父の日、いちばんうれしそうだったのは誰だろう
『父の日』って、
母の日に比べてちょっと控えめになりがち。
でも、
「だいすき」と「ありがとう」を
素直に伝えられる日でもあるんだよね。
パパ、いつもありがとう♡
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父の日の、2日前のこと。
「もうすぐ父の日だけど、何あげる?」
そう聞くと、
5歳の娘は
「お手紙あげたい♡」
7歳の息子は
「お弁当がいい!」
娘は、やりたいと思ったことを、
すぐに始める。
いつもの棚から白い紙を取り出すと、
一人でどんどん絵を描いていく。
もう1枚取り出して、今度は文字。
まだ50音をすべて書けるわけではないので、
紙と鉛筆と表を持って、
台所にいた私のところへやってきた。
ぺたっと床に座り込み、
書きはじめる。
「“パ”ってどうやって書くの?」
「“い”は、どれ?」
「“は”の上に丸だよ」
「“い”は、いちごの“い”だよ」
そんなふうに聞きながら、
一つひとつ見つけていく。
書き終えると、
一生懸命書いたその紙を見つめて、
うれしさが顔いっぱいにあふれていた。
にこにこ、にこにこ♪
娘は、描いた絵と手紙を
ぎゅっと抱きしめていた。
もちろん見せてくれて、
「これがパパで、これがママ。
ママは三つ編み、長〜いよ!
これ、わたし。三つ編み同じなんよ♪
こっちは、お兄ちゃん♡」
ちゃんと説明もしてくれる。

でも、よく見ると
笑っているのに、みんな、なぜか目からは涙。
聞いてみると、
「うれし泣きしよるんよ♪」
泣くことは、
悲しいときだけじゃないって、
娘はもう知っているみたいだった。
それだけ、私たち家族はよく笑っていて、
涙が出るほど笑う時間が好きなのかもしれない。
なんだか、とても幸せなことだなと思った。
パパへのプレゼントを抱きしめながら、
娘が聞いてきた。
「ママ、ほしい?」
「うん、ほしい♪」
「え〜、だめ〜〜〜♡♡♡」
何回やりとりしたかなぁ。
いつもは
「ママが一番で、パパは100番」
なんて言う娘。
でもこの日は、パパが一番!
このやりとりを、
パパにも見せてあげたかったなと思った。
「パパ、喜ぶよね!だってかわいいもん♪」
そんなことも言っていた。
そして、父の日当日。
その日は休日だったけれど、
夫は仕事で、お昼過ぎに帰宅。
ガチャッと扉が開くと、
そばにいた娘が
「もうあげていい?」
早く渡したくて、
たまらなかったようだった。
「いいよ」と言うと、
パパのもとへかけ寄っていった。
そして、プレゼントを後ろに隠して、
「パパ!いくよー!めっちゃかわいいよ〜♡
はい、パ・パ・の♪」
そう言って娘は、
園で作った粘土のパパの顔に、
おうちで描いた絵とお手紙を添えて渡した。
「ありがとう〜」と、
ぎゅー。
その姿を見ている時間が、
なんだかずっと愛おしかった。
息子も、同じように絵を描いていた。
でも息子は、少し違う。
ミッションのように暗号をつくって、
椅子の下に絵とメッセージを隠していた。
ドキドキさせて、
びっくりさせて、
喜ばせるのが好きな、息子らしい演出。
思わず、微笑んでしまった。

子どもたちと一緒にできることも考えた。
息子が「お弁当」と言っていたので、
後日、2人の絵を刺繍してお弁当バッグにした。
一針一針、縫っていくたびに、
子どもたちの想いが、
少しずつ形になっていくような、
そんな感覚だった。


できあがると、
早く渡したい息子と、
お弁当を詰めてから渡したい娘。
少し迷いながらも、
「やっぱりお弁当入れて渡したい♪」
そう言って、
息子も妹にうなずいた。
お弁当を作る前の晩。
パパがお風呂やトイレに行っている間に、
子どもたちはこそこそ準備。
海苔をハート型に切ったり、
お手紙を書いたり。

見つかりそうになりながらも、
「できたよ!」
「ハートの中に“だいすき”って書いたよ」
小さな声でやりとりしながら、
終始、うれしそうに笑っていた。
そして、翌朝。
園や学校がある、いつもの朝。
無理はせずに、
できることだけ。
2人でおにぎりを握って、
前日に切っておいたハートの海苔をつけた。
ママは、びっくり。
そのハートが、
とっても上手で。
お手紙も、
ぎゅーぎゅーに想いが詰まっていた。

まっすぐな気持ちで、
「ありがとう」と「だいすき」を伝える子どもたち。
その想いは、
ちゃんとパパに届いていた。
父の日だからこそ、
パパへの感謝を忘れずに。
大好きな気持ちを、
自分のかたちで届ける子どもたち。
そのそばで、そっと手助けできることに、
私は、幸せを感じた。
この日は、子どもたちが考えた
“パパへの贈りもの”を。
決して高価なものではないけれど、
パパのことを想って、
こそこそ準備して、
渡す瞬間を楽しみにして、
みんなで笑う時間。
きっと、そういう積み重ねが、
家族の「だいすき」を
少しずつ育てていくのだろう。
世の中のお父さん、
いつもお疲れさまです。
これからも大切な人たちと、
あたたかい時間を重ねていけますように。

