川越から東武越生線・秩父鉄道・ニューシャトルを乗りつぶし、徒歩とバスを乗り継いで一筆書きで一周した話
支線と盲腸線を乗りつぶす一筆書き旅行記。少し前に東京西部の支線を一筆書きで巡るミニ旅行記を書いたが、今回はその埼玉版。タイトルで全てを説明しようとした結果だいぶ長くなってしまった。
今回のターゲットは東武東上線の支線である東武越生線と、さいたま市を走る新交通システムのニューシャトル、そして秩父鉄道の東側。ちょうど良い感じにバラけているため、来た道を折り返さない一筆書き旅行にチャレンジしてみた。ちなみに以前の記事で述べたが、私は一筆書き旅行、特に行き止まり路線である盲腸線からの脱出に異様なこだわりを持っている。
川越を出発
というわけでまずはスタート地点の川越にやってきた。

ところで川越の中心部には JR と東武鉄道の川越駅・東武だけの川越市駅・西武鉄道の本川越駅と、3つもの駅が存在する。市の中心駅としての役割は2社が乗り入れる川越駅が担っており、川越線はここで埼京線に直通する便と八高線に直通する便で系統分離されている。

その一方で観光地に近いのは西武線の本川越駅だ。JR と東武に構内乗り換えできない上に駅付近は単線になっているなど残念な待遇だが、実は歴史的には本川越駅が一番古かったりする。

まあ観光地に近いと言っても、都心からの所要時間を考えると一直線に結ぶ東上線の方が圧倒的に有利だが……。

私の場合は西武新宿線の民なので今回の旅でも本川越駅に降り立った。しかし、実は鉄道で川越を訪れるのはかなり久しぶりだったりする。というのも土休日は観光客でごった返しているので、観光地嫌いの私としてはあまり近寄りたくない土地なのである。

それにしても、川越は人混みにまみれてまで訪れたい魅力的な観光地なのだろうか……。

だいぶ微妙なアングルで撮ってしまった時の鐘。

あとは埼玉りそな銀行の川越支店。大正時代に建てられた築 100 年以上の歴史を持つ有形文化財で、現在は支店としての役割を終えギャラリーやレストランがテナントとして入っているとのこと。

……とここまで川越旅行記かと言わんばかりの勢いで写真を貼り付けてきたが、実はこの中に今回の旅行で撮影した写真は1枚もない。本川越~川越市の乗り換えがけっこうタイトな旅程だったため、写真を撮る余裕がなかったのである。
東武越生線を乗りつぶし
そんなわけで川越市駅から東上線で坂戸へ行き、越生線に乗り換えて終点の越生に近づいてきたところからようやく当日の写真がスタート。越生駅は八高線との乗り換え駅だが、この日の車内はスカスカだった。

というわけで越生駅に到着。

かつては東上線との直通列車も運行されていた越生線だが、現在はワンマンの4両編成が行ったり来たりするだけのローカル線となっている。

乗り換えの待ち時間があるため、駅構外へ出る。東口はまさしく田舎駅といった感じのロータリーが広がる殺風景だったが……

メインの西口は少し凝った駅舎となっていた。駅周辺は普通の住宅街という感じだが、関東三大梅林の1つとして水戸偕楽園・熱海梅園に並ぶ越生梅林があり、観光スポットの玄関口としても機能しているようだ。ただし徒歩でのアクセスは厳しい距離。

ロータリーにはしだれ梅が植えられており、キレイに咲いていた。

八高線に乗車
続いて秩父鉄道の乗りつぶしに向かうため、八高線のホームに入場。

八王子と高崎を結ぶ八高線だが、実態としては高麗川駅で系統分離されており、南側は4両編成の電車が川越線へ直通する一方、北側は非電化で気動車のキハ 110 系がのんびり走るという首都圏とは思えない光景が見られる。

