そもそも社会保険料とは?(5) 労災保険
みなさんこんにちは。よこちょうです。
2月は28日ですが、大の月と比較しても3日しか違いがないのに、なぜかあっという間に過ぎ去るイメージですよね。。という訳でもう3月。
多くの皆様が年度末モードに突入されているかと思います。いろいろ慌ただしいかとは思いますが、気持ちは穏やかさを保っていきたいですね。健康に気を付けて乗り切ってまいりましょう!
さて、「そもそも社会保険料とは?」で、4つの社会保険について基本的な内容を掲載してまいりました。選挙において各党が述べていた「労働者側の負担」という意味ではこれで終わりなのですが、事業主にとってはもう一つ重要な社会保険があります。それが「労働者災害補償保険」。通称労災保険です。こちらについても少々触れておきたいと思います。
ぜひご一読下さい。
労働者災害補償保険の目的
今までと同様、関連する法律(労働者災害補償保険法)の目的条文を引用します。
労働者災害補償保険法 目的(法1条)
労働者災害補償保険は、業務上の事由、事業主が同一人でない二以上の事業に使用される労働者(以下「複数事業労働者」という。)の二以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な保険給付を行い、あわせて、業務上の事由、複数事業労働者の二以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤により負傷し、又は疾病にかかつた労働者の社会復帰の促進、当該労働者及びその遺族の援護、労働者の安全及び衛生の確保等を図り、もつて労働者の福祉の増進に寄与することを目的とする。
ちょっと長いですが、キーワードを押さえれば、内容的にはそれほど難しいものではないかと思います。では、そのキーワードですが、
業務を要因とする事由又は通勤
負傷、疾病、障害、死亡等に対して迅速かつ公正な保護
労働者の社会復帰の促進、遺族の援護、安全および衛生の確保
でしょうか。業務上もしくは通勤時の災害に対し、負傷、疾病、障害、死亡などの際に、被災労働者もしくは遺族に対し、一定の災害補償を行う事を想定している保険制度になります。
本来事業主が行うべき災害補償に代えて、政府(保険者)が一定の保険給付を行うことになります。
したがって、今まで紹介してきた4つの社会保険と異なり、この労働者災害補償保険は、事業主のみが保険料を負担します(労働者側の負担はありません)。
社会保険料というと、健康保険や年金が取り沙汰されますが、実は労働者側にとって、万が一の事態をカバーする保険として非常に重要なものです。
実際の負担金額(どのくらい払っているのか)
では、事業主がどの程度の保険料を納めているのでしょうか。
実はこの保険料については、徴収に関する法律が別途定められており、(「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」)この労働者災害補償保険料と雇用保険料をまとめて(労働保険と呼んでいます)納付する手続きが規定されています。
さて、労災保険料率ですが、業種ごとに異なっており、以下の表のように定義されています。

労災に関する保険ですので、災害の発生する頻度が高い業種ほど率が高く設定されています。これを全従業員の賃金総額に掛けて、納める保険料を算定します。ちなみに、労働保険料としては、これと雇用保険を併せた額になります。
その他知っておくべき知識
労働保険料の申告・納付について
上記に記載した通り、この労災保険料は雇用保険と併せて納付しますが、賃金総額に基づき納付する事になりますので、申告・納付に関する手続きはルールとして定義されています。詳細はこちらをご覧ください。
これを全て説明すると、まさに「社労士試験」合格の知識が必要ですので(笑)、詳細は省略しますが、労災保険関連で以下のポイントがあります。
毎年7月10日までに、その年度の保険料の概算額を支払う
(延納という分割払いという制度もあり)概算の保険料を払う際に、前年度の確定した保険料の精算を行う
業務災害の多い/少ないによる保険料率の上げ下げの制度あり
業務災害/通勤災害の認定について
まず業務災害ですが、これには「業務起因性」がなければなりませんが、これが成立するための条件として「業務遂行性」がなければならないとされています。(セットと思ってもらって良いかと思います。)
業務遂行性
労働者が労働契約等に基づいて事業主の支配下にある状態をいいます。業務起因性
傷病などが業務に起因して生じたものであり、業務と傷病の間に相当の因果関係が存在することをいいます。
社労士試験でも、業務災害に当たるか否かなどの問題が、判例をベースに問われたりするケースが多いですが、実際の現場においても判断が難しいケースは結構あると思います。
難しい場合には、遠慮なく社労士事務所にご相談下さい。
通勤災害については、通勤と相当の因果関係が存在する事が必要です。
労働者災害補償保険法 7条2項に通勤の定義がありますので、参照します。
通勤とは、労働者が、就業に関し、次に掲げる移動を、合理的な経路及び方法により行うことをいい、業務の性質を有するものを除くものとする。
一 住居と就業の場所との間の往復
二 厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業の場所への移動
三 第一号に掲げる往復に先行し、又は後続する住居間の移動(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る。)
通勤の場合も、原則に合致する場合は問題ないですが、途中の立ち寄りなどで「中断」、「逸脱」と判断された場合は通勤とならないケースもあり、詳細は社労士事務所にご相談、ご確認を頂ければと思います。
いかがでしたか。
本来であれば、本丸の給付の部分までご説明すべきかもしれませんが、膨大な量になってしまいますので、あくまでも皆様へのインフォメーションとして記載してみました。
業務災害や通勤災害による傷病は、従業員の皆様やご家族にも大きな影響があるかと思います。ご不明な点はぜひ社労士事務所に遠慮なくご相談いただければと思います。
こちらに限らず、人事労務に関する弊事務所へのご相談はこちらからお気軽にお問い合わせください。お待ちしております。
ではまた。次回をどうぞお楽しみに!!
