数字で見たら、愛知が”ちょっとした国”だった話
ふと、「愛知って、どんな県なんだろう」と思ったので調べてみた話。
モノづくり、47年連続日本一
愛知県の年間の製造品出荷額は、約58兆円(2023年)。日本全体の約15.5%を、愛知一県で叩き出している。
驚くのは、2位との差である。
2位の静岡県は、約20兆円。愛知は、その3倍近い。
トヨタグループを筆頭に、日本の「手で作るもの」のかなりの部分が、この一県に集まっている。
1人当たり県民所得、全国2位
愛知の1人当たり県民所得は、約382万円。
1位は東京都だが、2位は2011年以降、ずっと愛知が守り続けている。
東京は金融や本社機能が集中しているから、ある意味当然である。
ただ、その東京に次ぐ豊かさを、東京から離れた愛知が保っているのは、なかなかすごい話だ。
ランキングを見ると、製造業が強い県が上位を占めているのは、意外な事実だった
地方交付税の不交付団体、全国最多
全国の市町村のうち、自分たちの税収だけで運営できる「不交付団体」というのがある。
国から地方交付税の配分を受けずに、自前で財政を回せる、強い自治体のことだ。
2025年度、全国の不交付団体は84団体。
そのうち、20団体が愛知県内である。
つまり、全国の不交付団体の、約4分の1が愛知にある、ということだ。
岡崎市、刈谷市、豊田市、安城市、小牧市、東海市、大府市、高浜市、日進市、田原市、みよし市、長久手市――
名前を並べてみると、ほとんどが製造業の街だ。
ここに住む人たちが、毎日、工場で、研究所で、設計現場で、汗を流して何かを作っている。
その積み重ねが、自治体の財政まで支えている。
そして、もう一つ。意外な数字。
人口動態の話である。
出生数、全国4位。
愛知の年間の出生数は、約4万5,500人(2024年)。
東京都、大阪府、神奈川県に次ぐ、堂々の4位。
人口千人当たりの出生率も、全国4位である(沖縄、滋賀、福岡に次ぐ)。
15歳未満の年少人口の割合は、全国7位(13.0%)。
65歳以上の老年人口の割合は、全国で少ない方から3番目(25.3%、東京・沖縄に次ぐ若さ)。
つまり、愛知は子どもが多くて、お年寄りが(相対的に)少ない、若い県である。
「日本は超高齢社会」と言われて久しいが、愛知に限っては、まだしっかりと若い世代が層をなしている。
外国人数、全国2位
愛知に住む外国人は、約25万9,000人。
これも、私には意外な数字だった。1位の東京都に次ぐ2位で、世界中から多くの人がこの愛知に集まり、暮らしているということだ。
ここで一度、愛知の数字を整理してみる。
・モノづくりの規模:日本一(47年連続)
・1人当たり所得:全国2位
・自前で財政を回せる自治体:全国最多
・出生数:全国4位
・年少人口比率:全国7位
・外国人数:全国2位
お金が回り、子どもが生まれ、若い世代が多い。
これって、いまの日本のあちこちで「できなくなりつつあること」が、愛知では今もちゃんと回っている、ということではないだろうか。
そして、その全部の根っこに、たぶん、モノづくりの強さがある。
工場があるから、雇用がある。
雇用があるから、給料が出る。
給料が出るから、人が住み、家族をつくり、子どもが生まれる。
税収があるから、自治体が強い。
強い自治体だから、子育て支援も充実できる。
これらが、ぐるぐると、好循環として回っている。
人が生きていくのに必要な”モノ”は、どこかで誰かが、現場で手を動かして作らないといけない。
その当たり前を、愛知は、47年間、ぶれずに守り続けてきたということか。
