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《続・折間》「残機は3機」。考えりゃ 慚愧にたえない ザンキエフ。

(前回の話)

(続きの話)
土管の中に入って着替え、それ風●●●のいでたちになり、ふっと上を見た。
私が尾けていた折間(以下「その折間」と言う。)のぶらんぶらんした両脚が見えた。
その折間は土管に差し込む陽光を浴び、土管のへりをつかんで、懸垂みたく両腕の力だけでもって、空中に体を浮かせている。
何やってんですか、と訊くと、
「しーっ声大きいですからァッ!」、
自分がいちばん大声でがなる。
いつでも、あの折間⸻甲羅を無限にとめて離しつづけている⸻を、見ている必要があるのだそうだ。
「どうしてまた……」、
「どうしてって、彼がやられたら、ただちに替わらなきゃですから」
その折間こそは、亀折間の不在を埋める、次の折間筆頭者だという。
「僕みたく、スタート時●●●●●から隠れて見守っている人が、あと1名います。上がってこられますか?」、
土管を上がって(やってみたらできた)、その折間に並んで、胸までを土管の外に出す。
「あれですよ、あれあれ」、
俺ですよ、俺俺みたいな感じでその折間が言う方を見る。
確かに亀折間を挟んで反対の木の影に、赤い帽子に口ひげ、オーバーオールに革靴の男性が身を潜めていて、やはり亀折間を真剣な眼差しでとらえている。
「僕らは『×3』という初期表示の『デフォ残機』です」、
その折間の口調に、どこか自嘲の響きを私は感じた。「ただ、ああやって無限1UPしていますでしょう?今、世界中のほうぼうで、続々と『彼ではない折間』が大量発生しています」
「えっ……?」、
「世界の、ランダムなどこかしらに。そして本能で、ここを目指して旅してくる。ただ、実際にここまで来て、『残機』になれるかは別の話です」。
海外発生折間の場合、パスポートや身分証、そして現金もクレカもないため、飛行機に乗って出国が不可能という説明だ。
「そんな現実が立ちはだかるんですね…」、
「はい。ダメージ受けると甲冑脱げて『裸る』のは、『魔界村』のアーサーですけどね」
残機の出国困難問題、私はまったく知らなかった。
あっ、と思いついたことを尋ねた、
「でも、あなた方は、海を泳ぐことも造作ないじゃないですか」、普通に海面でやってますし。
「泳いでいられます、ある程度なら。
でもそれもタイムアップまでの話で。
それ過ぎたら、残機が1減る。
なので、泳ぎだけで大洋を渡ることはまず不可能ですよね……」

その時、土管の前を、いかつい巨体の男たちが3人、通りかかった。
プロレスラーのような風貌に体躯。
「あれは……ザンエフですね。
彼らもまた、世界のどこか、戦うザンキエフの元へと向かう途中でしょう。
別ゲームなので我々の役には立ちません。
せいぜい彼らの幸運を祈りましょう。
……ああ、そして、僕はあなたに『答え』を聞いてみたいことが」、
「なんでしょうか」
「哲学めいた話になりますが……、
『この僕とは何者だ?』
この問いが、ずっと、僕の中に立って消えません。
彼の次に、僕がフィールドでダッシュしたり跳ねたり火の玉を手から放ったりラジバンダリ、星をまとい一定時間敵無しでいられる⸻そういうアクションの中に身を置く時がいつか来れば、
『ああ僕は主体的に生きている、僕は僕だ』
なんて、何らの疑問も感じないでしょう。
けど今の僕、ただあの折間を注視しているだけの『折間風の自分』というのは、いったいぜんたい、何者なのか。
……どうです、留爺ルジイさん。あなたはこの問題、どう思われますか?」

長々考えた末、ようやく考えがまとまった。
(もうあれよ、「Mを待ってる奴、グッバイ♪」だよ。
折間とかもういいよ、YOUらしくやっちゃいなよ!)的なだ。

私が口を開きかけた時、フィッフィー!とカン高い掛け声とともに向こうの草原からジャンプしてくる人影に気づいた。
緑の帽子にシャツ、オーバーオール、茶色の革ブーツ、付け髭。
顔や体型も。少なくとも姿形は、私そのもの。
着地がなんだか滑る感じでおぼつかなかったので、ついつい
「滑る、すごい滑るよ!」と桜庭和志みたくつぶやいた。
「それ、私が答えましょー!
あっなんなら、『留爺以外の留爺の、また別の留爺』もスグ近くにいますんでね、呼んできちゃいますか!」
その折間は、微笑みとサムズアップでそれに応えて、
「だったらいっそ、木影の折間も呼びます!」
「いいですね、ぜひ!あー、ザンギ食べたいなぁ……」
そこで私は最寄りの鳥貴族を予約しようと電話したが、本日あいにく赤帽子赤シャツオーバーオールの髭の皆さんで満席でしてー、と断られてしまったので、微妙な立ち位置だがなくなりはしない「居酒屋北海道」に電話した。

(終わり)


この物語は、「マリオ×3」ってどういう意味だろ?と幼い頭でテツガクしていた、小4の日のぼくに捧げることにします。


きのころさん江
「私」が「この世にただ一人」という前提が崩れたなら?
「私以外の私(的な存在)がいてしまう世界(観)」だったらどうよ?
という妄想からです!書いた動機は。
……多分きっとですけどーf^_^;)


ザンキエフたちのみ、こちらの記事に移動しました(バスに乗った模様)🚌💨


#お疲れカツカレー
#なんのはなしですか
#残機
#3機

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