ねる。
「——はい」
「よかった♡」
彼女の動きが、さらに——ゆっくりと、確かに。
ぐにゅ、ぐにゅ、ぐにゅ——
「はあっ……はあっ……」
徹の呼吸が、荒くなる。
「ゆめさん——」
「んー?」
「——すごく、締まる」
「うん……」
彼女が恥ずかしそうに笑う。
「だって——この体勢だと、自分の——好きなように、動けるから」
「——そうなんですね」
「うん。それに——」
彼女の手が、徹の手を握る。
「——徹さんの顔、一番近くで見られるし」
「——」
「それに——」
彼女の腰が、さらに——深く。
ぐにゅっ——
「あっ——♡」
「——それに?」
「——キス、しやすい」
彼女の顔が、近づく。
ちゅっ。
唇が重なる。
最初は——触れるか触れないかの、蜻蛉の羽のようなキス。
しかしすぐに、それは深まっていく。
ちゅ、ちゅ、ちゅ——
ゆめの舌が、徹の唇の隙間を探る。
ぺろ——
侵入した。
じゅるっ——
「んん——♡」
彼女の舌が、徹の舌に絡みつく。
ちゅる、ちゅる、ちゅる——
「んっ……んっ……」
二人の吐息が、混ざり合う。
その間も——彼女の腰は、止まらない。
ぐにゅ、ぐにゅ、ぐにゅ——
ずぷっ、ずぷっ、ずぷっ——
「あっ……あっ……♡」
ゆめの声が、唇の隙間から漏れる。
第七十三章 止まらない律動
ゆめの動きが——さらに、速くなる。
ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ——
ずぷっ、ずぷっ、ずぷっ——
「あっ……あっ……!」
彼女の声が、高くなる。
「ゆめ——さん——」
「んー?」
「——気持ちよさそう」
「うん……」
彼女が微笑む。
「だって——すごく、気持ちいいから」
「——よかった」
「徹さんは?」
「——はい。すごく」
「よかった♡」
彼女の動きが、さらに——深く。
ぐにゅっ——
ずぷりっ——
「ああっ——♡」
ゆめの体が、大きく仰け反る。
彼女の中から——とろりとした液体が、溢れ出る。
とろっ、とろっ——
ぬちゃ、ぬちゃ——
それが、二人の接続部分を——さらに滑らかにしていく。
「——すごい」
徹が呟く。
「ゆめさん——」
「うん……」
彼女が恥ずかしそうに笑う。
「この体勢だと——なんか、もっと——」
「——もっと?」
「——出ちゃう」
「——どうして?」
「わかんない。でも——」
彼女の手が、徹の手を握る。
「——徹さんが、いっぱい——気持ちよくしてくれるから、かな」
「——そうなんですかね」
「うん。そうだと思う」
彼女が微笑む。
「だって——徹さんじゃなかったら、こんなに——出ないもん」
「——」
徹は、言葉を失った。
ゆめはその様子を見て、くすくす笑った。
「そんなに驚かなくてもいいじゃない。さあ——」
彼女の腰が、再び動き出す。
「——もっと、気持ちよくなろう?」
第七十四章 深い場所への探検
ゆめの動きが——変化する。
今までは、ゆっくりとした——一定のリズムだった。
しかし今は——深く、そして——時折、止まる。
ずぷっ——(止まる)——ぐにゅっ——(止まる)——
「これ——」
徹が言う。
「——焦らしてる?」
「うん」
ゆめがいたずらっぽく笑う。
「——ばれた?」
「——はい」
「でも——」
彼女の腰が、再び動き出す。
今度は——少しだけ、速く。
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ——
「これも——気持ちいい?」
「——はい」
「どっちが——好き?」
「——両方」
「よかった♡」
彼女の手が、徹の手を——自分の胸の上に導く。
「ここ——触って」
ぷにゅ——
徹の手のひらが、彼女の豊かな曲線を包み込む。
「あっ……」
ゆめの声が、甘く響く。
「そのまま——動かして」
徹の手が、彼女の胸を——優しく、揉むように——動かす。
ぐにゅ、ぐにゅ——
ぷにゅ、ぷにゅ——
「あっ……あっ……♡」
ゆめの声が、高くなる。
その同時に——彼女の腰も、動き続ける。
ずぷっ、ずぷっ、ずぷっ——
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ——
「ゆめ——さん——」
「んー?」
「——それ、すごく——」
「気持ちいい?」
「——はい」
「よかった。でも——」
彼女の動きが、止まる。
「——疲れた」
「——え?」
「ちょっと——休ませて?」
第七十五章 寄り添う休息
ゆめが——徹の胸の上に、体を預ける。
ぱたん。
彼女の黒髪が、彼の肩の上に広がる。
さらり——
「——重くない?」
ゆめが尋ねる。
「いいえ」
徹が首を振る。
「ゆめさんの重さ——心地いいです」
「よかった♡」
彼女の手が、徹の首に回る。
「ねえ——」
「はい」
「——この体勢、好き?」
「——はい」
「私も。だって——」
彼女の顔が、徹の首筋に埋まる。
「——徹さんの、鼓動、聞こえる」
「——そうなんですか」
「うん。ドキドキ——」
彼女が呟く。
「——してる」
「——ゆめさんのせいです」
「え、なんで?」
「だって——ゆめさんが、こんなに——」
「こんなに?」
「——気持ちよくしてくれるから」
「——もう♡」
彼女が笑う。
「そんなこと言うと——私、もっと、頑張っちゃうよ」
「——いいですよ」
「え?」
「ゆめさんが——頑張ってくれるなら」
「徹さん——」
彼女の手が、徹の頬に触れる。
「——優しすぎるよ」
第七十六章 過去の話
しばらくの間、二人は——そのままの体勢で、寄り添っていた。
ゆめの中には——まだ、徹の象徴が、深く沈んだまま。
「ねえ、徹さん」
「はい」
「——私ね」
「はい」
「前に——騎乗位で、嫌な思いしたこと、あるの」
「——そうなんですか」
「うん。相手の人が——動きが激しすぎて」
「——」
「恥骨が——ガンガン当たって、痛かった」
彼女の声は、少しだけ——震えていた。
「それに——その人、汗くさくて……」
「——それは、大変だったね」
「うん。でも——」
彼女が顔を上げる。
「徹さんは、違う」
「——」
「優しくて——ちゃんと、私のこと見てくれてる」
「——ゆめさん」
「だから——」
彼女が微笑む。
「私——徹さんとだと、騎乗位、好きかも」
「——よかった」
「うん。だって——」
彼女の手が、徹の手を握る。
「——この体勢だと、お互いの顔、一番近くで見られるし」
「——そうですね」
「それに——」
彼女の腰が、微かに動く。
ぐにゅ——
「あっ……」
徹の声が、漏れる。
「——まだ、入ったままなんだね」
「——はい」
「なんか——」
彼女がいたずらっぽく笑う。
「——繋がってるって、実感できる」
第七十七章 再び、動き出す
「ねえ——そろそろ、動いていい?」
ゆめが尋ねる。
「——いいですよ」
「よかった♡」
彼女が、ゆっくりと体を起こす。
黒髪が——再び、カーテンのように垂れ下がる。
「——じゃあ、行くね」
ぐにゅっ——
ずぷっ——
「あっ——」
徹の声が、甘く響く。
「——さっきより、敏感?」
「うん……」
ゆめが言う。
「休んだから——なんか、すごく——」
「——どうなる?」
「——感じやすい」
「じゃあ——」
徹が微笑む。
「——もっと、気持ちよくしてあげる」
「徹さん——」
彼女の瞳が、とろりと蕩ける。
「——ありがとう」
ずぷっ、ずぷっ、ずぷっ——
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ——
「あっ……あっ……♡」
ゆめの声が、高くなる。
「それ——それ、すごい——」
「気持ちいい?」
「うん——さっきより、もっと——」
彼女の手が、徹の手を——自分の胸に押し付ける。
「ここ——もっと、強く——」
徹の手が、彼女の胸を——しっかりと、包み込む。
ぎゅっ——
「ああっ——♡」
ゆめの体が、大きく仰け反る。
「そこ——そこ、すごい——」
「——ここが、いいの?」
「うん——もっと、そこ——」
徹の手が、彼女の蕾を——親指で、優しく撫でる。
くるくる、くるくる——
「あっ……あっ……!」
ゆめの声が、叫びにも似た響きになる。
「ゆめ——さん——」
「んー?」
「——もう、そろそろ——」
「——まだ?」
「——まだ、大丈夫?」
「うん……」
彼女の呼吸が、荒い。
「でも——もう、限界かも」
「——イきそう?」
「うん……」
ゆめが言う。
「徹さんは?」
「——まだ、大丈夫」
「そう? じゃあ——」
彼女がいたずらっぽく笑う。
「——もっと、我慢しよっか」
「——いいですよ」
徹が言う。
「ゆめさんが——イくまで、我慢する」
「徹さん——」
彼女の手が、徹の手を握る。
「——優しすぎるよ」
第七十八章 加速する鼓動
ゆめの動きが——さらに、速くなる。
ずぷっ、ずぷっ、ずぷっ——
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ——
「あっ……あっ……!」
彼女の声が、高くなる。
「ゆめ——さん——」
「んー?」
「——すごく——」
「すごく?」
「——締まる」
「うん……」
彼女が恥ずかしそうに笑う。
「だって——気持ちよすぎて——」
「——どうなる?」
「——おかしくなりそう」
「おかしくなっていいですよ」
徹が言う。
「ゆめさんが——気持ちよくなるなら」
「徹さん——」
彼女の瞳が、とろりと蕩ける。
「——一緒に、おかしくなろ?」
第七十九章 深く、そして深く
ゆめの動きが——さらに、深く。
ずぷりっ、ずぷりっ、ずぷりっ——
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ——
「ああっ——ああっ——♡」
彼女の声が、部屋中に響く。
換気扇の音さえも——かき消されそうなほどに。
「ゆめ——さん——」
「んー?」
「——痛くない?」
「うん……全然」
彼女が首を振る。
「徹さんのは——ちょうどいい」
「ちょうどいい?」
「うん。奥に——当たるけど、痛くない」
「——そうなんだ」
「うん。前にね——」
彼女の声が、途切れる。
ずぷっ——
「あっ……!」
「——前に?」
「前に——騎乗位で、痛かった人のこと、話したでしょ?」
「——はい」
「あの人は——長すぎて」
「——」
「奥に——ガンガン、当たって」
