【NTT(9432)】年初来安値で利回り3.7%。下落局面の「買い方」を初心者向けに解説
「NISAで大人気だったNTT、気づけばずっと下がってる。これって買い時?それとも、まだ落ちる?」
そう思って検索してきた、あなたへ。私もNTTを6,000株持っていて、正直いま少し含み損です。


だからこそ、いい所だけでなく
「なぜ下がっているのか」
「財務は大丈夫か」
まで、数字を見ながら正直に書きます。
この記事を読むと、NTTの稼ぎ方・強み・弱点と、長期・高配当の目線での“下げ相場の買い方”が分かります。
✅ 結論の先出し(この記事の要点)
NTT(9432)の株価は144.3円。
これは**本日が「年初来安値」**を更新する水準で、年初来高値161.2円から約1割(およそ10%)下げています(数値は2026年6月26日時点)。下落の一番の理由は、私が見るに**「大きな買収を“借金”でやって、財務の重さが増したこと」+「金利の上昇」**です。
ただし、配当利回りは約3.74%、PER(株価が利益の何年分かの“ものさし”)は約12倍と、株価は割安な方に入ってきました。
アナリストの目標株価も今より上(約172〜175円)に置かれています。だから私は、底を当てにいくのではなく「利回りを基準に・何回かに分けて」買うつもりです(※あくまで個人の見解です)。
それでは、順番に見ていきましょう。
こちらの記事を読む前過去の記事もどうぞ!
① どんな会社か ― “日本の通信インフラの大家さん”
NTT(正式名称は2025年7月から「NTT株式会社」。
もとの「日本電信電話」から商号変更しました)は、日本の通信インフラを支える最大手グループです。
イメージしやすく言うと、NTTは
「日本中に張りめぐらせた通信網という“土地”を持つ大家さん」
のような存在です。
スマホ(NTTドコモ)、家の光回線(NTT東日本・西日本)
企業のシステム(NTTデータ)私たちの生活と仕事の“通信”の多くが、どこかでNTTにつながっています。
会社の規模を示す時価総額(会社全体の値段)は約13.6兆円。
日本を代表する超巨大企業のひとつです。
NTTグループは、大きく4つの事業に分かれています
(カッコ内は中心となる会社)。

総合ICT事業(NTTドコモ)…スマホ、決済・金融、法人向け通信
グローバル・ソリューション事業(NTTデータ)…企業のシステム開発、データセンター、AI
地域通信事業(NTT東日本・西日本)…家庭・企業の光回線、固定電話
その他…不動産、エネルギーなど
「通信会社」と聞くとスマホだけを想像しがちですが
実際は“通信+IT+金融+不動産”の複合企業になっています。
ここが、後で出てくる「成長の話」と「下落の話」の両方につながってきます。
② どこで儲けているか ― 稼ぎ頭は「ドコモ」、伸び頭は「データセンター」
NTTが「何を売って、誰からお金をもらっているか」を、事業ごとの売上(外部のお客さまからの収入)で見てみましょう(2026年3月期・決算短信より。合計で営業収益 約14.4兆円)。
総合ICT事業(ドコモ):約6.1兆円
私たちが毎月払うスマホ代、決済、法人向け通信グローバル事業(NTTデータ):約4.8兆円
企業からのシステム開発・データセンター利用料地域通信事業(NTT東西):約2.6兆円
家庭・企業の光回線、固定電話その他:約1.0兆円
不動産、エネルギーなど
つまりNTTは、「個人のスマホ代」と「企業のIT投資」の両方からお金をもらう会社です。
景気が多少悪くても、スマホも会社のシステムも急にゼロにはなりません。
この**“ふだん使いの収入”の安定感**が、NTTの土台です。
ここで大事なポイントがひとつ。
「稼ぎ頭」と「伸び頭」が、いま入れ替わりつつあることです。
事業ごとの“もうけ(営業利益)”を前の年と比べると、こうなっています。
ドコモ(総合ICT)
約9,420億円(前年から約8%減) ← 一番大きいが、減っているNTTデータ(グローバル)
約4,882億円(前年から+50.7%) ← 大きく伸びたNTT東西(地域通信)
約3,074億円(+4.0%)その他:わずかに赤字

