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Wi-Fiルーターだけで個人を99.5%特定できる手法

Wi-Fiのビームフォーミングフィードバックが暗号化されていない責任は、ルーターメーカーではなくIEEEにある。規格そのものに組み込まれた仕様が、市販ルーターを監視装置に変える研究結果がACM CCS 2025で発表された。

197人を対象にした検証で 99.5% の識別精度。特殊な機材は不要で、対象者がWi-Fi端末を持っている必要すらない。

半導体では量子ビットがEUV製造ラインに乗り、ファーウェイはEUVなしで1.4nm相当の設計原理を打ち出した。CEOの99%がAI人員削減を予想するなか、削減とROIに相関がないというデータも出ている。中国はGPUを自前で作り始め、AI人材の海外渡航を許可制にした。

量子ビットが半導体工場のラインに乗った

ベルギーの半導体研究機関imecが、High NA EUVリソグラフィで量子ドット量子ビットデバイスの製造に世界で初めて成功した。ASMLのEXE:5200(約4億ドル、世界に12台未満)で作られたこのデバイスは、ゲート間隔わずか6ナノメートル。理論上は100万個規模の量子ビットを1枚のチップに集積できる見通しが立った。

imec

量子コンピュータのハードウェアと次世代AIプロセッサが、同じ製造装置から出てくる。半導体ロードマップ上の具体的なマイルストーンになり始めた。

imecが製造したのはシリコン量子ドットスピン量子ビットと呼ばれるタイプだ。CMOSプロセスとほぼ共通の製造手順で作れるため、TSMCやIntelが使っている既存のラインをそのまま活用できる。超伝導方式やイオントラップ方式が専用設備を必要とするのに対し、量産化で構造的に有利だ。

ファーウェイの半導体事業部門トップであるハー・ティンボ氏も、IEEE ISCASで τスケーリング法則 を発表した。トランジスタの幾何学的な微細化ではなく、信号がチップ内をどれだけ速く伝搬するかを新たなスケーリングの軸に据える設計原理だ。

EUV露光装置を使えないファーウェイは、回路を垂直に折りたたむLogicFoldingアーキテクチャで従来比 53.5% のトランジスタ密度向上を主張している。2026年秋投入予定の次世代Kirinチップで 238 MTr/mm² に達するとされ、現行Kirin 9030 Proの125 MTr/mm²からほぼ倍増にあたる。2031年に1.4nm相当の集積度を目指すが、独立した第三者の検証はまだない。秋に出る次世代Kirinチップの実測値が検証材料になる。

AMDもZen 7のサプライチェーン準備を前倒しで進めている。CCDにTSMCのA14(1.4nm)プロセスを採用する見通しで、リサ・スー氏がCOMPUTEX直前に台湾のパッケージング大手・力成を訪問した。次世代3D V-Cacheで1 CCDあたりL3キャッシュ最大 224MB という数字も出ている。2028年の投入が見込まれる。

脆弱性は規格の中にあった

カールスルーエ工科大学の研究チームが発表した「BFId」は、Wi-Fi 5以降のルーターが送信するビームフォーミングフィードバック情報(BFI)を傍受し、部屋の中を歩く人物を識別する手法だ。BFIはMAC層で暗号化されておらず、モニターモードのWi-Fiアダプタ1台で全端末のデータを同時に記録できる。

従来のCSI方式(精度82.4%)と比べ、BFIは1データポイントあたり 740 の特徴量を含み、精度は99.5%に達した。対策としてBFIの暗号化が考えられるが、Wi-Fi規格の変更が必要になる。既存機器との後方互換性も失われるため、すぐには実現しない。IEEEが2025年に発行した802.11bf(Wi-Fiセンシング標準化)にも、研究チームはプライバシー保護が不十分だと指摘した。

15年前に発行されたセキュアブート証明書が、6月から順次期限切れを迎える。最初に失効するKEK CA 2011は 6月24日 。放置してもPCは起動できるが、ブートマネージャーのセキュリティ更新が恒久的に停止する。Microsoftは2023年版への移行をWindows Update経由で段階的に進めているが、企業向け環境では一括適用が非推奨とされ、ハードウェアごとのテストが求められている。