彼女が呟く。
「子宮の入り口が——痛くて」
「——それは、大変だったね」
「うん。でも——」
彼女が微笑む。
「徹さんのは、違う。当たっても——痛くない。むしろ——」
「——むしろ?」
「——気持ちいい」
彼女の手が、徹の手を握る。
「これも——徹さんが、優しいから?」
「——どうでしょう」
「そうだと思う」
彼女が言う。
「だって——優しくない人のは、痛いから」
「——ゆめさん」
「んー?」
「——ありがとう」
「え? なんで?」
「ゆめさんが——私のことを、そう言ってくれて」
「——もう♡」
彼女の頬が、赤くなる。
「そんなこと言うと——私、また、照れちゃう」
「照れなくていいです」
徹が言う。
「ゆめさんは——もっと、照れていい」
「徹さん——」
彼女の瞳が、とろりと蕩ける。
「——もっと、動いて?」
第八十章 二度目の波
徹の手が、ゆめの胸を——さらに、強く包み込む。
ぎゅっ——
彼女の腰が——さらに、激しく動く。
ずぷっ、ずぷっ、ずぷっ——
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ——
「あっ……あっ……♡」
ゆめの声が、叫びにも似た響きになる。
「ゆめ——さん——」
「んー?」
「——もう、そろそろ——」
「——いいよ」
彼女が言う。
「——一緒に、イこう」
——そして、二人の体が、同時に大きくのけぞった。
ゆめの中が——強く、収縮する。
きゅっ、きゅっ、きゅっ——
徹の象徴が——その収縮に応えるように——脈打つ。
どくん、どくん、どくん——
「あっ……あっ……♡」
「んんっ——!」
二人の声が、重なる。
びくびく、びくびく——
彼女の全身が、小刻みに震える。
その瞬間——彼女の中から、とろりとした液体が——さらに、大量に溢れ出る。
とろとろとろ——
ぬちゃぬちゃ——
じゅわっ——
シーツに、大きな染みが広がる。
「はあ……はあ……」
二人の呼吸が、重なる。
「——すごい」
ゆめが呟く。
「徹さん——」
「——はい」
「——一緒に、イったね」
「——そうですね」
「——気持ちよかった?」
「——はい。今までで——一番」
「本当?」
「本当です」
「よかった——」
彼女の手が、徹の頬に触れる。
「私も——すごく、気持ちよかった」
第八十一章 そして、次の場所へ
しばらくの間、二人は——そのままの体勢で、寄り添っていた。
ゆめの中には——まだ、徹の象徴が、深く沈んだまま。
「ねえ、徹さん」
「はい」
「——もう、動けない」
「——疲れましたか?」
「うん……」
彼女が笑う。
「だって——ずっと、動いてたから」
「——そうですよね」
「でも——」
彼女の手が、徹の手を握る。
「——すごく、楽しかった」
「——よかった」
「うん。だから——」
彼女がいたずらっぽく笑う。
「——次は、徹さんが、動いて?」
「——いいですよ」
「よかった♡」
ゆめが言う。
「じゃあ——ちょっと、体勢、変えようか?」
「——どういう?」
「例えば——」
彼女が徹の耳元にささやく。
「——私、後ろから、がいいな」
「——バック?」
「うん」
彼女が微笑む。
「——嫌?」
「——いいえ」
「よかった♡」
ゆめが、ゆっくりと体を起こす。
ずるり——
ぷちゅっ——
徹の象徴が、彼女の中から——抜け出る。
その瞬間——彼女の中に溜まっていた液体が、溢れ出る。
とろっと——
ぬちゃ——
「あっ……」
ゆめが恥ずかしそうに笑う。
「——すごい、量」
「——ゆめさんが、気持ちよかった証拠です」
「もう♡ そういうこと言うと——」
彼女の手が、徹の手を握る。
「——また、したくなっちゃう」
「——いいですよ」
「え?」
「ゆめさんが——したいなら」
「徹さん——」
彼女の瞳が、優しく細められる。
「——じゃあ、もう一回?」
「——お願いします」
「はい♡」
ゆめが微笑んで、体を起こす。
「今度は——私、四つん這いになるね」
彼女が——ゆっくりと、体勢を変える。
白い背中。
腰のくびれ。
その先に広がる——豊かな曲線。
黒髪が、背中に流れて——揺れている。
「——きれい」
徹が呟く。
「何が?」
「ゆめさんの——全部」
「——もう♡」
彼女が振り返る。
その横顔に——ふわりと、笑みが浮かぶ。
「——じゃあ、後ろから、入れて?」
徹が——ゆっくりと、彼女の背後に移動する。
その姿は——まるで、夜の帳から現れた——漆黒の天使のように。
美しく。
第八十二章 後ろからの誘い
ゆめが——ゆっくりと、四つん這いになった。
白いシーツの上で、彼女の黒髪が背中に流れ落ちる。まるで漆黒の滝のように——艶やかに、そして優雅に。
背中のラインは滑らかで、腰のくびれが美しい弧を描いている。その先——持ち上がった豊かな曲線が、照明の光を柔らかく反射している。
「……きれい」
徹が、思わず呟く。
「何が?」
ゆめが振り返る。その横顔に——いたずらっぽい笑みが浮かぶ。
「ゆめさんの——全部」
「もう♡ そんなことばっかり言って」
彼女が笑う。
「でも——嬉しいけどね」
徹は——ゆっくりと、彼女の背後に移動した。
その目線の先には——彼女の最も秘めたる場所が、しっとりと濡れて輝いている。
「……ここ、見える?」
ゆめが尋ねる。
「——はい」
「恥ずかしいなぁ」
彼女が照れくさそうに笑う。
「だって——すごく、近いし」
「——やめましょうか?」
「やめてほしくない」
ゆめが首を振る。
「そのまま——見てて」
第八十三章 再びの約束
徹の手が、ゆめの腰に触れる。
つうっ——
「あっ……」
ゆめの体が、微かに震える。
「冷たい?」
「ううん——温かい」
彼女が言う。
「徹さんの手——いつも、温かいね」
「——そうですか?」
「うん。なんか——安心する」
彼女の言葉に、徹は——そっと、腰を進めた。
ずるり——
彼の象徴が、彼女の最も秘めたる場所に——触れる。
ぬちゅっ——
「んっ……」
ゆめの声が、甘く響く。
「——もう、当たってる」
「痛くない?」
徹が尋ねる。
「うん……全然」
彼女が言う。
「さっき——いっぱい、気持ちよくなったから……なんか、すごく——」
「——すごく?」
「——入りやすい」
「よかった」
徹が——さらに、腰を進める。
ずぷっ——
「あっ……」
ゆめの声が、高くなる。
「——ここ?」
「ううん……もっと」
ずるっ——
さらに。
ずるっ——
「あっ……そこ……」
彼女の声が、途切れ途切れになる。
「もう——全部?」
「——まだ」
「え?」
「まだ——少しだけ」
徹は——最後の力を込めて、腰を押し込んだ。
ずぷりっ——
「——っ!」
ゆめの体が、大きく仰け反る。
びく、びく——
「ゆめさん……」
「はあ……はあ……」
彼女の呼吸が、荒い。
「——大丈夫?」
「うん……」
ゆめが、ゆっくりと笑う。
「大丈夫。ただ——」
「ただ?」
「——すごく、いっぱい」
彼女の手が、シーツを握る。
「徹さんが——私の中に、いる」
「——そうですね」
「なんか——」
彼女が振り返る。その瞳は——とろりと蕩けている。
「——すごく、落ち着く」
第八十四章 動き出す律動
徹が——ゆっくりと、腰を動かし始める。
ずるっ——
ずぷっ——
「あっ……あっ……♡」
ゆめの声が、甘く響く。
「——この体勢、初めて?」
彼女が尋ねる。
「——いいえ」
「そうなんだ」
彼女が微笑む。
「私は——久しぶりかも」
「——そうなんですか?」
「うん。バックって——なんか、恥ずかしいから」
「恥ずかしい?」
「だって——」
彼女が照れくさそうに笑う。
「——見えちゃうし」
「——やめましょうか?」
「やめてほしくない」
ゆめが首を振る。
「だって——徹さんとだと、恥ずかしいけど……なんか、気持ちいいから」
「——よかった」
徹の動きが——さらに、ゆっくりと、確かに。
ずるっ、ずぷっ——
ずるっ、ずぷっ——
「はあっ……はあっ……」
二人の呼吸が、重なる。
「ゆめさん——」
「んー?」
「——気持ちいい?」
「うん……」
彼女の声は、もう——半分以上が吐息になっていた。
「徹さんの——形、わかる」
「——そう?」
「うん。前よりも——もっと、はっきり」
彼女の手が、シーツを握りしめる。
「ここが——こうやって、入ってきて……」
ずぷっ——
「あっ……そう、それ……」
「ここ?」
「うん……そこ、すごく——」
「——気持ちいい?」
「うん……♡」
第八十五章 深まる接続
ゆめの中から——とろりとした液体が、溢れ出る。
とろっ、とろっ——
ぬちゃ、ぬちゃ——
それが、二人の接続部分を——さらに滑らかにしていく。
「——すごい」
徹が呟く。
「ゆめさん——」
「うん……」
彼女が恥ずかしそうに笑う。
「この体勢だと——なんか、もっと——」
「——もっと?」
「——出ちゃう」
「——どうして?」
「わかんない。でも——」
彼女の手が、徹の手を探る。
「——徹さんが、いっぱい——気持ちよくしてくれるから、かな」
「——そうなんですかね」
「うん。そうだと思う」
彼女が微笑む。
「だって——徹さんじゃなかったら、こんなに——出ないもん」
「——」
徹は——言葉を失った。
ゆめはその様子を——後ろからは見えないけれど、きっとくすくす笑っている。
「そんなに驚かなくてもいいじゃない。さあ——」
彼女の腰が、微かに動く。
「——もっと、気持ちよくなろう?」
第八十六章 変化するリズム
徹の動きが——変化する。
今までは、ゆっくりとした——一定のリズムだった。
しかし今は——深く、そして——時折、止まる。
ずぷっ——(止まる)——ずるっ——(止まる)——
「これ——」
ゆめが言う。
「——焦らしてる?」
「——はい」
「ばれた?」
「——はい」
「でも——」
彼女の腰が、再び動き出す。
今度は——少しだけ、速く。
ずぷっ、ずぷっ、ずぷっ——
「これも——気持ちいい?」
「——はい」
「どっちが——好き?」
「——両方」
「よかった♡」
彼女の手が、徹の手を——自分の胸の下に導く。
「ここ——もっと、前に出して」
徹の手が、彼女の胸を——下から支えるように移動する。
ぷにゅ——
「あっ……」
ゆめの声が、甘く響く。
「そのまま——動かして」
徹の手が、彼女の豊かな曲線を——優しく、揉むように——動かす。
