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satuki_s
【毎週ショートショートnote】スランププラス #文学茶釜
「魔法のランプより文学茶釜が欲しい」
文芸部の机に突っ伏した先輩は、唸るように呟いた。転がり落ちたシャーペンが物悲しい音をあげる。
「湯が沸くようにアイデアがポンポコ湧き出てくるひみつ道具が欲しい」
「どこの未来ロボットですか」
拾い上げた無印のシャーペンは、宇宙船にも毒林檎にも成れるぼくらの剣だ。
「てか、道具に頼って出てきたアイデアで書いた小説で満足出来ますか」
「急にAI賛否みたいな話になるし」
「もっとアナログな方向でも無くはないですよ。ゴーストライターって言うんですけど」
「駄目じゃん。AIはグレーだとしてもそっちは黒だよ」
あ、スランプに陥った大作家とゴーストライターを持ちかける若手作家の話とか良いかも。
良心の呵責と真実が露見することへの恐怖、若手作家への不信感。
若手の動機によってはミステリーでもラブストーリーでも行けるなこれ。ホラーや大正浪漫も合いそう。
「私にとっては先輩が文学茶釜ですね」
「だれがたぬきだって?」
こちら参加させて頂きました。(本文410字)
作中のネタは「開花アパートメントやんけ!」とセルフツッコミして没になったやつ。(自分から持ちかけてはいない)好きです大正浪漫。