長年の稼ぎ頭だったドコモの利益が減り、代わりにデータセンターやAIを担うNTTデータが急成長して、グループ全体を支えた
これが今のNTTの“稼ぎの構造”です。
後で見る「成長性」の鍵もここにあります。
③ 強み・競合優位性(モート) ― マネしにくい“堀”が4つ
他社がマネしにくい強みを、投資の世界では**「モート(moat=お城のまわりの堀)」**と呼びます。
NTTの堀は、私は4つあると考えています。
全国の通信インフラ
日本中に張った通信網は、新しい会社が一から作るのはほぼ不可能。
これ自体が巨大な参入障壁です。「NTT」という信頼ブランド
通信は「つながって当たり前」が命。
災害時の復旧力も含め、長年の信頼は一朝一夕にはマネできません。巨大なデータセンター網
NTTグループのデータセンターは世界で第3位、国内では第1位の規模(総受電容量 約2,000MW)。
AI時代に世界中が取り合う“デジタルの土地”を、すでに大量に押さえています。研究開発力(IOWNなど)
電気の代わりに光で情報を運ぶ次世代技術「IOWN(アイオン)」など、世界に先んじた技術を持っています。
「インフラ × ブランド × データセンター × 技術」。この4つが重なっているのが、NTTの“深い堀”だと私は考えています。

④ 業績・財務の健康診断 ― “稼ぐ力は安定、でも借金が増えた”
会社の状態を、人間の健康診断に例えてみます(数値は決算短信・四季報より)。
まず、利益の推移(当社に帰属する当期利益=最終的なもうけ)。
2024年3月期:約1兆2,795億円(過去最高クラス)
2025年3月期:約1兆 16億円(前年から約2割減)
2026年3月期:約1兆 370億円(+3.7%)
2027年3月期(会社予想):約9,800億円(−5.5%)

ポイントは、最終利益が「1兆円前後で、ほぼ横ばい〜やや減る見込み」だということ。
一方で売上(営業収益)は約14.4兆円まで伸びています。
「売上は伸びるが、利益は伸び悩んでいる」——これが、株価が上がりにくい一因だと私は見ています。
次に、効率と体力の数字です。
ROE(自己資本利益率=株主のお金をどれだけ上手に増やしたか)約10.4%。1兆円企業として、まずまず良好です。
自己資本比率(“骨の丈夫さ”=総資産のうち自前のお金の割合):20.8%。ここが要注意。前の年は34.0%だったのが、1年で大きく下がりました。
なぜ骨が細くなったのか。答えは**「大きな買収を、借金でやったから」**です。
NTTはこの1年で
NTTデータグループを完全子会社化(約1.35兆円で買い取り)
住信SBIネット銀行を子会社化(約0.42兆円)
を実施しました。
その資金を主に借入でまかなった結果、有利子負債(借金)は約10兆円から約15.7兆円へ、5.7兆円も増えました。
健康診断でたとえるなら、「稼ぐ力(ROE)は健康。ただし“借金というおもり”を一気に5.7兆円ぶん背負った状態」。
この“おもり”が、次のバリュエーションとリスクの話に効いてきます。
⑤ 成長性 ― 伸びしろは「AI・データセンター・金融」
「利益は横ばい」と書きましたが、未来の伸びしろはちゃんとあります。
NTTが力を入れているのは、次の3つです。
データセンター × AI:世界No.3のデータセンター網を、2030年度までに今の1.5倍(3,000MW)へ拡張予定。生成AIの普及で、データセンターは世界中で奪い合いです。ここはNTTの最大の成長エンジン。
金融事業:住信SBIネット銀行を傘下に入れ、「dカード」「d払い」とあわせて、ドコモ経済圏の金融を強化中。スマホと金融をつなげて稼ぐ狙いです。
次世代技術IOWN:光で消費電力を大きく下げる独自技術。AI時代の“省エネ”は世界の課題で、ここで先行できれば大きな武器になります。
そして今回の切り口、「株価下落・購入タイミング」。
状況を正直にまとめます。
NTTの株価は、年初来高値161.2円から本日の142.6円まで、年初来安値を更新してきました(3ヶ月で約9%下落)。
「人気だったのに、なぜ下がり続けるのか」と不安になる気持ちは、保有者の私もよく分かります。
では、長期・高配当の人は、この下げ相場で“どう動けばいいのか”。
その具体的な考え方(私の買い方・利回りの基準・目標株価の見方)は、この後の有料パートで全部書きます。
⑥ バリュエーション ― 今の株価は割安?割高?
株価が高いか安いかを測る“ものさし”を、3つだけ(数値は2026年6月26日・27年3月期予想ベース)。
PER(株価収益率)=株価が「1株あたり利益の何年分か」:NTTは約12倍。日本株の平均(おおむね15倍前後)より低く、割安な方に入ります。
PBR(株価純資産倍率)=株価が「会社の純資産の何倍か」:NTTは約1.21倍。1倍に近く、こちらも割高ではありません。
配当利回り=株価に対して年いくら配当がもらえるか:約3.74%。1株あたり配当は2027年3月期で5.4円の予想で、増配が続いています。
参考までに、証券会社のデータ画面では、NTTの**「割安性スコアは7.0(業界平均6.1)」と、平均より割安と評価されています。
アナリストの目標株価(コンセンサス)は約172〜175円で、今の株価(144円台)より2割ほど上**に置かれています(SBI証券の投資判断も「買い」)。
同業3社で“ものさし”をくらべてみる
NTTが本当に割安かどうかは、ライバルと並べると見えてきます。
日本の通信大手3社(NTT・KDDI・ソフトバンク)を、同じものさしで比べてみましょう。