ぐにゅ、ぐにゅ——
ぷにゅ、ぷにゅ——
「あっ……あっ……♡」
ゆめの声が、高くなる。
その同時に——彼の腰も、動き続ける。
ずぷっ、ずぷっ、ずぷっ——
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ——
「ゆめ——さん——」
「んー?」
「——それ、すごく——」
「気持ちいい?」
「——はい」
「よかった。でも——」
彼女の動きが、止まる。
「——ちょっと、待って」
第八十七章 止まる時間
ゆめが——そのままの体勢で、動きを止めた。
徹の象徴は、彼女の中に——深く、沈んだまま。
「ねえ、徹さん」
「はい」
「——どうして、止まったの?」
「ゆめさんが——止まったから」
「——そうだね」
彼女が笑う。
「私——ちょっと、話したくなった」
「——何を?」
「例えば——」
彼女の手が、シーツを撫でる。
「——徹さんの、好きな体勢って、何?」
「——どういう意味ですか?」
「だから——セックスで」
ゆめが言う。
「好きな体勢——あるでしょ?」
「——そうですね」
徹が考える。
「正常位——ですかね」
「なんで?」
「——お互いの顔が見えるから」
「——それだけ?」
「——それだけじゃ、足りませんか?」
「足りるけど——」
彼女がいたずらっぽく笑う。
「——なんか、徹さんらしい」
「——どういう意味ですか?」
「優しい、って意味」
彼女が言う。
「相手の顔を見ながら——気持ちいいか、確かめるんでしょ?」
「——」
「図星?」
「——はい」
「やっぱり♡」
ゆめが嬉しそうに声を弾ませる。
「じゃあ——私はね」
「——はい」
「バック——結構、好き」
「——そうなんですか」
「うん。だって——」
彼女の腰が、微かに動く。
ぐにゅ——
「あっ……」
徹の声が、漏れる。
「——まだ、入ったままなんだね」
「——はい」
「なんか——」
彼女が呟く。
「——繋がってるって、実感できる」
第八十八章 過去の話
「でもね——」
ゆめの声が、少しだけ沈む。
「——前に、嫌な思いしたこと、あるの」
「——そうなんですか」
「うん。バックで——」
彼女が言う。
「——空気が、入っちゃって」
「——」
「ブブーって——音がして」
彼女の声は、恥ずかしさで小さくなる。
「——すごく、恥ずかしかった」
「——それは、大変だったね」
「うん。その人——笑うし」
「——」
「それから——バック、ちょっと苦手になった」
彼女が呟く。
「でも——」
「でも?」
「徹さんとなら——大丈夫」
「——よかった」
「うん。だって——」
彼女の手が、徹の手を握る。
「徹さんは——優しいから。空気、入らないように、気をつけてくれるでしょ?」
「——はい。気をつけます」
「ありがとう♡」
彼女が微笑む。
「——じゃあ、そろそろ、動いていい?」
第八十九章 再び、深く
徹が——ゆっくりと、腰を動かし始める。
ずるっ——
ずぷっ——
「あっ……」
ゆめの声が、甘く響く。
「——さっきより、敏感?」
「うん……」
彼女が言う。
「休んだから——なんか、すごく——」
「——どうなる?」
「——感じやすい」
「じゃあ——」
徹が微笑む。
「——もっと、気持ちよくしてあげる」
ずぷっ、ずぷっ、ずぷっ——
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ——
「あっ……あっ……♡」
ゆめの声が、高くなる。
「それ——それ、すごい——」
「気持ちいい?」
「うん——さっきより、もっと——」
彼女の手が、徹の手を——自分の胸に押し付ける。
「ここ——もっと、強く——」
徹の手が、彼女の胸を——しっかりと、包み込む。
ぎゅっ——
「ああっ——♡」
ゆめの体が、大きく仰け反る。
「そこ——そこ、すごい——」
「——ここが、いいの?」
「うん——もっと、そこ——」
徹の手が、彼女の蕾を——親指で、優しく撫でる。
くるくる、くるくる——
「あっ……あっ……!」
ゆめの声が、叫びにも似た響きになる。
第九十章 限界の手前で
徹の動きが——さらに、速くなる。
ずぷっ、ずぷっ、ずぷっ——
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ——
「あっ……あっ……!」
ゆめの声が、高くなる。
「ゆめ——さん——」
「んー?」
「——もう、そろそろ——」
「——まだ?」
「——まだ、大丈夫?」
「うん……」
彼女の呼吸が、荒い。
「でも——もう、限界かも」
「——イきそう?」
「うん……」
ゆめが言う。
「徹さんは?」
「——まだ、大丈夫」
「そう? じゃあ——」
彼女がいたずらっぽく笑う。
「——もっと、我慢しよっか」
「——いいですよ」
徹が言う。
「ゆめさんが——イくまで、我慢する」
「徹さん——」
彼女の手が、徹の手を握る。
「——優しすぎるよ」
第九十一章 加速する鼓動
徹の動きが——さらに、深く。
ずぷっ、ずぷっ、ずぷっ——
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ——
「あっ……あっ……♡」
ゆめの声が、叫びにも似た響きになる。
「ゆめ——さん——」
「んー?」
「——すごく——」
「すごく?」
「——締まる」
「うん……」
彼女が恥ずかしそうに笑う。
「だって——気持ちよすぎて——」
「——どうなる?」
「——おかしくなりそう」
「おかしくなっていいですよ」
徹が言う。
「ゆめさんが——気持ちよくなるなら」
「徹さん——」
彼女の瞳は——徹からは見えないけれど、きっととろりと蕩けている。
「——一緒に、おかしくなろ?」
第九十二章 深く、そして深く
徹の動きが——さらに、深く。
ずぷりっ、ずぷりっ、ずぷりっ——
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ——
「ああっ——ああっ——♡」
ゆめの声が、部屋中に響く。
換気扇の音さえも——かき消されそうなほどに。
「ゆめ——さん——」
「んー?」
「——痛くない?」
「うん……全然」
彼女が首を振る。
「徹さんのは——ちょうどいい」
「ちょうどいい?」
「うん。奥に——当たるけど、痛くない」
「——そうなんだ」
「うん。前にね——」
彼女の声が、途切れる。
ずぷっ——
「あっ……!」
「——前に?」
「前に——バックで、痛かった人のこと、話したでしょ?」
「——はい」
「あの人は——長すぎて」
「——」
「奥に——ガンガン、当たって」
彼女が呟く。
「子宮の入り口が——痛くて」
「——それは、大変だったね」
「うん。でも——」
彼女が微笑む。
「徹さんのは、違う。当たっても——痛くない。むしろ——」
「——むしろ?」
「——気持ちいい」
彼女の手が、徹の手を握る。
「これも——徹さんが、優しいから?」
「——どうでしょう」
「そうだと思う」
彼女が言う。
「だって——優しくない人のは、痛いから」
「——ゆめさん」
「んー?」
「——ありがとう」
「え? なんで?」
「ゆめさんが——私のことを、そう言ってくれて」
「——もう♡」
彼女の頬が、赤くなる。
「そんなこと言うと——私、また、照れちゃう」
「照れなくていいです」
徹が言う。
「ゆめさんは——もっと、照れていい」
「徹さん——」
彼女の声が、甘く響く。
「——もっと、動いて?」
第九十三章 限界との対話
徹の動きが——さらに、速くなる。
ずぷっ、ずぷっ、ずぷっ——
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ——
「あっ……あっ……!」
ゆめの声が、叫びにも似た響きになる。
「ゆめ——さん——」
「んー?」
「——もう、そろそろ——」
「——まだ?」
「——まだ、大丈夫?」
「うん……」
彼女の呼吸が、荒い。
「でも——もう、限界かも」
「——イきそう?」
「うん……」
ゆめが言う。
「徹さんは?」
「——もう——」
徹の声が、詰まる。
体中の血液が、一箇所に集まっていく感覚。
熱が——爆発しそうなほどに、高まっている。
「——イきそう」
「じゃあ——」
彼女が言う。
「——一緒に、イこう」
第九十四章 放出
——そして、二人の体が、同時に大きくのけぞった。
ゆめの中が——強く、収縮する。
きゅっ、きゅっ、きゅっ——
徹の象徴が——その収縮に応えるように——脈打つ。
どくん、どくん、どくん——
熱い塊が——コンドームの中に、何度も何度も——放出される。
「あっ……あっ……♡」
「んんっ——!」
二人の声が、重なる。
びくびく、びくびく——
ゆめの全身が、小刻みに震える。
その瞬間——彼女の中から、とろりとした液体が——さらに、大量に溢れ出る。
とろとろとろ——
ぬちゃぬちゃ——
じゅわっ——
シーツに、大きな染みが広がる。
「はあ……はあ……」
二人の呼吸が、重なる。
「——すごい」
ゆめが呟く。
「徹さん——」
「——はい」
「——一緒に、イったね」
「——そうですね」
「——気持ちよかった?」
「——はい。今までで——一番」
「本当?」
「本当です」
「よかった——」
彼女の手が、徹の手を握る。
「私も——すごく、気持ちよかった」
第九十五章 そして、ゆっくりと
しばらくの間、二人は——そのままの体勢で、寄り添っていた。
ゆめの中には——まだ、徹の象徴が、深く沈んだまま。
「ねえ、徹さん」
「はい」
「——もう、動けない」
「——疲れましたか?」
「うん……」
彼女が笑う。
「だって——ずっと、動いてたから」
「——そうですよね」
「でも——」
彼女の手が、徹の手を握る。
「——すごく、楽しかった」
「——よかった」
「うん。だから——」
彼女がいたずらっぽく笑う。
「——また、来てね」
「——はい。必ず」
「約束?」
「——約束します」
「よかった♡」
ゆめが、ゆっくりと体を起こす。
ずるり——
ぷちゅっ——
徹の象徴が、彼女の中から——抜け出る。
第九十六章 優しい処理
ゆめが——ベッドの端に手を伸ばす。
がさがさ……
ティッシュの箱を取る音。
彼女は——数枚のティッシュを引き抜いた。
「——動かないでね」
彼女が言う。
「私が——やるから」