7-Elevenのフランチャイズ文書管理システムもSalesforce環境の設定不備を突かれた。犯罪グループShinyHuntersが 18万5000人 分の個人情報(SSN・運転免許証番号を含む)を窃取し、身代金交渉の決裂後にダークウェブへ公開した。ShinyHuntersは同じ手口で欧州委員会やVimeo、ADTなど数十社を攻撃しており、Salesforce Experience Cloudの権限設定が構造的な弱点になっている。管理者がゲストユーザーの権限を能動的に絞らなければ、データは外から見える状態のまま放置される。

人を減らしてもAIのリターンは増えない

マーサーのGlobal Talent Trends 2026で、最高経営層825人のうち 99% が2年以内のAI人員削減を予想した。オリバー・ワイマンの調査ではジュニアレベルの採用縮小を計画するCEOが前年比2.5倍の43%に急増している。

ガートナーが年間売上10億ドル超の350社を調べた結果は、この方向性を否定している。AI導入後に人員を削減した企業は約 80% に達したが、削減率とROIの間に相関は確認されなかった。高いROIを報告した企業に共通していたのは、人を減らすことではなく、人にAIを使わせる投資(スキル向上と職務再設計)だった。

マーサーの同じ調査では、「仕事で活力を感じている」従業員が2024年の66%から 44% に急落。コロナ禍の水準をも下回った。CEOの53%がROI評価は「まだ時期尚早」と答える中で、人だけが先に減っていく。ガートナーは2027年までにAI起因の削減を行った企業の半数が、同じ職務を別の肩書きで再雇用すると予測している。

中国がAI人材の出国を許可制にし、イランが87日ぶりにネット遮断を解除する

中国のGPUメーカーLisuan Tech(砺算科技)が初のゲーミングGPU「LX 7G100」をJD.comで予約開始し、48時間で 3万件 を突破した。性能はGeForce RTX 3060水準、価格はRTX 5060 Ti並みの485ドル。純粋なコスパでは選ぶ理由がないが、WHQL認証を中国企業として初めて取得し、Moore Threadsの初期製品より完成度の高い状態で発売された。

Lisuan Tech

同時に、中国当局がアリババやDeepSeekなど民間企業のAI開発者に海外渡航の事前承認を義務づけ始めた。従来は国有企業職員が対象だった制限が民間に拡大された。DeepSeek創業者の梁文鋒氏は2025年のパリAIサミット招待を辞退している。技術はオープンソースで世界に公開しながら、技術者の出国は制限する。この食い違いが広がっている。

イランではインターネット接続が復旧に向かっている。ペゼシュキアン大統領が 87日間 続いた国際インターネット遮断の解除を通信省に命令した。NetBlocksの推計で経済損失は26億ドル。約9000万人の国民の大半が、87日間にわたって国際的な情報経路を断たれていた。ただし革命防衛隊系メディアは大統領の権限に疑義を呈しており、命令が実行されるかは流動的だ。

USB4ケーブル1本のデータ転送と、カリフォルニアの年齢確認免除

IntelのThunderboltメンテナが、USB4/Thunderboltケーブルで2台のPCを直結し、ネットワーク設定なしでデータを流す USB4STREAM プロトコルのLinux実装を進めている。キャラクタデバイス(/dev/tbstreamX)として実装され、read()とwrite()をサポートするアプリケーションならそのまま使える。Linux 7.2でのマージが見込まれる。

カリフォルニア州ではOS年齢確認法(AB 1043)に対するオープンソース免除法案AB 1856が第3読会に進んだ。「複製・再配布・改変を許可するライセンス」で配布されるOSを定義から除外する文言が含まれ、GPL・MIT・Apache Licenseの大半のLinuxディストリビューションが対象外になる見通しだ。6月の委員会審査を控えている。

ValveのSteamOSはLinuxベースだがプロプライエタリなSteamクライアントを同梱しており、免除の対象に入るかは判断が分かれる。

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Wi-Fiの規格仕様もセキュアブートの証明書もSalesforceの権限設定も、設計された時点では十分だった。十分でなくなったことに最初に気づくのは、設計した側ではなく外部の研究者か攻撃者だ。

次の規格が書かれるとき、この順序は変わるのだろうか。

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