見出し画像

elixir - ふたり探し歩く、別々の夜 - |毎週ショートショート|曼殊沙華は恋をする

ある初夏の日

ハナ
今年も君に手紙を残す。
紫陽花はまだ蕾。開花が見られず残念。
…少しは君の気も晴れるかい?
ああ、でも、春には満開の桜を楽しんだから、許してくれないか…。
向日葵は見られないよと言っても、無理かな。
残念な知らせ。
今年も、秘草elixirは見つけられなかった。
なんとか君ひとり分だけでも…、元の、人の生に、返したい…。
時が来た。
土に還るね。
どうかみつかりますよう



ある秋の日

ヨウ
桜と紫陽花、いいな、やっぱりうらやましい。
私は、自分が咲く姿を眺めることはできないから。
幸いなことに、お祭りは盛況。
来てくれた人たちの顔を眺めていたら、自然と嬉しい気持ちになれたよ。
でも。
私も夜ずっと探したけど、生き返りの秘草elixir、見つからなくて。
言っても仕方ない、けど……
どうして、あの夜、投げ出したんだろう。
ねぇ。私たち、持っていたのに。
気づかず、当たり前に。
あの秘草elixir
命を。

本文:410字


(補足1)
「葉見ず花見ず」
「葉見ず花見ず」は、彼岸花(曼珠沙華)の異名で、花が咲いている時には葉がなく、葉が出ている時には花がないという、その特異な生育サイクルを表す言葉です。

彼岸花は、秋のお彼岸の頃に赤い花を咲かせますが、その際には葉が全く見えません。
花が終わると、今度は葉が出てきて、冬の間は葉を茂らせ、春に休眠、夏に葉を枯らして再び秋に花を咲かせます。

この「葉は花を見ず、花は葉を見ず」という特徴から、「葉見ず花見ず」という名前が付けられました。
(Google検索時の「AI による概要」より引用)


(補足2  “elixier”)
「エリクサー」などの訳が当てられる。ヨーロッパの錬金術や魔術上の「不老不死の霊薬」、ゲームのFF(ファイナルファンタジー)シリーズではHP・MP全回復の効能を持つマジックアイテム。この小説では、「生命、あるいはそれを体現する秘草」として解釈ください。


募集が募集だけに(?)そこはかとなく、某ユニットの某「🌃🏃」からの、うっすらインスパイア系です。



別お題の「駅で鯛を釣る」も書きました。
こっちも、読んでくださると嬉しいです!



#毎週ショートショートnote
#曼殊沙華は恋をする
#幸手権現堂秋祭り

いいなと思ったら応援しよう!

山本蛇内 yamamotojanai スキとフォローくだされば(気に入ってくださるなら、でね)十分なのであります! いつか有料記事に挑戦しますので、その時までチップ取っといてください笑