徹の象徴には——コンドームが、まだしっかりと装着されている。その先端には——白濁した液体が、たっぷりと溜まっている。
ゆめは——ティッシュで、それを優しく包み込んだ。
ぽたっ、ぽたっ——
「——すごい量」
彼女が呟く。
「びっくりしちゃった」
「——すみません」
「謝らないで」
ゆめが首を振る。
「私が——気持ちよくなった証拠だから」
彼女は——コンドームを、優しく抜き取った。
ぷちゅっ——
そして——ティッシュで包み込み、ベッドのそばの小さなゴミ箱に捨てる。
ぱさり。
ゴミ箱の上には——清潔なタオルがかけられている。彼女はそれで、そっと蓋をした。
「——これで、安心」
彼女が微笑む。
「じゃあ——次は、お掃除ね」
第九十七章 お掃除の口づけ
ゆめが——新しいティッシュを取り出す。
がさっ。
「——拭くね」
彼女の手が、徹の象徴に——優しく触れる。
つうっ——
「あっ……」
徹の体が、微かに震える。
「まだ——そんなに、敏感?」
「——はい」
「よかった」
彼女の手が、ティッシュで——優しく、丁寧に——拭いていく。
こすっ、こすっ——
「んっ……」
徹の声が、思わず漏れる。
「——ごめん、まだちょっと、残ってる?」
「——はい」
「じゃあ——」
ゆめが、ティッシュを置く。
そして——彼女の顔が、そこに近づく。
ぺろ——
「あっ——!」
徹の体が、大きく仰け反る。
「ゆめ——さん——」
「んー?」
「それ——」
「やめてほしい?」
「——やめてほしくない」
「よかった」
彼女の舌が、そこを——優しく、丁寧に——拭うように這う。
ぺろ、ぺろ、ぺろ——
ちゅる、ちゅる——
「んっ……んっ……」
徹の声が、途切れ途切れに漏れる。
「ゆめ——さん——」
「んー?」
「——ありがとう」
「——」
ゆめの動きが、一瞬止まる。
「——どういたしまして」
彼女の声は、少しだけ——震えていた。
ぺろ——
ちゅっ。
「——終わり」
彼女が顔を上げる。
その目は——少しだけ、潤んでいるように見えた。
「——ごちそうさまでした」
第九十八章 寄り添う天使
ゆめが——徹の隣に、体を寄せる。
ばふん。
マットレスが、二人の体重を受け止める。
「——こっち、向いて?」
徹が——ゆっくりと、横向きになる。
ゆめの手が、彼の腕を——自分の枕にしようと、引き寄せる。
「——ここ、貸して」
徹の腕が、彼女の首の下に——優しく、差し入れられる。
「——重くない?」
「ううん」
ゆめが首を振る。
「徹さんの腕——心地いい」
彼女の体が、徹の胸に——預けられるように、寄り添う。
黒髪が、彼の腕の上に広がる。
さらり——
「——あったかい」
彼女が呟く。
「徹さんの体温——すごく、あったかい」
「ゆめさんも——温かいです」
「そう——?」
彼女の手が、徹の胸の上に置かれる。
「——ねえ」
「はい」
「——私ね」
「はい」
「——オーストラリアに、行きたいんだ」
「——そうなんですか」
「うん。看護師として——働きたい」
彼女の声は、夢を見る少女のように——柔らかかった。
「英語、勉強してるんだよ」
「——すごいですね」
「うん。でも——」
彼女が顔を上げる。
「——徹さんに会えたら、それもいいかな、って」
「——」
「冗談だよ」
彼女がいたずらっぽく笑う。
「——半分は、本当だけど」
第九十九章 夢の続き
「ねえ、徹さん」
「はい」
「——徹さんは、夢とか、あるの?」
「——そうですね」
徹が考える。
「——特に、ないです」
「えー、もったいない」
ゆめが言う。
「せっかく——かっこいいのに」
「——かっこいい、は関係ないですよ」
「関係あるよ」
彼女が真剣な顔で言う。
「だって——夢がある人は、きらきらしてるから」
「——そうですか?」
「うん。私——そう思う」
彼女の手が、徹の手を握る。
「だから——徹さんにも、夢、見つけてほしい」
「——」
「私と——一緒に、夢を見たい」
「——ゆめさん」
「んー?」
「——ありがとう」
「え? なんで?」
「ゆめさんが——私のことを、そう思ってくれて」
「——もう♡」
彼女の頬が、赤くなる。
「そんなこと言うと——私、また、照れちゃう」
「照れなくていいです」
徹が言う。
「ゆめさんは——もっと、照れていい」
「徹さん——」
彼女の瞳が、優しく細められる。
「——優しすぎるよ」
第百章 眠りの誘い
しばらくの間、二人は——そのままの体勢で、寄り添っていた。
換気扇の低い唸り。
時折聞こえる——彼女の微かな呼吸。
「——ねえ、徹さん」
「はい」
「——眠くなってきた」
「——そうですか」
「うん。だって——」
彼女が笑う。
「——いっぱい、動いたから」
「——そうですよね」
「徹さんは?」
「——私は、大丈夫です」
「うそ」
ゆめが言う。
「徹さんも——疲れてるくせに」
「——」
「無理しなくていいんだよ」
彼女の手が、徹の頬に触れる。
「私——ここにいるから」
「——ゆめさん」
「うん?」
「——ありがとう」
「どういたしまして」
彼女が微笑む。
「——おやすみ、徹さん」
「——おやすみなさい、ゆめさん」
ちゅっ。
ゆめが、徹の胸に——そっと、キスを落とした。
そして——彼女の目が、ゆっくりと閉じられる。
黒髪が、彼の腕の上に広がったまま。
艶やかな髪の一筋一筋が、照明の光を受けてきらきらと輝いている。
その姿は——まるで、漆黒の天使が——安らかな眠りについたかのように。
美しく。
そして——官能的だった。
換気扇の低い唸り。
二人の呼吸。
時折聞こえる——彼女の微かな寝息。
第百一章 覚めぬ夢
換気扇の低い唸り。時折聞こえる、外の遠いサイレンの音。そして——彼の腕に広がる、ゆめの黒髪の重み。
「......ゆめさん」
徹が、そっと彼女の肩を揺する。
「......んー?」
ゆめが、もぞりと動いた。長いまつげが震え、ゆっくりと瞳が開かれる。その目はまだ、夢と現実の狭間にあるように——とろりと蕩けていた。
「......徹さん?」
「はい」
「......どうしたの?」
「いえ——ゆめさんが、あまりに気持ちよさそうに寝るから」
「もう♡」
彼女が、くすくすと笑う。
「それって——起こす理由になる?」
「どうでしょう。でも——」
徹が、彼女の黒髪を指先でそっと梳く。
「——ゆめさんと話したくて」
「......徹さん」
ゆめが、彼の胸の上で顔を上げる。その瞳は——もう、眠気なんてどこかに吹き飛んでしまったかのように、はっきりと輝いていた。
「——変わってるね」
「そうですか?」
「うん。普通——男の人は、終わったらすぐ寝ちゃうのに」
「......そうなんですね」
「うん。でも——」
彼女の指が、徹の胸の上でくるくると円を描く。
「——徹さんは、違う」
「ゆめさんと——話したいからです」
「......」
彼女の動きが、一瞬止まる。
「——じゃあ、話そっか」
ゆめが、体勢を変えた。彼の腕を枕にしたまま、横向きになって——徹の顔を、まっすぐに見つめる。
その距離は——もう、唇が触れてもおかしくないほどに、近い。
第百二章 すれ違う日常
「ねえ、徹さん」
「はい」
「——徹さんって、普段の休みは、何してるの?」
「そうですね......映画を見たり、本を読んだり。たまに——ジムに行ったり」
「映画! やっぱりね♡」
ゆめが、嬉しそうに声を弾ませる。
「さっき——当てたでしょ? SFとか、サスペンスが好きだって」
「——はい。よく覚えてますね」
「だって——徹さんのこと、ちょっとずつでも知りたいから」
彼女の指が、彼の胸の上で——心臓のあたりを、ぽんぽんと軽く叩く。
「ここに——何があるのか、知りたい」
「......ゆめさん」
「んー?」
「——ゆめさんは、休みの日は、何を?」
「私?」
彼女が、少しだけ考え込むような仕草をする。
「——スイーツ巡り。ショッピング。あとは——」
「あとは?」
「——かわいいぬいぐるみ、集めてるんだ」
「......そうなんですね」
「うん。恥ずかしいけど——」
彼女が、照れくさそうに笑う。
「ベッドの上——いっぱいなんだよ。でも、今日は徹さんが来るから——全部、押し入れにしまってきた」
「——そんなこと、しなくてもよかったのに」
「いいの」
ゆめが首を振る。
「だって——徹さんに、子どもっぽいとこ、見られたくなかったし」
「......ゆめさんは、子どもっぽくないですよ」
「本当?」
「本当です」
「よかった♡」
彼女の顔が、ぱあっと輝く。
「——でも、次はね」
「次?」
「うん。次、徹さんが来るときは——ぬいぐるみ、出したままにする」
「——いいんですか?」
「うん。だって——」
彼女の手が、徹の手を握る。
「——徹さんは、優しいから。きっと——笑わないで、見てくれるでしょ?」
「......もちろん」
「よかった♡」
第百三章 優しい人
「ねえ、徹さん」
「はい」
「——徹さんって、なんで——そんなに優しいの?」
「......そうですか?」
「うん。だって——」
ゆめの指が、彼の頬のラインをなぞる。
「——初めて会ったときから、ずっと。私のこと——ちゃんと、見てくれてる」
「......当たり前です」
「当たり前、じゃないよ」
彼女が、少しだけ悲しそうに笑う。
「だって——この仕事してると、『当たり前』のこと、してくれない人、たくさんいるから」
「......」
「私のこと——モノみたいに扱う人」
彼女の声が、少しだけ震える。
「でも、徹さんは違う」
「——ゆめさん」
「うん?」
「——私は、ゆめさんのこと——モノだなんて、思ったこと、一度もないです」
「......知ってる」
彼女が微笑む。
「だから——私は、徹さんのこと、好きになったんだと思う」
「——」
徹は、言葉を失った。
ゆめはその様子を見て、くすくす笑った。
「そんなに驚かなくてもいいじゃない。さっきも——言ったでしょ?」
「——はい」
「だから——」
彼女の顔が、さらに近づく。
「——もう、驚かないでね」
ちゅっ。
彼女の唇が、彼の額に——そっと、落とされた。
第百四章 聞き役に徹して
しばらくの間、二人は——そのままの体勢で、ただ——お互いの体温を感じ合っていた。
ゆめの指が、徹の胸の上で——時折、小さな円を描く。
くるくる、くるくる......
