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京都からチャリで奈良へ行ってみた話

実家のある東京から京都に引っ越してきてからというもの、週末はチャリでぶらぶらする生活が続いていた。京都という町はコンパクトなようで奥が深く、そして何よりチャリとの相性がよい。例えば桂川のサイクリングロードなどは景色が良いだけでなく、東京の河川敷と比べて人も少なく走りやすい。なお、京都の川と言えば第一に思い浮かぶであろう鴨川も景色は良いけれど、観光客が多すぎなのでサイクリングには向かない。

桂川のサイクリングロードは京奈和自転車道と言い、なんと和歌山港まで伸びているとか。そんな調子で地図を眺めていたところ、ふと目に入ったのが奈良の文字である。

京都と奈良。修学旅行界のゴールデンコンビである2都市が近いことは知っていたが、思っていたよりもずっと近かった。というか、奈良の中心部が奈良県のだいぶ北端の方にあるのを把握していなかったのである。

30kmちょいらしい

というわけで「あれ?チャリで普通に行ける距離だな」と思って走り出したのが今回のお話。……いや、まあ「普通に」行ける距離ではないけれど、サイクリング的な意味でなら「普通に行ける」のである。

奈良へ走る

というわけで出発。先ほどは京奈和自転車道に言及したが、今回は普通に国道1号をガンガン南下していく。景色は The 郊外の高架下という感じであまりおもしろくないが、この時は高架の影が良い具合に路面を覆っており、直射日光を避けて走れるというありがたい状況だった。

ストリートビューからキャプチャ

ちなみに京奈和自転車道だと桂川・宇治川・木津川が合流するところまで下ってから木津川方面へUターンするルートなので、距離的には国道1号を突っ走るほうが有利というわけだ。

Wikipedia よりキャプチャ

宇治川に差しかかる。

橋の上からは、遠景に伏見桃山城がちらりと見える。そして下を通っているのは京阪電車

架線があまり被らない側の列車を撮影したいところだったが、日差しが照りつけて辛いのでこれだけ撮って先へと進んだ。

宇治川を通過。

ここで面白いのが、宇治川を渡った途端に突然大平原が広がる景色に変わること。なんという開放感

このエリアはかつて巨椋池おぐらいけと呼ばれた巨大な池……というより、もはやがあった場所である。それを大正〜昭和初期にかけて干拓し、現在のような田地へと変えたのだという。100年前の人類、すごい。

この巨椋池跡地、個人的にかなり好きなエリアである。サイクリング中に何度か立ち寄ったことがあるが、景色がとにかくエモい。……のだが、気持ちの良いサイクリング中にわざわざ立ち止まって写真を撮ることがないため、見せられる写真を持っていないのが悲しいところである。

巨椋池跡を抜けてさらに南下すると、やがて木津川と出会う。ここでようやく京奈和自転車道に合流だ。桂川と比べてもさらに人が少なく、まさに独り占めサイクリング状態。景色も申し分なく、快適に走っているためやはり道中の写真はゼロ。

というわけで一気に進んで近鉄京都線との交差地点へ。

高架下で少し休みつつ、ちょこっと鉄分補給

で、さらに南下していくと木津川市のあたりで木津川はぐねっと東へ進路を変えてしまう。というわけで山松川という小さな川に分岐し、さらにそこから再び分岐する鹿川へ……というのが正規ルートなのだが、私はうっかりそのまま山松川を走ってしまった

なんか表示が少しバグってる

というわけで、方角を間違えたまま坂を登りきったあたりで現れたのが近鉄高の原駅。ここでようやくルートミスに気づく……と同時に、いつの間にか奈良県に突入していたことにも気づく。

で、そのまま住宅街の道路を通り抜け、ちょっとした丘を越えながら南下。

ちなみに鹿川に沿って進む正規ルートでも、このあたりは一般道をぐねぐね通るというかなりややこしい道のりらしい。というわけで、無理に京奈和自転車道を通る必要はあまりないと思われる。

平城京を訪れる

で、丘を越えると平野になり視界がひらけ、見えてきたのが平城京の大極殿である。

突然でかい建物が見えたのでけっこうびっくりした。

建物の迫力もさることながら、周りが平城京跡地として整備されているため余計なものが何もないというのが効いている。周囲に遮るものがないぶん、スケール感が倍増しているというわけだ。

駐輪場にチャリを放り込み、中へ入ってみるとこんな感じ。

かつてはこの地で儀式や政治が行われていたというわけだ。

大極門の方を見るとこんな感じ。近鉄が敷地内を見事に横切っている場違い感が逆に面白い。

ちなみに平城京跡地は驚くほど広く、こんな感じの田舎景色も見れる。

というか徒歩で周るのはだいぶキツイのではないだろうか……チャリが最強である

復元された建物や資料館などもポツポツと点在する感じだ。

敷地内には水路も。

そして大極門の方へ。門そのものは復元されており、堂々たる構えだ。

門の両脇にはかつて東楼・西楼があったらしく、現在は東楼を復元中とのことだ。ということは、そのうち西楼もできて三つ並ぶのだろう。完成したら見応えがありそうだ

で、さきほど少し気になっていた近鉄が横切る地点へ。

運行頻度はけっこう高めだった。周囲がだだっぴろい平野なので錯覚してしまうが、ここは奈良の中心地なのだ。

ちなみにここの踏切はどうやら人気の撮影スポットらしく、同じようにカメラを構える人がそこそこいた。しかも鉄オタというよりはごく普通の観光客。エモい景色というのは、人を集める力があるようだ。

