「デートだよ」と返した、結婚10年目の午後
2026年1月29日。
私たちは、結婚して9年が経った。
結婚したときは、「10年なんてまだまだ」だなんて思っていたし、
結婚して10年、20年のご夫婦を見ては、私も「いつまでも仲のいい夫婦でいたい」と未来を想像しながら、この人と過ごしていた。
薄れない過去の思い出は、
この人がいつまでも私を大切にしてくれる気持ちが変わらないから。
今年の結婚記念日も、夫は提案してくれた。
2人でランチをすること。
「デートみたいだね」
という夫に、私は「デートだよ」と返した。
仕事のお昼休みをいつもより長くとってくれた夫は、バス停まで私を迎えに来てくれた。
助手席には、息子のチャイルドシート。
私は夫の斜め後ろの後部座席に座った。
お店に着くと、やっぱり私は母だった。
車を降りるとき、わんぱくに食べる子どもたちに必要な手拭きを持とうとした。
お店の名前は『青と蒼』。

その日は曇っていて、目の前に広がる海と空は静かだったけど、夫と2人でワクワクしながら店内に入った。
昔のお家を改装して作られたお店。

店内の光も色も優しくて、落ち着く。

2人でメニューを見る。
今日は特別、子どもたちが食べたいものではなく、自分たちが食べたいものを選んだ。
料理が出てくるまで、夫と話をする。
不思議と私はスマホを手に取ることはなかった。
付き合っていたときは、この人と話すことを大事にしていたことを思い出した。
デートと言っても、子どもたちの話になる。
あのころと話す内容は変わっていっているけど、この人との話は楽しくて、今でも止まらない。
夫はランチが出てくるまでに、仕事場からの電話が3回かかってきた。
結婚する1年前に、未来を考えて転職してくれた夫は、年々忙しくなっている気がする。
家族のために働いてくれる夫には、いつも感謝している。
しばらくして、サラダがきた。

そして、メインの『梅とお出汁のドライカリー』。

夫と食べ比べしながら、2人で味わった。
「生姜も入ってるよ」
「シソも入ってた」
「香りもいいね」
「カレーだけど、カレーじゃないみたい」
食べれば食べるほど、いろんな味を楽しめて、まるで私たちの歩みのようだった。
変わらないところと、共に歳を重ねていく楽しみ。
夫はどう思っているかはわからないけれど、私は確実に、この人と結婚して幸せだ。
しっかりとデザートもいただく。
私が選んだのは『ほうじ茶プリン』。

甘苦い味の美味しさに、「もう、若い夫婦ではないんだな」と感じさせられるようだった。
でも、夫はプリンにもジュースにもアイスが乗っていた。

あのころと変わらないものもある♡
私は最近、髪をかきあげたときの白髪が増えた。
体力にはまだ年を感じないけど、そうやって目で見てわかる自分の老いに、ちょっと怖くなることもある。
子どもたちの成長の喜びに隠れた寂しさや悲しさ。
今はほとんど感じないけれど、いつかはくる。
でも、それはみんな平等に。
夫を見ると、髭にも鼻毛にだって、白く光るものが見えるようになってきた。
その瞬間、私は1人じゃないんだと気づく。
この人と、一緒に歳を重ねている。
私はそう思うと、未来も楽しみに変わった。
私たちはこの9年間、ケンカをしたことがない。
本音を言えないのではない。
意見が違うこともある。
でも、これまでの関係があるからかな。
お互いを尊重し合うことを、自然と大切にしている気がする。
この人にしてもらったことは、数えきれない。
「ありがとう」を、まだまだ伝え足りない。
私は確実に、この人のおかげで笑顔も涙も増えた気がする。
ぽっこりしたお腹も、ふわふわした髪も、ガチガチの肩も、ひろーい背中も......
私は大好き。
これからも一緒に歳を重ねたい。
おばあちゃんになっても、この気持ちを持ち続けたい。
いつも、本当にありがとう。
結婚記念日、想いを込めて。
