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世界中の日本企業の拠点が、子どもたちの教室になったら

前回のつぶやきで、「民でできることは、民でやる」と書いた。

NTTが、自社の使われていない地下のパイプラインを使って、水素インフラを日本に作ろうとしている。

「他に、どんなことができるだろうか」
書き終えた後、ふと、思った。

自分が連載でつぶやいてきたテーマの一つに、「子どもたちの海外チャレンジ」というのがあった。

アメリカの高校で過ごした自分の経験を書き、その時に見た「別の評価軸」を、もっと多くの日本の若者にも見せてあげたい、と書いた。

これも、民間企業のアセットを使えば、もっと進められるんじゃないか。

すでに動いている、立派なプログラムがあった。
「トビタテ!留学JAPAN」。

2014年から始まった官民協働プログラムで、奨学金の原資はすべて民間企業からの寄付で賄われているという。

これまでに1万人以上の高校生・大学生が、このプログラムで海外に飛び出している。

パナソニック、ソニー、トヨタ、JR東海――日本を代表する企業が、ずらりと支援企業に名を連ねている。
これは、いい取り組みだと思う。

民間企業のお金を集めて、若者の海外挑戦を支援する。まさに「民の力」の発露だ。

ただ、もう一つ思った。

民間企業が持っているアセットは、お金だけではないのではないか。

日本企業は、世界中に拠点を持っている。
工場、販売店、研究所、支店、駐在員。
モノを売り、モノを作るために、長い年月をかけて世界に網を張ってきた

例えば、衣食住、そして移動。
留学生にとって、生活そのものを支える、もっとも基本的な部分だ。
これらを、日本企業のアセットで支えられないだろうか。

食は、商社
食材の輸入を手がけている総合商社が、現地で日本の食材を留学生に届ける。慣れない土地で、たまに食べる日本のお米と味噌汁。それだけで、ホームシックの何割かは救われる気がする。

衣は、アパレル
ユニクロのような、世界中に店舗を展開しているブランドが、留学生に必要な衣類を提供する。

住は、デベロッパー
海外に物件を持つ大手デベロッパーが、留学生の住まいを提供する。安全な住環境は、海外で挑戦する若者の最大のセーフティネットだ。

移動は、自動車会社
現地の販売店ネットワークを使って、留学生の移動をサポートする。週末の移動、空港送迎、緊急時の対応――現地に張り巡らされたディーラー網は、若者にとって心強い味方になるはずだ。

こういう「現地で本物の社会と触れる機会」を、企業のアセットを使って提供する。
それは、お金とはまた別の、もう一段深い支援になるんじゃないか。

これは民間企業にとっても、悪い話ではないはずだ。
子どもたちと、その親が、応援団になってくれるからだ。

「うちの子、トヨタさんの現地スタッフにすごくお世話になったんです」「商社の駐在員さんが、留学中ずっとメンターになってくれたんです」――そんな経験は、家族の中で何十年も語り継がれる。

これは広告では絶対に買えない、信頼の絆だ。
企業にとっても、社会にとっても、ウィンウィンの関係になれるのではないだろうか。

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