越生は高麗川よりも北の区間。あまり整備されていなさそうなホームに駅名標のかすれ具合、なんとも言えぬエモさだ。

で、2両編成のキハ 110 系がやってきた。

八高線の非電化区間はずいぶん前に全線完乗のために乗った以来の乗車だ。外が寒い時期ということもあって、車内の温もりとディーゼルエンジンの音・振動が心地よかった。

のんびりと車窓を眺めながらしばらく揺られ、荒川を越えたところでまもなく寄居だ。荒川と言えば広大な川幅が有名だが、上流の方では一般的な川と大差ない広さだ。

で、寄居駅に到着。寄居は八高線・東武東上線・秩父鉄道の交わる一大ジャンクションだ。……といっても田舎駅なので人の往来は少ないが。

ところで、私が秩父鉄道に乗車するのは八高線の非電化区間と同じくかなり久しぶり。SLパレオエクスプレスに終点の三峰口から熊谷まで乗車したのが最後だ。この時は熊谷から JR で帰ってしまったため、熊谷~羽生の区間が未乗車のまま残ってしまったというわけだ。

乗り鉄としてはご無沙汰な一方、撮り鉄ではちょくちょくお世話になっていた。自家用車や自転車で秩父を訪れることは何回かあり、撮り鉄スポットへ撮影しに行ったことも。

秩父鉄道は私鉄としては大変珍しく定期の貨物列車を運行しており、長編成で石炭・石灰石をどこどこ運んでいる様子を見ることができる。

それにしても、写真を撮るだけ撮って鉄道会社に全くお金を落とさないなんて迷惑な奴だなあ。

……と、またしてもいきなり回想に入ってしまったが、時間軸を元に戻す。秩父鉄道のホームへ下りると熊谷方面の列車がすでに待機していたが、次に秩父方面からやってくる列車が先発するらしいのでそちらに乗車した。なぜか写真は撮りそこねてしまった。
秩父鉄道の未乗区間を乗車
道中、有名な小前田駅などに停車しながら終点の熊谷駅に到着。秩父鉄道では秩父方面から羽生まで直通する便と熊谷を境に分かれる便がある。今回乗った便は熊谷で力尽きてしまったため、熊谷始発の羽生行きを待つ。

反対のホームには 6000 系が停車していた。元々3ドアロングシートの西武 101 系を2ドアクロスシートに魔改造した列車で、急行料金の必要な急行秩父路に使われている。……が、この便は間合い運用で普通列車として動いているらしい。課金なしでクロスシートに座れる乗り得列車だ。

で、始発の羽生行きが入場……と思ったのだが、なんか普通に乗客が乗っているんだけど。というかたぶん寄居駅で隣に止まっていた列車。一体どういうことなのだろうか。

……と少々謎な事件があったものの、羽生に到着し無事に秩父鉄道の全線完乗を達成。

羽生は東武伊勢崎線の駅。隣駅は利根川を超えた群馬県に位置するため、埼玉の中でもだいぶ端の方に来たことが感じられる。

で、特急りょうもうを見送り……

普通列車で久喜へ行き、JR に乗り換えて大宮に到着。

いよいよここから本日最後のターゲット、ニューシャトルの乗りつぶしだ。
ニューシャトル乗りつぶし
ニューシャトルこと埼玉新都市交通伊奈線は、東北・上越新幹線の建設に伴って地域への見返りとして敷設され、新幹線に沿って大宮から北上し上尾や伊奈方面へ向かう路線だ。新幹線建設に対する見返りという歴史的経緯は埼京線と似通っているが、こちらは一般的な鉄道とは異なる新交通システム。

無人運転&フルスクリーン型ホームドアという構成が一般的な新交通システムだが、ニューシャトルの開業は新交通システムの中でもポートライナー(1981年)・ユーカリが丘線 (1982年) に次ぐ3番目 (1983年) となっており、設備はやや古臭い感じ。……とはいえ、今回乗車したのは最新鋭の 2020 系。車内はピカピカだった。

ニューシャトルの特徴はなんといっても新幹線の真横を走ること。窓の外を爆速で通過していく新幹線を楽しむことができる。また、東北新幹線と上越・北陸新幹線の分岐地点までは新幹線を挟み込む形で敷設されており、上下線が離れた2面2線の対面式ホームが続くのも特徴的だ。

