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【骨折祈願】骨を絶たせて肉を得る

「子どもの頃って、骨折してギプス付けるの憧れなかったですか?」

とある地方都市にある小学校の職員室。
授業中の空き時間だろうか。室内に残っている教師は年若い二人だけであった。

「分かります。松葉杖とか眼帯もちょっと格好良かった」

中二病と呼ぶには無邪気なあの感覚。心配されて注目を浴び、ちやほやされるのが羨ましかったのだろうか。

「不便ではあるけど、完治すれば後遺症とか無さそうな所も良いよね」
「子どもってそういうとこ現実的ですよね」

うっかり神経まで傷付けたら麻痺が残る可能性もあるが、子どもの知識ではそこまで思い至らないものである。
だから、と八雲先生は三角巾に吊られた右手を撫でながら微笑んだ。

「私今、クラスの人気者なので。そもそも音羽先生のせいでもないので、あまり気に病まないでくださいね」
「……貴方元から人気者だったでしょ」

端正な顔を罪悪感と自己嫌悪で歪める同僚に、こっそりと笑みが深まる。
この反応、骨折り損ではなさそうだ。



こちら参加させて頂きました。(本文410字)

今回は恋愛ものと言い張ってみる。

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