「ねえ、徹さん」
「はい」
「——私ね、この仕事——好きなんだ」
「......そうなんですね」
「うん。最初は——お金のためだけだった。でも、今は違う」
彼女の声は、静かで——それでいて、確かな熱を帯びていた。
「誰かを——気持ちよくして、『ありがとう』って言われるのが、嬉しい」
「——」
「看護師のときも、そうだった。患者さんに——『ゆめさん、ありがとう』って言われるたびに、私——頑張れた」
「——ゆめさん」
「うん?」
「——すごく、素敵な考え方ですね」
「え?」
「自分のことだけじゃなくて——誰かのために、何かをしたいって思えること」
「......徹さん」
彼女の手が、彼の手を——強く、握る。
「——そんなこと言われたら、私——泣いちゃうよ」
「泣いていいですよ」
徹が言う。
「ここには——私たちしかいませんから」
「......もう♡」
彼女が笑う。その目の端には——確かに、うっすらと光るものがあった。
第百五章 過去の話、自ら
「......ねえ、徹さん」
ゆめの声が、少しだけ——真剣なものに変わる。
「——聞いてくれる?」
「——もちろん」
徹は、彼女の手を——優しく、握り返した。
「私ね——看護師、辞めたんだ」
「——そうなんですね」
「うん。辞めた理由——聞く?」
「——ゆめさんが、話したいなら」
「......話す」
彼女が、深く息を吸う。
「——きつかったんだ。人手不足で、残業ばっかり。それなのに——給料は、上がらない」
「......」
「患者さんに、怒られることも、あった。『なんで、もっと早く来ないんだ』って」
彼女の声が、少しだけ——沈む。
「私——一人で、夜勤してたとき、倒れちゃったことがあるの」
「——え?」
徹の体が、微かに強張る。
「大丈夫。今は——全然、元気だから」
ゆめが、いたずらっぽく笑う。
「でも——そのとき、思ったんだ。『私、このまま——頑張り続けても、報われないかも』って」
「——ゆめさん」
「だから——辞めた」
彼女が言う。
「——逃げるみたいで、嫌だったけど。でも、もう——限界だった」
徹は——何も言わなかった。
ただ、彼女の手を握り——ゆっくりと、優しく——撫でた。
「......徹さん」
「はい」
「——『逃げるな』って、言わないの?」
「——言いません」
「なんで?」
「だって——ゆめさんは、逃げたんじゃない。前に——進もうとしたんです」
「......」
「自分のために——決断した。それって、すごく——勇気がいることです」
「徹さん......」
彼女の声が、震える。
「——ありがとう」
第百六章 風俗という選択
「それでね——」
ゆめが、再び話し始める。
「——辞めたあと、どうしようか考えたんだ」
「——はい」
「英語の勉強——したかった。オーストラリアで、看護師として働くのが、夢で」
「——そうなんですね」
「うん。でも——お金、ないし」
彼女が、苦笑いする。
「それで——友達に、紹介してもらったの。このお店」
「——」
「最初は——怖かった。でも、やってみたら......」
彼女の声が、少しだけ——軽くなる。
「——意外と、楽しかった」
「——そうなんですか?」
「うん。だって——私が、誰かを気持ちよくして、『ありがとう』って言われるのは——看護師のときと、同じで」
「——なるほど」
「それに——お金、たくさん貯まるし」
彼女が、くすくす笑う。
「——時給で考えたら、病院の、何倍も」
「——それは......」
「うん。なんか——皮肉だけどね。人の命を助ける仕事より——人の『気持ちよさ』を助ける仕事の方が、評価されるなんて」
「——ゆめさん」
「ごめん——重い話、しちゃった」
「いいえ」
徹が首を振る。
「ゆめさんが——話したいなら、聞きます」
「——徹さん」
彼女の手が、彼の頬に触れる。
「——やっぱり、優しいね」
第百七章 誰かのために
「ねえ——徹さん」
「はい」
「——私ね、この仕事——続けようと思ってる」
「——そうなんですか」
「うん。あと、二年くらい——お金貯めて。それで——オーストラリアに行くの」
彼女の瞳が——夢を見るように、遠くを見つめる。
「向こうで——また、看護師になる」
「——応援してます」
「本当?」
「——本当です」
「よかった♡」
彼女が、嬉しそうに笑う。
「でもね——」
「でも?」
「——もし、徹さんみたいな人に——出会えたら」
彼女の声が、少しだけ——甘くなる。
「——それも、いいかな、って思う」
「——どういう、意味ですか?」
「——内緒」
彼女の指が、彼の唇に触れる。
「——女の子の、秘密」
第百八章 彼氏の有無
「ねえ——徹さん」
「はい」
「——徹さんって、今——彼女、いるの?」
「——いません」
「え、なんで?」
ゆめが、驚いたように目を見開く。
「——モテそうなのに」
「——そうでもないですよ」
「うそ」
彼女が、ぷくっと頬を膨らませる。
「だって——こんなに、かっこいいのに」
「——それは、ゆめさんが——そう思ってくれるからです」
「もう♡ そういうこと言うと——私、照れちゃう」
「照れなくていいです」
徹が言う。
「ゆめさんは——もっと、照れていい」
「——徹さん」
彼女の瞳が、とろりと蕩ける。
「——じゃあ、私も言うね」
「——はい」
「——徹さん、かっこいいよ。私の——タイプ」
「——どういう、タイプなんですか?」
「優しい人」
彼女が、即答する。
「——ちゃんと、こっちを見てくれる人。自分のことだけじゃなくて——相手のことも、考えられる人」
「——ゆめさん」
「うん?」
「——それ、私のことですか?」
「——うん」
彼女が微笑む。
「——徹さん、そのままだよ」
第百九章 結婚観
「ねえ——徹さん」
「はい」
「——結婚とか——したいと思ったこと、ある?」
「——そうですね」
徹が考える。
「——ない、わけじゃないです」
「——そうなんだ」
「ゆめさんは?」
「私——」
彼女が、少しだけ照れくさそうに笑う。
「——したいな、って思う」
「——どんな、結婚がいいですか?」
「そうだなぁ......」
彼女が、天井を見上げる。
「——優しい人がいい。一緒にいて——楽しい人がいい」
「——」
「それに——子ども、ほしいな」
「——お子さん、好きなんですか?」
「うん。すごく好き」
彼女の顔が、ぱあっと輝く。
「——看護師してたときも、小児科——回ったことあるんだけど」
「——はい」
「——みんな、かわいくて」
彼女の声が、柔らかくなる。
「——私も、いつか——自分の子ども、ほしいな、って思った」
「——ゆめさんは、きっと——いいお母さんになりますよ」
「——本当?」
「——本当です」
「よかった♡」
彼女が、徹の胸に——顔を埋める。
「——徹さんは、子ども、好き?」
「——はい」
「——どんな、お父さんになりたい?」
「——そうですね......」
徹が考える。
「——子どもたちが、『お父さんみたいになりたい』って思ってくれるような——」
「——それ、いいね」
ゆめが、顔を上げる。
「——私も、子どもたちに『お母さんみたいになりたい』って——思われたい」
「——ゆめさんなら、なれますよ」
「——徹さん」
彼女の手が、彼の手を握る。
「——一緒に、考えてくれない?」
「——何を?」
「——将来のこと」
第百十章 デートの妄想
「ねえ——徹さん」
「はい」
「——もし、徹さんとデートするとしたら——どこに行きたい?」
「——そうですね......」
徹が考える。
「——ゆめさんは、どこに行きたいですか?」
「私——」
彼女の瞳が、キラキラと輝く。
「——水族館!」
「——水族館?」
「うん。イルカのショー——見たい」
「——いいですね」
「それでね——」
彼女が、楽しそうに話し続ける。
「——そのあと、ご飯食べて」
「——はい」
「——映画見て」
「——はい」
「——それで——」
彼女の声が、少しだけ——甘くなる。
「——家に、帰る」
「——誰の?」
「——内緒」
彼女がいたずらっぽく笑う。
「——女の子の、秘密」
「——ゆめさん」
「んー?」
「——それ、デート——っていうか」
「——何?」
「——もう、付き合ってる——みたいじゃないですか」
「——」
ゆめの動きが、一瞬止まる。
「——徹さん」
「——はい」
「——それ、いいね」
彼女が微笑む。
「——付き合ってるみたい」
第百十一章 仕事への想い
「ねえ——徹さん」
「はい」
「——私ね、この仕事——辞めたくないって思ったこと、あるんだ」
「——そうなんですか」
「うん。最初は——お金のためだけだった。でも、今は——違う」
彼女の声は、静かで——それでいて、確かな誇りを帯びていた。
「——誰かを、気持ちよくして、『ありがとう』って言われるのが——嬉しい」
「——」
「看護師のときも、そうだった。患者さんに——『ゆめさん、ありがとう』って言われるたびに、私——頑張れた」
「——ゆめさん」
「うん?」
「——すごく、素敵な考え方ですね」
「——え?」
「自分のことだけじゃなくて——誰かのために、何かをしたいって思えること」
「——徹さん」
彼女の手が、彼の手を——強く、握る。
「——そんなこと言われたら、私——泣いちゃうよ」
「泣いていいですよ」
徹が言う。
「ここには——私たちしかいませんから」
「——もう♡」
彼女が笑う。その目の端には——確かに、うっすらと光るものがあった。
「——でもね」
「——でも?」
「——この仕事、ずっと続けるつもりは、ないんだ」
「——そうなんですね」
「うん。あと、二年くらい——お金貯めて」
彼女の声が、少しだけ——遠くなる。
「——それで、オーストラリアに行くの」
「——はい」
「向こうで——また、看護師になる」
「——応援してます」
「——本当?」
「——本当です」
「——よかった♡」
彼女が、嬉しそうに笑う。
「——でもね」
「——でも?」
「——もし、子どもができたら」
彼女の声が、柔らかくなる。
「——しばらくは、子育てに専念したいな、って」
「——それも、いいですね」
「うん。仕事——一時的に、離れても」
彼女が言う。
「——また、戻ればいいから」
第百十二章 未来の約束
「ねえ——徹さん」
「はい」
「——もし、私が——オーストラリアに行くとき」
「——はい」
「——見送りに、来てくれる?」
「——もちろん」
「——約束?」
「——約束します」
「——よかった♡」
