GW明け・梅雨前のココロ疲れに、じんわり効く本たち。
GWのバタバタを通り抜けても、落ち着かない気候の変化にココロとカラダがなんとなく疲れ気味ではないですか?
なにをかくそう私もGW明け、しばらくぐったりしていました笑
最近ようやくグラグラしていたココロが落ち着いてきたかな…?という感じです。
同じですという方も、いやあ、まだ回復していませんという方も、お疲れ様です…!
しかし、これから訪れる梅雨の時期を思うと、どんより…ずっしりココロの疲れを感じる方もいるのでは…。
私も気持ちに波がでやすいときだったりします。
色々考えてしまったり、上手く動けないことにイライラしたり不安を感じたり。
そんなココロの疲れにじわあ~と栄養をくれる、まるで温かいスープを飲んでいるような。
ああ、私だけじゃないんだな。ひとりじゃない、とホッとした気持ちになれる本を今回3冊ご紹介させてください。
こちらの本たちです。
どうぞ。
・明るい夜に、星を探して 酒村(さかむら)ゆっけ
著者である酒村ゆっけさんは「世界一のゆっけ」という名前で活動されているYouTuberさんでもありまして。最初に存在を知ったのはYouTubeでした。
「酒日記」「酒彼氏」というワードを使って酒飲みの日常の動画を配信されているのですが、とにかく美味しそうにゴクゴク飲む姿、その飲みっぷりが、いい。
そして今回紹介する著者以外にも何冊か本を出していて、しかも雑誌にもコラムを連載されたりと様々執筆な活動をしている酒村ゆっけさん。
なので文章スキルがすごいというか…トークが面白いんです…。
軽快なテンポに繰り出される絶妙なワードチョイスがツボにはまり、毎日見ていたときがありました。
これはもう見ていただいたほうが「なるほど、確かに!」となるのでぜひYouTubeで「世界一のゆっけ」で検索してみてください。
ちょっと熱くなってしまった…。本の話へ。
今回紹介させていただく本、「明るい夜に、星を探して」は酒村ゆっけさんの北欧の旅の記録なんですね。
その様子、YouTubeでももちろん配信されています。北欧の風景や、ドタバタの珍道中を楽しめる内容になっています。が。
その北欧の旅へなぜ行くことになったのか?はじめに、でそのことについて書かれているのだけど。
そこに綴られているひとりの、30代を迎えようとしている女性として…ふと感じる寂しさが等身大の言葉としてそこにありました。
二○歳になれば、二五歳になれば、三○歳になれば、大人になれるだろうと、未来の自分に丸投げして生きてきたけれど、結局私の毎日は学生時代からまったく変わっていない。
(中略)
泣きたくなる夜なんてないけれど、じわじわと危機感が迫ってきているのがわかる。私の人生には、コクのようなものが足りていない。旨みが欠けた薄味のスープのような気がしてきた。
酒村ゆっけ
ああ。あー、ぶん投げていました、私も未来の自分に色々とぶん投げていたなあ。いや、なんならいまだって…。
私の人生、このままで大丈夫?の危機感。
誰もが感じたこと、あるんじゃないでしょうか…。
そして、そのあとに続く災難を受けて、酒村ゆっけさんはこの流れを変えねばとパートナーを探してみたりと自分なりに行動しますが……。
頑張っても、頑張ってもうまくいかない。六年ぶりに社会と交わろうとしてと、飲み会ですら生きづらく、酸素が薄い。
失敗を恐れて行動しないのはきっと後悔する。でも動けば動くほど、なにかが絡まってがんじがらめになって、自分が曖昧になっていく。
酒村ゆっけ
辛い。わかる。ある、あるよね。本当に。どうしてこんな空回りばかり続いちゃうんだろう?
自分にとって幸せな方向に行きたいだけなのに。繰り返される自問自答。
どんどんと目の前がぼやけていくような感覚。
酒村ゆっけさんは更に言葉をこぼす。
私は一体なにがしたいんだろうか。なにが欲しいんだろうか。周囲からの「あなたはちゃんとこの社会に暮らす資格のある人間ですよ」という証明なんだろうか。世間が言うようなちゃんとした大人になりたいんだろうか。考えるほどにわからない。
酒村ゆっけ
そして酒村ゆっけさんはやけ酒の果てに、気付けば北欧へと向かう航空券を予約。
翌日にその事実に自分自身でも驚く。これは一体なんだ?私が購入したのか?と。
しかし、なにかがあるかもしれない、見つかるかもしれないと、酒村ゆっけさんは北欧へとそのまま旅立った。
お酒に呑まれて記憶を無くす経験はありますがまさかそこから北欧に行く展開になるとは!
