忙しいのに進まない、を終わらせる|まずは2枠で回す「1ミリ」習慣
はじめに:忙しいのに進まない、を終わらせる
「やっておくべきことが、今日も進まなかった」──そんな人へ。
この記事では、今日から5分でできる"2枠の回し方" を、手順3行でお伝えします。
ノートと鉛筆だけで始められます。アプリも計画も、まだ要りません。
ToDoを増やすほど安心するのに、気づけば急ぎのことだけで一日が埋まっていく──そのループを抜け出す方法が、2枠(A/B)の仕組みです。
それではやってみましょう!
今日からやること、3行
ノートを開いて、A枠(今日片付ける急ぎの用事)とB枠(重要だけど後回しにしがちなこと)の2つを書き出す
B枠は「5〜10分でできる1ミリ」に縮めてから、A枠・B枠の両方を実行する(Bは完璧じゃなくていい)
やり終えたら、枠ごとに1行だけ「今日何が進んだか」を書き残す(=成果メモ)
「A枠・B枠って何?」と思った方へ、順番に説明していきます。
2枠(A/B)とは?
A(火消し)
今日片付ける必要がある用事(仕事・家事・連絡・締切など)を進める枠
「重要でも重要じゃなくても、緊急な」タスクで、普通のToDoリスト
仕事・家事・連絡で、締切が近いなど、その日に片付けるタスクです
B(未来への1ミリ)
重要だけど後回しにしがちなテーマを、5〜10分に切って進める枠
「重要だけど、緊急じゃない」タスクです
将来効いてくる準備・改善・学び・積み上げなどのタスクです
Bは、防災の準備や終活など、"大事だけど正解がなくて手が止まるテーマ"を、たとえば、
『家族の災害時連絡ルールを1行書く』
『重要書類の置き場所を1つ確認する』
のように、今日できるサイズ(1ミリ)にして進めます。

そして、Aがどれだけ重い日でも、Bをゼロにしないことです。
作業を5〜10分に縮めているので、出社日でも飲み会帰りでも"すき間時間"を活用できます。
さらに、Bは、Aを減らすことにもなります(理由は、次の、火消しの種類の話で補足します)
2枠が回り始めたら、楽しいこと枠や、やりたいこと枠などを増やして育てていけます。
記録が溜まって振り返れるようになると、Notionのテンプレ活用で、この仕組みごと持ち運べる形にできます(続きは次回以降をお楽しみに!)。
火消しは2種類ある(減る火消し/減らない火消し)
「Bが進むほど、Aの急ぎが減る」ことがあります。その理由は、Aには2種類あるからです。
減りやすいA:予防できる火消し
準備不足/情報不足/段取り不足が原因の当日バタつき
例:持ち物が決まってない/資料が散らばってる/手順が曖昧で手戻りが起きる
減りにくいA:突発の火消し
事故・トラブル・割り込みなど(ここはゼロにはならないので、Aとして割り切る)
つまり、Bは「未来を良くする」だけでなく、未来の火消しの種を先に潰す1ミリにすることが、コツです。
そもそも、B枠は、「重要だけど、今日じゃなくても困らない」からこそ後回しになりがちです。
でも、ここを少しずつ進めると、数日〜数週間後に A枠として噴き上がるかもしれなかったものを“未然に防ぐ”ことができます。
例えば、
ケース1:家の書類が散らかっていて、たまに大爆発する
B(未来への1ミリ):
「保険書類」の置き場を決めて、ラベルを貼る(5〜10分)
例:クリアファイルに「保険」と書いて、そこに今日見つけた書類を入れておく
しばらく後に起きるA(火消し)が減る:
更新・請求・確認のたびに「あれどこ!?」が起きないので、探し物の火消しが起きにくく、或いは起きても小さくなる
ケース2:防災を後回しにしていて、いざという時に家族が迷う
B(未来への1ミリ):
家族LINEに、集合ルールを書いて家族に送る(5分)
例:『災害時は LINE→電話→171。集合は ○○公園。』
しばらく後に起きるA(火消し)が減る:
当日の混乱・確認の電話・探し回ることが減って、「その場の火消し」が起きにくくなる
ケース3:返信が遅れがちで、催促が来てから慌てる
B(未来への1ミリ):