彼女が、徹の胸に——顔を埋める。
「——そのときは、泣いちゃうかも」
「——泣いていいですよ」
「——うん」
彼女の声が、少しだけ——震える。
「——徹さんの前でなら、泣いてもいいよね」
「——もちろん」
「——ありがとう」
ちゅっ。
彼女が、彼の胸に——そっと、キスを落とした。
第百十三章 時間の訪れ
しばらくの間、二人は——そのままの体勢で、寄り添っていた。
換気扇の低い唸り。
時折聞こえる——外の遠いサイレンの音。
そして——彼の腕の中での、ゆめの温もり。
「——ねえ、徹さん」
「——はい」
「——何時ぐらい?」
徹が——ベッドの脇の小さなテーブルに置かれたスマートフォンに、手を伸ばす。
ぴっ。
画面が光る。
「——午後11時半です」
「——もう、そんなに経ったんだ」
彼女が驚いたように言う。
「——時間、経つの、早いね」
「——そうですね」
「——徹さん」
「——はい」
「——もっと、一緒にいたい」
「——私もです」
「——じゃあ——」
彼女がいたずらっぽく笑う。
「——朝まで、いてよ」
「——いいんですか?」
「——うん。だって——」
彼女の手が、彼の手を握る。
「——徹さんのこと、もっと——知りたいから」
第百十四章 覚醒の予感
ピピピッ——ピピピッ——
電子音が、静かな部屋に響いた。
ゆめが、びくんと体を震わせる。
「——え?」
徹が、再びスマートフォンに手を伸ばす。
ぷっ。
音が止む。
「——アラーム、だったんですか?」
「——はい」
「——何の?」
「——明日の——予定の」
「——そうなんだ」
ゆめの声が、少しだけ——寂しげになる。
「——もう、行かなきゃ、だめ?」
「——いえ」
徹が言う。
「——まだ、大丈夫です」
「——よかった♡」
彼女の顔が、ぱあっと輝く。
「——じゃあ、もうちょっと——一緒にいよっか」
「——はい」
「——ねえ、徹さん」
「——はい」
「——そのアラーム——明日の、何の予定?」
「——会議です。朝、早くて」
「——大変だね」
彼女の手が、彼の胸の上で——優しく、撫でる。
「——でも、来てくれて——ありがとう」
「——こちらこそ」
「——徹さん」
「——はい」
「——次は、いつ——来てくれる?」
「——そうですね......」
徹が考える。
「——来週の——金曜日、空いてますか?」
「——うん。空いてる♡」
彼女が、嬉しそうにうなずく。
「——じゃあ、金曜日——予約、入れるね」
「——お願いします」
「——うん。でも——」
彼女がいたずらっぽく笑う。
「——次は、もっと——長くいてね」
「——わかりました」
「——約束?」
「——約束します」
第百十五章 別れの口づけ
「——じゃあ、そろそろ——行かなきゃ」
徹が、ゆっくりと体を起こす。
ゆめも——それに倣って、起き上がる。
その裸体が——照明の光を受けて、きらきらと輝いている。
白い肌。
黒い髪。
そして——その瞳。
「——徹さん」
「——はい」
「——最後に——キス、してくれる?」
「——もちろん」
徹が、彼女の顔に——両手を添える。
その頬は——温かくて、そして——少しだけ、潤っていた。
ちゅっ。
最初は——触れるか触れないかの、蜻蛉の羽のようなキス。
しかしすぐに、それは深まっていく。
ちゅ、ちゅ、ちゅ——
ゆめの唇が、徹の唇を優しく挟む。
ぷに、ぷに——
「ん——」
彼女の喉が、微かに鳴る。
徹の舌が、彼女の唇の隙間をなぞる。
ぺろ——
ゆめの唇が、自然と開かれる。
——中に侵入した。
じゅるっ——
彼女の舌が、徹の舌を迎え入れる。
絡み合う。
ちゅる、ちゅる、ちゅる——
「んっ——んっ——♡」
ゆめの吐息が、口の中に流れ込んでくる。
唾液が混ざり合う。
じゅぱっ、じゅぱっ——
「——はあっ」
一度、唇を離す。
銀の糸が、二人の間で切れる。
ぷつん。
「——徹さん」
「——はい」
「——大好き」
その言葉が、静かな部屋に——甘く、響いた。
第百十六章 別れの準備
「……徹さん」
ゆめの言葉が、静かな部屋にまだ余韻を残している。
徹は、彼女の頬に添えていた手をそっと、離した。
「……ありがとう」
「ううん」
ゆめが首を振る。その瞳は少しだけ潤んでいるけれど、決して悲しみではない。むしろ、満ち足りた幸せな輝きを放っている。
「……じゃあ、そろそろ」
徹が、ベッドから立ち上がる。
彼の裸体が照明の光を受けて、最後の一瞬だけ彫刻のように美しく浮かび上がる。鍛えられた筋肉のライン。広い肩。引き締まった腰。その全てがゆめの瞳に、焼き付けられるように映る。
「……見ないでください」
徹が、照れくさそうに言う。
「えなんで?」
「だって……」
「いいじゃない。徹さんの体好きなんだから」
ゆめがいたずらっぽく笑って、それでもちゃんと、彼から目をそらす。
がさがさ……
徹が、自分の衣服に手を伸ばす。ベッドの脇に丁寧に畳まれていたそれらを、一枚、また一枚と身に着けていく。
まずは、下着。
次に、ワイシャツ。
ぱちん、ぱちん……
ボタンを留める音が、静かな部屋に規則正しく響く。
「……手伝おうか?」
ゆめが、声をかける。
「大丈夫です」
「そう? でも……」
彼女が、ベッドから起き上がる。その裸体がシーツの上で、白い花のようにはかなく、そして美しく咲いている。
「……最後くらい、徹さんの世話、させてよ」
「……わかりました」
徹が、ベッドの端に再び、腰を下ろす。
ゆめが、彼の前に立つ。その目線は、彼の胸元。
彼女の指が、ワイシャツの一番上のまだ留まっていないボタンに触れる。
ぱちん。
一つ。
ぱちん。
二つ。
「……これで、よし♡」
彼女が、満足そうに微笑む。
「……ありがとうございます」
「いえいえ」
ゆめが自分の衣服に手を伸ばす。
それは、彼女が最初に脱いだあのベージュのワンピース。
しかし彼女は、それを手に取ったまま、少しだけ躊躇した。
「……ねえ、徹さん」
「はい」
「……これ、着るの、やめようかな」
「……え?」
「だって」
彼女が、いたずらっぽく笑う。
「折角だし、看護師のコスプレ、着てみたい」
「……ここにあるんですか?」
「うん。オプションで置いてあるの。前のお客さんが、『見たい』って言って……でも、徹さんに、見せたくなかったからそのときは、着なかったんだ」
「……そうだったんですか」
「うん。でも」
彼女の瞳が、優しく細められる。
「徹さんには、見せたい」
「……いいんですか?」
「うん。だって」
彼女が、クローゼットに歩いていく。その裸の背中が照明の光を受けて、白く、そして官能的に輝く。
がらり……
クローゼットの扉が開く。
中から彼女が取り出したのは、白いナースキャップ。そして淡いピンク色の、ナースユニフォーム。
「……どう?」
彼女が振り返る。
「見ててね」
第百十七章 白き天使、再び
ゆめがユニフォームを、ひらりと広げる。
さあっ……
布地が、空気をはらむ音。
彼女はそれを、自分の頭からかぶるようにして、身に着けた。
まずは、ワンピースタイプの淡いピンクのユニフォーム。
するり……
布地が、彼女の肌の上を滑る。
肩。
胸。
腰。
そのラインが、彼女の豊かな曲線を優しく、包み込む。
「……手伝ってくれる?」
ゆめが、背中を向ける。
そこには細いホックが、三つ。
徹の指が、それに触れる。
ぱちん。
一つ。
ぱちん。
二つ。
ぱちん。
三つ。
「……ありがとう♡」
彼女が振り返る。
その姿はまさに、『白き天使』そのものだった。
淡いピンクのユニフォームは、彼女の白い肌をさらに、引き立てる。胸元はほどよく開いていて、その谷間がちらり、と覗く。
腰の部分はほどよく締まっていて、彼女のくびれを強調している。
スカートの丈は膝より、少しだけ上。その裾から伸びる、白くて細い脚が照明の光を受けて、きらきらと輝いている。
「……ナースキャップ、付けてくれる?」
彼女が、白いキャップを徹に差し出す。
徹はそれを受け取り、そっと彼女の黒髪の上に、乗せた。
ぱちん。
小さな留め具が、髪を優しく挟む。
「……できました」
「ありがとう♡」
ゆめが、くるりとその場で一回転する。
スカートの裾が、ひらりと舞い上がる。
その一瞬彼女の白い太ももがちらり、と見える。
「……どう?」
彼女が、徹の顔をまっすぐに見つめる。
「すごく、きれいです」
「本当?」
「本当です」
「よかった♡」
彼女が、嬉しそうに微笑む。
「じゃあ、これで最後まで、徹さんのお世話、するね」
第百十八章 ベッドに戻って
「ねえちょっと、こっちに、横にならない?」
ゆめが、ベッドをぽんぽん、と叩く。
徹は言われるままに、仰向けに寝転がった。
ばふん。
マットレスが、彼の体重を受け止める。
ゆめがその隣に、体を寄せる。
彼女の淡いピンクのユニフォームが、彼のワイシャツに擦れる。
さらり……
「……この格好どう?」
彼女が、徹の顔を見上げるように、尋ねる。
「すごく、似合ってます」
「本当?」
「本当です。まるで本物の看護師さんみたい」
「もう♡」
彼女が、照れくさそうに笑う。
「本物だよ、私」
「そうですよね」
「うん。だから」
彼女の指が、彼の胸の上でくるくる、と円を描く。
「『患者さん』、気分、味わって?」
「はい」
徹が微笑む。
「お願いします、ゆめ先生」
「えへへ♡」
彼女が、嬉しそうに彼の胸の上に、頭を預ける。
黒髪が白いナースキャップの下から、はみ出して彼の腕の上に、広がる。
さらり……
「あったかい」
彼女が呟く。
「徹さんの体温やっぱり、すごくあったかい」
「ゆめさんも温かいです」
「そう?」
「はい」
「よかった♡」
彼女の手が、彼の手を握る。
「ねえ」
「はい」
「このままもうちょっとだけ、こうしてたい」
「いいですよ」
「ありがとう」
第百十九章 最後の奉仕
しばらくの間、二人はそのままの体勢で、寄り添っていた。
ゆめの指が、徹の胸の上で時折、小さな円を描く。
くるくる、くるくる……
「……ねえ、徹さん」
「はい」
「私ね」
「はい」
「もっと、徹さんを気持ちよくさせたい」
「でも……」
「『でも』、じゃないよ」
彼女が、顔を上げる。
その瞳はもう、とろりと蕩けている。
「これが、最後の私の『お仕事』だから」
「ゆめさん……」
「だから」
彼女の手が、彼のベルトに触れる。
かちゃり。
金属の音が、静かな部屋に響く。
「もう一回だけ、お願いします」
徹はゆっくりと、うなずいた。
第百二十章 ナースの口づけ