いったいどんな旅になったのだろうとページをめくっていく。
デンマークやコペンハーゲン、ヘルシンキとその道中で電車の乗り換えを間違えたり、口内炎に悩まされたり、慣れない電動ボードの運転にパニックになったり、もうてんこもりで。
一緒にその酒村ゆっけさんの旅ならではのわたわたを追いかけているうちに沈んでいたココロが浮かんでいく。
そして、最後、帰りの飛行機のなかで酒村ゆっけさんの言葉がまた刺さる。
それってもしかしたら、人生にも当てはまるのかもしれない。型にはまることのない、自分だけの生き方を探して、その都度いろんな生き方や考えを繋ぎ合わせながら、不器用ながらもなんとか生きていくしかないのだろう。
酒村ゆっけ
酒村ゆっけさんは最初、周りと自分のいまを比べて、ひとり取り残されたような気持ちになる。
私たちも一緒でついほかの人が見せる幸せの形と同じじゃないと不安を覚える時があります。
どうすれば同じ形になるのだろう?近づけようとすればするほど、それはいびつになって、ますます形が乱れる。
だけど幸せとか心地よさとか、それは周りと必ずしもイコールではなくていいんだよ。
そんなメッセージを受けたような気がした。
本の中には旅の最中で見つけた酒村ゆっけさんの気付きが、思考が、ほかにも綴られていて、時折それは淀んだ心をほんのりと明るく照らしてくれるような。
そんな温かさを感じる素敵な旅の記録です。
・私の孤独な日曜日 月と文社
17人による、それぞれの休日のひとり時間についてのエッセイアンソロジーです。
本のことについて書く前に、私がこの本をなぜ取ろうと思ったのか。
そのことについて、少しだけお話させてください。
いきなりですが私は「孤独」というワードがやたらと目についていた時期があって…誰かといても上手く話せていないような。空回りしているような。
そんなときがたまに…訪れます。
その揺れは、強弱があるのだけれど。
その時は強くて。そのことを考えていたときにこの本のタイトルをSNSで知って気になり、読んでみたいと本屋さんに訪れるたびに棚を回ってみたり、店員さんに取り扱いがない聞いたりしたけれど。
そのときは出会わなかった。ネットで購入という方法もあるけれど、私はなんとなく本屋という場所で出会いたかった。
それから少し時が経ち、つい先日。頭から離れていたタイトルがむくりと急に頭に浮かんで、エッセイの棚を見てみたら…いたのです。
孤独について、だいぶ和らいでいました。でも、ずっと気になっていた本がそこにある。
私はウキウキと、その本を手に取り、レジへと向かっていました。
さて、最初にも書いた通り、孤独をテーマにしたエッセイアンソロジーです。
17人、17通りの様々な孤独が描かれている。
この本の企画をし、また書き手のひとりでもある藤川明日香さんははじめに、でこう書いている。
見知らぬ誰かの「映えない」休日の裏にあるさまざまな孤独感に触れることで、あなた自身の平凡な休日や、身近な人へのまなざし、人生への視点が少しだけ変化する。そんな読書体験を味わっていただければ嬉しいです。
最初からゆっくりとページをめくっていく。
確かに、そこにはそれぞれの日常が綴られていて、素直な言い回しで。普段私たちが過ごしていような、生活が。淡々と。
ああ…と共感したり、ふふふ、と思わず声を洩らしたり、しんみりしたり。
そしてその日常には、孤独も横たわっていた。
けれど、そこに孤独を突き放す描写は、ない。それさえも一部として、捉えている。
だからかもしれない。ときどき私は一人で散歩をしたくなる。それはまるで渡り廊下のような感覚で、何処かと何処か、いつかといつか、誰かと誰かの間を、ひとり歩く時間が好きなのだ。
俺にとっての休日とは、重ね着しすぎた嘘の衣を脱ぎ捨てて、何者でもない自分になれる日。
たくさんの孤独に触れながら、ただその文章にゆらゆら漂うように読む時間。
それはとても心地よくて。
私たちと同じく、どうにかこうにか1日を乗りきっている、誰かの何気ない日常や…そこから紡がれる言葉に、明日もどうにかこうにか過ごすか、とふと思ったりする。
ひとりじゃないんだ。ひとりじゃないよ。例えお互い知らなくても。
この本に出会えてよかった。
そう思えた一冊です。
・カフネ 阿部暁子
もう私のnoteで何回もおすすめさせていただいてる本で…本当に優しい気持ちになれる本なんですよね。
先に紹介した2冊の本は、エッセイだったのですがこちらは小説になります。
ということで簡単にあらすじ。
ー法務局に勤める野宮薫子。ある日、弟の春彦が突然亡くなってしまう…。遺言書を残して。
その遺言書には元恋人の小野寺せつなに自分の財産を相続してほしいという内容が記されていた。
しかし、当の小野寺せつなはその権利を破棄することを伝える。弟の春彦の遺志を尊重したい薫子はどうにか気持ちを変えようとせつなと接していくなかで、せつなの仕事を手伝うことになる。
その仕事とは家事代行。薫子はせつなと共に過ごしていくなかで様々なことを知っていくようになり…。
同じ大事な人を失ってしまったことで出会ったせつなと薫子が段々と、ココロを通わせていくストーリーがいい。
家事代行で訪れる家々には、育児に、介護に…日常に消耗している人たちがいて。
薫子とせつなはその人たちに対してけして踏み込みすぎず、この本のタイトルーカフネはポルトガル語で「愛する人の髪にそっと指を通す仕草」という意味なのだが。
まさにその言葉通り、そっと、そこに置くような優しさがいいな、と感じた。
まるであたたかいスープを差し出されているような。
ぎゅう、と縮こまったココロがほどけていくのを感じる一冊です。
・温かいスープを
いま紹介した3冊には日々を過ごしていくなかで、伴う苦さとか…ココロが重くなる瞬間だとか。
そういう場面が描かれている。でもそういうままならさを感じながらも、歩こうとする私たちに向けられたメッセージのようなものが詰まっている本たちだと思います。
いまちょっと「疲れたなあ…」と感じていたら。
きっと、気力を使いすぎて疲れてしまっている状態だから、ココロがブレーキをかけてくれているんだと思う、「いまはゆっくりする時だよ」って。
お気にいりの場所で、それは例えばどこかのお店でも、おうちのソファでも。
ぼおっと過ごしてもいい。だけど、疲れて別のことをもし考えてしまうなら。
いまお話しした本を通して、ココロに温かいスープを注ぐのは、いかがでしょうか。
私も自分のココロに温かいスープ、忘れずにこれからも、どうにかこうにか日々を乗り越えていきたい。乗り越えていくぞ。
カフネの読書感想、こちらのnoteにも↓
孤独をテーマにしたnote、こちらにも↓