※基準日:NTTは2026年6月26日、KDDI・ソフトバンクは2026年6月25〜26日時点の各社データ。株価・指標は日々変わります。
ここから言えることは、3つあります。
「純資産に対する割安さ(PBR)」では、NTTが3社で最も低い(=最も割安)
PER(利益に対する割安さ)でも、ソフトバンク(約17倍)よりNTT(約12倍)の方が低い。数字の上では、NTTは“通信大手の中でも割安”な位置にいます。配当利回りは、NTTは“真ん中”
最も高いのはソフトバンク(約4.3%)ですが、その代わりPBR3.3倍・PER17倍と割高で、しかもソフトバンクも今、年初来安値をつけています。
つまり「下げているのはNTTだけではなく、通信セクター全体が軟調」というのが実情です。ただし、NTTの“割安さ”は、④や⑦で見る「借金の重さ・利益の伸び悩み」とセットです。
割安=無条件にお得、ではない。ここを混同しないことが大事だと私は考えています。
つまり、数字の上では「株価は下げて、割安な方に入ってきた」。
これは事実です。
ただし——“割安”には必ず理由があります。
良いことばかりではありません。**NTT特有のリスク(財務・金利・競争)と、それを踏まえた「私の具体的な買い方」**を、ここから正直に書いていきます。
<ここから先で分かること>
なぜ今NTTが下げているのか、“割安の裏にあるリスク”の正体(財務・金利・競争を具体的に)
株価下落局面で、私が実際にやっている**「下げ相場の買い方」3ステップ**
アナリストの目標株価(172〜175円)を、初心者がどう受け止めればいいか
利回り何%を“買いの目安”にするか、私自身の基準
6,000株を持つ私の、**NISA・再投資・分散の“持ち方”**と、結論(どんな人に向く銘柄か)
無料パートだけでも「NTTがどんな会社か・なぜ下げたか・割安かどうか」は分かるように書きました。
ここから先は、**
「で、結局どう買えばいいの?」
という“いちばん知りたい核心”**です。
⑦ リスク・弱点 ― “割安の理由”を、具体的に4つ
株価が割安に見えるのには、必ず理由があります。NTTの弱点を、はっきり書きます。

リスク1|借金が増え、金利上昇が“重し”になっている(最重要)
ここが今回いちばん大事です。
④で見たとおり、NTTは大型買収のために有利子負債を約10兆円→約15.7兆円へ増やしました。
その結果
自己資本比率:34.0% → **20.8%**へ低下
支払利息:約1,490億円 → 約2,266億円へ増加(1年で約5割増)
日本は今、長く続いたゼロ金利から金利が上がる局面に入っています。
借金が多い会社にとって、金利上昇は利払いがそのまま重くなる逆風です。
証券会社の**「財務健全性スコア」は2.0(業界平均5.4)**と低めに評価されており、市場もここを気にしています。
私は、最近の株価下落の主因はこれだと考えています。
リスク2|利益が伸び悩んでいる
売上は伸びても、最終利益は1兆円前後で横ばい。
2027年3月期の会社予想は前年より約5.5%の減益です。
「大きく増益していく」ストーリーが今は描きにくく、株価が上がりづらい一因です。
リスク3|国内通信の競争と規制
スマホ料金は値下げ圧力が強く、楽天やMVNO(格安スマホ)との競争も激しい。
稼ぎ頭ドコモの利益が前年より減ったのも、その影響があります。
さらにNTT東日本・西日本は国の規制対象で、料金やルールが政策に左右される面もあります。
リスク4|大型M&Aの“のれん”リスク
買収でふくらんだ「のれん」(買収した会社のブランド価値などの上乗せ分)は約2兆円。
買った事業が期待ほど稼げないと、将来「のれんの減損(価値の見直しによる損失)」が出ることがあります。
実際、2026年3月期にも一部で減損が計上されています。
買収を続ける会社には、必ずこのリスクがついて回ります。
まとめると、NTTの割安さは**「安定しているが、借金が増え、利益は伸び悩み、金利が逆風」**という事情とセットです。
ここを理解しておくことが、長く持つための“握力”になります。
⑧ 結論 ― どんな人に向くか、そして“下げ相場の買い方”
ここまでをふまえた私の見方です(※あくまで個人の見解です)。
NTT(9432)は、**「日本のインフラを支える、つぶれにくい高配当株。
ただし“爆発的に増える”株ではなく、借金と金利には注意が必要」**な銘柄だと考えています。
だから、こんな人に向きます。
長期保有で、増えていく配当をコツコツ受け取りたい人
株価が多少下げても動じずに持ち続けられる人
NISAで非課税の配当を、土台としてゆっくり育てたい人
逆に、「短期で大きく値上がりしてほしい」「すぐ結果がほしい」人には、正直あまり向きません。
私の「下げ相場の買い方」3ステップ
年初来安値をつけている今、私が実際にやっている(やろうとしている)買い方は、これです。