その後は踏切をわたり朱雀門の方へ。

ここから大極殿方向を振り返るとまた違ったスケール感が味わえる。

そして横切る近鉄電車。

朱雀門を正面から撮ろう……と思ったのだが、このあたりはやたら観光客が多かったので絶妙なアングルに。

その後は適当に秋篠川を走り、唐招提寺へと向かった。

唐招提寺を観光

唐招提寺は、かの鑑真によって建立された由緒あるお寺だ。数多くの文化財を有し世界遺産にも登録されている。

ちなみに、中学の修学旅行で訪れたことがあるのでそのリピートである。

入口付近の雰囲気とか、メインの金堂はバッチリ記憶に残っている。

金堂は奈良時代建立の寺院本堂としては唯一現存している建物で、国宝にも指定されている。建立が12世紀も前という歴史のスケールが大きすぎて、感覚バグるなあ。

このあたりの光景は見覚えもあり「あ、懐かしい」という感想だったが……

奥の方へ行くと全く思い出せないという。当時の私は何を見て、そして何を感じていたのだろう。

祠の雰囲気がとても良い。

鑑真和上御廟へ。

ここは特に空気の密度が違うというか、荘厳な雰囲気で興味深かった。

静寂に包まれ、ゆっくりと時間が流れるような不思議な感覚があった。

あと苔がとても良い。

……といった感じで唐招提寺の観光を終え、続いて向かったのが大安寺

大安寺を観光

大安寺は飛鳥時代に創建された日本最初の官立寺院で、平安遷都以前は東大寺に匹敵する格式を誇っていたとか。

しかし現代では鉄道でのアクセスが悪いこともあり、人も少なく落ち着いた雰囲気だ。

境内には小さなだるまがたくさん並べられていて、これがまた良いアクセントになっている。

日本仏教史上の重要な役割を果たしてきた歴史を持ちながらも、どことなくローカルな落ち着いた雰囲気で趣深かった。

で、その後は奈良公園の方へ。

奈良公園を観光

ちょっと坂を登ったところで到着。

やはり一大観光地ということで観光客が非常に多く、画角には苦労した。

観光客まみれでインバウンド恐るべしという感じだが、やはり京都に比べれば落ち着いている。人が全然写り込まないような写真も撮れた。

歴史観光したいなら京都より奈良の方が良さそう……なんやかんやで穴場かもしれない

そして奈良公園と言えばもちろん……

鹿

かわいいね。

飛火野には鹿が集っており、観光客がその周りをうろうろ。ここまで広いとのびのびできて良いなあ。やはり奈良における鹿は、観光資源であると同時に地域の空気そのものなのだろう。

中には小川も流れていた。

鹿に注意の看板。

鹿をしばらく眺めた後はせっかくなので東大寺の方へ……行ってみたものの、さすがに人が多すぎるので観光はせず早々に退散。

観光客の多さに鹿もうんざりしていそうな雰囲気だ。

……といった感じで奈良公園を観光し、そろそろ帰路につく。

近鉄で京都へ戻る

京都へチャリで戻ることもできなくはなかったが、正直直射日光のダメージが蓄積しており、ここは潔く輪行することに。近鉄奈良駅へ向かい、輪行袋にチャリを詰め込む。

駅内のコンコースは修学旅行生か何かでわちゃわちゃしていたが、ホームの方は特に混雑してなかった。

で、ちょうど京都行きの特急が滑り込んできたものの、特急料金を惜しんで普通列車に飛び乗る。旅の余韻はケチりたくないが、財布はケチりたいといわけだ。

ちなみに京都~奈良の運賃は近鉄の方がJRより高い。そうなると時間的・設備的にもみやこ路快速の圧勝ではないか……と思ったが、単線が多いゆえに列車本数が限られ利便性の劣る JR はあまり使われないのだろうか。

平城京跡地を眺めながらあっという間に大和西大寺に到着。駅名標にこんなに多くの行き先が書かれているのは面白いなあ。

大和西大寺は近鉄京都線と奈良線が平面交差しぐねぐねと複雑な線形を描く、なんとも楽しい駅である。

ただ、今回はチャリを背負っているということもありあまり動き回れなかったので、ぐねぐね動く面白い列車は目撃できなかった。

というわけで急行京都行きが到着。車内はそこそこの混雑度だったが、輪行袋を置く余裕は普通にある感じ。それにしても近鉄って鈍行もクロスシートの印象があったが、京都線はオールロングシートっぽい様子。まあけっこう混雑してるからロングシートが妥当なのだろう。

道中、颯爽と走る特急列車に追い抜かれる。おそらく奈良でスルーした列車ではなかろうか。

……といった感じで前面展望を楽しみつつ、京都へ戻った。

おわりに

というわけで、チャリで奈良に行ってみた話だった。

道中の景色はかなり良く、奈良の中でも公共交通機関で訪問しづらいスポットにチャリでサクッと行けるのはなかなか快適で満足度も高かった。奈良にはまだまだ魅力的なスポットが点在しているため、また機会があればチャリで訪れてみるつもりだ。

……といったところで今回はここまで

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