DBSCANクラスタリング:備忘録メモ(理解途中/数理アルゴリズム)
0. なぜ調べたか
NASHの画像処理解析をしていて、
DBSCANクラスタリングはその性質から「対象物の構造の特徴を捉えられる可能性がある?」
と感じたため。DBSCANクラスタリングについて調べてみた。
1. DBSCAN(Density-based spatial clustering of applications with noise)とは?(現段階での理解)
密度準拠型クラスタリングの代表格、つまり密度に基づくクラスタリング。
距離εの中に点がどれだけあるか(MinPts)で、
・コア点
・ボーダー点
・ノイズ
に分かれる。
[詳しく専門ページより]
1-1. DBSCANの数学的アルゴリズムと構造
DBSCANは、空間内の「密度」を指標として、**高密度な領域をクラスタ、低密度な領域をノイズ(外れ値)**として峻別する非階層的クラスタリング手法。その幾何学的な構成は、以下の2つのハイパーパラメータと、それに基づく点(データポイント)の分類から始まる。
ハイパーパラメータ
ε (epsilon): ある点から「近傍」とみなす半径。
minPts: 半径ε以内に、自分自身を含めて最低限存在すべき点の数。
データポイントの分類
データセット内の各点は、その局所的な密度に基づき3種類に分類される。
コア点 (Core points): 半径ε以内にminPts個以上の点を持つ点。クラスタの「核」となる。
ボーダー点 (Border points): 半径ε以内にminPts個未満の点しか持たないが、いずれかのコア点のε近傍に含まれる点。クラスタの「端」を形成する。
ノイズ点 (Noise points): 上記のいずれにも該当しない点。どのクラスタにも属さない外れ値。
連結性の概念
クラスタの形成には、トポロジカルな連結性の概念が用いられる。
直接密度到達可能 (Directly density-reachable): コア点pから距離ε以内に点qがある場合、qはpから直接到達可能。
密度到達可能 (Density-reachable): 直接到達可能な関係を連鎖的に辿れる状態を指す。これは推移的ですが、非対称な関係になる場合がある。
密度連結 (Density-connected): ある点oから2点pとqへ共に到達可能な場合、pとqは密度連結していると言う。この関係は対称的であり、同一クラスタを定義する核となる。
最終的に、**「相互に密度連結している最大の点集合」**が1つのクラスタとして抽出される。
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1-2. メリット:DBSCANの優位性
数理的な観点から、DBSCANはk-means法などの距離ベースの手法に対し、極めて強力な柔軟性を持っている。
任意の形状の検出: k-meansが超球状のクラスタを仮定するのに対し、DBSCANは三日月形やドーナツ形など、密度さえあれば非線形な境界を持つ複雑な形状も正確に抽出できる。
クラスタ数の事前指定が不要: k-meansのようにクラスタ数kを事前に与える必要がなく、データの構造から自然なクラスタ数を導き出す。
ノイズに対する堅牢性: 明示的に「ノイズ」を定義するため、外れ値がクラスタ形成(重心の計算など)を歪めることがない。
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1-3. デメリット:数理的な限界
一方で、手法の性質上、特定のデータセットに対しては脆弱性を見せる。
密度の差異に弱い: 全域で単一のεとminPtsを使用するため、密度が大きく異なるクラスタが混在する場合、一部をノイズと見なしたり、複数のクラスタを結合してしまったりすることがある。
パラメータ設定の鋭敏性: εの値がわずかに変わるだけで、結果が劇的に変化することがある。
次元の呪い: 高次元空間では、距離の概念が希薄化し、密度を定義することが数学的に困難になる。
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1-4. 用途:実社会での応用
DBSCANは、空間情報を持つデータ解析において特にその真価を発揮する。
地理空間解析: 犯罪のホットスポット分析、地震の震源地解析、土地利用の特定などに利用される。
産業クラスタの特定: イギリス政府などの報告書では、個別の事業所データに基づき、行政境界に縛られない「産業の集積地(クラスタ)」をボトムアップで特定するために使用されている。
人口密度と都市計画: 特定の地域における人口密度の変化を抽出し、都市開発やヘルスケアのリソース配分に役立てられる。
異常検知: 製造プロセスや不正アクセス検知において、通常とは異なる疎な動きをノイズとして自動識別する際にも活用される。
DBSCANは単なるアルゴリズムではなく、**「データは空間に分布する密度の濃淡である」**という物理的な洞察を数理モデル化した、極めてエレガントな手法と言えます。
2. GMM(Gaussian Mixture Method)との違い
GMMは色(特徴量)の分布を見ている。
一方DBSCANは
空間的にどれだけまとまっているかを見る。
つまり
GMM → 「組織がどういう組成、素材でできているっぽいか」
DBSCAN → 「組織がどう繋がっているか」
を見る
3. NASHへの応用アイデア
線維化では
・量が増える
・構造として連結する
・方向性が出る(異方性?)
GMMだけでは量しか見えないが、
DBSCANを使うと構造が見える可能性がある。
4. 気づき
画像解析は分類だけでなく、
構造を理解する視点が重要なのではないか。
5. 今後やること
・GMMとDBSCANの結果を比較
・ECM領域だけDBSCANする
・構造の可視化を試す
