『宰相ギリギリ生存術』第2話:皇帝のご機嫌、命より重し。
玉座の上で、皇帝の口元がゆっくりと動いた。
「……ジャスミン茶、だと?」
低い声が宮殿に響き渡る。
官僚たちは一斉に顔を伏せ、宦官は太鼓に手をかける。
私はというと、心臓が飛び出すほどバクバク鳴っていた。
(あ、これ完全に“処刑コース”じゃん!?)
だが次の瞬間——皇帝の眉がピクリと動いた。
「ふむ……余も実は、最近ジャスミン茶の香りにハマっておる。」
場内、再び静寂。
そして官僚たちの視線が一斉に私へ注がれる。
「な、なんと……!」
「宰相、皇帝と趣味が一致するとは……!」
私は思わず胸を撫で下ろした。
(あぶねえええ!死罪免除!?いや、むしろ好感度アップか!?)
ところが——皇帝はゆっくりと立ち上がり、こう言い放った。
「……だが宰相よ。余の趣味を勝手に暴露するとは、どういう了見か?」
空気が凍りつく。
太鼓が、ドンドンと再び鳴り響く。
私は思った。
(やっぱり死罪コースじゃねぇか!!)
☕次回予告
次回、『死罪か昇進か!?皇帝の茶葉テスト』
ジャスミン茶一杯で、宰相の命運は再び揺れる……!