ゆめの手がベルトを、ゆっくりと引き抜く。
ずるっ……
革が、ループを滑る音。
彼女はそれを、そっとベッドの脇に置いた。
「次は、ここ」
彼女の指が、スラックスのホックに触れる。
ぱちん。
一つ。
ぱちん。
二つ。
そしてファスナーが、下ろされる。
じーっ……
「お尻、浮かせて」
徹が、腰をわずかに、上げる。
ゆめの手がスラックスを、ゆっくりと下ろしていく。
ずるるるっ……
布地が、肌の上を滑る感覚。
太もも。
膝。
ふくらはぎ。
足首。
彼女はスラックスを、完全に抜き取ると丁寧に、折りたたんだ。
「徹さんの脚やっぱり、長いね」
彼女が呟く。
「鍛えてるから?」
「どうでしょう」
「そうだと思う」
彼女が微笑んで、たたんだスラックスをベルトの隣に置いた。
そして彼女の視線が、徹の中心に注がれる。
「……ここも脱がせて?」
徹が、うなずく。
ゆめの手がボクサーパンツのゴムに、かかる。
ぱちん、ぱちん。
そして、ゆっくりと、下ろされる。
ずるるるっ……
現れた。
「すごい」
彼女が、息を呑む。
「もう、こんなに準備万端」
「ゆめさんのせいです」
「え、なんで?」
「だってゆめさんが、こんなに」
「こんなに?」
「きれいだから」
「もう♡」
彼女の頬が、赤くなる。
「そんなこと言うと私、照れちゃう」
「照れなくていいです」
徹が言う。
「ゆめさんはもっと、照れていい」
「徹さん……」
彼女の瞳が、とろりと蕩ける。
「じゃあ、もっと照れずに、気持ちよくするね」
第百二十一章 天使の口づけ
ゆめの顔がそこに、近づく。
白いナースキャップが彼女の黒髪の上で、微かに揺れる。
「この格好で、これをするの初めてかも」
彼女が、いたずらっぽく笑う。
「なんか恥ずかしい」
「やめますか?」
「やめてほしくない」
彼女が首を振る。
「徹さんに見られてると思うとなんか、もっと」
「もっと?」
「頑張れる」
ちゅっ。
彼女の唇がそこに、キスを落とす。
「あっ……」
徹の体が、微かに震える。
「まだ、触れただけなのにもう、こんなに、反応するんだね」
「はい」
「よかった♡」
彼女の舌が先端を、そっとなぞる。
ぺろ……
「っ!」
徹の腰が、浮き上がる。
「だめだよ、逃げないで」
ゆめの手が、彼の腰を優しく、押さえる。
「私のペースに合わせてね」
彼女の口がそれを、深く含む。
じゅるっ……
「んんっ!」
徹の体が、大きく仰け反る。
彼女の舌が中で、動く。
ぐにゅ、ぐにゅ……
ちゅる、ちゅる……
「ゆめさん」
「んー?」
彼女が顔を離す。
その唇は唾液で濡れて、きらきらと輝いている。
「どうしたの?」
「すごく、気持ちいい」
「よかった♡」
彼女が微笑む。
「でも、まだこれからだよ」
第百二十二章 舌の旋律
ゆめの舌が再び、そこを這う。
今度は先端から、根本へ。
ぺろ、ぺろ、ぺろ……
じゅる、じゅる……
「あっあっ」
徹の声が、高くなる。
「ここ」
彼女の舌がカリの縁を、なぞる。
くるくる、くるくる……
「んんっ!」
徹の体が、激しく震える。
「そこ、すごく敏感?」
「はい」
「じゃあもっと、優しくね」
彼女の舌がその部分を、そっと撫でるように、這う。
ぺろ……ぺろ……
「あっあっ」
「気持ちいい?」
「はい。すごく」
「よかった♡」
彼女の口が再び、それを含む。
今度はさらに、深く。
じゅぽっ……
「んんっ!」
徹の体が、大きく弓なりになる。
彼女の舌が中で、さらに動く。
ぐにゅ、ぐにゅ、ぐにゅ……
ちゅる、ちゅる、ちゅる……
「ゆめさん!」
「んー?」
彼女が顔を離す。
その唇の端から銀の糸が、垂れる。
ぷつん。
「もう、イきそう?」
「はい」
「じゃあ」
彼女がいたずらっぽく笑う。
「もう少し、我慢してね」
第百二十三章 焦らしの技術
ゆめの口がそこから、離れる。
その代わりに彼女の手が、そこを優しく、包み込む。
ぐっ……
「あっ……」
徹の声が、漏れる。
「手のひら熱い」
「徹さんの熱だよ」
彼女が言う。
「こんなに、熱くて硬くて」
ずるっ、ずるっ、ずるっ……
彼女の手がゆっくりと、動き出す。
「この動き好き?」
「はい」
「よかった♡」
彼女の手の動きがさらに、優しく。
ずる……ずる……ずる……
「はあっはあっ」
徹の呼吸が、荒くなる。
「ゆめさん」
「んー?」
「それ」
「やめてほしい?」
「やめてほしくない」
「よかった」
彼女の手が止まる。
そして彼女の口が、再びそこに近づく。
ぺろ……
「あっ!」
徹の体が、びくんと反応する。
「さっきまでと違う?」
「はい」
「どう違う?」
「もっと、柔らかい」
「それが」
彼女が微笑む。
「『看護師』のテクニック」
第百二十四章 二つの刺激
ゆめの口が先端を、優しく含む。
じゅるっ……
同時に彼女の手が、根本を包み込む。
ぐっ……
「ああっ!」
徹の体が、大きく仰け反る。
「ゆめさん」
「んー?」
「それすごく」
「すごく?」
「気持ちいい」
「よかった♡」
彼女の口がさらに、深く。
じゅぽっ……
手がリズムを刻む。
ずるっ、ずるっ、ずるっ……
「あっあっ!」
徹の声が、叫びにも似た響きになる。
「ゆめさんもう」
「まだだよ」
彼女の声が、そこから響く。
「まだイっちゃ、だめ」
第百二十五章 限界の向こうへ
ゆめの口と手がさらに、加速する。
じゅぽっ、じゅぽっ、じゅぽっ……
ずるっ、ずるっ、ずるっ……
「ああっああっ!」
徹の声が、部屋中に響く。
換気扇の音さえもかき消されそうなほどに。
「ゆめさん!」
「いいよ」
彼女が言う。
「イっていいよ」
そして、彼の体が、大きくのけぞった。
第百二十六章 受け止める天使
どくん、どくん、どくん……
熱い塊が何度も、何度も放出される。
ゆめはそれを、すべて受け止めた。
口の中に。
喉の奥に。
ごくん、ごくん、ごくん……
彼女の喉が、飲み込むたびに動く。
一つ。
二つ。
三つ。
五つ。
七つ。
「……」
十秒。
二十秒。
ようやく、動きが収まった。
ゆめはゆっくりと、顔を上げた。
その口元はわずかに濡れていて、それでいてどこか満足げな笑みを浮かべている。
「すごい量」
彼女が呟く。
「びっくりしちゃった」
「すみません」
「謝らないで」
ゆめが首を振る。
「私がお願いしたんだから」
第百二十七章 お掃除天使
「でも、まだ終わってないよ」
彼女の指が、そこをそっと、撫でる。
つう……
「まだここに、残ってる」
「もう、いいですよ」
「いいえ」
ゆめが首を振る。
「私最後まで、やりたいの」
彼女の顔が、再びそこに近づく。
ぺろ……
「あっ」
徹の体が、微かに震える。
「まだそんなに、敏感?」
「はい」
「よかった」
彼女の舌がそこを、優しく、丁寧に拭うように、這う。
ぺろ、ぺろ、ぺろ……
ちゅる、ちゅる……
「んっんっ」
徹の声が、途切れ途切れに漏れる。
「ゆめさん」
「んー?」
「ありがとう」
「……」
ゆめの動きが、一瞬止まる。
「どういたしまして」
彼女の声は、少しだけ震えていた。
ぺろ……
ちゅっ。
「終わり」
彼女が顔を上げる。
その目は少しだけ、潤んでいるように見えた。
「ごちそうさまでした」
第百二十八章 着替えと、その姿
「じゃあ、今度は私が、着替えるね」
ゆめが、ベッドから立ち上がる。
その淡いピンクのナースユニフォームが、照明の光を受けてふわり、と揺れる。
「徹さん見ないでね」
彼女がいたずらっぽく言う。
「え、なんで?」
「だって脱ぐところ、見られるの恥ずかしいから」
「さっきまで全部、見てたのに」
「もう♡ それはそれ。これはこれ」
彼女が、背を向ける。
その背中のホックに、手をかける。
ぱちん。
一つ。
ぱちん。
二つ。
ぱちん。
三つ。
ユニフォームが、彼女の体から滑り落ちる。
さらり……
その一瞬彼女の白い背中が露わになる。
しかしすぐに、彼女は自分のベージュのワンピースを、手に取った。
「着せるよ」
徹が言う。
「え?」
「さっきゆめさんが、私のボタンを留めてくれたからそのお返し」
「徹さん……」
彼女が微笑む。
「優しいね」
徹がワンピースを、ひろげる。
ゆめがそれに、腕を通す。
するり……
布地が、彼女の肌の上を滑る。
肩。
胸。
腰。
そして、徹の指が背中のファスナーに触れる。
じーっ……
ゆっくりと、上がっていく。
「できました」
「ありがとう♡」
ゆめが振り返る。
その姿はもう、最初に会ったときの清楚で、それでいてどこか色っぽいあの女性に、戻っていた。
「どう?」
彼女が、くるりとその場で一回転する。
スカートの裾が、ひらりと舞い上がる。
「やっぱりきれいです」
「本当?」
「本当です」
「よかった♡」
彼女が、嬉しそうに微笑む。
第百二十九章 LINEの交換
「ねえ、徹さん」
ゆめが、ベッドの脇の小さなテーブルから自分のスマートフォンを、手に取る。
ぴっ。
画面が光る。
「LINE交換しない?」
「いいんですか?」
「うん。だって」
彼女がいたずらっぽく笑う。
「次、予約するとき便利でしょ?」
「そうですね」
「それに」
彼女の声が、少しだけ甘くなる。
「徹さんとお話ししたいし」
徹も自分のスマートフォンを、取り出す。
ぴっ。
「はい、これ」
ゆめが、QRコードを表示する。
徹がそれを、読み取る。
ぴこん。
「はい、送信完了」
「よかった♡」
ゆめが、自分のスマートフォンを見つめる。
画面には『とおる』という名前が表示されている。
「これ、徹さんの本名?」
「はい」
「かっこいいね」
「ありがとうございます」
「いえいえ」
彼女が、嬉しそうにスマートフォンを、テーブルに置く。
「これでいつでも、連絡できるね」
「そうですね」
「うん。だから」
彼女の手が、彼の手を握る。
「寂しくない」
第百三十章 デートの約束
「ねえ、徹さん」
「はい」
「今度お店じゃなくて外で、会わない?」
「……え?」
徹が、驚いたように彼女の顔を見る。
「デートしようよ」
ゆめが、照れくさそうに笑う。
「私徹さんと、もっと話したい」
「でも……」
「『でも』、じゃないよ」
彼女が、ぷくっと頬を膨らませる。
「徹さん私のこと嫌い?」
「そんなわけないです」
「じゃあいいでしょ?」
「……」
徹は一瞬、考えた。
そして、ゆっくりと、うなずいた。
「わかりました」
「よかった♡」
彼女の顔が、ぱあっと輝く。
「じゃあいつがいい?」
「そうですね……来週の日曜日、空いてますか?」
「うん。空いてる♡」