「連絡受領→期限回答」テンプレを作っておく(5分)
例:『確認します。明日17時までにお返事します。』と返信して、A枠にリマインドを記載
しばらく後に起きるA(火消し)が減る:
催促が減り、急ぎの返信にならず、1日の割り込みが減る
ポイントは、B枠を未来にA枠となる“火種”を先に弱める投資にすることです。
チャート化すると、こんな感じです。

そもそもB枠が進まないのは、面倒だから(でも、始めれば動き出す)
頭では重要な「投資」と分かっていても、B枠はたいてい“面倒なこと”です。やらないと進まない。
でも、大丈夫。逆に考えれば、やれば進むのです。
コツは「気合い」ではなく、始めやすい形に“設計”することです。
道具を出しておく/最初の1行だけ用意する、みたいに“着手のハードル”を下げるとBは動き始めます。
問題は、面倒なことは始めるときに一番エネルギーが要ることです。
だからBを1ミリ(5〜10分)に切ります。
そして一度動き出すと、5分のつもりが「もう少しだけ」になって、意外と先まで進みます(面白くなって夢中になることもあります)。
夢中になりすぎると、B枠が伸びすぎて、A枠が押される日もあります。
でも、そんな日は「B枠が前に進んだ日」としてOKにしましょう。
本当にその日にやらないといけないことは、意外と少ないことが多いものです。
それを何とかやり切って、それ以外は翌日のAにすれば、何とか乗り切れます。
よくある質問
ここで、みなさんが感じやすい不安に先回りして答えます。
Q1. Bは1ミリで、本当に最後は全部終わるの?
──これが、みなさんが一番感じやすい不安だと思います。
答えは、1ミリは"完了させる魔法"ではなく、"あゆみを止めない仕組み"です。
なので、毎回の1ミリが直接ゴールに繋がっていなくても大丈夫。大事なのは「止まらない」ことです。
ただし、「動いたけど、その方向で本当に合っているのか」と不安になることがあります。
これを防ぐために、週1回だけ “方向修正” を入れて、「次の3手」を決める。
方向修正の例としては、以下のようなものがありますが、これもB枠なので、考え過ぎずに5〜10分でOKです。
進み具合を振り返って軌道修正する例
先週は資料集めに時間がかかりすぎた。今週は既存の資料だけで構成案を作る方向に切り替える
優先順位を見直す例
防災の備蓄リストを作っていたが、家族との連絡ルールが先に必要だと気づいた。次の3手は連絡手段の整理に変更する
ゴールを再確認する例
記事の構成が複雑になりすぎている。読者に伝えたい核心(例えば、2枠で回す仕組み)に絞って、次の3手を『導入→最小手順→具体例』に組み直す
一般的には「最初にゴールを決めて、綿密な計画を立てて、計画通りに進める」のが理想ですが、実際にはそれが難しいことが多いと思います。特に忙しい日常では、完璧な計画を立てる時間すらないことが多いです。
なので、このアプローチでは、
完璧な計画は後回しにして、まず「できるところから少しずつ」始める
週1の「次の3手」で方向を微調整しながら進める
つまり、「計画→実行」ではなく「実行しながら計画を修正」する形です。
動き始めてから見えてくることも多いです。最初から完璧を目指さなくても、1ミリずつ進めることで、結果的に迷子にならずにゴールに近づけます。
なお、明らかに破綻しそうなら週1にこだわらずに“臨時で見直し”してOKです。
Q2. 平日でも本当に回るの?(出社日でも?)
5〜10分に縮めることが前提なので、帰宅後のすき間や移動中にも入れ込めます。「完璧にやれる日を待つ」より「毎日1ミリ続ける」方が、結果的にずっと速く前に進みます。
Q3. なぜ「5〜10分」なの?
「5〜10分」に削るのは、短すぎると「準備で終ってしまって、キリがいいところに至れない」ことが多く、長すぎると「今日は無理」と先送りになりやすいからです。
5〜10分は、忙しい日でも、なんとか入れ込みやすく、かつ「ちゃんと前に進んだ」実感が残る"最小の現実ライン"になりやすい時間なのです。
Q4. なぜ「次の3手」なの?
