第21回「生まれたばかりの娘の異変、聞いたことのない心臓病だった。」
帝王切開翌日
帝王切開の翌日。
息子の出産後よりも、スムーズに動けている自分に驚いた。
もちろん、お腹の傷は痛いし、後陣痛も相まってたまに発狂しそうな痛みに声が出る。
後陣痛って、結構痛いんですよね。
でも、この痛みは子宮がちゃんと収縮してくれている証拠。
痛いけど大切なことだし、経過が順調であることの証。
産後のママたちに、何度もそう説明してきた。
私も自分に何度も言い聞かせた。
でも、痛いものは痛い。
そんな中、小児科医の先生が病室に来た。
娘の状態について、説明を受ける時間だった。
娘の心臓に穴があいていた
「娘さんの心臓に、心室中隔欠損があります」
心室中隔欠損。
心臓は右心室と左心室に分かれているんだけど、その間を隔てている壁に穴があいている状態のこと。
本来、右心室と左心室は完全に分かれていて、それぞれ別々に血液を送り出す役割がある。
でも、穴があいていると、そこから血液が漏れてしまって、心臓に負担がかかる。
循環がうまくいかなくなるんです。
「それで、循環が悪くなっていました。今は挿管をして、酸素で補助してあげている状態です」
先生の説明を聞きながら、頭の中で整理していく。
「まだ浮腫もありますが、様子を見ている感じでは、生まれてきた時より悪化していることはないので、このまま経過を見ていきます」
初めての妊婦健診で指摘された、赤ちゃんの首のむくみ。
これが、きっと循環が悪いと言われることに繋がっているんだな。
ある程度、覚悟はしていた。
でも、心室中隔欠損は、割とよく聞く新生児の病気だ。
私は、原因がわかって、NICUで診てもらえていることに安心した。
あとは、私が回復して、娘に早く会いに行きたい。
母乳育児、リベンジ
私の術後の経過は、息子の出産後と比べてスムーズだった。
そして、息子の時に成功できなかった母乳育児。
今回こそ、リベンジしたい。
3時間毎に搾乳をして、NICUに届けてもらった。
今回は、どんどん搾乳量が増えていることを実感できた。
あの、ツーンってした胸の痛み。
痛いけど、「そろそろ搾乳だ」って嬉しくて。
搾乳を楽しんでいた。
早く娘に、直接飲んでもらいたい。
そのことばかり考えていた。
産後3日目、まさかの展開
産後3日目。
いつも担当してくれている先生とは別の、小児科医の先生が来た。
この先生は、よくNICUに出入りしているすご腕の先生であることを、先輩助産師から聞いていた。
小児循環器の専門の先生だ。
「お母さん、心室中隔欠損の話、聞いてくれたと思うけど」
先生は、穏やかな口調で話し始めた。
「その割に、どんどん赤ちゃんの浮腫が気になってきて、心臓のエコーをしたんだけどね」
私の心臓が、ドクンと大きく跳ねた。
「もしかしたら、違う病気が隠れてるかも」
えっ。
「まだ確定診断はできないけど、もう少し様子を見ながら検査したら確定できる。そのことだけ、今伝えておくね」
えっ。。。
まだ、何かあるの?
確かに、夫がNICUで撮ってきてくれる娘の写真は、顔貌が「?」ってくらい浮腫んでいた。
大きな病気がありませんように。
娘を、早く元気に抱っこできる日が来ますように。
私はそう祈り続けた。
でも、娘の病気が分かった。
初めて聞く病名
小児科医の先生が、私と夫に説明するために時間を設けてくれた。
私たちは、小児科医の先生の前に座った。
そこで聞いた、娘の病名。
「左室緻密化障害」
初めて聞く病名だった。
(次回へ続く)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回は、「左室緻密化障害」とは何か、娘の治療や経過、そしてその後どうなったのかをお話しします。
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