ステップ1|“底”は当てにいかない
今が年初来安値でも、「明日もっと下がる」可能性は普通にあります。
底は誰にも当てられません。
だから「ここが底だ」と全額つっこむのは、いちばん危険な買い方です。
ステップ2|“利回り”を買いの目安にする
私は株価そのものより、配当利回りを基準にします。今のNTTは利回り約3.74%。
私の感覚では、4%に近づくほど(=株価がさらに下げるほど)妙味が増すと考えています。
「利回りが◯%を超えたら買い増す」と、自分のルールを先に決めておく。そうすれば、下落が“怖いだけのイベント”から“仕込み場”に変わります。
ステップ3|一度に買わず、分割で
NTTは1株144円ほどで、1株から買えます。
だからこそ、用意した資金を数回に分けて、下げる過程で少しずつ拾う。
これなら「高値づかみ」も「底待ちで買い逃し」も避けられます。
アナリストの目標株価(172〜175円)の受け止め方
「目標株価が今より2割上なら、買えば儲かるのでは?」——そう思いますよね。
でも、ここは冷静に。
目標株価は“他人の予想”であって、約束ではありません。
当たることも外れることもあります。
私はこれを「そう見ているプロもいる、という参考情報」くらいに受け止めています。
私の本音はこうです。
株価が上がるかは“おまけ”。
本命は、配当をもらいながら長く持つこと。
上がればうれしい、上がらなくても配当は入る——その心構えが、下げ相場で売らずにいられる秘訣だと考えています。
私のNTTの“持ち方”(参考)
最後に、私自身の持ち方を正直に。
NTTを6,000株保有(NISA4,000株+特定2,000株)。
今はわずかに含み損です。でも売る気はありません。
NISAの4,000株は配当が非課税で受け取れ、それを再投資に回しています。NTT一本に偏らないよう、他のセクター(金融・商社など)の高配当株と組み合わせて分散しています。
会社は2,000億円の自社株買いも決めており、これは株価の下支え+株主還元として、長期保有者にはプラスだと見ています。
NTTは、私のポートフォリオの“地味だけど崩れにくい土台”です。派手さはないけれど、安心して眠れる。それがNTTだと思っています。
まとめ(今日のふりかえり)
NTT(9432)は年初来安値圏。
下落の主因は**「借金が増え(有利子負債15.7兆円)、金利上昇が逆風」**だと私は見ています。ただし
・利回り約3.74%
・PER約12倍
・PBR約1.21倍
と割安圏で、アナリスト目標株価は約172〜175円。リスクは財務レバレッジ・利益の伸び悩み・通信競争・のれん。良い面と悪い面はセットです。
だから買い方は、底当てでなく「利回り基準+分割+NISAで長期」。これが私の考え方です(※個人の見解)。
最後に聞かせてください。
あなたがNTTを買うなら、「利回り何%」を“買いの目安”にしますか?
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免責事項
※本記事は筆者個人の見解に基づく情報提供であり、特定銘柄の購入を推奨・勧誘するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。記載の数値は執筆時点(添付資料・2026年6月時点/2025年度決算短信)のものであり、最新の情報は各社IR・証券会社等でご確認ください。なお筆者はNTT株を保有しています。株価下落・減配・元本割れの可能性があります。
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