1つだと詰まった時に止まってしまい、4つ以上だと「どれから?」で着手前に迷います。
3つなら、
1つ詰まっても2つ残る(最小のバックアップ)
「まずこれ・次これ・最後これ」と週の中で自然に並べられる
疲れている日でも、頭の中にちゃんと収まる
「人が一度に扱える情報は7±2個程度が限界」という記憶の研究がありますが、それも体調や疲労で大きく減ります。
少なすぎず、迷わない——3つはその最適値です。
この「毎日=1ミリ」「週1=3手の計画」のセットで、"動き続ける"と"方向を見失わない"を両立しやすくなります。
Q5. 具体例を教えてください。
1ミリを「計画(方向を決める)」と「実行(手を動かす)」のペアに分けて、3つ紹介します。
例1:防災(備蓄の見直し)
計画の1ミリ(週1):
備蓄テーマの「次の3手」を書く
例:①水 ②食料 ③薬
実行の1ミリ(毎日):
備蓄リストを1行だけ更新
例:水は2L×6本を納戸に備蓄
例2:終活(重要書類)
計画の1ミリ(週1):
「最初に揃える3点」を決める
例:保険/年金/通帳
実行の1ミリ(毎日):
書類の置き場所を1つだけ確認して1行メモ
例:保険書類は書斎本棚の一番右の引出し
例3:記事づくり(この原稿)
計画の1ミリ(週1):
見出し「具体例」で、「その下に書く3例」を箇条書きする
例:防災、終活、note投稿記事
実行の1ミリ(毎日):
「防災」の具体例について書く
上の3例のように、「計画の1ミリ(週1)」で方向を決めて、「実行の1ミリ(毎日)」で前に進めるのが基本形です。
まとめ
最後に、この記事のポイントを3つに絞ってまとめます。
A(火消し)はゼロにできない。それでも、B(未来への1ミリ)はゼロにしない。
忙しい日は、Bを「5〜10分に縮めてOK」。
火消しには2種類ある。
段取り不足・準備不足をBで解消していくと、Aが減っていく。
突発の火消しは減らないので、割り切ってAで対応する。
週1回だけ、計画の1ミリで「次の3手」を決める。
1ミリが迷子にならず、「ちゃんと前に進む」方向に軌道修正する。
まずは、Bをゼロにせずに、1週間やってみてください。
1ミリが積み上がるほど、未来の火消しは少しずつ、でも確実に減っていきます。
そして本来の目的だった「重要だけど緊急じゃないテーマ」も、じわじわ成果が現れます。
「忙しいのに進まない」は、AとBを毎日回すことで、少しずつ終わらせていけます。
次回は「2枠をNotion上で動かす、最小手順」を紹介します。手書きで慣れてきたな、というタイミングで読んでください。
付録:通しの具体例(3日+週1のイメージ)
最後に付録として、3日+週1の"回し方の実例(失敗→リカバー→設計)"を置きました。
※記事本文は無料です。付録は現在期間限定で無料公開中です。有料化の日程が決まったら、この記事内でお知らせします。
Day1:いつもの日(Bを5分だけ入れる)
A(火消し):
午前中締切の返信メールを1本
夕方までに提案資料を1つ確認
B(未来への1ミリ):
防災ノートに「家族連絡フロー」を1行追記(5分)
成果メモ(1行):
Aは予定通り
Bは『防災:連絡フローを整えた(LINE→電話→171、長期戦は3日以降)』
Day2:Bを始めたら夢中→Aが押された日(でもOK)
A(火消し):
当日の用事の合間に時間ができたので、Bを行っていたら夢中になってしまい、メールの折返し返信が1本だけ残ってしまった。
時間がないので、以前、B枠で作った返信テンプレを使って翌日へ回すチャットだけ入れておいた。
B(未来への1ミリ):
連絡フローを整えていたら、つい「171への切替条件と登録手順」まで書きたくなって最後までやっちゃった
成果メモ(1行):
Aはメールの折返し返信1件を翌日回し、それ以外は予定通り
Bは『防災:171の切替条件と登録手順まで書けた』
Day3:Aをリカバーしつつ、Bはゼロにしない日
A(火消し):
昨日残ったメール返信対応
当日の用事を片付ける
B(未来への1ミリ):
防災ノートに「家族への共有文(コピペ用)」を用意(5分)
成果メモ(1行):
Aは予定通りにリカバリ
Bは『防災:家族LINEに貼れる文を1つ作った』
週1(5分):方向修正(次の3手)
A(火消し):
いつも通り当日の用事を片付ける
B(設計の1ミリ):
次の3手を決める:
①家族LINEに貼る
②反応をもらう
③171の手順に沿って録音テスト日を決める
成果メモ(1行):
Aは予定通り
Bは防災に関する次の3手を、1ミリに縮めて整理した
ポイントは、Bを「手を動かせる1ミリ」に落とすこと。
始めるまでがいちばん面倒ですが、いったん手をつけると動きだします。