「じゃあ、日曜日に」
「うん。どこで待ち合わせる?」
「そうですね……」
徹が考える。
「新宿のアルタ前、とか?」
「いいね♡ わかった」
彼女が、嬉しそうにうなずく。
「何時にする?」
「午前11時くらいで、どうですか?」
「うん。大丈夫♡」
「じゃあ、そういうことで」
「うん。約束ね♡」
彼女の小指が彼の小指に、絡まる。
ちゅるり。
「指切りげんまん嘘ついたら……」
「針飲ます?」
「違うよ」
彼女が笑う。
「『デート、行けなくなる』だよ」
「それはこわい」
「でしょ?」
彼女がいたずらっぽく笑う。
「だから絶対に、来てね」
「はい。約束します」
第百三十一章 デートの内容
「ねえ、デートで何する?」
ゆめが、目をキラキラさせながら尋ねる。
「そうですね……ゆめさんは何がしたいですか?」
「私」
彼女が、考えるような仕草をする。
「水族館!」
「水族館?」
「うん。イルカのショー見たい」
「いいですね」
「それでね」
彼女が、楽しそうに話し続ける。
「そのあと、ご飯食べて」
「はい」
「映画見て」
「はい」
「それで」
彼女の声が、少しだけ甘くなる。
「カラオケ行きたい」
「カラオケ?」
「うん。徹さんの歌、聞きたい」
「私は音痴ですよ」
「うそ」
彼女が、ぷくっと頬を膨らませる。
「徹さんは何でも、できそうなのに」
「それはゆめさんのイメージです」
「でもそのイメージ外したくないな」
彼女がいたずらっぽく笑う。
「だから練習してきてね」
「わかりました。練習します」
「よかった♡」
彼女が、嬉しそうに彼の腕を、ぎゅっと抱きしめる。
第百三十二章 夢の続き
「ねえ、徹さん」
「はい」
「私ねデートの前の日きっと、眠れなくなる」
「そうなんですか?」
「うん。だって」
彼女の瞳が、優しく細められる。
「徹さんに会えるんだもん」
「……」
「徹さんは?」
「私もきっと、眠れないです」
「本当?」
「本当です」
「よかった♡」
彼女が、彼の胸に顔を埋める。
「一緒に眠れないね」
「そうですね」
「でも」
彼女が顔を上げる。
「デートの前の日は早く寝るね」
「え、なんで?」
「だって徹さんに『くま』って、思われたくないから」
「ゆめさんはくまなんて、できませんよ」
「本当?」
「本当です」
「よかった♡」
彼女が、嬉しそうに微笑む。
「じゃあ徹さんも早く寝てね」
「はい」
「そして」
彼女の手が、彼の手を握る。
「元気な徹さんに会いたい」
第百三十三章 時間の終わり
ピピピッ……ピピピッ……
再びアラームが、静かな部屋に響いた。
ゆめが、びくんと体を震わせる。
「もう、こんな時間」
彼女が、寂しげに呟く。
「徹さんもう、行かなきゃ」
「そうですね」
徹がゆっくりと、体を起こす。
ゆめもそれに倣って、起き上がる。
「靴履かせてあげる」
彼女が、ベッドの下に置かれた、彼の革靴を手に取る。
「いいですよ、自分で」
「いいの」
彼女が首を振る。
「私やりたいの」
徹がベッドの端に、腰を下ろす。
ゆめが彼の前に、しゃがみ込む。
その白くて細い指が、靴のかかとを優しく、持ち上げる。
「足、入れて」
徹が足を、靴の中に滑り込ませる。
するり。
ゆめの指が靴紐を、優しく結ぶ。
「これでよし♡」
彼女が、顔を上げる。
その瞳は少しだけ、潤んでいる。
「ありがとうございます」
「いえいえ」
彼女が立ち上がる。
「じゃあ行こっか」
第百三十四章 廊下で
ゆめがドアを、開ける。
がちゃり。
廊下に出る。
薄暗い照明が、二人の影をぼんやりと、浮かび上がらせる。
「寒くない?」
ゆめが尋ねる。
「大丈夫です」
「よかった」
彼女の手が彼の手を、握る。
その手はひんやりと、していてでも、すぐに温かくなる。
「徹さん」
「はい」
「楽しかった?」
「はい。今までで一番」
「本当?」
「本当です」
「よかった♡」
彼女が、嬉しそうに微笑む。
「私もすごく、楽しかった」
「そうなんですか?」
「うん。だって」
彼女の手が、彼の手をぎゅっと、握る。
「徹さんといっぱい、話せたし」
「……」
「いっぱい気持ちよくなれたし」
「……」
「いっぱい好きって、思えたし」
「ゆめさん……」
徹が立ち止まる。
ゆめもそれに倣って、止まる。
「私もゆめさんのこと」
「言わなくていい」
彼女の指が、彼の唇に触れる。
「わかってるから」
「……」
「だから」
彼女の顔が、近づく。
ちゅっ。
彼の頬にキスが、落とされた。
「ありがとう」
第百三十五章 階段の上で
二人は階段の、前に立っていた。
コンクリートの階段は相変わらず、急で足元の豆電球が、ぼんやりと薄暗い空間を照らしている。
「ここで、お別れ」
ゆめが言う。
「寂しいな」
「私もです」
「うん」
彼女の手が彼の手を、離す。
離した、その瞬間。
「でも」
彼女が再び、彼の手を握る。
「もう一回キス、していい?」
「もちろん」
徹が彼女の顔に、両手を添える。
その頬は温かくて、そして少しだけ、濡れていた。
ちゅっ。
最初は触れるか触れないかの、蜻蛉の羽のようなキス。
しかしすぐに、それは深まっていく。
ちゅ、ちゅ、ちゅ……
ゆめの唇が、徹の唇を優しく挟む。
ぷに、ぷに……
「ん……」
彼女の喉が、微かに鳴る。
徹の舌が彼女の唇の隙間をなぞる。
ぺろ……
ゆめの唇が、自然と開かれる。
中に侵入した。
じゅるっ……
彼女の舌が、徹の舌を迎え入れる。
絡み合う。
ちゅる、ちゅる、ちゅる……
「んっんっ♡」
ゆめの吐息が、口の中に流れ込んでくる。
唾液が混ざり合う。
じゅぱっ、じゅぱっ……
「はあっ」
一度、唇を離す。
銀の糸が、二人の間で切れる。
ぷつん。
「徹さん」
「はい」
「大好き」
その言葉が薄暗い階段に、甘く響いた。
第百三十六章 見送り
「じゃあ行ってきます」
徹が階段を、一段上がる。
こつん。
革靴の音が、コンクリートに乾いた音を立てる。
「徹さん」
ゆめの声が後ろから、届く。
徹が振り返る。
そこには彼女が立っていた。
薄暗い照明の中で彼女の黒髪が、艶やかに輝いている。
その姿はまるで、漆黒の天使が彼を見送っているかのように。
美しく。
そしてはかなく。
「次は日曜日」
彼女が言う。
「新宿のアルタ前。午前11時」
「はい。覚えてます」
「絶対に来てね」
「約束します」
「よかった♡」
彼女が、嬉しそうに微笑む。
「じゃあまたね」
「またね、ゆめさん」
徹がもう一段、上がる。
こつん。
「徹さん!」
もう一度彼女の声。
徹が再び、振り返る。
ゆめが両手を、大きく振っている。
その顔には涙の跡は、ない。
ただ満ち足りた幸せそうな笑顔。
「大好きだよ!」
その言葉が薄暗い階段に、こだまする。
徹は笑って手を、振り返した。
こつん、こつん、こつん……
階段を上がる音が、遠ざかっていく。
ゆめはそれが、完全に聞こえなくなるまでその場に、立っていた。
第百三十七章 後日待ち合わせ
日曜日。
午前10時50分。
新宿・アルタ前。
人ごみの中に徹は、立っていた。
ジャケットは今日は、紺色のブレザー。中は、白のワイシャツ。下はベージュのチノパン。
カジュアルだけれどそれでいて、どこか品がある。
「まだ、来てないかな」
彼がスマートフォンを、見る。
ぴっ。
画面にはゆめとのLINEのトーク画面。
最後のメッセージは昨夜の、彼女のもの。
『徹さん♡ 明日、楽しみにしてるね。早く寝るね。おやすみ〜♡』
徹はそれを見て、思わず笑ってしまう。
「あっ」
突然、声がした。
ぱたぱたぱた……
走る足音。
徹が顔を上げる。
そこには彼女がいた。
ゆめ。
今日の彼女はお店のときとは、違う。
ベージュのトレンチコート。その下から覗く白のニットワンピース。足元はブラウンのショートブーツ。
黒髪は今日は、後ろでゆるく、まとめられている。
それが、彼女のまた違った魅力を、引き出していた。
清楚で。
上品で。
それでいてどこか、あどけない。
「徹さん!」
彼女が彼の前に、立つ。
少しだけ息を切らせて。
「待った?」
「いいえ。今、来たところです」
「よかった♡」
彼女が、嬉しそうに微笑む。
「今日よろしくね」
「こちらこそ」
「じゃあ」
彼女の手が彼の腕に、そっと触れる。
そしてぎゅっと、抱きしめるように絡める。
「行こっか」
「はい」
二人は歩き出した。
新宿の人ごみの中へ。
その姿はまるで、長い間お互いを探し続けていた恋人たちのように。
自然で。
優しく。
そして確かに愛おしげだった。
第百三十八章 デートの始まり
「ねえ、徹さん」
「はい」
「今日どこから行く?」
「そうですね……」
徹が考える。
「まずは水族館、ですかね」
「いいね♡」
ゆめが、嬉しそうに彼の腕を、ぎゅっと抱きしめる。
「私イルカ、大好きなんだ」
「そうなんですか」
「うん。ずっと見てるとなんか、癒やされる」
「ゆめさんイルカに、似てますね」
「え、なんで?」
「だって」
徹が微笑む。
「賢くて優しくて可愛いから」
「もう♡」
彼女の頬が、赤くなる。
「そんなこと言うと私照れちゃう」
「照れなくていいです」
「じゃあ」
彼女がいたずらっぽく笑う。
「照れずにイルカさん、見に行こっか」
「はい」
二人は歩きながら、時折お互いの顔を見合わせる。
そのたびにゆめの頬が、ほんのりと赤らむ。
そのたびに徹の胸が、ぎゅっと温かくなる。
これが、二人の最初のデート。
お店の中では決して見られなかった『素』の姿で。
そしてこれから、長く続くであろう二人の物語の始まりだった。
(了)
【注意書き】
本作品は完全なフィクションであり、登場する人物・団体・店舗名などはすべて架空のものです。実在する人物、団体、施設などとは一切関係ありません。
本作中に登場する性的描写は、すべて作中の登場人物間の合意に基づく架空のものであり、現実における「不同意性交等罪(刑法第177条以下)」に該当する行為を助長・推奨するものではありません。現実の性的行為においては、相手方の明確な同意がない行為は犯罪となり得ますので、ご注意ください。
また、売春防止法は、売春(対価を得て、または対価を得る約束で、不特定の相手方と性交すること)及びその斡旋等を禁止しています。本作品はあくまで創作物であり、実際の売春行為やその斡旋を推奨・助長するものではありません。
読者ならびに視聴者の皆様におかれましては、これらの法的規範を遵守し、現実の行動においては法令に従って行動されるようお願いいたします。
