【ツミデミック】一穂ミチ
ツミは詰み、だと思ってた。
ツミは罪、なんですね。
でもやっぱり、詰みもかけてるんじゃないか。
行き詰まるとか、八方ふさがり、みたいな?
この「ツミデミック」は、6つの短編集です。
そして、パンデミックをもじった造語であるように、背景にあるのはコロナ。
コロナがじわじわ流行り始め、コロナ禍になり、そして感染者も減って落ち着き出す。
話のテイストもサスペンスホラー?みたいな話から、ヒューマンドラマまで。
毒が侵食していくような話もあれば、さわやかなラストで終わる話も。
それぞれの話の冒頭部分だけでは、どう話が展開していくかも読めない。
「違う羽根の鳥」…高校時代、自殺した筈の女子と同じ名前の女性と出逢う、彼女は誰?なのか
「ロマンス☆」…フードデリバリーの配達男性に恋する主婦。彼がいつか自分の家に宅配に来てくれるかも、と頼み続け…
「憐光」…15年前、高校生の時にわたしは豪雨で死んだ。今、わたしは幽霊として15年ぶりに地元にやってきたが…
「特別縁故者」…失業し家にいる俺。妻がパートを掛け持ちして働いている。小一の息子が、近所の老人から旧壱万円札を貰ってきて…
「祝福の歌」…高校生の娘が妊娠した。自分と妻はどうにか、娘の出産を諦めさせたいが娘の意志は固く…
「さざなみドライブ」…ネットでの呼びかけで集まった5人。僕たちはは今から集団自殺をしにいく…
どれも面白かったけど、好きなのは「特別縁故者」
この短い話のなかで要素、多すぎじゃないか?と感じたのは「祝福の歌」
この話が読めない物語ばかりの中で、何となく最後が分かったのが「さざなみドライブ」
一穂ミチさん、まだ本作を含めて二作しか読んでないけど、何か合うなと感じています。
毒も苦味も光もあるからかな。