新幹線と同じ高さを走るということで、眺望も大変良い。今回ちょうど秩父山地へ沈んでいく夕日を拝むことができたが、帰宅ラッシュで混雑していたため写真は撮れなかった。

新幹線の分岐地点まで来ると離れていた上下線は合流してなんと単線になり、東北新幹線へ別れを告げて上陸・北陸新幹線とともに北西へ。この単線区間ではワンマン運転でのドア開閉のため、右側通行で駅に進入する。

……といった感じで終点の内宿駅に到着。ニューシャトルの全線完乗を達成した。

駅は大変簡素な作りとなっており、この画角だと手前の公衆トイレを駅舎と勘違いしてしまうほどだ。

周辺には商業施設などもなく住宅地が広がっているだけ。ロータリーも寂しい雰囲気だ。

で、内宿駅は他の路線と接続しない行き止まり駅なため、基本的にはそのまま大宮駅まで往復しなければならない。ニューシャトルは完全な盲腸線というわけだ。……がしかし、来た道を戻りたくない原理主義者としてはここからいかに脱出するかが腕の見せどころだ。
ニューシャトルからの脱出
というわけで、個人的にはここからがようやく本編といった感じ。ちなみに前述の通り、ニューシャトルの複線区間は上下線が離れているため車窓からの景色はだいぶ異なるほか、大宮駅では珍しいループ線を経験できるため、内宿駅から脱出するのが合理的かと言われると全くそんなことはない。この記事の存在意義が怪しくなってきた……。

で、内宿駅を出るバスを待つ……と言いたいところだが、まさかの休日運休。仕方ないので住宅地をとほとほ歩いていく。

これぞ埼玉郊外といった感じの道路を約 1.8 km ほど、 25 分くらいかけて歩くと……

小針領家バス停に到着。ここから桶川駅行きのバスが出ており、便数は休日に1時間2本ペース、平日になるとさらに増えるようで利便性はそこそこ良い。

それにしてもまあ完全に車社会。

街灯の明かりも大変暗く、畑の横にぽつんと設置されたバス停は「本当にこんなところにバスが来るのだろうか」と不安になる佇まい。ただ、至近にはミニストップがあるため発車時刻まではそちらで待つのが良いかも。実際、発車時刻ちょっと前になって地元民と思われるおじいさんがやってきた。

で、バスに乗ってからはあっという間に桶川駅の東口に到着。ちなみに「歩くのは嫌!」という場合は、内宿駅から1つ戻った羽貫駅から上尾行きのバスが出ているのでそちらを使うのが良いだろう。徒歩で羽貫駅に行く場合も今回のルートよりは短い距離で済む。

で、桶川駅から JR で普通に帰宅……というのは面白くないので、改札を華麗にスルーして西口へ。ここから川越行きのバスに乗車する。

桶川~川越は県道12号線をほぼ1直線に走るルートで、信号もあまり多くないためけっこうなスピードでぶっ飛ばしてくれる。需要は少ないのか、桶川を出てしばらくするとほぼ貸切状態。道路周辺の明かりも少なく、車窓からは道路に沿って等間隔に続く街灯の光が幻想的に輝いていた。そんな景色を静まり返った車内からぼんやり眺めていると、まるで異世界へと向かっているような不思議な感覚があった。
……といった感じでバスの乗り継ぎ旅を楽しんでいると、少しずつ明かりが増え始めバス停でもちょくちょく人が乗ってくるようになった。川越市街に入ったわけだ。本川越駅のバス停で下車し、西武新宿線で帰路についた。
おわりに
というわけで、埼玉県の未乗路線をいろいろ乗りつぶしながら一筆書きルートを楽しんだ旅行記だった。最後に利用したニューシャトルからの脱出は、すでに述べたように全く合理的なルートではないものの、けっこう面白かったのでもし気になったら参考にしてみてほしい。また、桶川駅だけでなく上尾駅でも川越行きのバスが出ているため、徒歩移動を減らしたい場合は上尾経由のバス乗り継ぎもおすすめだ。
……といったところで今回はここまで。
